キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 11話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■ジョー

冒頭から、桜の花びら舞い散る中スローモーションでがっつり剣舞を見せたかと思えば転んだハカセと彼に潰されそうな花を助けて「本当は優しい」とアイムに評されたり。

ジョーは無口であまりコミカルな崩しもないから、例えばルカやハカセみたいにちょっとした日常のやりとりでキャラを印象付けるのが難しい面もある。

その分、メイン回になるとここぞとばかりに全力ストレートで魅力アピールしてくる感じで、それがかなり上手く行って毎回格好良く描かれていた印象。

 

シンケンジャー

ナビィの占いで告げられた「サムラ~イ」を捜していたら向こうから現れた。

本編以外でも、というかクロスオーバーだからこそか余計に気合入れて一糸乱れぬ動きで陣幕を持ちザザザザっと走る黒子たちを見ると、いつも笑いがこみ上げてくるけど、もしかしたら海賊たちはこれも今の地球によくある風習だと思ったんじゃなかろうか(笑)。

 

シンケンジャーはリアルタイムで見ていて回を重ねるごとにどんどんハマり、小林靖子という名前もこの時初めて知った。

1年間通して殿と5人の家臣の物語を楽しんできたら年が明けた途端、例の件で衝撃を受けたけど、どうやら終盤でそんな風に主人公を地獄に突き落とすのがこの脚本家の平常運転らしいことも(汗)。

今回登場するシンケンレッドはその騒動を起こした張本人、薫姫。(当時松坂さんは絶賛売り出し中でスケジュールが合わなかったっぽい)

ゴーカイジャーに数多く登場した過去戦隊の中でも最もネタバレ要素が強く、シンケンジャーを見る予定があるなら絶対にゴーカイジャーより先に見ろと当時言われていたっけ。

 

■レジェンドたちのスタンス

ここまでレジェンドたちの海賊に対する最初の接触

マジレッド→トラップを仕掛けて勇気を試す

デカマスター→逮捕

ゲキレッド→修行を承諾

ガオレッド→不信感全開

と、戦隊ごとに海賊へのスタンスが横並びではない。成長枠だった魁やジャンは比較的好意的で、社会人は厳しめかな。

現時点では通りすがりの海賊を事前にどこまで許容できてるかが、各戦隊の世界観や各レッドのキャラになんとなく沿っている感じなのが面白い。

ただ今回初めて姫が「レンジャーキーを返せ」と踏み込んだことで、何らかの理由で「今はあいつらに力を集めておくべき」と元々考えていたらしい戦隊と、それを承服出来ずに取り返そうとする戦隊がいる事に、どちらが正しい正しくないとなったりしないかと当時は余計な心配をしてドキドキしていた。

 

■ヒラリズム

担当直入すぎるレンジャーキー返還交渉とその決裂で薫がいきなり斬りかかった(汗)ことから、マベVS薫の斬り合いが始まり、実力が拮抗して死闘になることを危惧したジョーによる選手交代でジョーVS薫に。

坂本浩一監督回で東映公式もかなりアクションへの期待を煽っていたけれど、それでも当時としてはかなり激しい生身での殺陣がいきなり繰り広げられて驚いた。

そんで船長コート、袴、ポニーテール×2、と動きに合わせていろいろ翻りまくっているのがまた、それぞれのアクションの見映えを劇的に上げている。宇都宮Pの性癖であるヒラリズムが炸裂してるなあと。

姫がローティーンだった本編時より貫禄と凛々しさと、それからなんだかしなやかさも増していて、シンケンレッド名物背中受けをやってくれたのは嬉しかった。

 

■変身出来なくても

ザンギャックの来襲を見るや、薫は勝負の中断を告げて躊躇なく現場に走り、ゴーミンの群れに突っ込んで片っ端から叩き切る。

デカレン回のボス同様、薫がこの時点で変身能力を失っているのか否かはハッキリしていなかったんでは?と思う。

だけど、「変身出来なくなったレジェンドたちは、ザンギャックの襲来時に何をしているのか?」って結構気になってた部分にも姫は果敢に斬り込んでくれた。

変身出来なくなっても以前と同じように、戦える人は人々を守って戦っているんだろうな、ということがここである程度ハッキリ見て取れて、わりと安心出来た記憶。

 

■デラツェーガー

皇帝直属の親衛隊長。「デラ強え」なんて命名は愛知県出身の荒川さんらしい洒落っけ(笑)。

その名に違わず、ここまでで最強の敵。ダマラスを「お前がついていながら!」とダメ出し出来るだけはある。

これまでわりと余裕見せながら戦ってきた海賊たちも大苦戦で、ダメージによる変身解除はこの時が初めてだったんじゃないかな。次から次へと惜しみなく繰り出すゴーカイチェンジも見応えあったんだけど、それがことごとく跳ね返されるのは結構ショックで、危機感と1クール〆のクライマックス感が増した。

