キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 23話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■海賊の人助け

「人助けが出会いを導くぞよ」

とナビィの占いで言われて、街に出た海賊たち。

お年寄りの階段昇りを手伝うマベと鎧、イヤリン拾って落とした相手に渡したらおネエ様に迫られタジタジのジョーとハカセ、と今回メインじゃない男衆の人助けという形で、地球人との触れ合い(ジョーとハカセをそう言っていいのかは疑問だけど)がコミカルに描かれてる。

あと香村さん的には、ジョーは年上の女性?に押しまくられると弱いことになってるのか(笑)。

 

■母娘

ルカとアイムが出会った臨月の母親と幼い娘。母親の陣痛が始まり、おろおろするだけの2人の前に現れた女性が、テキパキとタクシーでかかりつけの病院に連れていこうとする。

そこになぜか現れたゴーミンをルカとアイムが片付けた後に、遅れて病院に見舞うと、助けてくれた女性は55Vのマツリだと母娘に聞かされる。

今回この母娘の出番は決して多くなく、この後はエンディングで出産後に赤ちゃんも含めて3人でルカ、アイムそれからマツリとの交流を見せていただけ。

だけど、特に娘の方はルカの傷を呼び起こして今回の掘り下げに繋げたことを思うと大事な役割だったなと思う。

そんでまだ先だけど終盤の展開を考えると、香村さんがこの回にこの母娘を出しておいてくれて本当に良かったな、とも。

 

■遅れた理由

55Vのレジェンドが!との連絡を受けた男衆の前にそれぞれ障害が立ちはだかる。

マベと鎧の前には大量の、自分も階段を昇りたいお年寄りたち。あの階段をあれだけの数おぶって昇ったのか(笑)。

まあ外見は地球人とそっくりでも身体能力は何倍も高いと3話で見せつけたマベなら大丈夫・・・のはず。当然鎧も責任とって手分けしたんだろうな?

で、ジョーとハカセはなぜ大人しく座ってお茶しながら化粧された(汗)?ダブルヒロインのピンチに駆け付けるのが遅れた理由が化粧落としに時間かかったからって酷すぎる(笑)。

でもゴーカイジャーは女装回がなかったから、ハカセが普通に可愛かったので許す。ジョーについてはノーコメントで(汗)。

 

■バスコ再び

重傷の男の子と付き添うマツリを乗せた救急車の行く手を遮るゴーミン。それから理央メレ、ズバーン。

遅れてバスコが姿を現して、海賊に動きを悟られないようダマラスからゴーミンを借りてマツリを狙い、大いなる力を奪おうとしたことが判明する。

バスコはザンギャックには属さない第3勢力。だけどザンギャック幹部のダマラスには表立って動けない自分の代わりに海賊の活動を邪魔させたい思惑があるから、必要ならゴーミンを貸しても不自然ではない。そんでヒーローがバスコたちの代わりにゴーミンを倒す活躍を見せられるのが、良く出来た設定だと思う。

一刻を争う容態の男の子のために大いなる力を渡せ、ってこの人はホント卑怯な手が好きだよな。これまで人質とらなかったのはギンガマン回だけ。正々堂々が苦手って言ってたのは伊達じゃない。

 

■妹がいた

大いなる力を渡そうと進み出るマツリをルカが救急車に押し込めた。大いなる力を渡したくないからとかより、急変するかもしれない男の子に付き添ってやらないとダメだと。

ここでルカの過去が明かされる。

6話で戦災孤児の姉役として小さな子たちをまとめて面倒見ていたと描かれたルカに、実はフィアという妹がいた。でもそんな瓦礫の中での不衛生で栄養も不十分な生活のせいか倒れて、医者に連れていく途中で急変し、為す術もなく亡くなってしまう。

だから同じように瓦礫の中で生きる幼い孤児たちの面倒を見ることでその傷を癒していたのかもしれない。彼女が叶えるためにお金を貯めている夢もそれに関係しているんだろうと、この時点でもわかる。

そんでアイムにも無意識に妹を重ねて何かと気にかけ、時々世話焼き口調になっていた。

これは「人の命は地球の未来」ということをルカは絶対によくわかっているはずだろうと、この今回のテーマとアイムとの関係性を接続出来るよう、サブながらほぼ香村さんが作った設定だと後に知ってびっくりした記憶。

つくづくパズルがお得意なんだろうなと思う。今作での香村さんはホント単なるサブライターの域を超えて頼もしい。

 

■前に進みたい人

母娘に「妹を守れなかった姉」というトラウマを呼び起こされたルカは、同じ轍は踏まない、自分がなんとかしなきゃ、と抱え込みすぎて「自分がマツリの服を着て成りすます」とか、ルカにしては頭の悪い提案をし、見かねたアイムに「私もいます!」と嗜められる。

(もっとも10話のゴーミン扮装スキルを見る限り、変装というもの自体を舐めてる可能性も・笑)

「もっと頼って下さい。もっと信じてほしいです。わたくしは、いつまでも守っていただくばかりの妹分で居たくありません!」

いつも姉が妹にするように気遣われ、さっきの戦闘でも庇われて代わりにダメージを負わせてしまった。アイムはそういう出来ない自分に甘んじているのが嫌で、克服しようとしてきた人。

おっとりしているようで実は負けず嫌い、といってもそれは他人と競争して負けるのが嫌というより、自分に負けるのが嫌な人なんだろうなと思う。

 

