キラメイジャー24話感想: メスをドラムスティックに持ち替えて、キラメイバンド誕生
充瑠が基地にギター背負ってやって来た。
教室の片隅で独りひたすら絵だけ書いてて変人扱いされてた充瑠が、文化祭でバンドとは。まあ最初見た時にはそのことの意味をあまり気に留めてなかったくらい、今の充瑠は普通に仲間とコミュニケーション取れてる訳だけど。
たぶんあまり楽器経験無いだろうから自分からぐいぐい人集めたり飛び込んでいったりではなさそうで、柿原さんが「熱田もやろうよ」とか誘って充瑠も頑なに固辞せずにポジティブにやってみようかってなったのかなと思うとほっこりするわ。
一方小夜も医者仲間とバンド「医師團」を結成し、ドラムを叩いていた(汗)。この番組は、邪面師(地面師)とかそういうの好きだな。嫌いじゃないけど。
手術が怖い少年幸也を励まそうと、彼の作った曲に小夜が歌詞をつけて演奏披露するそうで。
コロナで医師としての活動場面の撮影がいろいろ難しくなり、メスの代わりにドラムスティックを握らせて患者を救うお話を作ったのかな、なんて思ったりする。
幸也を演じるのは、クレジット見てあれ?と思ったけど、ジュウオウジャーでお父さんと離れ離れにさせられてセラが助けた子か。もうあれから4年。
今回の邪面師はスピーカー邪面。クランチュラが演奏するデタラメなバイオリンの音色を増幅して凶悪な騒音化し、人々を苦しめる。
キラメイジャーは苦しみながらも黄桃銃撃→青アンテナ斬りと見事な連携プレーで撃退したけど、騒音のせいで医師團の運転するワゴンが事故を起こし全員負傷してしまう。
事故に会った理由もキラメイジャー活動のためワゴンに乗らなかった小夜だけが事故を免れた理由もちゃんと邪面師の出現に結びつけられていて納得。
怪我をした医師たちを遠くから見ていて
「楽しみにしてた訳じゃないし」
という幸也は、言葉とは裏腹に実は凄く楽しみにしていたのが物凄くわかりやすくて、痛々しい。
そんな幸也と彼に心を痛める小夜を見かねて、充瑠が医師團の代わりにキラメイジャーが幸也の曲を演奏しようと提案。他人の煌めきを潰さないために一肌脱ごうよと言うのは充瑠らしいな。
けど、文化祭の為にバンドやってた事が、提案するハードルを下げてた要素もあるかもね。
キラメイジャーの仲間達と切磋琢磨した事が学校生活に良い形で反映されて、それがまた、結果を先に言ってしまうとキラメイジャーの仲間を救い、邪面師の作戦をも打ち破る好循環に繋がったのかなと。
提案された側の3人は引き気味になるも、魔進たちがノリノリで妄想し始めて楽しい。
為朝ならどんな楽器もとショベ爺が思い浮かべたのが、和太鼓、三味線、アコーディオン、ウクレレ?とかレトロ感満載(笑)。
そんで時雨は、ビンゴ!が口癖の弁護士とかいうつい30分前の番組で見かけたような役柄でベースをやってたそうだけど、これまで判明している演じた役を並べて見れば
万力侍
死神に恋したキョドリ高校生
相撲(役柄不明)
中二病釣り師
残念ギークミスター5
低音弁護士
・・・時代劇を離れた時雨は演技の幅を広げるためにあえて色物やキワモノの果てから果てへ突っ走っているのか?それとも万力侍でどんな役も展開も断らないと思われてそういう役ばかり来るようになったのか、知りたいところではある(汗)。
小夜は気弱な申し訳なさそうな表情を浮かべ、しおらしく切々と
「みんな?力を貸してくれない?」
うん断れない、これは断れないよな。皆が快諾したところに
「音楽の醍醐味は楽しむことよ?楽しみましょ」
とにっこり。この後の展開がわかっているとこの笑顔がなかなか怖い(笑)。
スピーカー邪面がまき散らした騒音はクランチュラのバイオリンだった。クランチュラさん、外見に道化師味があるからか、妙にバイオリンが似合って絵になるな。
