キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE 感想というか覚え書き(長文)

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

199ヒーローの感想からだいぶ開いてしまったけれど、こちらもポイント毎に当時の記憶やら何やらも織り交ぜながら。

 

■時系列

ギガントホースに皇帝とダイランドーとインサーンがいて、ダマラスもザツリグもいない。

→43話でダマラスが倒された後

サリーが生きている

→46話より前

で、ここから更に絞り込むとすると、推測込みになるけど、バトルフィーバーJの大いなる力を貰う前だったら、バトルケニア曙四郎が現れた時にはいくらギャバンの一大事であっても誰かが「大いなる力をくれ」という話をしたはずだと思う(特に一件落着後)ので44話より後。

また45~46話はニンジャマンがガレオンに同居しており、彼からカクレンジャーの大いなる力を貰ってぐずぐずせずに47話でバスコと対峙したのではと思うので、45話より前。

つまり、44話と45話の間と思われる。46話の感想記事にも書いたけれど、ザンギャックは44話でクリスマスにビバブーを倒されてから46話でジュジュを派遣するまで少なくとも2週間は影を潜めていた。

それは本星からの増援を待っているからという理由に説得力は感じていたものの、実はその間にこんな大作戦決行があったんだ、と思うとより納得出来る。

 

宇宙刑事ギャバン

私は未見。初めて今作を見た時は、想像以上に銀色にピカピカ光っていて驚いた(技術の進歩で当時よりキラキラした素材を使えるようになったとのこと)。

で、容赦なく強い。買い出しに行っていた鎧を除く海賊5人を1人で圧倒していきなり逮捕に成功してしまう。強さではギャバン>>>ゴーカイジャーであるとバッチリ印象付けたのは、こういうVSでは珍しいこともあって驚いた。「銀色の輝きは伊達じゃないぜえ」がハッタリでもなんでもない。

ギャバンは30年前の作品で一乗寺烈も相応に年を重ねているけれど、未だ現役バリバリだった。演じる大葉さんも当時御年56歳ながら殴る蹴る跳ぶといったアクションのキレが別格で、流石と言うしかない。

 

■狂気の沙汰かと

ゴーカイジャーは色々な無茶を突破していった作品だけど、当時個人的に一番無茶だろと思ったのがこれだった。狂気の沙汰かと。

なんせ30年前の作品とのクロスオーバー。公式発表された直後でさえ、本当にやるのか?ネタじゃないのか?って信じきれなかったり心配したりする声がネットに上がったくらい。

それを真正面から堂々とこれ以上なく本気で取り組んで、大人も子供も楽しめ熱くも切なくもなれる作品を作り出した。商業的にも尺や公開時期等の違う199ヒーローを除けばVS映画史上最高興業収入という大成功。更には後のギャバン単独映画製作やクロスオーバー作品へのギャバン登場にまで繋げたのは、お見事だと思う。

 

■銀河連邦警察in宇宙警察

デカレンジャーが属するのは宇宙警察。

ギャバンが属するのは銀河連邦警察。

で、後にこの2作が直接クロスオーバーした「スペース・スクワッド」では、銀河連邦警察は宇宙警察の中の組織犯罪対策部門という位置付けらしい。今作でも、ギャバンも「宇宙警察」という言葉を使っている。

海賊たちが逮捕されたのは海賊行為のため。でも彼らの容疑は同じ宇宙警察のデカレンジャーの調査で濡れ衣だとわかっていたはずなのに、という抗議がアイムからされていて、それをギャバンは問答無用で押し切っているのが理不尽。

この逮捕は宇宙警察総裁ウィーバルの命令によるもので、ギャバンは実はウィーバル総裁を疑っていて、正体を暴こうとしていた。

ぶっちゃけ海賊たちはウィーバルをおびき出す餌として一方的に襲われ無実の罪で逮捕されたわけで、ギャバンが間一髪で拘束を解かなければ銃殺されていたんだよな(汗)。そう考えると「巻き込んで済まなかった」では済まないレベルの被害だろと思う。

