キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 45話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■カクレている

海賊が手に入れた34のスーパー戦隊の大いなる力も今や28、バスコに奪われた5つを除けば残りはカクレンジャーのみ。

そのカクレンジャー接触するヒントを得るため気合を入れたナビィの占いの結果はしかし、「かくれんぼした忍者は見つけられないぞよ」という過去最高に絶望的なもの。そこから

一同落胆→バスコが捕まえられなかったのもカクレンジャーのことだろう→忍者に本気で隠れられたら探せる気しない→神様にお願いしようか→捜し物に強い神社は?→神社と言えばタイムレンジャーのあれは何だったのか?→あの神社何て言った?→寝隠神社→ねがくれ・・・カクレ?あーっ!!

という流れるような連想ゲームでドモンが守らせた神社に手掛かりがあると推察し、現地へ。

そこでマベが祠の中に、中から助けを求める声がする胡散臭い壺を見つける。40話ラスト近くで暗闇に妖しく浮かび上がっていた壺だ。アイムが割ると、中から出て来たのはカクレンジャーと共に戦った戦士ニンジャマン

私はカクレンジャー未見なので調べてみたら、カクレンジャーの追加戦士だけどシリーズ初の人間体を持たない戦士でもあり、番外戦士という位置付けで語られることもあるみたい。

 

■レジェンド大戦未経験

ニンジャマンの話では、10年前に動物園から逃げ出した猛獣たちから子供を守ろうとしてやりすぎ、猛獣たちをボコボコにしてしまったために罰として10年間閉じ込められていたらしい。その間にレジェンド大戦が起こったけれど、当然ニンジャマンは参加出来なかった。

放送当時、ニンジャマンの不在を指摘する人もいていろいろ考察されていたけれど、晴れて彼がアバレピンクを押し退けて(笑)、スーパー戦隊200人目の戦士ってことになるんだろうか。

記念番組のタイミングでキリ良く200になるなんて(偶然やどこまで戦士扱いするかの微調整もあるんだろうけど)、なんとも綺麗に収まったもんだなと、こういう所もゴーカイジャーは「持ってる」戦隊だなと思う。

壺の中にいた間の事情を何も知らないニンジャマンのために、まずはレジェンド大戦を映像と共に説明し、今回はそんな形で進行する総集編だよ、とここでフォーマットが示される。

 

■ドモンの名誉回復

ゴーカイジャーが介入しなかった歴史では、寝隠神社が破壊された時にニンジャマンも死亡していたことになる。ドモンの与えたチャンスとは、ニンジャマンを助けて彼から大いなる力を貰え、ということだったと判明した。

40話の伏線がここでしっかり回収され、海賊からさんざん嘘つき野郎呼ばわりされたドモンの名誉も劇的に回復(笑)。というかもはや恩人の域に達してると思うから、あれだけ悪態ついてたマベたちはドモンへのお詫びとお礼にひと月遅れのお歳暮を送らないとバチが当たるレベルだと思うよ。

 

■第一印象の悪い戦隊

そうと分かれば即、助けてやった恩を振りかざしてニンジャマンに大いなる力を要求しようとするマベ、同時に手を伸ばすジョールカのアウトロー組。

それに対しハカセと鎧の良識派が、そういう態度だからこれまで揉めて来たんだと止める。

この時に鎧が言った「基本的に皆さん、第一印象悪いですからね」という台詞が大好き(笑)。

「第一印象悪い」+「スーパー戦隊」って取り合わせは、35年間分見渡してもなかなか貴重だよなと。香村さんもスーパー戦隊の歴史におけるゴーカイジャーの、正義を標榜せずガラの悪いアウトローという特殊性をかなり気に入って敢えてネタにしている感じ。

 

■接待

まずはニンジャマンの自分たちへの好感度upのためにハカセと鎧が腕をふるってお正月らしい豪華な和食のご馳走を用意。

ルカも着物姿でお酌をし、ジョーも菓子職人としてニンジャマンを模った和菓子を振る舞い、マベはちょんまげカツラを被って和傘で鞠の代わりにナビィを回す日本の伝統的な隠し芸を披露と、「第一印象の悪い」3人も頑張っておもてなしする。(ルカにだけ着物を着せるのも、過去回不遇の埋め合わせの意識をこっそり感じる)

だけどナビィが勢い余って傘から飛び出しご馳走にダイブしてしまう。渾身の作品を台無しにされたショックでいつものクールさをかなぐり捨てナビィに掴みかかるジョーが新鮮(笑)。更にナビィのせいにするマベをルカが責めて言い争いになり、やっぱりアウトロー組の地が出てしまった。

「<あれ>でみなさん、いい人達なんです・・・」というアイム、それフォローになってるの(笑)?

