キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー21話感想: ただのお兄ちゃんでいさせて

冒頭、充瑠と瀬奈がマブシーナを連れて品川水族館へ。

マブシーナはやっぱりあの外見を平気で晒して係員のお姉さんの説明を受けてるし、お姉さんも平気で説明している。

保育園で頭を隠していたのは、子供たちを怖がらせないためかな?小夜が子供化した時に怖がられてしまったから。

サメの説明がやけに詳しかったけど、何かの伏線だろうか?

 

一方、時雨は昨日ヨドン反応があったけど来てみたら何もなかった場所がそれでも気になり、もう一度確認ついでにまた、自分のキラメンタルで剣をどこまで伸ばせるか鍛錬していた。

そこに宝路が手帳の情報を頼りにカナエマストーン探しにやってくる。

でも石があったとおぼしき場所には巨大な穴があり、誰かが先に持ち去ったっぽい。

狼狽える宝路の前で近くにいたカップルが次々空高く釣り上げられどこかに消える。

為朝と小夜も合流し、小夜を釣り上げようとした釣り糸を宝路が力任せに引っ張ると、釣り竿邪面が落ちて来た。

全身びしょ濡れでなぜか本日開店チラシが体に貼り付いた状態。攻撃が滑って手こずっていると、宝路のセンサーが反応。釣り竿邪面が2つ目のカナエマストーンを持っていることが判明するも逃げられてしまう。

 

クランチュラは「変な力を手に入れたみたいだな」と、部下が何を入手したかは把握していない。

そこで意味ありげに笑うガルザが不穏。クランチュラには、クリスタリア侵略成功の思い出し笑いだと言ったけど、それだけなのか、それとも釣り竿邪面が得たのはカナエマストーンの力だと知っていたのか、もっと言えばカナエマストーンの情報とありかを釣り竿邪面に教えたのがガルザだって可能性はないのかな?と疑ってみたくなる。

 

一方、水族館ではマブシーナが苦しみ出し、右目にヨドンの紋章が浮かんでしまう。宝路が恐れたとおり、呪いはオラディン王の死後も有効だった。

ん?でもそれって、もしかしたら王が生きてる可能性もあったりしないの?

ココナッツベースに戻り「なぜ自分にヨドンの紋章が?」と尋ねるマブシーナに、皆が下を向く中、辛い役目を宝路から肩代わりしようとする時雨が偉い(涙)。普段は余り前に出ずに後ろから見守っている感じだしコミカルな顔芸のイメージが強い(笑)けど、こういう時は初期メンバー最年長の責任感を出してくる。

でも時雨は所詮又聞きだから、そもそもの発端の現場に居合わせたファイヤーが説明を引き取るのは正しいよ。

 

かつて、ヨドンのヨドミの海の魔女、ヌマージョがヨドンへイムの地からクリスタリア全土に呪いの波動を送っているとの情報を掴み、オラディン王、マバユイネ王妃、宝路の3人とファイヤー、それから呪いを無効化するアクアキラメイストーンが、特別な選抜部隊として討伐に向かった。

・・・クリスタリアに無関係な民に請われて出張ったことで王妃を喪ったわけじゃなくて、正直ちょっとホッとしたかも(汗)。

王妃も、クリスタリアで待ってたら呪いが降りかかった一方的な被害者じゃなくて、自ら危険を承知で戦いに乗り込んだ武闘派だったのは意外だった。

呪いで砂にされたのは悲惨で気の毒なのは同じでも、そういう覚悟のある人だった、というのはほんのちょっとだけ救いかも。

 

ヌマージョはマスクが禍禍しく妖艶。体は全身薄いタイツに透けるふわっとした布をスカートみたいに巻き付けた、邪面師同様にお金かかってなさそうな作りだけど、そのか細さも女性らしさを引き立てていて、充分魅力的に出来るもんだなと感心した。

ヌマージョの妹、ミンジョのサポートもあってアクアキラメイストーンがヌマージョの毒を受け機能不全に陥り、その隙に王は呪いを受けてしまう。

それでも王はヌマージョを倒すけど、彼女の今際の際の台詞の言い回しが

「こんな強い奴がクリスタリアにいたとはね。でもこれが悲劇の始まりさ。私の命と引き換えに一生苦しむ呪いがかかるからね。この呪いが発動するのはあんた自身じゃない。あんたが一番愛する女にだ。ヨドンの紋章がそいつの右目に浮かんだら、七日で砂になって崩れ去る。そしてあんたは永遠の悲しみを味わうのさ」

酷いこと言ってるんだけど格好いい(笑)。普通に幹部としてもっと見たかった。

 

当時マブシーナは幼くて、母は急な病で亡くなったとしか聞かされてなかった。母の死因の真実という実例と共に実質余命1週間宣告。これはキツい。ショックでもう1回倒れてもいいくらいだと思うよ。シーナちゃん強い。

その1週間でカナエマストーンをあと3つ揃えないといけないけど、1つは邪面師の手中。焦る皆は徹夜で対策を考えたり一晩中釣り竿邪面を探し回ったり。あと1週間しかない、となったら、寝てる時間も惜しくてそうなるよなあ。

閉塞感の中で迎えた翌朝、チェンジャーの便利機能でその日の天気を確認する時雨。そして今日の日付と降り続く雨と、昨日のびしょ濡れの邪面師、その体に貼り付いたチラシの日付、そして今は釣り竿邪面が持つカナエマストーンリバーシアの「時の流れに逆らう」という力、それらバラバラの情報を時雨の洞察力が1つに結び付けてある推論を導き出す。

 