だけど、宇宙警察のトップが乗っ取られるという一大事さはわかるからか、「なるほど」で済ませるマベ。命知らずな冒険好きというのもあって、こういう「迷惑」にはわりと寛大だな。ドモンに騙されてただ働きさせられたと誤解した時の方が、よほど怒りが激しい(笑)。

 

■アシュラーダ

ウィーバル総裁の正体は実はザンギャックの魔空監獄獄長アシュラーダ。ギャバンに滅ぼされた宇宙犯罪組織マクーの首領ドン・ホラーの血を引いていて、自分の血を滾らせることで魔空空間を発生拡大し地球を飲み込もうと狙う。

彼が化けたウィーバル総裁は人間体を佐野史郎さんが、殆ど表情を崩さないながら爬虫類みたいなねっとりした冷血さを表現していて、出番は短いものの印象的。

恐らく本物は拉致されたか、気の毒だけど殺されているんだろう。とすると、怪人体の声は別の人があててもおかしくなかったけど、そのまま演じている。「ビームで撃たれた声を出すのは初めて」と仰ってた(笑)とのことで、特撮に縁が薄ければ普通そうだよね、と微笑ましかった。

 

■恩人かもしれない

ギャバンの「よろしく勇気だ!」という言葉がマベの子供時代の記憶を呼び覚ます。他4人がモバイレーツで変身する中、マベだけがギャバンを呆然と見つめたままで、BGMのみの無音&スローモーションによる演出が、なぜマベがそうなったのか説明はまだなくても、ドラマチックで切なげで興味を引きつける。

 

10年前にまだ子供だったマベを助けてくれた命の恩人がギャバンかもしれない。というかマベには子供の頃の朧気な記憶でも、視聴者からすれば回想の恩人は服装といい声といい思いっきりギャバン

実際に30年前の番組だったからこそ、今も現役で戦っている彼なら宇宙で通りすがった子供をこんな風に助けていたこともあったろう、と説得があり、この出会いがすんなり受け入れられた。

マベの子供時代を、2010年に「龍馬伝」で龍馬の幼少期を演じ注目されたばかりの濱田龍臣さん(後にウルトラヒーローに!)が演じていて、愛らしい。早くに親を失って独りで船から船、星から星へと放浪していたのかな?

誰にも頼れずにいた期間が長かったことが、実はマベが兄貴分的な人にグイグイ来られると弱い一因かもしれないとちょっと思った。

 

■バスコとサリー

まだ普通に仲が良い(涙)。コミカルな場面もあって笑うんだけど、2人の結末が思い浮かんでしまうと・・・(涙)みたいな複雑な気持ち。

この映画の公開は2012年1月21日で、その翌日放送された47話でバスコはサリーを爆殺してるから、それを見た直後に映画を見た人たちは、もっと情緒が大変だったかもしれないなと思う。

 

■そっくりさん×2

ギャバンがマクー監獄に囚われていると知って漂う深刻な空気が、パンダを連れたバトルケニア曙四郎とあんパンの屋台を引いたデンジブルー青梅大五郎がやって来て、あっという間にコミカルモードに切り替わる。

2人とも大葉健二さんがギャバン役の前に演じた戦士で、合成によって同じ画面での共演が実現した。

ゴーカイジャーという作品の売りの1つはレジェンド俳優の出演。199ヒーローではメインのゴセイジャー以外にも10名以上のレジェンドが素顔で登場している。

ただし今回は下手にレジェンド俳優を出演させるとVSギャバンという大事な主題が呆けてしまう可能性もあったと思う。

でもレジェンドの中に大葉さんが演じた戦士が2人もいた。彼らを登場させることでレジェンドゲスト枠を埋めながら、ギャバン役の大葉さんもより強くフューチャー出来るという一石二鳥の布陣。というわけでまさかの大葉健二さん大集合が実現してしまった(笑)。

