キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 51話(最終回)感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■まさにジョーカー

ゴーカイジャーは地上戦ではダイランドーに「何なのこの強さ?」と言わせるほど兵士たちを圧倒出来たけど、空からの大艦隊の爆撃に対しては、ゴーカイオーも豪獣神も破壊された今は為す術がない。

今の自分たちには戦える船がないことは50話で言及されている。その上でお宝を使わず自力でザンギャックを倒すと選択したことに私もあんなに感動したくせに、いざそれを突きつけられると「こんな無策のままじゃ海賊も地球人も全滅だから、やっぱりお宝を保険にとっとくべきだったんじゃ?」と頭をよぎってしまった(汗)。

でもあわやというピンチに、ナビィがなんとバスコの船!を操縦して駆け付け皆の盾になる。

考えてみればバスコは船でやって来たんだから当然地球のどこかに停泊されているはず。前話でもう戦える船がないと海賊が嘆いた時にナビィが「船ぇ?」と首を傾げたのは伏線で、バスコが船を隠しそうな所へ探しに行った、というのは理に適ってるわけだ。

でも当時は完全ノーマークで、「その手があったか!」とホントびっくりした。

海賊たちも全くの想定外。彼らが事前にそれを思い付いてナビィに捜させていた方が、地球人たちの命もかかっているだけに海賊たちの株は上がったろう。でも、この驚きと7番目の海賊ナビィ最大の見せ場が良すぎたから文句なんて言えない。

船の名前はフリージョーカー。私の記憶だと最終回で初めて聞いた気がするけど、まさに逆転の切り札、ジョーカーだったな。

 

■千載一遇

マベはこのフリージョーカーで皇帝のいるギガントホースに突っ込むという作戦を即座に決める。

「狙うは大将の首一つ」は多勢に無勢の時の常套手段。だけどそれ以外の重要な狙いもあったことを、当時の私はまだ想像もしていなかった。

そんでこの後のジョーが素晴らしい。マベの意図するところを正確に汲み取り、一瞬切なく顔を曇らせるも、鎧に「お前も一緒に行け」と、マベとの関係の深さを考えれば自分が行きたいはずの危険かつ重要なミッションの相棒の座を譲る。

「夢なんだろ?ザンギャックを倒すのが」と、宇宙最大の宝という自分たちの夢を手放した代わりに、鎧の夢を後押ししてみせるのも忘れない。

「最前線に皇帝が出てくるなんて千載一遇のチャンスだ」という台詞は、例によってジョーの元軍人らしい戦略眼をアピールすると同時に、メタ的にはそれだけでなく、ここがレジェンド大戦との違いなんだとさりげなく示している。

この後の展開を見れば、たとえ艦隊の数はレジェンド大戦の何倍来ていたとしても、あの時とは違い皇帝が出張ってきたからこそ、ゴーカイジャー1戦隊でも大逆転に繋げられたことは明白。34戦隊が大集合してもザンギャックを滅ぼせなかったからといって先輩たちの格落ちとはならない、という配慮も感じて好き。

 

■艦隊全滅

マベと鎧はフリージョーカーでギガントホースに体当たりし、ポイっと雑にナビィを逃がして(笑)ゴーミンをなぎ倒しながら皇帝のいるブリッジに到達。

座ったままでもやたらめったら強い皇帝に苦戦し、鎧がゴールドモードで立ち向かうも、いつの間にかマベが画面から消えてる。あれ?と思ったら操縦席に座っていて、手際良くボタン操作したと思うと、ギガントホースに備わった全ての砲で、空を埋め尽くす超大艦隊を次々に破壊し、とうとう全滅させてしまう!

いや、あんな大軍どうやって対処するのかと思っていたら、「地球の意思とかレジェンドたちの思いが結集してその時不思議なことが起こった」みたいな奇跡や超常現象などには一切頼らず、あくまで現実的かつ理に適った方法で成し遂げたことに驚いて、しまいには笑ってしまった。

何が酷いって、皇帝のいるギガントホースに攻撃することは重大な反逆行為であり、その場から勝手に逃亡することも軍令違反だから、どんなに大軍だろうと反撃も退却も出来ないまま、大人しく順番に撃たれるのを待つしかないってことだよね(笑)。「逆らったからには逃げ続けるか死ぬか」というあの宇宙の一般常識が骨の髄まで染みこんでいるからこそザンギャックの兵士やっているのなら尚更。

