キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 17話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■時系列

前後編名物冒頭での巨大戦で

「では先日頂いたゴセイジャーさんの大いなる力で行きましょう」

と、いきなりゴセイヘッダー大進撃(汗)。

戦い終えて

「なんたって大いなる力をまとめて11個も手に入れちゃったからね」

「それにふさわしい激戦だった」

「その前にはバスコから新しいレンジャーキーを15個もgetしたし」

と、劇場版の内容を堂々と本編にねじ込んできた(笑)。時系列的にはこう↓なる。

 

16話

→劇場版「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」

→17話

 

この劇場版で海賊たちは

ゴレンジャー、ジャッカー電撃隊、ゴーグルV、ダイナマンバイオマンターボレンジャー

デンジマンダイレンジャーボウケンジャーゴーオンジャーゴセイジャー

と、計11個の大いなる力を手に入れた。

 

当初、映画の公開はもっと早かったんだけど、震災で3週間延びたら16話と17話の間という時系列どんぴしゃなタイミングでの公開になった。ある意味災い転じて、なのかも。

でも誰もが公開直後に見に行けるわけではないから、17話より前により多くの人に見て貰うことを優先した当初の公開予定日も正しいんだろな。

 

(ここまで劇場版が本編に組み込まれていると本来は先に劇場版の感想&覚え書きをやるべきか迷ったんだけど、あれはあれでかなり中身が濃くて労力かかりそうなのでひとまず本編優先で)

 

■転んだら自分で起きる

巨大戦を大はしゃぎで見守っていた男。マベたちとすれ違った男の子がペタンとかなりわざとらしく(汗)転んだのを見て、起き上がろうとするのを制して「起こしてあげて」と、かなり図々しく要請、というのがファーストコンタクト。

なんかもう、「スーパー戦隊こうあるべし」っていう思い込みをいきなりベッタベタに押し付けてくるヤバい奴キター!ってビビった。

「ちょっと転んだくらいなら自分で起きりゃいいだろ」とマベ。

「そうだよ!」と男の子。

マベも言ってることがもっともだし、男の子もそれに同調して変質者扱い。

特に最終回まで見ると、この世界の地球人の子供が、あの程度で無力に助けられるのを待ってるわけないよな、と思う。

 

■キャラ崩壊

「俺の名は鎧。伊狩鎧。誰よりもスーパー戦隊を愛する男です」

「俺、皆さんの仲間になりに来たんです。ゴーカイジャー6人目の仲間に」

再度押しかけるなり、いきなり階段駆け上がって海賊たちを見下ろし大声&オーバーアクションで自己紹介&仲間入り志願。

さっきの「起こしてあげて下さい」から始まって、どこをどう切り取っても海賊にまともに相手にされそうな要素が皆無で再び「うわあ・・・」ってドン引き(汗)。

でも好感度のベクトルが直滑降し始めたその時に妄想が始まり

「やあみんな、元気かい?僕はキャプテンマーベラス。時々勢いつきすぎて失敗もするけど、皆の笑顔を守るために頑張るから、よろしくね?バァン!」

「僕はジョー。野球が大好き、力持ち」

というあまりにあまりなマベジョーのキャラ崩壊っぷりに大笑いして、面白れーじゃん!とベクトルが一気に回れ上したのを覚えている(笑)。

 

ハカセの反発

そんな清く正しく爽やかな妄想海賊戦隊スタイルが受け入れられるはずもなく当然のごとく総スカンなんだけど、中でも普段なら渉外担当として人当たりのいいハカセの当たりのキツさが印象的。後の19話での衝突の種は既にこの時点で蒔かれているのが手堅い。

妄想で省かれたってのもあってなんとなく本能的にポジションを脅かされそうな気もしたのかなと思うけど、後々になってみると最初のきっかけは案外ルカとの

「ちょっと可愛い気もしたけどね」

かもしれないと思った。ハカセに「えええ~」と否定的な反応をさせた荒川さんによると、たぶんルカに一目惚れしているらしいので(笑)。

 

■違和感

「嘘でしょ?まさかの拒否なんて・・・この展開は予想してなかったよ・・・」

という鎧の反応に、リアルタイムで見ていた時は

「いやあなたが拒否されると予想してないなんて予想してなかったよ?」

と、驚いたし違和感もあった。あんな押しかけ方をして何を根拠に自分が拒否されないと思い込んでいたのか。

でも、視聴者はマベたちのキャラをわかっているから、こんなの拒否されるとわかるけど、鎧にはマベたちとは初対面でわからなかったろうし、「スーパー戦隊はこういうもの」って先入観が凄かったせいもあるのかなと。

もっとも、鎧が後に語った不思議な経験を知った後では、誰かがある程度海賊側に根回ししてくれてるんだろうと思い込んでいても無理もなかったのかな?とは思う。

 

