キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 31話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■U.A.O.H(ユー.エー.オー.エイチ)

正式には<the United Air force OHranger(国際空軍オーレンジャー)>。超力戦隊オーレンジャーの組織名の略称。軍隊なんだね。

ナビィが占いで「うあおー、うあおー」と叫んでいたのは、これをそのまま読み上げたのが意味不明の叫び声みたいに聞こえた形で、元ネタは「オーレンジャーVSカーレンジャー」。

私はオーレンジャーカーレンジャーもVSしか見ていないけど、カーレンジャーの方が「うあおー」を連呼して、オーレンジャー諸共カーレンジャー時空に染め上げていた記憶。

 

■丸尾桃

オーピンク丸尾桃を演じるのはさとう珠緒さん。オーレンジャーゴーカイジャー16年前の作品だけど、経年を感じさせない可愛らしさ。

遊園地でプラカードを持って海賊たちに溌剌と大声で呼びかけ、大いなる力を餌に海賊をわがまま放題振り回すところは、その数年前くらいからバラエティーでお馴染みだったぶりっ子キャラそのままって感じかな。

でもそれは作戦のための演技。ジョーに見破られてガラッと表情と口調が真剣なものに変わる緩急が、切なくて素敵だった。

 

■軍人設定

一見脳天気にわがままを言いながら時折腕時計を見る桃の様子を不審に思ったジョーが、「軍人が時間を気にする理由は1つ。作戦がスケジュール通りに進んでいるか否か」と彼女の芝居を看破。

U.A.O.Hが軍隊であることから、またジョーの元軍人設定が活かされて、それまで振り回されていた海賊たちの反撃のターン突入と共に、コミカルな雰囲気から一転シリアスドラマに突入する切り替えスイッチとしての役割が鮮やかだった。

 

■星野吾郎隊長の作戦

次々にスーパー戦隊から大いなる力を奪っているバスコに取引を持ちかけ、ギガントホースの正しい情報と引き換えに大いなる力を渡す。

でもそれは、バスコを誘き出すための罠。取引場所に2重3重に爆弾を仕掛け、最悪自分ごと吹っ飛ばしてでもバスコを仕留める。

桃にはその間海賊たちを足止めさせ、定時連絡がなければ作戦失敗として桃が海賊に大いなる力を渡す。

バスコに1つ策を見破られては即座に次の手を繰り出して渡り合い、最悪どんな展開になっても大いなる力だけは渡さない保険まで掛けて挑む覚悟は抜かりなく強かで壮絶。

それだけに、自爆覚悟で仕掛けた爆弾を解除した番外戦士たちが次々現れて取り囲んだ時には「詰んだ・・・!」とゾッとした。

 

■レジェンドからの信頼

星野隊長の真意を知り、「どうしてそこまでするんだ?俺たちは海賊だぞ!」と戸惑うマベへの

「そう名乗ってるだけなんでしょ?だから隊長はあなた達を信じ、危険な作戦を立てた」

という桃のちょっと泣きそうな答が切実で、グッとくる。

もしかしたら桃自身はこの時点ではそこまで海賊達のことを信じきっていないかもしれないけれど、隊長の命掛けの信頼がどうか裏切られないで欲しい、っていう願いも籠もっているようで。

そんでようやく、ここまで30話分の積み重ねがレジェンド達の情報網に浸透しているんだなと感慨深かった。特にハリケンジャー回の、ボロボロになってもビッ栗にされた人達を守る姿勢が恐らくは信頼度をかなり高めて、隊長も海賊たちを信じていいと思ったんじゃないかな、と。

 

■力をどう貰うか

「悪いがあんたから貰う気はしねぇ。俺たちは海賊だ。欲しいもんはこの手で掴み取る!」

大いなる力を桃から貰うことを拒否し、海賊たちは取引現場に向かう。

自分たちを信じてバスコにたった1人命掛けで立ち向かう星野隊長という男に会ってみたいし、力を貰うならそんな彼から直接貰いたい。そんで連絡がない=作戦失敗なら絶対にピンチだろうから駆けつけて助けたい。そんな気持ちなのかな。

その心意気は尊いと思いながら一方で、「いや、力を盗られる前に駆け付けられる保証はないんだから今貰っておこうよ」とヒヤヒヤしてしまった私は貧乏性だ(汗)。そんなの全然ドラマチックじゃないのに。

でも、バスコがラッパを吹いた時に自分の体に大いなる力がまだ残っていることを知った星野隊長の焦りには「だよね・・・」と同情した。間一髪間に合うのはお約束だけど。

 

■自分のことは自分で

ズバーンとウルザードファイヤーは、自力で巨大化出来る戦士。それを活かして鎧との交戦中にいきなり巨大化する。実体化したレンジャーキーでもそこまで出来るんだ。

いきなりのことに困って「どうしましょう」と判断を求めた鎧に

「知るか!自分でなんとかしろ!」と突き放すマベが、いかにもアウトローで常に助け合うとは限らない海賊らしくて笑ってしまった。やっぱり海賊の仲間入りのハードルは高いな。

まあ他のメンバーもデカマスターデカスワンマジマザー、理央メレ、姫レッド、シグナルマンという豪華過ぎる強敵揃いの相手に手一杯なんだからそう言いたくなるのもわかる。

「そりゃあそうですよね・・・」と諦めて単独で豪獣神を呼び出し、等身大戦との同時進行で巨大戦を引き受け、瓦礫が皆の方に飛んで文句言われ「はい、すみません」とふて腐れた鎧がじわじわ来る。

基本的にポジティブで素直だけど、自分に対して時々雑になる扱いに不満がないわけじゃないんだよな。とくにルカに対して(笑)。

 