 

■阿吽の呼吸

ならばとジョーが敵の総大将ワルズ・ギルの首を狙うと告げ、マベもそれを即座に受け入れる。

元軍人のジョーらしい戦略眼とそれを瞬時に受け入れ自分の役割を理解し切り替えるマベとの短いやりとりが、阿吽の呼吸で修羅場をくぐり抜けてきた相棒感を滲ませて格好いい。

 

イエスマンへの改造

殿下の忠実な部下、バリゾーグは、ジョーの大事な先輩で剣の師匠、シド・バミックを剣の腕だけ残して忠実なサイボーグに改造したものだった。

前回、自分の作戦に異を唱えようとしたダマラスを抑えつける言葉が「誰の息子だと思っている!」だった殿下は、自分が自身の実力で傅かれているのではないことを知っている。

だから、自分への尊敬と忠誠心以外の感情を一切保たないサイボーグを作って影のように従わせているんだな、という闇が、この時点でじわりと滲んだような。

 

■だけど人気者

34戦隊が総掛かりで自分たちの力と引き換えにやっと追い払うしか出来なかった大大大帝国とそれを率いる皇帝が殿下の後ろに控えている。

そんな前提があるからこそ、この物語の現時点での敵ボスとして思い切り無能に描いて連戦連敗でも、組織そのものの格は落とさない。

だから皇帝のバカ息子ぶりを初回から気兼ねなく伸び伸びと発揮出来ていて(笑)、コミカルかつ華やかでどこか可愛らしさも表現出来てしまうという構造は凄いな、と改めて。

まあ着ぐるみ造形はむしろ品があって美しさに寄ってるタイプじゃないかと思うし、

「生き別れの先輩と感動の再会だな。涙にむせんで死ね」

とか無駄に格好いい台詞をちょいちょい使うんだけどね。

殿下、放送当時かなり人気あったけど、感覚的にこの回の、親衛隊長の増援にいい気になって前線に「わざわざお出ましに(byインサーン)」なった挙げ句、ちょっと腕を撃たれたら

「血、血だあ!バリゾーグ!今まで父上に叩かれた事さえなかったのに(泣)!」

と派手に泣きわめいて撤退、結果的に「あと一息というところだったのに(byダマラス)」という海賊を壊滅させる大チャンスを潰すバカ息子ぶり(笑)がかなり決定的だったんじゃなかろうか?って気がする。

部下は大迷惑だけど見てる分にはとても楽しかった(笑)。

 

■やる時はやる船長

衝撃的な事実に呆然自失のジョーを庇って背中を袈裟懸けに斬られても、ただやられるだけじゃなく、いったんジョーの肩に手を回して体を支え銃を乱射。その流れ弾が殿下に当たって敵を撤退させてから、倒れる。この時のマベが狡いくらい格好良すぎて痺れた。

「トラ猫だ(どゃあ)」とか「ワンペアだ(にまぁ)」とかで順調にポンコツ化してたのが全部吹っ飛ぶようなしぶとい格好良さ。

やる時はやる。マベが曲者の海賊どもを率いてちゃんと大帝国に逆らって生き延び続けているだけの説得力があった。

 

■一晩中正座

畳とふかふか座布団をどうやってガレオン船内に持ち込ませたかは想像出来ないけど(汗)、姫は重傷を負ってソファに横たわるマベを介抱し、そのそばで眠りにつく海賊たちをずっと正座して見守っている。丹波もだけど。

一晩中そうしていたのかはわからない(汗)。

けどそんな風に長時間、凛としていられるようお姫様として鍛えられ、でも姫だからと影武者の陰に隠れて身の安全を図る宿命に逆らい、死に物狂いで封印の文字を習得して対外道衆最前線に乗り込んできた薫姫。

立場や醸し出す雰囲気は違うけど、ジョーから「いつも自分を律している」と評されて、王女から海賊になり、今出来ないことを出来ないというのではなく克服しようとするアイムと、今回は特段絡んだりはしなかったけれど根っこでは通じるものがあったかもしれないな、と思った。

 

■宇都宮戦隊名物家出?

いや実際にはシンケンジャーゴーカイジャーだけなんだけど(汗)、1クール〆前後編の前編ラストでシンケンの殿に続いてジョーが家出か、と当時は思った。

ちなみに宇都宮戦隊だと、この最初の山場の前後編、

 

トッキュウ→ライト以外が記憶を改ざんされてトッキュウジャー解散の危機

ジュウオウ→分裂の危機&皆をジューランドに返して1人で戦おうとする大和

ルパパト→コレクションを壊されたかと思い込み絶望

 

と、それぞれチームの存続の危機とそれを乗り越えての更なる団結が来て、それがどれもこれも凄く盛り上がるのが好きだ。