音楽系の邪面師は人間に取り憑いたり取り込んだりできる、とミュージック邪面の特性と繋げ、闇エナジーをたっぷり持った人間がいればアンテナを斬られても復活可能とのことで、狙われたのが幸也。
あんな外が暗い時間に入院中の子供が外にいていいのか?とは思ったけど、これもこのご時世、撮影の都合もあるのかなと思う。
頼む時はあんなにしおらしかった小夜は、いざ練習に入ると鬼のスパルタコーチに豹変。ガンガン駄目出ししまくってメンバーを恐怖で支配する(笑)。
瀬奈→ 走りすぎ
時雨→ 格好つけすぎ
充瑠→ ズレてる
為朝→ 気持ちがこもってない
と、駄目出しの内容がそれぞれキャラの欠点にリンクしてるのはなるほどなと。あ、為朝は別に不誠実というわけではなくて、特に序盤、現実への対処を優先して相手の心情面を犠牲にする傾向があったという点で。
小夜、結構横暴なんだけど、誰一人逆らえない威圧感。いつもニコニコ癒し系と見せて、ココナッツベースカースト最上位に揺るぎなく君臨するのはやっぱり小夜なんだなというのを改めてしみじみと実感した(笑)。
スクールカーストを日々サバイバルして嗅覚を鍛えている柿原さんはいち早く察知してたっけ。
小夜にしてみれば、目的は幸也を励まして音楽への夢を後押しし手術を受けさせることなんだから、グダグダな演奏で誰の心にも響かなかったら意味がない。それ分かって引き受けてくれたんだよね?ってことかも。
気持ちはわかるけど、好意で引き受けてくれた仲間に対しそこを揺るぎなく厳しく出来るのはハートが強い(汗)。
そんな風にキツいシゴキに耐え、徹夜で演奏を磨き上げていったキラメイバンドの横で一人安眠を貪ってた宝路。
なんか既視感あるなと記憶を辿ってたら、ボウケンジャーでチーフ史上最大の危機に青黄黒桃が懸命に風水や開運の情報を集めている傍ら、すやすや眠っていた高丘映士だ。この長髪宝探し系銀戦士どものマイペースぶりよ。
なお、たーさん(by小夜)の役目はローディー。
小夜は簡単に「バンドをサポートする役目」とだけ説明してたけど、初めて聞く言葉なので調べてみた。
ロックバンドなどで、機材のセッティングやチューニング、サウンドチェック、演奏中のエフェクターの切り替え等の補助作業、機材車への楽器等の荷物の積み込み作業などを行う。
といった多岐に渡る内容をこなすようで、駆け出しの若手が修行の一環として先輩をサポートする場合もあれば、専門の会社に所属するプロのローディもいるとのこと。業者さんのHPを見ると、経験の蓄積と音の引き出しが必要な仕事だと、プライドを持って担っているのが伝わってきた。
幸也の闇に触れ復活したミュージック邪面の音源に、今度はガルザさんがエレキギター持ち出して「俺の音を聞け!」と立候補(笑)。
ガルザのジャメンタルでパワーアップした邪面サウンドえぐい。ビルまで崩れる威力とか。
そんな「音楽が人々を苦しめている」場面を見せられた幸也は絶望し、更に小夜の説得を嫌ったスピーカー邪面が体内に取り込むことで、キラメイジャーは攻撃出来なくなってしまう。
しかし困った時は博多南さんの出番。邪面サウンドを遮り別の音楽を流せる送信機を完成させた。
これまでも
・為朝のアイディアを元に数十分で冷凍バレット完成
・ヌマージョの毒を数十分で解析しアクアキラメイストーンから除去
とか謎の科学技術力とスピードで数々のピンチを救ってきたスーパーなエンジニアでサイエンティスト。
そもそもキラメイチェンジャーやドリジャンも彼が開発したものだし、その父親も今から30年以上前に宝路のチェンジャーの原型を開発してる。いったいどういう一族なのか、その謎に迫る回を見たい気持ちがどんどん強まっているような、いやそこにあまり踏み込みたくないような(汗)。
スピーカー邪面に取り込まれて闇の中で膝を抱えてる幸也に小夜のドラムの音が聞こえてきた。