■レンジャーキーコンプリート

この番外戦士との総力戦に海賊たちは勝利。散らばったレンジャーキーも、回収に来たサリーを鎧が撃退して奪取に成功。

これでバスコが持っていたレンジャーキーは全部海賊が奪い取り、コンプリート。

バスコとの戦いも、ここで第1ラウンドは海賊の勝利で一段落したかに見えたんだけど・・・次のステージがいきなりハードモードすぎた(汗)。

 

■バスコ完全体

これまでは主にサリーや追加戦士・番外戦士のレンジャーキーと戦わせ、自分では必要最低限の戦闘しかしなかったバスコ。

でもレンジャーキーを全部奪われてしまい

「もうおまえを守るレンジャーキーはないぞ!」「今度こそ終わりだ、バスコ!」とマベが襲いかかった時、バスコの体から赤く不気味なエネルギーが放出され、攻撃をはね除ける。

「終わり?笑わせないでよ。マベちゃん程度が俺をなんとかできると思ってるの?」

口調もこれまでより冷酷度と不気味さが増して、細川さんの演技にもぞっとした。

そしてマベやサリーも見たことのなかった怪人体が姿を現す。

「これが、アカレッドも恐れた、俺の真の姿さ。まさかガレオンで飯作ってるだけで俺の首に300万ザギンの賞金がかけられるわけないっしょ」

マベには本性隠して<戦闘はそんなに強くないけど料理作ったりとか何かと面倒見てくれる気さくで楽しい兄貴>として振る舞ってたのか。マベ、二重三重に裏切られてたんだな。

バスコ完全体は突撃してきた鎧を「前も思ったけど、うるさいなぁ君は」と嫌悪感を滲ませながら、軽くあしらうだけに留まらず片腕をひねり上げてグギッ(汗)。鎧の絶叫も断末魔に近くて、怖さ倍増で、かなりビビった記憶。

それを見て残り5人が怒りのファイナルウェーブを放つもバスコは軽々弾き返す。この時点でデラツエーガーよりずっと強いな。

そのままサッと5人の間を駆け抜けたかと思うと、海賊たちは攻撃されたと認識も出来ない速さで大ダメージを受けて倒れる。初登場補正もあってか、圧倒的で絶望的な強さ。

 

なお怪人体は台本で「バスコ完全体」と書かれていたため、人間体は後に「バスコ不完全体」と呼ばれるようになったとのこと(笑)。

 

アカレッドの思惑

バスコのこの凶悪ぶりを見ると、アカレッドは正体を知りながらなぜスカウトしたのかと疑問も沸く。

単に見る目がなかったのか、認識が甘かったのか、それともバスコもアカレッドへの不信がなければあそこまでの裏切りはなかったのか。

ただ、力を奪い取れるラッパを用意したのもアカレッドだとすれば、大いなる力を冷徹に奪える人材も欲しかったのか?なんて可能性も考えてみたりする。

 

■力を奪われた戦隊

「俺が奪った、チェンジマン、マスクマン、フラッシュマンの大いなる力だよ」

今回一番辛いのがここかな。

変身能力を奪われた状態ではレジェンドとはいえ誰1人バスコに太刀打ち出来ず、奪われてもそれは不可抗力。

物語的にもバスコを強敵と描くためには幾つかの大いなる力を奪う事も、どの戦隊が奪われたのかをハッキリさせる事も必要。

それはわかるんだけどレジェンド回を貰えた戦隊は格好良く描かれるだけに、力を奪われてしまう戦隊に思い入れある人によっては、当時批判もあった記憶。特に同じ80年代のライブマン回が凄く評判良かった直後だけに。

ここ2年、思い入れある対象の扱いの不遇にかなり気持ちを拗らせて続けている私(汗)には、自分が奪われた戦隊のファンだったらやっぱり怒るかもな、と思ってしまうから難しい。

当初は、ギンガマン回か55V回でバスコに取られる話をやる可能性もあったのが、やはりゲストに申し訳ないからとなくなった、と聞くと尚更かな。奪われずに済むか否かはその場に海賊たちがいるかいないかの違いだけで、決して奪われた戦隊が格落ちするわけではないんだけど。

ただ、冒頭のチェンジマンの大いなる力が奪われる描写、もしあれがウルザードファイヤーに負けて奪われたのではなく、未遂に終わったものの55V回のように人質の命と引き換えに、って形だったらまだ少しは違ったんだろうか?なんてぐるぐる考えてみたりもする。

 

■痛みを伴う回

この31話はゴーカイジャー全51話の中で、個人的に1番痛みを伴う辛い回かもしれない。それはひとえにバスコ1人のせい。

・バスコにチェンジマン、マスクマン、フラッシュマンの大いなる力が奪われたこと

・バスコとオーレンジャーの星野隊長の対決はバスコに軍配

・バスコがその正体を現し、圧倒的な強さでゴーカイジャーを蹂躙

とレジェンド回にもかかわらず、結果的にはバスコ1人に煮え湯を飲まされ、踏み台にされてしまった感もある。星野隊長も頑張って覚悟と強かさ用意周到さを充分見せたけれど、更にその上手を行くバスコ、みたいな。

基本的にゴーカイジャーは大好きで何度も見返してるけど、この回は、辛くてついついとばしたくなったりもする。

でもこうして振り返ると、海賊たちに対するレジェンドたちからの信頼が決定的になったとハッキリ分かり、オーレンジャーの大いなる力に加えて番外戦士のレンジャーキーも全てgetしたりと、1年間の物語のマイルストーンとしても大事で必要な回でもあるんだよな、と改めて思えて複雑。