一方で、根本的には他人を信用しない孤独な独裁者とその息子とための艦であるギガントホースには、部下の謀反に備えていざとなればどんな艦隊だろうと駆逐出来るだけの火力を持たせていてもおかしくなかったってことで、そこをマベに狙われたわけだ。

皇帝が最前線に出てきたからこそ可能だった大逆転。逆に言うと、皇帝さえ出て来ていなければ、多分フリージョーカーもいつかは大艦隊に破壊されて、ゴーカイジャーは勝てなかったと言ってもいいと思う。自分の手で息子の敵討ちがしたかったのかもだけど、出張ってくれてありがとう皇帝陛下!

 

■ダイランドー

強いことは強い。だけど結論から言えばジョーの言うとおりマベと鎧を除いた4人だけで、苦戦はしても倒せた。バトルとしては自慢の大艦隊殲滅に驚愕して空を見上げたところを背後から撃つ卑怯な「海賊ですから」攻撃や、ハカセのズバーンを変形させた剣を使いジョーのデカマスターが二刀流、そして攻撃ダメージで変身解除しながらもゴーカイガレオンバスターでトドメ、と見せ場はたくさんあるものの、ダイランドーはそれをがっつり受けるだけ受けて散っただけ。「ちょいちょ~い」など印象的な口癖以外は特にキャラとしての掘り下げはない。

でも、もしかしたら逆に、わざとんな扱いにしたのかもしれない。1年レギュラーを張ったお馴染みの幹部たちは一人残らずきちんとスポットを当ててから退場した。

後に残ったのは、非常に強いけれど見ている側の思い入れは薄い皇帝とダイランドーだけ。仮に海賊たちがあの絶望的な状況下で「賢く確実な選択」をしてお宝を使った場合には消えてしまっても正直惜しくなかったと思うから、純粋に海賊たちがどんな選択をするかだけをハラハラ見守れた部分もあったのかなと。例えばダマラスが生き残っていて、彼と決着を着けずにザンギャックが消えてしまったら?と考えると、個人的には寂しかったと思う。

「こっちはやったぞ、マーベラス

自分ではなく鎧を行かせ、別れ際にマベと視線のやりとりだけで意思疎通し送り出したジョーが、ギガントホースを見上げて笑うのが格好いい。マベとの関係の長さを活かした相棒ポジションにバリゾーグとのドラマと、年間通して凄く描写に恵まれた良いブルーだった。

 

■ギガントホース破壊

大艦隊を失って精神的な動揺もあったけど、それでもマベ鎧2人ががりを同時に吹っ飛ばす皇帝は強い。あのダマラスを従えられるんだから当然か。

2人は劣勢のままファイナルウェーブを出そうとし、それダマラスにもバスコにも跳ね返されたんだけどな・・・と思ったら、狙いは今度も皇帝ではなく艦そのもの。さっきマベが座った操縦席のシステムを破壊し、船のコントロールを失わせて動揺した皇帝を串刺し。

大艦隊は殲滅させたけど、そもそも大艦隊を殲滅出来るほどの攻撃力を持ったこのギガントホースを地球上空に残しておくわけねーだろ!と言わんばかりの「狙いはこっちなんだよ!」が素敵。

とことん海賊らしいゲリラ戦法(と言っていいのかどうか)で、数の上では圧倒的不利だった空中戦を実質2人(+1羽)で制してしまった。お見事過ぎる!

 

■お宝を使っていたら

最終決戦におけるザンギャックの爆撃による被害は見る限り甚大で、もしお宝を使ってザンギャックがいなかった世界に変えていたら、失われずに済んだ命もあったのかもしれない。

だけど考えてみるとザンギャック以外にも、これまで地球を襲った脅威は34のスーパー戦隊が戦ってきた分だけ存在した。もしスーパー戦隊がいなくなった地球にその脅威が迫っていたら地球はどうなっていただろう。そう考えると、やっぱりあの世界の地球からスーパー戦隊を奪わないという選択は正しかったんだろうな、と、改めて思ったりする。

 

■怒濤のゴーカイチェンジ

ギガントホースは破壊され墜落。マベと鎧は飛べる戦士にチェンジして脱出したのはわかるとして、皇帝はどうやって無事に地上に着陸したかのかはわからない。けど、全宇宙を支配出来る強さを持った宇宙人ならどうとでもなるってことなんだろう。直前に腹を串刺しにされたダメージすら感じさせない。

