キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー3話感想: 占い→勇気→魔法 マージ・マジ・マジーヌ

五色田家の朝食が、ギアの形したポテトフライか何かをマフィンで挟んでいて随分小洒落てると思ったら、ガオーンの手料理だった。見た目だけでなく味も良くて、ちゃんとジュランの分も作ってる。

この世界の生き物には愛溢れる反面、嫌いな同種族のキカイノイドにはつれないガオーンの態度ってキャラとして面白いけど結構なマイナスポイントじゃね?って心配してた。けど食事係としての腕前が確かでジュランの分もちゃんと平等に用意する描写は好感度に気を使ってる感じだし、ヤツデさんに「仲良くしな」とたしなめられると弱いってのも良いバランスだな。

ジュランの方もガオーンの態度は気に入らなくても、料理はちゃんとおいしいと褒めるし、懐深い大人のおっちゃんだ。

 

「今日の射手座は滑り知らず。何でも積極的に行動しましょう」というテレビの占いでその気になる介人は射手座、11月下旬~12月中旬生まれか。まあ大らか過ぎるところは、射手座らしいかも。

善は急げだと、早速まだ見ぬ仲間を捜しに店を出たところで介人がすってんころりん。外はいつの間にか氷の世界になっていた。

コオリギアを取り込んだコオリワルドの仕業で、介人たちは変身して戦おうとするも、滑って敵を通り過ぎる(笑)。敵幹部のバラシタラまで滑って転んで、ゼンカイ3人はその玉突きを食らい、また果てしなく滑っていく。ヒーロー側からも敵側からもなんだか凄く色濃く立ち上ってくるゴーオンジャーの香り(汗笑)。

ただ最初に、急激な路面凍結により車がスリップ事故で爆発炎上し死人も出ていそうな容赦ない被害描写があるから、敵がちゃんと「倒さないといけない悪」になってるのは手堅いな。

 

敵から遠く離れてダンボールの山に激突した3人は、居合わせたマジーヌを巻き込んでしまう。独りが心細くてずっと知り合いを捜していたマジーヌは、ジュランを「おじちゃん」と呼んで抱きつき号泣。前作のマブシーナは泣くと涙が青い宝石になったけど、キカイノイドは小さな歯車が混じるみたい。でも滝のような涙は出るそばからすぐに凍ってしまって、当たり前だけどそりゃあ凄く寒いんだもんなと改めて。

ジーヌは子供の頃一時期、ジュランとご近所さんだったらしい。

「気付いたら知らない世界にいるし、キノコ生えるし世界は凍るし意味わかんなくて心細過ぎて」っていうマジーヌの台詞に、ようやく心から共感出来るまっとうな感覚の持ち主が来たよ(笑)と安心した。

「キノコ生えるくらい良くない?」とかあの世界の人間たちの適応力包容力の方が異常なんだよ。大らかで優しい世界で素敵だし、見てる分には面白いけど。

 

ヤツデさんはそれを見て、ジュランと一緒なら心強いだろうからと同居を勧める。

出た!ジュランガオーンに続きマジーヌまで初対面であっさり身柄を引き受けるヤツデさんは、真理夫おじさんやヒルトップ管理官といったこれまで香村さんが繰り出してきた明るくファンキーで懐深いおっちゃんたちの系譜だな。大好き。

直接戦えるわけじゃないけど戦士たちが帰ってきてホッと出来る場所を守っていくポジション、大事。

 

一方、我が家に居候するならやることやって貰おうかと即座にゼンカイジャーに勧誘する介人(汗)。ガオーンの時も「友達になって」→「え?ゼンカイジャーやってくれるの?」と<友達=一緒に悪と戦ってくれる人>だったけど、メンバー絶賛募集中がたぶん頭の95%くらい占めてる今の彼は、新たに知り合う相手全てその候補者としか見られなくなってる。状況を考えれば無理もないけど。

でもそこで、そりゃあ駄目だとマジーヌの彼女の内気さ温和しさに配慮して止めるジュランは目配りの出来る大人の保護者って感じだな。

 

トジデントではバラシタラが軍隊長としてトジルギアの使い勝手についてボッコウスに報告。現場ではコオリギアの力を認めていたのにボスへの報告では「あのようなものがなくとも」と言っていて、イジルデとの関係はあまり良好じゃなさそう。ボスの御前で互いを貶め合い、不興を買ってドスン→ピョコンは健在。いやピョコンからピョーンへと飛び上がる高さ=コミカル表現も増してるのはそれでいいのか今作の悪(笑)。

ゲゲがギアの力はじっくり見極めるんだなと言って、トジルギアを使った侵略フォーマットが改めて固まった感じ。「ペットの分際で」とバラシタラはゲゲの存在も面白くなさそう。