しかもマクー空間に行くには彼らのレンジャーキーの力を使うよう教えるという役割も与えることで、単なる顔合わせに留まっていないのが手堅いよ。なぜ彼らのキーにマクー空間へのゲートを開く力があるのかは分からないけど、顔がギャバンと同じだからと思うとなんとなく納得しちゃうような、いやそんなことないような(笑)。

なお顔が同じ件については海賊5人が当然一斉に驚く中、鎧だけが「言われてみれば似てるかな?でも全然違います」みたいなスタンスなのも、スーパー戦隊を熟知するマニアならではと理由付けつつ清々しいほど強引に押し切っていて好き(笑)。

 

特命戦隊ゴーバスターズ

バスコがギャバンの情報を教えたのは、海賊たちがマクー空間に行った隙に空っぽのガレオンを乗っ取り宇宙最大のお宝探しに必要な全てを奪おうとしたから。実際、47話ではサリーを犠牲にしてまんまとそれを成功させている。今回も邪魔が入らなければそうなっていたはずで、それを阻止したのがゴーバスターズ。

戦隊のVSは劇場公開になったシンケンジャーVSゴーオンジャーからジュウオウジャーVSニンニンジャーまで、劇中に次の新戦隊が先行登場して活躍する。前年のゴセイジャーVSシンケンジャーではゴーカイジャーが本編では生き延びた骨のシタリを人知れずド派手に葬ってしまった(笑)。

今回は3人で強敵バスコを翻弄して足止めし、サリーを餌で釣って戦意をそいで反撃の体制をとらせず撤退させていて、ゴーバスターズの只者ではない強さをしっかりアピールしつつバスコの株も下げない良いバランスだと思う。また、先日感想を書いたゼンカイジャーの劇場版を見た後だとつくづく、サリーはバスコの株を下げずにヒーローを立たせられる便利な存在でもあるんだなと改めて。

 

バスコは大いなる力を全部揃える必要性からスーパー戦隊ゴーカイジャー含め35ということを頭に叩き込んでいる。そんな彼に未知なる36番目のスーパー戦隊をぶつけたことで、大いなる力に興味のないザンギャックの誰かにぶつけるよりも驚きと拒絶反応を強く出せて良かったと思う。

また同時に見ているこちらにも、スーパー戦隊の集大成的なお祭り作品の後にもこうして新たなスーパー戦隊が続いていくんだよ、というメッセージは余計に強く伝わったかもしれない。

 

■豪華な囚人たち

マクー監獄に収監されていたレジェンド怪人や敵幹部たちの競演も嬉しい。

まずジェラシット。なぜかちゃぶ台を持ち込んでお茶飲んでいて、もうここで笑ってしまう。確かクリスマス決戦の時に成功した温泉宿経営者として宇宙週刊誌?に取り上げられてたけど、それがザンギャックの知るところとなり裏切り者として投獄されたのか、それとも記事自体というかあの雑誌ごとハカセの捏造だったのかは分からない。どちらにしても、身重の体?で子供の父親と引き離されたおばちゃんに同情。但し話は聞きたくないのは海賊たちに全力で同意する(笑)。

そして牢屋には他にも

ヤツデンワニ(アバレンジャー)、バンキュリア(マジレンジャー)、幻のゲッコウ様&風のシズカ(ボウケンジャー)、バエ(ゲキレンジャー)、三大臣(ゴーオンジャー)

という、なんとも豪華な生き残り改心?組がひしめいていた。

いや厳密には三大臣はもう本編でお亡くなりになっていて今作では頭に死者の証として白い三角巾付けてるんだけど、これ、同じ中澤監督のシンケンジャーVSゴーオンジャーで、三途の川から引き上げられて作戦に加担しろと言われたのを嫌がり逃げおおせた設定を引き継いでいる。

東映公式によると、シンケンスタッフが三大臣の扱いについてゴーオンスタッフにアドバイスを求めたところ「出した方がいいけど殺しちゃ駄目」と言われて頭を抱えた結果、そういう扱いにしたとのこと。

死者が渡る三途の川を敵の本拠地とするシンケンジャーの設定が奇跡のように上手くハマっての復活から、こうして他のお祭り作品でも生き残り改心組にしれっと混ざって再登場させてもらえたのは、3人が大好きなので有り難く、中澤監督GJ!

