キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 26話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■良い子組の矜持

ハリケンジャーの主張に激しく異を唱える鎧、と言う緊張状態で終わった前回からの続き。

ハカセが「もういいよ、ありがとう」と譲歩。アイムも「今は私たちが対立している時ではありません」とキーを差し出す。

日頃ウザいくらいにスーパー戦隊愛を押し付けてくる鎧が、その敬愛するレジェンドたちに逆らってまで自分たちのこれまでを代弁してくれたことは、ハカセたちの気持ちを和らげ、冷静にさせてくれた。「ありがとう」に鎧の辛い立場への労いを感じて、好き。

それだけでなく

「ついでにマーベラス達のことをちゃんと見て、どんな奴らか確かめてきてください」

と、きちんと彼らを知ればこの人たちの不信はきっと消えるはずだと自信を覗かせる。これまでのレジェンドとのやりとり、特に最初は対立や不信を見せたガオやシンケン、ゴセイとの交流を積み重ねた経験が効いているな。更に

「いいのか? 逆に返す気がなくなるかもしれないぞ」と言うハリケン組に

「心配要りません。その時は、力尽くで取り戻します」

と、一見おっとりした元王女のアイムが海賊としての矜持を見せつけた。

ここにいるのは海賊らしくない良い子の新参組。だけどやっぱり彼らだって海賊なんだよ、と強く打ち出したこのシーン、大好き。

 

■いじわるクイズ

どう見てもアカレンジャーだけどそう答えても不正解で実はサタサクラの変装、とか「絶対に正解の出ないいじわるクイズ」に苦しめられるマベたち。

ダマラスのあの重々しい口調から「いじわる」という言葉が出ると可愛く思えてじわじわ来る。

不正解だと罰として上から水入りバケツが降下。ルカの頭がスポッとバケツにハマってしまったのは確か偶然だったはず(笑)。10話のゴーミン変装のイメージもあって、ルカにはバケツがよく似合う(違)。

更にクイズはいつもの岩舟山?に場所を変え、火薬を盛大に使って罰もスケールアップ。

 

アウトロー組のヒーロー性

レンジャーキーでハリケンジャーに変身した鷹介たちはボキ空間に入り、忍法地獄耳。クイズにまともに答えようとせずに爆撃を受けるだけの海賊たちに失望し、サタサクラを倒そうと飛び出すがビッ栗を人質に取られ、逆に彼等も捕らわれてしまう。

クイズに正解しサタサクラが「ピンポン」と言えば拘束が解ける。でも正解と連動してビッ栗諸共くす玉が爆発する仕掛けだった。

海賊たちは口では否定したけど、万が一にも正解してビッ栗にされた人たちに被害が及ばないよう、ワザと答えずボロボロになってもなお甘んじて爆撃に耐え続けていたということ。

冒頭では良い子組の3人がアウトロー組不在の中で海賊としての矜持を見せつけ、今度は一見態度の悪いアウトロー組の3人が一般人を守るために体を張るヒーロー性を見せる。このひっくり返しの多重構造が素敵。

 

特に信用出来ないと言っていた3人、口は悪いわ生意気だわ気に入らねえとこばっかりのマベたちの真意を知ったハリケン組。縛られたままマベにゆっくり近寄って頭突きを喰らわし「やるじゃねえか」とニヤリと笑う鷹介が、少年の面影を残した9年前とは見違えるような粋でワイルドな大人の男で格好いい。

 

■元劣等生ならでは?

海賊に対する見方を変えたハリケン組は「よし、俺たちが助けてやる」と、逆にサタサクラにクイズで挑戦。

最初の2問を超簡単な問題で油断を誘うと3問目で見事「ピンポン」と言わせ、拘束を解くと同時にビッ栗を回収して危機を脱出する。

狡いというかなんというか、もと劣等生で不真面目だったりサボったりすることもある彼らだったから考えついた作戦という気がしないでもない。・・・「卓球」って答えてたらどうなっていたか・・・とはちょっと思ってしまったけど(汗)。

 

ただここ、個人的には若干ハリケン組に花持たせすぎたかな、という印象もある。

せっかく3人も出演して貰えたんだから、出来るだけ活躍させたいし良いところを見て欲しい、というのもわかるんだけど、結果的にマベたちはただ見てるだけになっちゃったのが、ちょっと不満。欲を言えば、出来ればここはマベたちも何か協力した形で脱出して欲しかったかな。

 

■VSコラボスペシャルだ

地上では待機する良い子組をいたぶるためザンギャックからバリゾーグとインサーンの幹部2人が送り込まれていた。流石に分が悪く変身解除に追いこまれたハカセたちの元に、信頼を深めた海賊たちとハリケン組が帰還。そんで「今度は9人でやらねえか?」と、海賊からハリケン組に共闘を持ちかける。

2戦隊揃っての名乗りはまんまVSのフォーマット。ゴーカイジャー本編の中にVSハリケンジャーを持ち込んでいる感じで、当時はテンション上がった。劇場版は実質ゴセイジャーとのVSで共闘したけど、本編でもレジェンド本人が変身しての共闘が、それも1戦隊勢揃いの形で実現するとは思っていなかったから。

迎え撃つ敵もハリケンジャー本編の幹部Jrにゴーカイジャーの幹部2人だから、こちらも充分スペシャルで花を添えてる。

 

