キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 44話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■賞金首が増えた

前回のダマラス戦を経てハカセの賞金が上がり、ナビィも指名手配の仲間入り。

それだけでなく、バスコとサリーも私掠船のポジションを剥奪されてただの海賊に戻り、賞金首となった。この宇宙でのザンギャック帝国の影響力を考えると、ホント思い切ったなと思う。

39話で「余計なことしてくれちゃって」と困惑したのは、次期皇帝継承者を倒した海賊をザンギャック帝国が本腰入れて滅ぼそうとしたら、バスコは帝国に逆らい追われる身となってでも海賊たちを助けなければならなくなるから。あの時のバスコはいずれ自分の手配書がマベたちの横に並ぶ未来を予感していたのかもしれないな、と改めて。

 

■大所帯は動きが鈍い

皇帝はダマラスをも倒した海賊たちの実力を認め、海賊程度と侮って率いてきた軍の編成を本格的に見直し強力なものに立て直すことを決めた。

ただしそれには時間がかかる。殿下戦死の報を受けた時も、帝国の動きは決して迅速ではなかった。

大組織なので何か事を起こすのには時間がかかるという不自由さと、皇帝の慎重で用意周到な性格が垣間見えて、その間海賊が邪魔されずに大いなる力絡みで動けたことに一定の説得力を持てたと思う。

 

今回ザツリグと並ぶもう一人の幹部のダイランドーが、行動隊長ビバブーと一緒に初めて地球に降り立ち海賊と対戦してそれ相応の実力も見せる。

けれどそれは本格的な掃討作戦ではなく単なる地球での息抜きで悪さをしているという名目。なので、番組としても比較的緩めな展開の息抜き回として成立している。

 

■踊るサンタ

地球人の行事に疎い海賊たちに、鎧はガレオンにツリーを持ちこむ等、クリスマスという1年で一番ハッピーな日のことを教えて体験させる気満々。ルカに街で熱心に解説していると、そこに大きなパンダを連れて子供にプレゼントをあげて踊るサンタクロース。

ルカはプレゼントを貰えると喜んでねだる。けど「君は良い子じゃないから駄目(意訳)」とあしらわれてぶんむくれの顔が可愛い。

サンタさんがルカの何を見て「良い子じゃない」と判断したかは不明だけど、「もう大人の癖に子供向けのプレゼントねだる奴が良い子なわけない」なのか(笑)、それとも後々その正体を知れば、海賊だとわかった上で信用出来ないという認識でやんわり拒絶したのか。

 

■被害者への共感

ビバブーは行く先々で人間を面白半分に魔法の杖でフェルト人形に変えて歩き、広場で子供会のクリスマスツリーを飾っていた子供たちも襲われる。

居合わせたルカと鎧が直前に交流していた姉弟が逃げ遅れて弟が人形にされ、それを見てショックで立ち尽くす姉を庇った鎧も人形にされてしまう。

見た目は可愛らしい、それこそ直前に姉が作っていたクリスマスツリーに飾るためのフェルト人形にそっくり。

だけど、弟がそんな物に変えられてもう2度と戻らないかもと突きつけられる恐怖は、画面の向こうのフィクションという壁を取っ払って考えるとかなりのもの。姉が「私が弟を怒ってばかりだからバチが当たった」と自分を責めたくなるのもわかる。

香村さんの描く被害に会った一般人のリアクションは、私には共感しやすくてぐっとくることが多い。

 

■姉への感情移入

2話でマベは、レンジャーキーを盗んだ少年を敢えて変身させて戦わせ、自分の力の限界を思い知らせた。

今回はルカが、「弟を助けるために何も出来ず誰かに庇われるだけだったら後悔する」という姉の訴えに応えて変身装備を託し、自分は囮として人形にされるというかなり危険な作戦に出る。

そこまで踏み込んだ動機はたぶん、弟を失いかけているのに何も出来ないのは嫌だと言う姉への感情移入。香村さん自身が23話でルカに作った設定をここで生かしてきた。

ただ守られているのではない、戦う力があれば戦いたいし力がなくても出来ることをしたい、という強さを持つ地球の一般人と海賊との交流は、香村さんのフォローがかなり効いている部分かと思う。