一癖も二癖も愛嬌もある囚人たちが、嫌がる海賊たちを捕まえてわいわいガヤガヤやってるのが、もう何言ってるかわからないけど楽しい。中澤監督監督によるとミキサーの人がひたすら頭抱えていたらしいけど(笑)。

 

■スニークブラザーズ再び

騒ぎを聞きつけたゴーミンたちをまずジョーと鎧が引き受けて、他メンバーもドアの先に広がる魔空空間で立ちはだかる怪人を「ここは俺に任せて先へ行け」を発動して次々に引き受け、マベを先に行かせる。

8話で強烈なインパクトを残したスニークブラザーズが兄弟ではなく兄妹として再登場。妹がどう見ても弟に雑にスカートはかせただけなのを萌え声で押し切ってるし、兄がやたら大量発生していて煩い(笑)。

ここでハカセが「ここは僕とルカでなんとかする!」とルカを道連れにし、ルカが「は?私も?・・・ま、いいか」となるのが、これも荒川さん曰く(ハカセとルカのカップル化への)既成事実積み上げってやつかとニヤニヤする。

 

■ヒリヒリする戦闘

やっとギャバンが拘束されている場所まで辿り着いたマベの前に、ギャバンブートレグが立ちはだかる。

ゴーカイジャーを1人で圧倒したギャバンの力を模したブートレグの方が実力でマベに勝るのは明らかだし、展開的にも後にギャバンとの一騎討ちが控えるブートレグをマベ1人で倒させるわけにはいかない。

でも狭い監獄の段差や渡された柱など構造を利用して粘り食らい付く戦闘が、ヒリヒリするような緊張感を醸し出していて見応えある。

それでもとうとう変身解除させられ、もはやこれまでかと思わせたその時、戦闘中に跳ね飛ばされた自分とブートレグの剣に向けて銃を発射。その跳弾がギャバンの拘束具を破壊する。狙いすました逆転劇が滅茶苦茶格好いい。

マベが「飛べ!」と促し、爆発の炎を背にギャバンが飛び降りる姿が、スローモーションでマベのあの記憶と立場を入れ替えて重なる。ハッとするマベの視線から、ギャバンを受け止めた感触であの時の恩人と確信し、微笑む流れに、初めて見た時はちょっと涙出た。

 

■ド派手な脱出

ギャバンの拘束は解いたものの、どうやって目の前のブートレグを振り切り他の場所で戦闘中の皆と共に脱獄するのか。初めて見た時にはかなりの難題に思えて、見当もつかなかった。

でもマベが足元を円形に撃ち抜き、それと呼応するように他メンバーもそれぞれの場所で足元の地面を円形に撃ちぬくと、マベの場所を最上階にして一本のトンネルとして貫かれる。

他の5人が次々飛び込み、マベもギャバンを伴って飛び降りて皆と合流。更にガレオンバスターをそのトンネルめがけて発射すると、最上階まで一気に殲滅(笑)。

どうやってそこが他メンバーの作る穴の真下(真上)だとわかるんだよとか、なんで合図ないのにタイミングばっちりなんだよとか、ツッコミが追いつかないけど細けえことはどうでも良くなる、いかにも海賊らしい荒っぽくも小気味良い連携プレー。痛快過ぎて、初めて見た時にはテンション上がって笑ってしまった。

「ド派手に脱獄だ」と笑うマベが上に伸ばした手に、最上階まで包む炎の中から落ちて来た彼のサーベルがスポッと収まり、当然のようにクルクル回しながら歩き出すと同時に青緑がレンジャーキーでゲートを発生させ、悠々と脱獄する姿が、ひたすら格好よすぎる。

ゴーカイジャーVSギャバンは、戦力的にはギャバンゴーカイジャー5人より上だと早々に印象付け、だけど囚われたギャバンゴーカイジャーがこんなにも格好よく助けるという形でバランスをとったんだな。