 

ジーヌは占いが出来ると知って介人はコオリワルドの居場所を占ってもらう。それを手がかりにそりで現地に向かう4人が可愛くて楽しそう。遊びの延長的な表現で、小さな子が見ていて喜びそうだな。

スカイツリーは介人が出禁状態で追い返され、サウナもお化け屋敷もそれ自体は楽しんだものの空振り。と、コミカルにテンポ良く外れが続いて、テンパっていたマジーヌは、ガオーンに「占いなんて信じる方が間違ってると僕は思うね」と否定されてブチ切れる。

普段は大人しくてオドオド気味だけど好きな物を語る時超早口になり、それをけなされると猛然と怒り出すのはオタクの鏡。「知らない癖に雑に否定すんな!」は私の心にも刺さった(笑)。

気圧されて謝るガオーンも、自分にも大好きな物があってそれを否定されたり踏みにじられたりする怒りは理解出来るから、そこを突かれると弱いのかも。

 

我に帰って自分の占いの才能のなさに落ち込むマジーヌに、介人は占いを「当たる当たらない」ではなく何か自分が行動を起こすきっかけとして、その価値を肯定し、励ます。

その言葉にマジーヌは、自分が子供の頃、花びら占い(キカイトピアの花のデザインが好み!)に背中を押されてジュランが近所の子供たちと遊んでいる輪に「自分も入れて!」と踏み出せたこと、それが占いにハマる原点だったことを思い出す。占いの信憑性に下手に踏み込むのは地雷になりかねないけど、こういう落としどころはいいなと思った。

 

ヤツデさんから海の凍結が広がっているニュースを聞いて、皆はその中心の埠頭に駆けつけ、コオリワルドたちと対峙する。

「この世界は氷河期まっしぐら」と言われて氷河期を知らないこの世界の住人介人と、一般常識だろ的な反応のキカイトピアの住人たちという逆転に若干混乱した。キカイトピアにも氷河期があったのか?そんでやっぱり介人の一般常識はヤバいのかもしれない。スカイツリーバンジージャンプやろうとしたり正体不明のキノコを食べようとしたのは伊達じゃなさそうだ(汗)。

 

それらの会話を聞いていたマジーヌは、介人たちの仲間になってみたい、けど・・・と咄嗟に水晶玉で占おうとする。

でも、彼女はもうさっき思い出していたんだよな。もともと自分にとって占いとは踏み出す勇気をくれるものだと。そんな占いも、そんな理由で占いを好きになっていた自分も、全部丸ごと介人は肯定してくれ、ジュランおじちゃんも同調してくれた。そんな彼らだからこそ、仲間になってみたい。

ジーヌの占いの結果も、結果が出るのを彼女が待ったのかすらも、見ている側にはわからなかったけど、彼女にとってもう結果が当たってても外れても、問題じゃないってことなんだろう。

自分が踏み出そうとしている「せっかく開けそうな新しい世界」を潰されてたまるか、という自分の気持ちこそが大事で、だから前に出てゼンカイジャー加入を宣言する。「自分も入れて」と、子供の時に使ったフレーズをここで繰り返すのが、熱い。

仲間になりたいという加入の理由は「私」的だけど、<世界を壊されたくない>と「公」にも繋げてるのが、ヒーローの戦う動機として上手いな。

 

銃を明後日の方向にぶっ放して「そうじゃない」と使い方を教えるのと、それを「まだ!?」と苛つきながら大人しく見守る敵というのは、これ全員やる気なんだろかな?毎回じわじわ来るからここまで来たら次回もぜひやって欲しい(笑)。

滑らずに攻撃出来る戦闘員クダックたちに滑りまくりのゼンカイ側は苦戦するも、セッちゃんのナビでトッキュウジャーのギアを使い、何か武器が出て来るのかと思ったら電車ごっこ状態に4人で連結して敵を弾き飛ばす(笑)。ギアの力いらなくね?とも思ったけど、今作はさっきのソリもそうだったように、小さな子が見て楽しんだり真似出来たりする見せ方に振ってるのかも。それも今の戦隊には大事なんだろな。

 

クダックは一掃したもののコオリワルドの攻撃で連結が解除されると、セッちゃんは今度はマジーヌに魔法を使えと指示。モチーフがマジレンジャーだというマジーヌが魔法を使うと、皆の足の裏に滑り止めのスパイクが発生。格段に戦いやすくなり、マジーヌもカップのマジック技でコオリワルドを翻弄して、とっとと皆でトドメ。