 

■超豪華総集編

それでも、「こう見えて俺たち、35番目のスーパー戦隊ですから」という鎧の言葉から、ニンジャマンに説明する形で史上空前の超豪華な総集編が再開する。

まずは地球に来た海賊たちのゴーカイジャーとしての活躍を紹介

カクレンジャーへのゴーカイチェンジに驚くニンジャマンに説明する形で、各戦隊への多段変身を披露

→過去映像ばかりでなく目の前でオールブルーやオールライオン戦隊に変身し喜ばせ

→そろそろ本題に入れそうだと海賊たちの夢である宇宙最大の宝の入手に各戦隊の大いなる力が必要だと明かし

→これまで登場し交流したレジェンドたちを総ざらい&貰った(商品化された)大いなる力を一挙公開

→他の戦隊は皆力を渡してくれたのかと聞かれ、大いなる力を狙うライバルのバスコについても説明

と、怒濤の情報量と映像をかなり要領とテンポよくまとめている。

ただし前回のバトルケニア曙四郎は、厳密にはレジェンドとして交流してないし、それ以前に正体も素顔も知らないけど(笑)。

この総集編はもう2度と製作不可能と言っても過言ではない永久保存版で、この回だけ単品で円盤発売してもマニアが買うだろうと思う。

 

だが断る

「試されたり、一緒に戦ったり、色々大変だったよね」「だが、教わった事も沢山ある」「私たちのことを認めていただいて、大いなる力を授かった時は、とても嬉しかったです」「僕たちゴーカイジャーにも、大いなる力があるってこともわかったし」

海賊たちはレジェンドたちとの交流が有意義だったと謙虚さを示し、彼らに認められ力を貰えたこと、自分たちも今や大いなる力を持ったスーパー戦隊の端くれであることをアピールしつつ、残るはカクレンジャーだけ、と改めて大いなる力の譲渡を真摯に頼む。

けれどニンジャマンは拒否。

これまで自分の慌てん坊な性格から沢山の人間に迷惑をかけてきたことを反省し、もう簡単に人を信じないと心に決めた彼に、ハカセの「今のは心通じ合うパターンでしょ(泣)」が視聴者の声を代弁してるようで共感しつつじわじわ来る(笑)。

ニンジャマンは、これからしばらくガレオンに住み込んで海賊たちを観察してから、力を渡すか否か決めると宣言。

憧れのレジェンドとの同居に歓喜し満面の笑みで一緒に街の見回りに行く鎧とそれ以外、特に普段のキャラを曲げて接待したのが骨折り損になったアウトロー組のふて腐れっぷりが、同じ戦隊とは思えない温度差で風邪をひきそう(笑)。

当時てっきりこの総集編で力を貰えるのかなと思っていたから、まさかの前後編に驚いた。

 

カクレンジャーの思惑

そんで最後にニンジャホワイト鶴姫が登場して更にびっくり。

本編未見なので、鶴姫はVS劇場でカクレンジャーVSオーレンジャーでのまだ少女だった頃の姿を見ただけだけど、それから16年経ちすっかり大人の女性って感じ。

「海賊たちにこのままこの星を守らせようと思ってたのに、ニンジャマンを探し出すとはね。やるじゃない。いいわ。後はニンジャマンに任せる」

カクレンジャーは海賊からもバスコからも隠れ通すことで、大いなる力を探す海賊たちを地球に足止めし続け、ずっとザンギャックから地球を守らせるつもりだったわけだ。

ドモンが海賊たちにチャンスを与える前の歴史では、この目論見が成功していたことになるのかな。

その歴史線でも30世紀から対ザンギャック用に豪獣ドリルを送れている時点で、恐らくザンギャックの地球侵略は最終的に失敗したんだろう。

でもその場合、海賊たちはカクレンジャーの大いなる力も、更には宇宙最大のお宝も手に入れられず、もしかしたら地球を守りながら生涯を終えてしまったのかも?と思うと、ホナミ母子の運命も合わせて恐ろしい。

このカクレンジャーの目論見を、大いなる力を渡した他の戦隊はどう思いながら見ていたのかな、とはちょっと気になった。個人的には、海賊たちの側に立てばえげつないとも思いつつ、全て見終わった後では鶴姫たちの判断も、単純には否定しきれないし無理もないことでもあるよな、と思ってしまうんだけど。

ただドモンは恐らく、約990年後の未来からゴーカイジャーの辿った運命を俯瞰して気の毒に思い、こっそりとチャンスを与えたってことなんだろうな。そんでその結果、知らぬ間に自分の息子の未来も救うことになったと。

 

なお、香村さんは彼女の登場を知らなかったそうで(笑)、台本を書く段階では誰が出演出来るかわかっておらず、決定稿の入稿段階で宇都宮Pが付け加えたとのこと。ここでも年間通してぎりぎりのスケジュールだったんだなというのが垣間見える。