ここでまだ自分が海賊たちを葬れると考えている皇帝に、海賊たちがその心得違いを突きつけるのが好き。特にジョーの「この星を狙ったのが間違いだったんだ!」って言い回しが大好き。

 

ラスボス皇帝との最終決戦はレジェンド大戦とは違い、あくまでもゴーカイジャーの6人が自分たちの後ろにいる34のスーパー戦隊の力を借りて戦う。怒濤のゴーカイチェンジ乱れ撃ち。

長柄物コンビ、忍者集団、リボンコンビ、車集団、炎兄弟、と竹本監督曰く「1人攻撃じゃなくコラボ攻撃できるメンバーを選んで」「いかに皇帝を倒すというかよりも、いかに全戦隊を出すかを考えて、この1年で1番頭使いました」とのこと。

正直言って瞬きするのも憚れる感じで圧倒され、とてもじゃないけど全部の戦士なんて把握出来ず個人的に勿体なくて申し訳ない(汗)。強化形態の勢揃いでやっと息がつけた。そしてここでハイパーシンケンレッドは1人で美味しいとこ持って行き過ぎで狡いよ殿、いやマベ(笑)。

 

■主役は鎧

皇帝が最後の力を振り絞って放った攻撃の爆炎から鎧がガレオンバスターを持って飛び出すのが格好いい。その銃口を皇帝に突き刺すと、背中を5人が支えて零距離発射。遂に、宇宙帝国ザンギャック皇帝アクドス・ギルを倒した。

鎧の「スーパー戦隊として自分たちの手でザンギャックを倒す」という夢がここに叶う。

竹本監督は、マベたちはもうお宝を手にしたので最終2話の主人公は鎧だと仰っていた。物語的にも、鎧はメンバー中ただ1人の地球人だから、襲われた星の住人こそが当事者として中心にいるというのは納豆出来るしそうあるべきと思う。

海賊がスーパー戦隊になる道筋のこんなにも要所要所でマイルストーン的な役割を果たし、見習いから一人前の海賊への成長も終盤のクライマックスに絡めてしっかり描かれ、最終回は鎧の夢を海賊たち皆が後押しする実質主人公。本当に、本当に幸福な追加戦士だと思わずにいられない。

 

■カレー屋再び

数ヶ月後、海賊たちは1話で店が破壊され食べ損なったカレー屋を訪れ、今度こそゆっくり心ゆくまで味わっていた。

宇宙新聞の記事によれば、ザンギャックは皇帝を失ったものの完全に滅んだわけではない。でも本星では内部分裂が進んで宇宙における影響力を失い、崩壊は時間の問題と見做されている。わりと現実的な落とし所なのが、シビアなゴーカイジャーらしい。

マベは、次の狙いは宇宙で2番目のお宝であり、そのありかはザンギャック本星だと目星を付けていると言う。その言葉を聞いた他の仲間たちも、笑顔を浮かべてそれに付き合うと表明する。

1つの夢に決着を着けてもそこで立ち止まらず、当たり前のようにまた次の夢を追うのがマベらしいし、ゴーカイジャーらしい。でも彼らの意図は本当にお宝探しなのか、それともこの機を逃さずザンギャックにトドメを刺すのが真の狙いなのか。

 

■保育士さんと園児たちも再び

鎧が合流して海賊たちが出立しようと船に向かうと、保育士さんと園児たちが地球を守ってくれたお礼を言いに駆け寄ってきた。これも地球での初戦を思い出させて懐かしい。

でも海賊たちは、「自分たちはたまたまお宝探しに寄った地球で邪魔なザンギャックを排除しただけ」と否定する。ハカセの「だからお礼を言われる理由はないよ」など、海賊たちの台詞も1話ラストで助けたお礼を断ったやりとりと重ねている。

物語の始まりと終わりをこんなにも綺麗に重ねて完成度高めてどうすんだよ?と、ちょっとだけ腹立った(笑)。

別れを告げて歩いて行く海賊たちの行く手に修理を終えたガレオンが大きく浮かび上がるのが、いよいよ彼らが地球を去る寂しさを突きつけて、切ないけど格好良くて清々しい。

 