■等身大感

アイムと妹は違う、と気づかされたルカは一転、素直にアイムを頼る。

ルカってスーパー戦隊史上空前絶後守銭奴キャラで、強かな元女盗賊ぶりが格好良く魅力的で、私もそこがお気に入りだった。でも同時にあくまで常人とはかけ離れたスーパーな海賊キャラとして見ていた部分もあったと思う。

だけどこの回の掘り下げではそれまでとちょっと違って内に抱えている弱さ脆さが見られ、以前より等身大で身近な存在に引き寄せてくれた。

ギンガマン回の鎧の時もそうだけど、私が香村脚本に感じている魅力の1つがこの、キャラたちがいつの間にか画面の向こうの他人事でなくなる、リアルな等身大感だと思ってる。

 

■姉キャラ妹キャラ

スーパー戦隊ってある時期からダブルヒロイン制のチームも多くて、疑似姉妹的なキャラ分けになることも珍しくないけど、宇都宮Pもこのパターンが好きなのかな。シンケンもトッキュウもしっかり者の姉が弱って妹がたまには頼って、というパターンだった。VSのルパパトも変則的だけどその要素はあったと思う。

(ジュウオウは例外であれの対比は姉妹ではなく他人特に男に頼ることに対するスタンスの違いで、下手に触ると生々しくなりすぎるのでやらなかったのかなと・汗)。

私もわりとこのパターンは好き。

ただし香村さん的にはアイム役の小池さんが妹っぽい感じには見えず、2人ともお姉さんタイプに思えて今回のような話にしたらしい。

ルカがお姉さんぽくアイムを構ってるシーン(冒頭の刺のくだりなのかな?)は台本になかったとのことでちょっと意外だった(汗)。

 

■出来ることが増えていく

他の物や人に姿を変えることが出来るマジピンクの魔法でマツリに化けてバスコを騙し、その隙に救急車とマツリを病院に向かわせる、というのがアイムの作戦。

マジピンクの魔法は戦闘とは無関係で、戦いの中で習得した知識とは思えない。だからきっと鎧の大百科で学んだんだろうなと思う。

鎧の、アイム曰く「大変な偉業」は着実に海賊たちの血肉になって、出来ることを増やしていっているのを感じさせる。

 

■マツリ

私は55VはVS劇場で見ただけだけどマツリ役の人はシンケンジャー12話で初めて見て、めっちゃ綺麗な人だなとびっくりした記憶。

今回も凄く綺麗で、末っ子設定と聞いているけど、職業柄もあってかしっかりして頼れる大人の女性という感じ。バスコとの立ち回りでニヤッとする表情とか素敵だった。

 

■お姫様抱っこ

バスコもスーパー戦隊の知識は地球に来る前の海賊と同レベルだからまんまと騙されてしまい、女の子たちに1本取られる。

でもさすがに2人だけで理央メレ&ズバーンを相手にするのは厳しく、派手に吹き飛ばされて変身解除したところにやっとこさ男衆が駆け付け、マベがルカ、ジョーがアイムを姫抱っこキャッチ。

どうも巷にはこの組み合わせは逆の方が良かったという人もいるようだけど(笑)、私はルカがマベに文句&ジタバタするのは楽しいし、アイムも4話や12話ラストを思えばニヤニヤ出来るのでこっちでもいい。そんでハカセと鎧は、体格的に押し潰されそうな感じがするから選択肢に上がって来そうにないのは仕方ないよね、と思ってしまってごめん(笑)。まあ実際には鎧役の池田さんとか腕も太いし大丈夫なんだろうけどなんとなくキャラ的に。

 

■「わりぃ、ミスった」

理央メレズバーンは倒されてレンジャーキーに戻るもサリーが回収し、撤収と共に火属性のロイド、メランちゃんがお腹からに出てきて巨大戦ノルマ消化。

火属性相手にマジドラゴンの炎をぶつけて、却って元気にしてしまったマベのこの謝罪がわりと好き。

たまにはミスもするよね。仲間たちも遠慮なく文句言いながらも後を引かないさばさば感が何とも好き。

そこで相性の良い消火要素を持つ55Vの大いなる力を得て打開する流れは綺麗。

 

■いぶし銀

今回はレジェンド回なんだけど、直近のレジェンド3本のインパクトが強烈なので比べると若干大人しい印象かな。レジェンド回という以上にダブルヒロイン回でもあるし。

あと、次回がアレのせいで後から振り返ると、どうしても霞んでしまった部分はあるかなと思う(汗)。

だけど香村さんは、ゴーカイジャーと地球人の絡みや、レジェンドを身近に感じている一般人たちの姿の描写にも気を配られていたのが、当時のインタビュー等でも感じられた。

だからレジェンド回、ダブルヒロイン回に加えてそういったいろんな要素もバランス良く詰め込みつつ、良い話にまとめられたと思う。

ただし要素がバランス良く分散した分だけ若干パンチ弱めになるという、「良い話だけど盛り上がりがイマイチ」と後に人によっては香村さんの弱点と見る部分が出た回でもあるのかもとは思う。

だけどたとえ1エピソードとしては多少パンチが弱くなったとしても、1年間の縦軸で見た時には、ここで書いておいてくれて良かったな、と個人的には思えることが幾つもある。そんな燻し銀的な回かな。