ルパパト: リュウソウジャーVSに向けての心配
リュウソウジャーは、考察交えて感想書くのが個人的にやりにくいかなと感じて書かなくなってはいるけど視聴はしてる。
で、21話22話を見て、気が早いけどvsルパパトの事を考えた時に改めていくらか心配になってきたので、今回はその事について。
■死者が蘇ることに対するスタンス
リュウソウジャー21話22話には、生者の魂を奪い代わりに死者を蘇らせるマイナソーが登場した。
マイナソーを倒せば蘇った人達も消えてしまう。その中には、アスナの師匠であるマスターピンクもいた。
マイナソーを倒して良いのかという葛藤の中、カナロが大事な人との死別について
「さよならじゃないだろ。ここ(胸の中)にいつもいる。会いたいと思った時に、いつでも会える」
と言った。誰を失った経験から来た言葉かは現時点ではわからないけれど。
そしてリュウソウジャー達はマイナソーを倒す事を決心し、アスナもマスターピンクが再び死者に戻る事を受け入れた。
また箱マイナソーの回でメルトも、マスターブルーの幻?に遭遇した時には「マスターが生き返る事を望んではいない」みたいな事を言っている。
つまりリュウソウジャーの世界観倫理観ではそれが正解なんだね。
それはごく真っ当だと思いながら、だけどルパパトとのvs(あると思うけど・・・)の事を考えると、私にとっては不安材料になってしまう。
ノエルはルパンコレクションを全部集めて、ギャングラーに殺された大事な恩人アルセーヌを蘇らせようとしている。
FLTでリュウソウジャー達は、ノエルの願いが何かはわからないまま気にかけ応援してくれた。でもそれが死者蘇生だと知ったらどう思うだろう?
リュウソウジャー達にとってマスター達も、ノエルにとってのアルセーヌに匹敵するような大事な存在だったと思う。
でも彼等は取り戻したいという素振りは見せずに平和のために戦っている。取り戻す方法なんてないと思っているからかもだけど。
もちろん、死者が生者の命と引き替えに蘇るなんて許されないというのは、リュウソウジャーに限らずどんなヒーロー番組でも共通のはず。
またルパンコレクションを全部集めて願いを叶える方法が何らかの代償、特に人的被害を伴うものかどうかもわからない。
だけど、たとえ何も犠牲にしないで蘇らせる方法があったとしても、メルトやカナロの言葉からは、それに対して否定的なのかなという印象も受けてしまう。
そうなんだとして、そのスタンスは正しいのかもしれない。
だけど、私はリュウソウジャーのその「正しさ」が、ノエルの願いを単に否定するだけの展開になってしまわないかと恐れて、そうならないように願っている。
■ピンチやトラブル作りに利用されやすい立ち位置?
もっとも実際のところ、リュウソウvsがどんな物語になるかなんて現時点ではわからないのに今からこんな心配をしているなんて我ながら何やってんだかと思う。
全然別の展開になったっておかしくない。
ただ、既に大事な人達を取り戻した魁利達ルパンレンジャーの、最終回後の活動目的であるノエルの願いが、vsの物語に組み込まれる可能性は決して小さくないんでは?って気もしている。
そして
「願いを叶えたい、でも叶えられていないノエルって、その思いを敵に利用されてしまう展開も作りやすい立ち位置じゃない?例によって一人で快盗も警察も巻き込みやすいし」
とも思わずにいられなくて、勝手に戦々恐々とし始めてる。
なんせ私は以前
ルパパト: ダブルレッドの足の下 ~ノエルが人間ではないことの意味~(長文)
https://kiuix.hatenablog.com/entry/2019/04/13/210155
の記事でも長々書いたけど、本編終盤から最終回にかけての
<あれもノエルが悪い、これもノエルのせい>
という扱われ方にダメージが蓄積していて「ノエルのせいアレルギー」(苦笑)みたいな感じになっちゃってるもんで、リュウソウvsまでそうなった時にもうこれ以上耐えられる自信がないんだよね(汗)。
