キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー44話感想: 追加戦士の願いが叶う日

征服が進まない上にステイシーという反逆者まで現れて、すっかり萎えてるボッコワウス。ゲゲにも「最近は甘えてくれなくなった」と愚痴。甘えゼロの低い声で「そうか?」というゲゲには自覚がない。

と思った瞬間、目の色が変わって突然甘え口調に変わる。

ステイシーを乗っ取った何者かの意識が、ボッコワウスの言葉に素早く反応してゲゲの体に戻ってきたってこと?

体を乗っ取り反逆者に仕立て上げたステイシーが今、トジテンドパレスにいるとは思えない。ということはこの何者かの意識は、並行世界間を一瞬にして移動出来るし、別の世界にいても元の体の置かれている状況をリアルタイムで把握出来ることになる。

ますますややこしいし、得体が知れないな。

甘え口調のゲゲは「使ってみたいギアがある」と早速ボッコワウスにねだる。前回ゾックスに要求されたことをもう実行に移して、仕事が早いな。

・・・ところで、甘えてくれないゲゲ、つまり何者かが乗っ取らない本来の低い声音クールな口調愛想や媚なしのゲゲ本体に、どれだけボッコワウスを惹きつけ愛される素養があったのかはちょっと気になる。「儂の可愛い」は外見も気に入ってはいるんだろうけど、ボスのお気に入りの座はこの何者かがしたたかにボッコワウスの機嫌をとることで盤石にしている感じもして。既にお気に入りのペットだったから乗っ取ったのか、元は無愛想なキカイトリの体を乗っ取りボスに気に入られたのか。

 

こっちの世界では界賊一家がキカイたこ焼き屋で半額のキカイたこ焼きを堪能しているところに、ガオーンとブルーンも合流。出没場所は違っても、この屋台はすっかりゼンカイメンバーたちが集うもう一つの社交場になってる。

そこにいきなり鉄球が飛んできて、SDワルドが登場。顔に思い切りSDと書いてあり、これがゾックスたちがずっと探してきたSDトピアのギアだとわかりすぎるほどはっきりわかるデザイン。

正直、意外と早く来たな、という感じ。いやもう44話なら十分終盤なんだけど、呪いを解いたら双子が人間に戻りゾックスの戦力ダウンになるから、もしかしたら最終決戦の後にSDトピア解放になる可能性もあるかなと思っていたから。

SDワルドの攻撃を食らうと、体がリッキーやカッタナーと同じく小さくSD化してしまう。周辺にいた人々と一緒に、ガオーンとブルーンもその餌食に。そしてやっぱりここにももはやお約束のスーさん(笑)。

介人ジュランマジーヌも駆けつけるも、マジーヌとジュランが続けてSD化。更にフリントを庇ってゾックスのギアダリンガーも小さくSD化されて変身が解けてしまう。

一人戦闘不能を免れている介人がダイレンジャーのキーで謎の列車を出し、その場から皆を逃がす。以前のドリル工事といい、ダイレンジャーのキーから出てくる技はいつもシュールで、未見なせいで拳法の戦隊というよりヘンテコなイリュージョンを繰り出す戦隊というイメージが私の中で大きくなっていく(笑)。絶対間違ってるのは承知だけど。

 

介人たちの避難先にゲゲイシーが現れ、SDワルドを送り込んだのは自分だとアピール。界賊の探しているギアがSDトピアのものだとは知らなくても簡単に推理出来たとのことで、別の並行世界であるSDトピアにも海賊トピアにも妙に詳しい。次の45話まで見た後だとなるほどと思うしかないけど、この時点では深まる謎、だった。

ゲイシーの狙いはわからなくても、ゾックスたちにとってはリッキー&カッタナーの呪いを解くための絶好のチャンス。ただし、皆で力を合わせてというフリントたちをゾックスは「お前らがいると俺は本気だせねえ」と拒絶し、変身できないにもかかわらず全部一人でカタを付けようと出ていってしまう。

 

後を追おうとする介人だけど、SD化された上に戦闘の巻き添えを食って遠方に吹っ飛ばされた人々のいろんな受難がセッちゃんから告げられ、ひとまず回収を優先。

小さくなった体が小川に落ちて流されたり、子供に拾われて玩具と間違えて遊ばれたり、ネットに引っかかったり。そんなのを地道に回収して救うのもヒーローのお仕事。体はそんな風に変えられても意識があるなら、そんな目に合わされ続ける苦痛と恐怖は自分の身に置き換えると相当なもののはずで、軽視しちゃいけないんだよね。寿司ワルドの握られたまま一晩過ごす人々の苦痛を思い出した。