■加入条件

鎧の押しかけに不安を覚えるハカセにジョーが「安心しろ」と言う。

マベが認めなければ絶対に海賊の仲間入りは出来ない。

普段は平等に何でも遠慮無く言い合う仲だけど、いざとなればこのチームのリーダーは船長=キャプテンであるマベで、最終的には彼の決めたことが絶対なんだと改めて示される。

それは同時にこのチームに加入するハードルの高さも示していて、今のところ印象最悪でそこに足をかけることすら出来ない鎧がこの後どうクリアしていくのか?っていう物語への興味を煽ってもきていて、上手いなと思う。

 

■根は冷酷

今回の行動隊長アルマドンはバリアでの防御が強力で海賊たちは苦戦するも、首が弱点だと気付く。ザンギャック側も海賊たちが気付いたことは想定済み。

プライドの高いアルマドンの自分へのぞんざいな態度を不快に思った殿下は、首のガードを強化すると見せかけ爆弾をしかけ、海賊が攻撃してきたところをもろとも爆殺しようと企む。

殿下はコミカルで可愛らしいところもあるんだけど、ダマラスが「行動隊長も捨て石に」と戦慄したように根は冷酷で部下も使い捨て上等。そういう怖さをさらりと見せてきた。

作戦能力は優秀なところもあるのかもだけど、これでは下はたまったもんじゃない。でも強大な帝国の独裁者の跡取りだから誰も逆らえず、これで通用しちゃってそうなんだけど。

 

インパクトは強さより驚きで

再び対峙する海賊とアルマドンの間に割って入る鎧。

危険だから下がれというマベを制し、「見ていて下さい」とゴーカイシルバーにチェンジ。

船長ハットがマスクモチーフのマベたちのスーツに対し、ゴーカイシルバーは下っ端の水夫を模している。それでもマークは同じ。

「なぜこいつが変身出来るのか?」っていう海賊たちの驚きと混乱が強烈に伝わってきて、この場面は何度見ても凄くワクワクして好きだ。

戦い方は小気味よくてちゃんと強いけど、お調子者で抜けていたり敵の攻撃に早々に転がったりして、追加戦士の初登場補正にありがちな圧倒的無敵感はない。

それまで見ていた追加戦士って初登場補正で圧倒的に強くて後で弱体化するって印象だったけど、こういうタイプだとあまり弱体化が目立たないかもな、と思ったのは鎧で2人目。。

1人目は同じ宇都宮戦隊のシンケンゴールド梅盛源太で、彼も追加戦士のインパクトを強さではなく「一般人がなぜ変身出来るのか」という謎や驚きで出していたっけ。

 

■第一印象

他の部分でも、第一印象はもろに源太再び。

声の大きさと大袈裟な口調と顔芸と、決してオープンでもフレンドリーでもない集団に厚かましいほどにぐいぐい入ってくる感じかな?

で、シンケンに続いて2作目なこともあって、宇都宮戦隊は斜に構えたところのあるレッドと熱血直情型の追加戦士の組み合わせという、ゴーオン以前によくあった組み合わせと逆っぽい傾向(チーフと映士は若干近いかも?)なのかな?と思ったりもした。もっともそれは次のトッキュウジャーで早々に崩れたけど。

あと、追加戦士は長身のイメージが勝手にあったので、それにしては小柄な人を選んだんだな、とも。でも予告の生身アクションを見ていろいろ納得した。

 

■ちょっと不安

鎧の鮮烈デビュー戦に、ナビィの占い「なんか凄い銀色の男を捜せ」が彼のことではと思い当たり、それまでの態度とは一転して食いつき、質問攻めにする海賊たち、で続く。

既に装備は持っていたわけで、果てしなく高いと思われた海賊加入ハードルが一気に下げられたかに見える。

でも実際にはそんな簡単なものでもなくて、そこを鎧がどう乗り越えるかが、個人的には本作屈指のクライマックスで大きなターニングポイントだと思っているけど。

ただ当時は楽しみな反面、なんとなく不安もあった。

すでにスーパー戦隊は、シリーズの中でキャラクターのバリエーションはあっても基本的には正義の味方。そんな中で海賊戦隊の独特でハードで一筋縄ではいかない格好良さは、かなり貴重に思えて気に入っていたんだよね。

そこに現れた鎧が「スーパー戦隊こうあるべき」という理想をパロディめかしてるとはいえ強烈にガンガン押し付けて来たもんで

「ひょっとしてこのお気に入りの作風、格好良さが、彼一人の出現によって一気にに塗り替えられ壊れてしまうのでは?」

と最初は正直危惧もしていた。

今となっては杞憂だったけど。