■なぜハリケンジャーだったのか

これは憶測だけど、ハリケンジャーの大いなる力は新メカ(風雷丸)なのでしっかり要販促だったのと、恐らく3人という人数の少なさ(人数バランスと招集しやすさ)、それからハリケンチームの営業努力の賜物では?と思う。

当時のインタビューによれば、プロデューサーを待ち伏せして出演要請していたとのこと。ハリケンキャストさんたちの企画力営業力は見聞きした感じ図抜けているなと思う。

Wの時はジャスミン木下さんがゲスト起用されたのを知って長澤さんが「同じ塚田チルドレンとして私は?」と塚田Pに迫ったとご自身が語っていたのを読んだ記憶。

また、後に自分達で脚本付き企画書を持ち込み、スタッフ出演者に働きかけて10yearsを実現させたのは有名な話。それがデカレンやゴーオンといった後続を生んでいるんだから、ある意味彼らはスーパー戦隊シリーズの歴史に新たな流れを加えたことになるんだよな。

 

■見応えあるタッグバトル

ルカ、アイム、七海の女子組は、女幹部のインサーンと対決。いかにも女の子らしいパステルカラーの水色黄色桃色の配色が、砂糖菓子みたいに綺麗で可愛らしい。その3色のリズミカルな連携攻撃が見ていて小気味良かった。

ジョーハカセと吼太は武器交換。海賊の武器だと喜ぶ吼太が可愛い。そんで交換しそびれて葉の茂った木の枝を武器替わりにするハカセは平常運転。ハカセが吼太抱きついた状態で一緒にターザンとか、コミカルで楽しい。

今回メンバー個々の絡みはそんなに濃くなかったけど、吼太とハカセは気質やポジション的に重なる部分も感じて、共感しあえたり、なんなら愚痴を共有出来たりもする組み合わせなんじゃないかなと思ったりする。

 

マベと鷹介のダブルレッドのアクションは特に凄かったな。

鷹介が空駆けでサタサクラに連続キックをかまし、マベも地上で障害物を飛び越えながら併走して斬りつけるとか、滅茶苦茶格好良くて何度もリピった。

そんでこういう時にどうしても余る鎧は「覚悟!覚悟!覚悟しろよ」とかハリケンの主題歌の一節を叫びながら戦い、1人で強引にコラボ感を出していて、ホント便利だ鎧(笑)。

 

■ジョーVSバリゾーグ再びならず

ジョーがバリゾーグに向かって行く時に、特別なリアクションがなかったことはちょっと残念だった。

コラボ色を優先して特にフォーカスしなかっただけなのかもだけど、脚本がメインライターの荒川さんでもあったので、ジョーの中ではバリゾーグ(シド先輩)のことはもう、12話で吹っ切れちゃったのかな?とか、細かいところだけど気になっていた。まだこの時は。

 

■伝説の後継者

倒したサタサクラが巨大化し、それに立ち向かおうとする海賊たちに向けて鷹介がかけた言葉。

もとは自分たちハリケンジャーを指す言葉だったと思うけど、彼らからその志を受け継ぎ地球を守る者として海賊たちを認め、彼らなりの言葉でそれを表現したってことかな。

これを以て海賊たちは完全にハリケン組の信頼を得て大いなる力を託され、その力を具現化した風雷丸は晴れて頼れる新装備としてゴーカイジャーの仲間入りをした。そしてゴーカイオーと合体してハリケンゴーカイオー推参。

「海賊と忍者ひとつとなりて」は、本編でのハリケンジャーの旋風神とゴウライジャーの轟雷神それから風雷丸が轟雷旋風神に合体する時の「風と雷ひとつとなりて」のアレンジだよね。

最初は不信のあったゴーカイジャーハリケンジャーが心をひとつにしたことを、本編で最初は対立していたハリケンジャーとゴウライジャーが後に心を通わせたことと重ね合わせていて、洒落た言い換えだなと思う。

 

猫耳アイム

サタサクラを倒し、戦いが終わってハリケン組はゴーカイガレオンに招かれる。

和やかなムードの中、ジョーとルカが忍法地獄耳を教わっていると、「私も挑戦してみました・・・な~んてね?」とアイムが猫耳(笑)。そりゃ可愛いに決まってる。あざとい(笑)。

ルカが狡いと抗議し、七海も「お姉さんもそれは反則だと思うな~(つんつん)」と、同意しつつも可愛いは正義。

なお、これを見た稲田徹さんが、すかさずツイートで「アイムがあ~・・・」とか悶絶してたのを覚えている(笑)。稲田さんのアイム関連ツイートにはあの当時ホント楽しませて頂いた。

 

■兄貴に弱い

せっかくなので記念写真をと鎧が言い出す。照れ臭くてちょっとキョドったマベだけど、鷹介に「ほら、行こう」と促されると素直に従う(笑)。

やっぱりマベ、実は兄貴っぽく上から来られてさらっとリードされると弱いよな。これまでガッツリ絡んだレジェンドもボスとチーフという頼れるタイプだし、余計にそう見える。

バスコやアカレッドとの過去回想を見ても、わりと人恋しい末っ子タイプな感じもするし、あのふてぶてしさは赤き海賊団壊滅から1人で生き抜く中で身に付けた鎧なのかもなと思う。