 

■緩急

中澤監督は劇場版では今作の次に仮面ライダーウィザードの夏映画を撮っているけれど、その時に「戦隊から続けて見る小さなお子さんが退屈して泣き出したりしないようにしたい」みたいな意味のことを仰っていたのが印象的だった。実際、劇場ではわりと定期的に子供たちの笑い声が聞こえていて、最後まで楽しめてるなと思った記憶。

今作も戦隊ライダー同時上映の夏映画ではないものの、本編よりは長い1時間物なので、やっぱり緊迫(シリアス)→緩和(コミカル)→緊迫(シリアス)→緩和(コミカル)を小刻みに繰り返していて、小さなお子さんにも配慮してるんだなと感じる。

 

■変身プロセス

元の世界に戻ってきたゴーカイジャーギャバンをアシュラーダが追ってきて、戦闘開始。

ギャバンが変身すると

宇宙刑事ギャバンは戦闘の際、コンバットスーツを蒸着するタイムは僅か0.05秒にすぎない。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!」

というナレーションとスローモーションでの振り返りが入ったのは、ギャバン本編のオマージュとのこと。これを拾ってくれたことに感激するブログ記事をいくつも読んだけど、今作全編、知れば知るほどギャバンの小ネタに向けた荒川さんの熱意というか執念が素晴らしい。

なお合わせてゴーカイジャーの変身プロセスも改めて紹介されたけど、こちらは0.1ミリ秒。

単位を揃えると0.0001秒でいいのかな?単位をミリに変えてることで敢えてちょっと差をわかりにくくしている感じだけど、30年前のシステムよりは、その後も毎年ずっと入れ替わり立ち替わり登場し続けたスーパー戦隊を引き継ぐゴーカイジャーのシステムの方が進化して時短化されているのが当然てことかな。

 

■オールピンク

ピンクは戦隊では明確に女子専用の色だからオールピンクはないのかなと思っていたら、ここで登場。ただしマベやジョーがピンク戦士として長く戦うのはイメージに合わないからか一瞬で終わってしまって、個人的にはもうちょっと一人一人ちゃんと見たかったと残念(笑)。

そう言えばルカ過去回のオールイエローやクリスマス決戦回のオールグリーンみたいに、41話のアイムの敵討ち回にはオールピンクという選択肢もあったのかもと一瞬思ったけど、いやあのゴーカイチェンジつるべ打ちの方を選んでくれて良かった(汗)。

なお、男子のピンク戦士は後にトッキュウジャーの乗り換えで登場し、その後にルパパトでパトレン3号が一時男性化している。・・・どちらも宇都宮戦隊そしてトッキュウジャーは中澤監督がメイン監督でルパパトの性転換回も中澤監督だそう言えば(笑)。

 

オールピンクの後は、これも本編ではなかったオールホワイト、それから最後はやっぱりオールレッド。オールレッドはゴセイVSシンケンや本編2話でも5人verを披露済みだけど、鎧が加わっても追加戦士枠にタイムファイヤーがいるから上手くハマったなと思った。

 

■巨大戦でも最後は

ブートレグギャバンが倒し、アシュラーダもゴーカイジャーに一度は倒されたけど、ドン・ホラーの魔空空間が拡大して巨大化。

ギャバンにもドルギランという龍の首が印象的なデザインのメカがあって、上にカンゼンゴーカイオーを乗せる形でタッグを組み戦うのが格好いい。冒頭の銃撃戦でもガレオンに攻撃力でひけをとらないのが描写されてる分、味方になるとより頼もしさが増す。

そんで最後はギャバン、それからマベも龍頭に立って、レーザーブレードとファイナルウェーブで直接アシュラーダを撃破。巨大敵が相手でも最後は直接ギャバンがトドメを刺すというスタイルにマベが乗っかる形で、30年の時を超え新旧ヒーローが並び立った瞬間だな。感慨深い。