そして子供たちにしてみれば、玩具と思って弄っていたら、それ本当は今も意識のある人間だよと告げられるのは、どんな気持ちだろう(汗)。

 

回収作業の途中に介人は、SDワルドを探すゾックスを見つける。「俺のことはすっごい助けてくれたじゃん!」と訴える介人にゾックスは、自分の父親が自分を守って死に、一家の長として家族を守る責任を託されたことを話す。譲れない誇りでけじめだと。「功を助けた礼のつもりなら、手を出さずに黙って見てろ」というゾックスに「狡いじゃんそんな言い方」と介人。

ここは正直、今になって慌ただしくゾックスの言葉だけ説明するんじゃなくて、もっと早く見たかったかもなあ。後述するけど、12話と今回の間のどこかで。

ゾックスは立ち去り、そこに風船にくくられて空を漂うブルーンが助けを求めて、介人はまたその隙にゾックスを見失う。

あのぐるぐる巻き具合は絶対子供が拾っていたずらで巻き付けたな(笑)。そして画面の外で風船が割れる音と、落ちていくブルーンの悲鳴が遠くに(涙)。

 

界賊船の中では、一家の長に手を出すなと言われて動けないフリントと双子に、ジュランとマジーヌが「でもよ、ぶっちゃけ、寂しいんじゃね?」と、それでいいのかと語りかける。

12話のカタツムリワルドの時に、いざとなると全部ひとりでカタをつけようとするゾックスの頑固さにジュランとマジーヌがもやもやしていたのを、ここに繋いできた。もう30話以上も空いてしまっていて、若干諦めていたから回収してくれたのは嬉しい。ただ、こんなに間を空けるより、上で言ったように、その間のどこかでゾックスの誇りやけじめについてもう少し掘り下げを入れてくれてたら、もっとよかったかもなあ。

「武器持って暴れるだけが戦いじゃねえんだなー」ってジュランの言葉に、ちっちゃくなってしまったままの兄貴の変身装備を見つめるフリントが何かひらめく。

 

ゾックスとSDワルドの再戦は土砂降りの雨の中。変身できないまま奮闘するびしょ濡れの、文字通り「水も滴るイイ男」なゾックスをたっぷり見せる。大勢の戦闘員に群がられて傷だらけになってもボコボコにされるのではなく苦戦しながらも食らいついて渡り合う。ゾックスの役者さんはダンスが得意なだけあって殺陣もばっちり決まって格好いい。

 

そこへ介人が乱入。ジュランたちも小さな体のまま駆け付ける。SDトピアは自分たちにとっても人々に被害をもたらす敵だから手を出すなと言われる筋合いはないと。「ゾックス!俺最初に言ったよな! お前は好きにすればいい。俺たちはお前の分もみんなを守るって!だからゾックス、お前は勝手にしろよ!俺たちは皆を助ける為に戦いに来たんだから!」

この互いの「狡い言い方」の応酬が小気味よくて好き。

なおSD化された人々の回収は、戦えなくてもサポートは出来るとヤツデさん&街の人たちに引き継がれていて、このあたりは人間もキカイノイドも一致協力なのが、凄くこの世界らしい、ほっとする場面。

そんで頑なだったゾックスの心にも柔らかな光が差し込むかのように、雨が止んで虹も出た。

 

更に、SD化光線を受け浴びそうになったゾックスをカッタナーとリッキーが庇う。既にSD化されているから俺たちには効かないので盾くらいにはなれると。そしてフリントは戦わない代わりに小さくなったギアダリンガーに併せてミニチュアサイズのギアを作り、兄貴にパス。直接戦闘は出来なくても、こういう戦い方なら出来る。

「あーあ、誰も俺の言うことを聞きやしねえ。世界海賊、ゴールドツイカ―一家の長としちゃ、まだまだだな」と空を仰ぐゾックスの笑顔がなんとも清々しい。いいなあ、ここに来て、妹弟たちの成長とサポートを受け止め、自身もまた成長していく。

 

ちっちゃい変身装備をセットし、晴れやかな笑顔でダンス変身するゾックス。足元から派手に飛沫が上がって映える。何度見てもこの変身好きだな。

ジュランたちもSDのまま変身。イラストを張り替えただけだけどちゃんと変身前後でデザインが変わって、小さくても5人揃って名乗り(笑)。そんで小さくても攻撃の威力はちゃんとあり、クダックやクダイターなら倒せるぜと個々の活躍を披露。