ノエルの願いを永遠に放置されたまま
「綺麗に終わったね」
「想像の余地を残したVS続行サイコーだよね」
と言われるのは私には辛い。
だけど、「実はノエルの願いは、VSで他戦隊の正しさの踏み台にされたり敵に利用されたりするために残されていたんだ」ってことになってしまったら、それもやっぱり悲しい。
心配の先走りや取り越し苦労かもしれないし、むしろそうであって欲しいよ。
だけどと言うかだからと言うか、たぶんまだ本格的な制作にかかる前だろう今のうちに、そういう展開がもう限界な人間もいると小さくても声をあげて起きたい気持ちがある。
それでももしそういうポジションに置くのなら、「スーパー戦隊最強バトル」のルカみたいに十分な活躍の描写等で埋め合わせをして欲しい。
ルパパト本編のノエルのフォローは私の目には不十分すぎた。
ピンチ作りに利用されやすい一方で、その挽回の為に単独で尺を使い辛い立ち位置なのかもだけど、だとしたら余計に、その代わりとしてノエルのスピンオフを作って欲しいって気持ちが増す。
さらに、ルパパトキュウの円盤が届いて改めて見直しても、やっぱりノエルは本気で警察からビークルを奪おうとしているとしか見えず、物語のために<警察への思い>というノエルのキャラの根幹の半分はねじ曲げられたと思わずにはいられなかったから尚更、これから作るものはもうちょっと何とかなりませんか?って言いたくなってる。
■vsよりはルパパトの物語で
もっともこれまで戦隊の最終回はルパパト以外でも、vsを意識して物語を作りやすいようにか、敢えて戦いは終わらない的なendとなるケースもあった。
例えばゴーオンジャーでは平和な日々が戻ったある日、ガンマンワールド侵略の知らせを受けて出発end、ゴーカイジャーでは皇帝を倒し平和になった地球からザンギャックの本星に向かうendで、それが次戦隊とのvsに繫がっている。
そう考えると、リュウソウvsでも、本編で決着が着かなかった事柄を扱うのはむしろ当然なのかも。
ただ頭ではそう考えても、私には割り切れない。ルパンコレクションの秘密はルパパト本編の2話という序盤から提示された物語を貫く大きな謎でもあり、最終回やその近辺で提示された新たなターゲットとは一緒に考えられないもんな。
私にとってはコレクションの謎はたぶんゴーカイジャーの「宇宙最大のお宝」の謎に近い。
この物語の主人公はダブルレッド特に魁利で主題はvsだとしても、ノエルだって追加戦士というメインメンバーなんで、その彼の悲願のかかった事柄は単なる舞台装置と見ることはできないし、本編でスルーしてvsで扱うには私には本筋すぎる。
あくまでルパパト単体の物語の続編としてお願いしたいよ。
■警察との関係性もvsよりスピンオフで
最後に、パトレンはノエルの本当の素性や取り戻したい人を知ってるの?知らないままなの?
っていうのは、
ルパパト: ファイナルライブツアー(FLT)第1部(2.感想 長文)
https://kiuix.hatenablog.com/entry/2019/07/21/010623
でも書いたけど、最終回見てもわからなかったし、更にFLT見てもわからないままだった。
私にとってはノエルが人間かどうかよりずっとずっと重要事項。
で、まさかリュウソウvsで圭一郎達がノエルの願いを知るなんて展開になったら、そっちのインパクトが大きくてリュウソウメインのお話にならない可能性すらあるんじゃないかと思う。
個人的にも、最終回でもFLTでもぼかされたままの警察とノエルの大事な部分がどうなってるのか知るのが現行戦隊とのvsになるのは避けたい。
だけど、そのあたりを曖昧にしたら、またFLTみたいに警察がノエルに踏み込まないまま物語が終わってしまう可能性もないかな?
そんな状態でもちゃんと話が作れないってわけではないかもだけど、理想はその前にスピンオフで見せて欲しいと思う。
それは本当にもう無茶ぶりでしかないんだろうか。