 

■ゴーカイクリスマス

姉の頑張りで作戦は成功し、人形にされた人々、それから鎧もが元に戻る。

揃って変身すると、今回はルカリスペクトでオールイエローを披露。それから「クリスマスはサンタが踊る」というルカの間違った知識から、踊る戦隊バトルフィーバーJへのゴーカイチェンジ(笑)。

追加戦士がいないため余った鎧がひらめキングしてゴーカイレッドとグリーンのキーを借り、ゴーオンウィングスの要領で赤と緑のクリスマスカラーのレンジャーキー「ゴーカイクリスマス」を完成させて変身。

コントラスト最強の補色の組み合わせでもあり当時凄いインパクトで、ジョーの「お前は何でもありだな」というツッコミに心から同意していた(笑)。

そのちょっと目に痛い姿で「あーっははははー!」とハイテンションで笑い声を上げながら斬りかかる様が、何か狂気を感じさせて怖かったいたけど、あれはいったいなんだったんだろう(汗)。

おかげで、もしかしたら過去回がイマイチだったルカへの埋め合わせ的意味もあったかもしれないオールイエローの印象が吹っ飛んでる(笑)。

 

■オーバーキル

倒され巨大化した息抜き回のコミカル怪人ビバブーに対し、海賊たちはダマラスを倒した時と同じくこれまで集めた(商品化した)大いなる力を総動員して撃破。

オーバーキルにも程があるけど、放送日を見ると2011年12月25日とクリスマス当日。プレゼントをまだ用意していないお父さんお母さんはぜひこれからおもちゃ屋さんに行って、これらゴーカイジャーのロボを買ってね!!!というぎりぎり最後の力強いお願いだったんだな。

 

■地球人との交流総仕上げ

今回のエピソードはルカと鎧が子供会のクリスマスツリー飾り付けに加わったのがきっかけ。地球人でコミュ力お化けの鎧が媒介にはなったけど、ルカも姉の少女に自分から話しかけ、すっかり自然に地球の人々に溶け込んでいた。

一件落着した夜には他の海賊たちも子供たちと一緒にツリーを囲み、マベとジョーは点灯した美しさに並んでサムズアップなんかしちゃってる。更にルカはマジマザーとなり本物の雪を振らせてあげる大サービスで、子供たちは「ホワイトクリスマスだ!」と大喜び。

地球に来たばかりの頃の彼らからはちょっと考えられない馴染み方だなとしみじみ。

振り返って見れば今回は、地球を守ることになるであろう最終決戦を前に、地球人との距離感がどこまで縮んだか、本当に守りたいと思うほど縮んだのかを見せる実質最後の機会になった。そのマイルストーンの役割をきっちり果たしたと思う。

 

■最短出演レジェンド?

昼間はプレゼントを渡さなかったパンダ連れの踊るサンタさんは、ルカの一連の活躍を見守っていたようで「良い子にはクリスマスプレゼントをあげなきゃね」と、バトルフィーバーJの大いなる力を一方的に宝箱のレンジャーキーに転送する。

サンタさんが付け髭を外すと、バトルケニアの曙四郎。その顔にバトルケニアのマスクが重なって、彼の登場はこれだけ。ここまで恐らくレジェンドとしての顔出し出演時間は最短で、物語にも殆ど関わっていない。

演じる大葉健二さんは、劇場版199ヒーローにはデンジブルーの青梅大五郎役で登場。更には翌年公開の劇場版ゴーカイジャーVSギャバンでもう一人の主人公ギャバン一条寺烈を演じている。

44話の撮影はギャバンを演じた後だったとのことで、個人的には、199ヒーローで和田さんや菊池さんと共にもっとアクションを見せて貰う予定が変更になった埋め合わせに、当初は和田さん同様、大葉さんにもテレビ本編のバトルフィーバー回で大暴れして貰おうとオファーしていたけれど、vsギャバンの企画が決定して大幅に出番が抑えられたのでは?という説を推したい。