なお巨大アシュラーダは切り取ったビルを操りゴーカイオーを襲わせていて、今見返すとこれに赤目がついていたらゼンカイジャーのダイコピーワルドの世界じゃね?とちょっと思ってしまった(苦笑)。

 

■疑似親子

ギャバン本編には、ギャバンがマクーに捕らえられていた父親を救い出すという重要エピソードがあるとのこと。それをこの映画では、早くに親を亡くしたらしいマベが、子供の時に助けてくれたギャバンを成長してから救出するという形でなぞっている。

ギャバンがマベの原点だという仲間からの台詞。昔助けた子供が今は自分の背を追い越し立派な男になって未来を掴み取ったことを父親のように喜ぶギャバン。その言葉をじんわり噛み締めるマベ。2人の関係に疑似親子的な意味合いも持たせて描いているみたい。

単なる30年前の作品とのクロスオーバーの都合と感じさせずに、ちゃんとドラマとして丁寧に繊細に紡がれた場面だなと、尊く思う。

 

■親子で楽しめる

「大きくなったなあ。立派な男になった」

当時、子供を連れて見に来ていて、このギャバンの台詞に泣いてしまったというお父さんのブログ記事を読んだ記憶がある。子供の頃にギャバンを見て憧れていた世代で、まるで大人になった自分にかけられた言葉のように思えてしまったとか。

舞台挨拶等で語られたこの映画の狙いとして、お父さんは子供の頃に見たギャバン、現役のお子さんはゴーカイジャーと、親子2世代で楽しめるように作ったという意味の言葉があったけれど、本当にそれを誠実に真摯に実現させたんだなと脱帽する。また逆にギャバンを知らなかった子供やゴーカイジャーを見ていなかった父親にも、それぞれの良さをアピールすることもきっと出来たはず。

 

■かつての子供たちへ

再び曙四郎と青梅大五郎が登場し、今度は同じ画面に3人の大葉健二さんが並び立った(笑)。

青梅大五郎が曙四郎に敬語、マベに対して疑似父モードだったギャバン一乗寺烈が、2人に対してはしっかり従順な後輩モードな所に、制作順による絶対的な年功序列を感じる(笑)。そう言えばドゥギーも199ヒーローでアカレンジャーやビッグワンに敬語だったっけ。スーパー戦隊はきっと体育会系。

最後の三者同時変身は、「宇宙刑事シャイダー」の最終回に、ギャバンシャリバンシャイダーが天の声に促されて同時変身したオマージュらしい。

撮影した中澤監督はこの部分の脚本を見て「何ですかこれ?」から始まって、理解してから「これはいるんですか?」みたいな感じだったとか(笑)。でもかつての子供たちへのメッセージという意味で撮ってよかったんだろうと納得されていて、確かに当時、この展開に大興奮してEDテーマソングの記憶がとんだとか、ここまで拾ってくれるのかとダダ泣きしたとか、こちらも物凄い熱量で書かれたブログ記事を幾つも読んだ記憶がある。3作品とも見てない私もこの場面には、何がなんだかわからないけど凄いことが起こっているのだけはわかって圧倒され、凄く高揚した気持ちになった。今作、スーパー戦隊のレジェンド戦士は俳優としては実質大葉健二さんだけしか出演していないんだけど、大満足。

 

■<今>の子供たちへ

そのまま夕日に照らされての別れに続くのが、EDテーマソングの爽快感とちょっと切ない余韻が混ざり合って最高だった。私は白状すると劇場では見られなくて、一度レンタルで見た後にやっぱりこの余韻を手元に置きたくて買ったんだっけ。

その後で本編を見直すと、最終回でマベが子供たちに別れを告げる手の形は、ギャバンの「よろしく勇気」だったんだなとわかった。子供の頃にギャバンから未来を掴み取れと示されたポーズを、成長したマベが今度は地球の子供たちにそっと贈る。そんなさりげない継承の意味が込められていたんだな。周回遅れだけど、それがわかると尚更、あの場面が尊く思えてきた記憶。