占いに勇気を貰いゼンカイジャーとして踏み出したら、占いを超えた魔法を使えるようになった。

占い→勇気→魔法の流れに、マジレンジャーの魔法の発動条件が勇気だったのを思い出す。特に、今ちょうど感想を書き始めているゴーカイジャー50話の「みんな勇気という名の魔法が使えるの」というマジレンジャーに由来する台詞とリンクしてグッと来た。

 

コオリワルドの能力は世界を凍らせて滑らせることに全振りしていたのか、ゼンカイ側が滑らずまともに戦えるようになったら、ぶっちゃけ弱かった(笑)。同じ氷属性でも強敵だったルパパトのザミーゴが見たら「さっむ!」って身震いしそう。

今回も巨大戦闘員クダイテストが召喚されてコオリギアを踏み、ダイコオリワルドに進化して世界はまたも凍ってしまう。普通の冬→氷点下→普通の冬→氷点下と、あの世界の人たちは文字通り温度差で風邪をひきそう(汗)。

ジュランとガオーンは巨大化してしぶしぶ合体しゼンカイオージュラガオーンになる。でも、こちらも滑って転んで戦えない。そこでセッちゃんのナビでマジーヌが巨大化すると、マジドラゴンならぬマジンドラゴンになり空を飛んだ(紛らわしい・汗)。

・・・ホント、これを人間が使っていたらどんな現象が起きていたのか真面目に知りたい。というかもしヤツデさんが介人の頼み通りにノリノリであれ使って変身してたりどうなっていたのか凄く気になる(汗)。

マジンドラゴンは魔法でダイコオリワルドの攻撃をかき氷に変えて「旨し!」とかやりたい放題(笑)。唯一の女子戦士だけど口調は「~ッス」「~なんだが」だし一人称も「自分」とオタクのそれで、思いきったキャラ付けだな。新人女優だったら難しそうな台詞が並んでいて、声優さんが演じることでよりぶっ飛んだ濃いキャラ付けにしてるのかも。

 

マジンドラゴンはジュランティラノと合体して、ゼンカイオージュラマジーンに。今回は2体合体だから、初期メンバーだけで組み換えて計4パターンも合体ロボを作れるのは、中々の玩具のプレイバリューだなと感心した。

ジュラマジーンは飛行出来て滑り問題をクリア。張り切るマジーヌをジュランが「無理すんなよ」と気遣うのも良い感じ。一方で、ジュランの気遣いがもしかしたらマジーヌにブレーキになりかねない危うさも、ちょっとだけ感じた。

ジュラマジーンの攻撃のダメージで氷パワーが弱まったところをジュラガオーンに組み換えてリベンジ。マジーヌがダイコオリワルドをかき氷に変えて、ジュランソード電撃クラッシュでトドメ。

 

カラフルに戻ってマジーヌは改めて「今日からよろしくお願いします」と挨拶し、ヤツデさんは「さっきよりもなんかハキハキしてる」と彼女の変化を喜んでるのが、細かいけど素敵。

呼び方もそれぞれ呼び捨てで統一。年齢や立場に関係なく仲間同士対等な立場でっていうのは今作らしいなと思うけど、「おじちゃん」呼びは可愛かったから、なくなるのはちょっと残念。

セッちゃんに促されてマジーヌがまだ見ぬ未来の仲間のヒントを占うと、「待てば眼鏡がやって来る」とゴーカイジャーのナビィみたいなお告げ。眼鏡というのは、今回もコオリトピアの解放を目撃してイジルデへの報告にすっ飛んで行ったブルーンなのは間違いない。けど、あんな虫ケラみたいな扱いをされても真面目に報告に行くレベルの忠誠心はあるっぽい彼が、どんな経緯でキカイトピアからこっちの世界に来て仲間になるのか、凄く楽しみ。

 

・ガオーンは食事係

・マジーヌは時々占いでゼンカイジャーの未来をナビゲート?

・ジュランはそんな若者たち特にマジーヌを見守るおっさんポジで性別の違うヤツデさんと保護者役を分担

と、居候キカイノイドたちが早々にカラフルでの役割が決まっていってるのに安心する。次に来るブルーンなんてもう掃除係が約束されたようなもんだし。

 

ジーヌの声は、最初に予告とかで聞いた時はちょっとくぐもってる気がして、どこまでもよく通る所謂ヒロイン声とはちょっと違うかな?と違和感もあった。いつも泣きそうな雰囲気もあって。

でも、今日聞いたら内に籠もりやすい弱さと、だけど馬鹿にされたら怒り出して止まらないくらい好きなものがその内面に詰まってる豊かさみたいなのを感じさせる声で、想像以上にピッタリだな、流石だなと思った。