アカレッドを乗り越えて

出立の直前、マベはスーパー戦隊の大いなる力を宿したレンジャーキーを船から地上に放って元の持ち主に返す。

ふと船首を見ると、そこにアカレッドの影。マベの方に少し振り返って頷いて見せる。マベにとってアカレッドは死者の幻影かもしれないけれど、その姿に「あばよ、アカレッド」と微笑む。

スーパー戦隊の力と存在を代償に、宇宙最大の宝で地球を守るようマベに託したアカレッドにしてみれば、ゴーカイジャーが出した答えと結果は自分の想定を超えるものだったかもな。彼の成り立ちを思えばスーパー戦隊を犠牲にすることは苦渋の決断だったろうから。

アカレッドに拾われて彼に懐いていた少年は、命を救われて夢を託され、それを叶えるため彼の背中を追いかけながら不敵な船長の鎧を纏い、地球で仲間と共に数多くの冒険や苦難を乗り越える過程でやがて真似ではなく自分自身の足で立ったキャプテン・マーベラスとなり、「邪魔する奴はアカレッドだろうとぶっ潰す」との境地に達して夢を一度は掴み、だけど誇りを持って手放すことでアカレッドをも超え、今その幻影かもしれないものに改めて別れを告げる。マーベラスの冒険と成長の物語としても完成度高いなと思う。

 

■レジェンドたちの大集合

OP曲が流れ出すと共に、10人を超えるレジェンドたちが次々にレンジャーキーを受け取り、去って行くガレオンを見上げて敬意を表する。

宇都宮P曰く、ラスト3話は実質竹本監督の回だそうで、レジェンドたちも「ここまで来た以上はとにかくできる限り揃えましょう」と。P的にはずっとスケジュールが悪い中でゲストを増やすことを危険視していたけれど「絶対間に合わせるからやらせてくれ!」と主張され、キャストも知らない所でどんどん増えていったとか(汗)。ホントよくぞここまでと頭が下がる。

ゴーカイジャーは本編:中澤監督&劇場版:竹本監督でスタートし、劇場版:中澤監督&本編:竹本監督で締めくくられたけれど、どちらのお仕事も素晴らしかった。

 

レジェンドのトリをアカレンジャー海城剛が務め、「掴み取れよ、今度は君たちの夢を!」と力強く語りかける。<今度は>という言葉からは、地球の人々のために自分たちの夢を掴まなかった海賊たちの思いを、レジェンドたちがしっかり受け止めていることが感じられる。示された敬意にはそのことも含まれているんだろうな、というのが尊い

そんなエールを背に海賊たちはザンギャック本星に向けて力強く梶を切り、この物語は終わる。

 

■特別な戦隊

宇都宮Pは、「ここまでスケジュールが悪かったのは初めてで、雨が降るたびに寿命が縮む思いだった」そうだけれど(「帰ってきた~」のVシネがないのも恐らくそのせいかなと)、一方で、「いろんな意味でやり過ぎた気がする」とも仰っていた。

本当に、これまで私が見た中でもストーリーラインの綺麗さ、キャラの魅力、ゴーカイチェンジを除いても個性的な戦闘スタイル、震災を乗り越えていろんな無茶を突破しての付加価値創造等、個人的に一番特別な、宝物みたいな戦隊になった。

 

一方で後発、特に宇都宮P作品を見る時に私にとってはこの完成度の高さが呪いみたいになり、ストーリー構成やキャラバランス、顔出し敵、追加戦士、全部集めると願いが叶うアイテムや取り戻したい死者の扱いなど、様々な要素で個人的にハードルを上げてしまった部分はあるかな、とちょっと反省もしている(汗)。

 

物語自体は9年前に最終回を迎えているのに、感想を書き終わると思うと、半年以上かけてやっと最後まで辿り着いたという安堵と一緒に、今更ながら名残惜しい気持ちもある。最終回のサブタイトル「さよなら宇宙海賊」をいつもより大きなフォントで画面いっぱいに打ち込んだ当時のスタッフさんの気持ちがちょっとわかる気がした。

なお本編ではないけれど劇場版、特に199ヒーローは完全に本編と地続きで大いなる力もたくさん貰っているので、こちらも押さえないといけないかなとも思う。けど、あれはいろんな意味でボリュームがありすぎるので、まだどうするかは決めていない。

とりあえず今は、改めてありがとうゴーカイジャー

それから、無駄に長くなってしまいがちな拙文に最後までお付き合いいただいた方にも、お礼申し上げます。