ツーカイザーはリッキーでオーレンフォームになり、カッタナーも盾になって兄貴がSD化されるのを防ぐ、と双子のサポートを受けながらSDワルドを倒し、悲願第一段階を界賊一家でクリア。

 

続いて登場したのはニュークダイテストからのダイSDワルド。あ、今回はCGなんだ、とこの時点でわかってしまう仕様なので、ゾックスが変身前の無茶が祟りロボでの出撃不能になったのは、ある程度予測ついてしまった(笑)。

で、ゼンリョクゼンカイオーが出撃。界賊一家の大一番だけど最強ロボのゼンリョクゼンカイオーがこのまま倒しちゃうの?と思ってたら、このスーパーワルドの能力は、

S=スモール→光線を当てたものを小さくする

D=でっかい→光線を当てたものを大きくする

と、ブルーンが「SDの定義とは?」と突っ込むのも無理ない日本語と英語ごちゃまぜな解釈(笑)でビルの大きさを自在に変え、間に挟まって動けなくなったゼンリョクゼンカイオーをスモール化。大きさの差が歴然すぎて踏みつぶされそうになったピンチを、やっぱりロボ戦だって界賊が活躍しないとね!とばかりに界賊船が砲撃を食らわし、小さくたって威力は負けないとゼンリョクゼンカイオーも反撃のビッグワンで一矢報いて、最後は双子が飛び出し巨大化して、総力戦でフィニッシュ。

SDトピアの呪いでSD化した双子がSD化したからこその攻撃で、SDトピアを解放した。SDトピアを荒らしに行ったことへの、少しは償いになったんだろうか。

 

界賊一家は早速SDトピアに旅立つことになり、皆でお見送り。ここでいったん完全に離脱しちゃうんだ?とちょっと意外だったけど、清々しいお別れ。ゾックスは介人に「今のステイシーを信用するな」と警告し、やっぱり後方彼氏としては見守れなくなった後が心配なんだろうな。けど、介人はそのあたり心得ているから大丈夫…だと思う。

 

並行世界に旅立つ海賊船をゲゲイシーも見送っていて「あるべき場所へお帰り」と、いつの間にか持ち出した海賊トピアのギアを破壊し解放する。これ、もしかしてゾックスたちはSDトピアに向かうつもりがゲートの先は海賊トピアだった、なんて可能性もあるんだろうか?それでも彼らの平行世界間ゲートがゲゲイシーの影響力を免れていれば、SDトピアには行けると思うんだけど。それとも単に呪い解いたらとっとと海賊トピアに戻って出てくんなってこと?

どちらにしてもゲゲイシーは、ゾックスたちの望みを叶えるという角の立たない形で体よく彼らを厄介払いできたってことかな。強いだけでなくいろいろ目聡く察しもいいゾックスや超優秀エンジニアのフリントがいない方が、これから介人たちに何か仕掛けるにしても都合が良いだろうし。

 

追加戦士が当初はいがみ合っていた初期メンバーと時間をかけてかけがえのない仲間になっていく過程をじっくり描き

登場時から持ち続けていた悲願を本筋にもがっちり絡む形で

仲間たちの協力を得てピンチを跳ね返しその中で成長もして

戦闘面での活躍も変身前変身後ともメカ的にも申し分なく

この上なく清々しい形で達成する様を見届けられた。良かったなゾックス、自分の物語をやりきったなと嬉しく思う。

まあそりゃあ、もっとこうして欲しかったって部分が無かったと言えば嘘になるけど、これで文句言ったらバチが当たるかな、ってのが正直な気持ち。

なんせ私の場合は、話が脱線して申し訳ないけど、3年前の同じ脚本家同じスーツアクターの追加戦士が番組の都合で、当初から抱えていた悲願を叶えることも乗り越える事も許されずに今も背負い続けていることをついつい思い出してしまうもんで(涙)。

もしかしたら香村さんは、ルパパトの時にノエルには諸般の都合で出来なかった分までゾックスをしっかり描こうとしたのかな?

なんてふっとよぎったりもして、いやいや早くノエルも願いに決着をつけて、あんな清々しい顔を見せて欲しいと思ってしまって複雑だよ。

別の記事で散々書いてきたことの繰り返しになっちゃうけど、その願いはヒーローにあまり長い年月背負わせていいものじゃなくて時間が経つ程に辛くなっていくものだから。

お願いします、香村さん。東映さん。