釣り竿邪面は、リバーシアの力で1日後に移動し、そこから釣り糸だけを時を超えて1日前に飛ばし、人間たちを釣り上げて闇を集めていた。

例の本日開店チラシの日付は今日と同じ30日。それがまだ店がオープンしていない一日前に邪面師の体に貼り付いていたことから時雨が真相にたどり着いた。

 

いや、宝路に引っ張り出された釣り竿邪面は確かにずぶ濡れだったけど、釣り竿モチーフだし

「磯の波飛沫は俺の化粧水」

って名乗り文句のせいで、てっきり磯の波飛沫浴びまくる場所が好きで直前までそういう場所にいたのかと思ってた(汗)。

ちゃんと「なんで濡れてやがんだる」みたいなヒント台詞も幾つかあったのに、そこまで違和感なかったよ。伏線の仕込み方が匠の技だな。

 

謎を解いたのは時雨だけど、地味に為朝も「邪面師はリバーシアの力を使っているはずだ」と推測したのはgetしたアイテムを有効活用する習性が身についてるゲーマーらしい発想。

この野郎2人、どっちも頭切れるんだけど、

為朝はゲーマーらしく戦場での情報を元にした状況判断や作戦立案に振れている

のに対して

時雨は俳優修行の一環でもある観察眼や一見戦いに関係なく散らばっている要素を推理力で結びつけて打開策に繋げる

っていう特性の棲み分けをし始めたのかなとちょっと思った。

 

時雨は、冒頭での鍛錬の成果で剣を釣り糸ののように伸ばしてリバーシアに絡みつけ、邪面師から奪い取り、その力を発動させて釣り上げられた人たちを昨日に逃がす。

どうした時雨、おかしいぞ。こんなに普通に最初から最後まで格好いいはずがないだろ(違)。

でも

「釣られたら釣り返す!俺の右手は今、神になる!」

とか、「相撲」に続いて今度演じる役ってどんなキャラだよな台詞を物凄く真剣に力強くぶっ込んできて、どう反応していいか分からないけど、この熱量で突き抜けられたらきっとただひたすら「時雨かっけええ!」と燃えてるのが正しいんだよ(確信)!

 

マブシーナが今どんなに死の恐怖に苛まれているかと、宝路は励ましてやりたい一心でリバーシアを持って戦線離脱し妹の元に向かう。

でもクランチュラさんが保険を全力投入したモーターボートバスラは頭部以外を地中に隠してキラメイジンの視界から消え、猛スピードで撹乱しては突然全身を現し攻撃して来る強敵で大苦戦。キングエキスプレスを欲しがる瀬奈に「ここにガルザ来ねえだろ!」と返す為朝(笑)。もはやキラメイジャー側の戦力としてアテにされてるガルザさん・・・・。

 

ココナッツベースでは、リバーシアを見せて励まそうとする宝路に、マブシーナが今の街の惨状を見せ、自分を優先し戦線離脱した宝路を嘆く。

「あの時も」

ガルザは宝路を唆して宝探しに行かせ、その不在を狙ってクリスタリアを陥落させたってことらしい。

自分では下らないと信じていなかったくせに、カナエマストーンの伝説をさも妹を救う唯一の方法みたいに宝路に吹き込んで

自分の邪な野望に利用し、馬鹿な奴だと嘲笑っていたのか。

なんか人の弱味につけ込んで壺とか御札とか売りつける霊感商法よりタチ悪いな。

それでもこないだは、その侮っていたカナエマストーンの力で痛い目を見て考え方を変えたわけだけど。

 

「優しいお兄様。私を助けたい一心で」

もうマブシーナの胸には、自分が道楽と思い込み責めていた宝探しの真実と義兄の愛と思いやりが深々と突き刺さってる。でも「有り難うございます」とは言わない。

宝路にはいつでもヒーローでいて欲しい。ただし、自分1人の、ではなく「みなさま」の。

 

実質余命1週間宣告されたようなものなんだから、どんだけ取り乱して怯えてお兄様に縋って泣いても良いのに、強い。だけど同時に厳しいな。

あと1週間で死ぬかもしれないマブシーナのためなら何だって精一杯やってあげたい。宝路がそう思うのは当たり前なのに、妹を思うただのお兄ちゃんでいることを許してくれない。

地球に来たばかりの頃は無力さにうちひしがれているだけだったけど、根っこは私より公を優先する王族のスタンスが埋もれていたんだろうか。

それはとても立派だと思いながら、でもキラメイジャーって「公」も「私」も大事にする戦隊なんだよね、とも思う。

妹のことを捨てさせられたら宝路はきっと今よりキラキラ出来ない。いくら本当は宝探しより人助けがしたいとしても。

で、それはキラメイジャーのスピリッツには反するものでもあると思うんだよな。

オラディン王は、「私」が「公」の中にすっぽり入っていて、そのことにあまり疑問を持った風もなく、そのために大事な人を失いながらも突き進んだ人だったのかもしれない。

でも彼が力を託したキラメイジャーたちは、充瑠を中心にそれとは少し違う路を進んでいるようにも見える。いつかそのあたりにスポットが当たる時が来るんだろうか。

 

それにしても。

オラディン王は民の為に身を削って戦い続けた人。

王妃もそれに従い自ら剣を取って戦う人だった。

地球からやって来た宝路も皆の笑顔があれば何もいらなくて

彼等に囲まれて育ったマブシーナも自分より地球の人々を守れと言う。

そんな骨の髄までヒーローな兄一家に囲まれて、彼等の考え方が理解出来ず恐らく誰からも本性を理解して貰えずにギリギリまで隠していたガルザさんは、さぞ孤独でストレス溜まってただろうなとちょっと同情。

本性曝け出してやりたい放題でもわりと寛大に接してくれて「知ってるか?」と気軽にからかい合える仲間のいるヨドンへイムの方が、確かにずっと楽しいだろうな。