キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 27話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■最後の中澤香村回

このコンビは後に他の宇都宮作品でも私の好きな回を連発していて、一番好きな組み合わせ。

ゴーカイジャーでは7話のゲキレンジャー回、15-16話のバスコバスコ登場前後編に続く4度目。レジェンド回、本筋前後編、非レジェンドバラエティー回と一通りこなして、どれもレベル高いなと改めて。まあもともとゴーカイジャー自体が総体的にレベル高いんだけど。

中澤監督が次の28話を最後に本編を離れて劇場版ゴーカイジャーVSギャバンに行ったため、これで見納めなのはちょっと残念。でもゴーカイジャーVSギャバンは中澤監督演出が凄く良かったから仕方ない。

 

※この記事を書いている時に、来年の新戦隊ゼンカイジャーのメインスタッフが中澤香村コンビだというニュースを見て、びっくりしている。いろいろと感慨深い。

 

■荷物を持つのは他人

ハカセを買い物に突き合わせ、当然のように荷物を持たせるルカ。アイムがジョーとの買い出しの時に、自分で持ちたがったのとは対照的。

ハカセが男で自分が女だからかと思っていたら、入れ替わって自分が男になってもルカ(女)の体になったハカセにガンガン持たせていた(汗)。結局、男女関係なく自分が持ちたくないだけだったのか、酷いぞルカ(笑)。

 

■スゴーミンと各国首脳との入れ替え

実際にはトップだけがおかしいことを言い出しても周囲が黙ってはいないはず。だから各国トップの中身をスゴーミンと入れ替えただけで早々、地球征服なんてできないだろ。

放送当時はそう思ったし今でも思いたいんだけど、現実社会ではその後、トップが自分の言うことは絶対だと突っ走り逆らうものを排除していたら、周りも保身と出世を優先するイエスマンばかりになって暴走を止められなくなることもある、っていう実例を幾つか見たような気がするので、むしろ放送当時より今の方がこの作戦を怖いと思ってるかもしれない。

 

■殿下の見栄

海賊に一泡吹かせたことを最初は「でかした」と無邪気に喜んでいた殿下。でも、ダマラスが「無駄に手の内をさらしおって」と叱責すると掌を返して「せっかくの作戦が台無しになるところだ」と責める。

周囲に馬鹿息子と見られたくない、特にダマラスに侮られたくない、っていう意地がひしひしと伝わってくるのが、細かいけど2人の関係性を表していてわりと好き。

 

■新堀宝石店

<新堀>とは伝説のスーツアクターアカレンジャーを始め14人の戦隊レッドを演じた新堀和夫さんに因んだにきまってる(笑)。そういうクスっと笑える小ネタが楽しい。

そんで社長とその部下もスーツアクターの武智さんと横山さん。特に横山さんは後に9月から始まる仮面ライダーフォーゼのレオ役で顔出し出演されるんだけど、長身でガタイが凄くいいし、ワイルドな風貌に全身紫のスーツで誰が見てもその筋の人だから、ハカセが勘違いして怯えても仕方がない(ごめんなさい)。

 

■ルカの秘めた思い?

入れ替わりでハカセの体になったルカは、せっかくだから思い切り楽しもうとして髪型やファッションを変え、女子高生につきまとう男に喧嘩売って、助けた女子高生からキャーキャー言われたりして、ちょっといい気分。

ファッションはなんとなく、テレビのバラエティー番組でたまにやるダサい格好の人をプロのスタイリストとかが変身させる企画のノリで「ハカセってもっとこういう方が格好いいんじゃないの?」って本人に見せたい気持ちもあったのかなと思ったりして。

だって「一回してみたかった」という格好は、裾の長いジーンズ以外はカジュアルでボーイッシュなルカの普段のファッションの延長上みたいな感じもして、特に男にならなきゃ出来ないファッションてわけでもないような。

 

そんで、腕力じゃ男に叶わないからと動体視力を鍛えていたルカには、男の体になったからにはと、根底にある鬱屈を発散する気持ちもあって、体力的に劣る女の子に絡んで困らせ怖がらせてる男を懲らしめたい気持ちが強くなったのかもな、と思う?まあ街のチンピラレベルなら、いつものルカでも余裕で勝てたと思うけど。

 

■思いやり

一方ルカの体になったハカセはルカの体を預かる責任感でいつも以上にびくびく。「仲間の体」というだけでなく「女の子の体」という気遣いもあったから、軽率に遊ぶなんて出来ないという気持ちが余計に強かったのではと思う。

その「いつも以上にびくびく」に最初は「私の格好でびくびくしない!」「まさかびびったの?」と厳しい目を向けていたルカは、それが自分への思いやりからだったことを知り、ハカセの体を気遣うことなく好き放題楽しんでいた自身を反省。

そんでハカセの良いところ、内面的な格好良さに改めて気付く。ラストで女子高生たちに逃げられた後の会話を聞くと、もしかしたら上辺の格好良さに気を取られてハカセの外見を自分好みに変えようとしていたことも、恥じたかもしれないな。

中身ルカのハカセが、中身ハカセのルカの頭をぽんぽんするところがかわいい(書いていてややこしい・汗)。

 

■入れ替わり回の個人的最高峰

 男女での入れ替わりは1つ間違うと動作ががさつになったり気持ち悪くなったりで、笑えるけど魅力という点ではどうなの?という落とし穴がたまにあると思う。

だけど今回は元々のキャラと演技力のおかげで入れ替わった方がいつもより(一見)雄々しく格好良く、女々しく可愛い、というめったにない異常なもとい奇跡の組み合わせ(笑)。これは元々のキャラ設定に加えて、入れ替わった後の演技がしっかりしていることも大事だと思う。

  

中澤監督はマジレンジャーの入れ替わり回の経験から、例えば一度市道さん本人にルカとして演じさせ、それを清水さんに見せた後で改めて清水さんにルカとして演じて貰う、という凄く手間のかかった演技指導をしたらしい。その成果もあって2人とも凄く互いの特徴を捉えていて、かつ魅力的に演じていたと思う。

 

その後の戦隊では入れ替わり後も声は本人があてている事が多い、というか上記のようなやり方はゴーカイジャーがたぶん最後。

小さな子には声だけは本人の方がわかりやすいだろうし、組み合わせの化学反応で、最近だとキラメイジャーのヘリコ声の小夜みたいな可愛さの相乗効果や、ジェッタアクションの時雨みたいなギャップ、マッハin瀬奈みたいな混ぜるな危険感とか(笑)、新たな魅力が生まれたりするから一概にどちらが良いとは言えない。けど、個人的にはこの27話が、演技・アクション・ドラマトータルで入れ替わり回の最高峰かな。またこういうのも見たい気持ちもある。

 

■入れ替わり回ができるまで

なお元々は、24話で浦沢さんがルカの話をオファーされていたらしい。けれど「書けない」と断り、「じゃあ別の話で」と言われて書いたのがあのジェラシット再び(笑)。

だからそのお鉢が恐らく今回香村さんに回ってきたと思うけど、当初はルカがスイカにされてハカセがスイカ割りを阻止しようと頑張る話がハリケン回のビッ栗と被るので没になった結果だそうで、見てみたい気持ちがないわけじゃないけど、つくづく各方面一番いい形に落ち着いて良かったなと(笑)。

 

で、スイカ案が没になって困った所に宇都宮Pが「芸達者な蜂須賀さんと竹内さんの入れ替わりは?」と提案があってこのエピソードが実現したそうで。

なお、ハカセイエローのスカートまくりはスカートでのがに股歩きがやりづらそうだったので中澤監督が「まくっちゃいましょうか」と(笑)。相変わらず冴えてる中澤演出。

戦闘中の市道さんのハカセ的掛け声もいちいち可愛くて大笑いして見ていた。後に売れっ子の声優さんになる市道さんの声の魅力も、いつも以上に炸裂していたなと。