送信機の知らせを受けたキラメイジャーが、戦場をシルバーにまかせてとっとと離脱し、キラメイバンドを演奏開始するという結構シュールな展開。
小学生が作ったとは思えない、良い曲にしあがっていて、小夜が付けた歌詞を為朝が練習当初の駄目っぷりとは別人のような甘~い歌声で歌い上げ、それまで殺人的騒音にのたうちまわっていた人々も一変、今度は楽しげに踊り出す。
それを見た幸也は
「僕の作った曲が、皆を笑顔に?」
と、嬉しそうに煌めいたかと思うと自力で邪面使の体内から飛び出し宝路がキャッチ。
キラメイジャーは手助けはするけれど、自力で、自発的に、ってのが大事なんだろな。
今回戦士としてもローディとしても特に活躍してこなかった宝路が、ここからは1人で戦闘を担当し邪面師を撃破。仲間が演奏に専念できるように戦闘を引き受けることをローディの役目と結びつけた台詞が粋で格好いい。
宝路はこの後のロボ戦では販促中のザビューンの前座扱いだから、その前にここで活躍させてバランスとってるんだろな。前回に引き続き、追加戦士販促期間が一段落してからの扱いが上手いなと思う。
ガルザさんは、途中でキラメイバンドの音楽に切り替えられたことにも気付かず、まだ嬉々として演奏に没頭している。楽しそうで可愛い(笑)。
「結構前からあっちに届いてないけど・・・ま、いっか」
と気を遣って小声で邪面獣ジュークボックスヘルドンを召喚するクランチュラさん(笑)。優しいだろ。ガルザさん絶対こっちに来て前より幸せだろ。そりゃ「ヨドンは良いぞ」って言うだけある。
ガルザさんはやっぱり根はエンタメが大好きで人一倍自己表現したい人なんだよな。自分が楽しみたいし目立ちたい。
そんな人に、長年兄の理想を押し付けて他人のために滅私奉公させ続けてきたのがやっぱり間違いで、その兄弟の公と私の衝突がクリスタリアを滅ぼしたのでは?とついつい思ってしまう。あまり義務を課さず好き勝手やらせていたら、案外クリスタリアは今も平和だったのかなと。
けど、その結果地球に生まれたキラメイジャーは公と私の両取りを早々に打ち出した戦隊で、その提案をしたのがオラディンと交信出来る充瑠。
なんというか、穿った見方をすると、クリスタリアの過ちを繰り返すなというオラディンの悔恨や戒めが込められている気もしてしまう。
今回の邪面獣のモチーフは音楽繋がりでジュークボックス。知ってる宝路と知らない充瑠の間に横たわる深い世代間の溝を感じさせる。
だけど細けえこと言うと、ジュークボックス知ってるのってなんか宝路よりもうちょっと上、サザンとか1950年代生まれの人たちの青春時代ってイメージがあるんだよな。ちなみに私も「そんなヒロシに騙されて」聞いた時に「ジュークボックスって何?」って思ったクチ。
ロボ戦はキラメイジンを庇うもスピードに対処出来ないドリラーが早々に倒れて、ザビューンを召喚。今回はエキスプレスではなくキラメイジンに追加武装。2つに分割して両腕に装着したザビューンマグナム→一本に繋ぎ直して長槍ザビューンビッグウェーブマスターで撃破。
幸也も自分の音楽への希望や夢を持てるようになったため手術受ける勇気がわいて、めでたしめでたし。
ほっとした小夜はそのままベンチに座り込んで眠ってしまう。キラメイバンドも気が付くと眠りこんでいて、元気なのは宝路だけ。
「イマイチ締まらない奴だな」と小夜を評する宝路。呆れてるような、一方で微笑ましく思ってもいるような。キラメイカースト最上位の彼女のことをそんな風に言えるのはたぶん君だけだよ。出会いからして、なんかこの2人の関係面白い。
幸也は自分のために徹夜してくれたとまでは知らないだろうけど、頑張ってくれた小夜先生の隣に静かに座って、そのまま起こさずにいてあげてる。
医者と患者という関係だけど2人の絡むシーンが殆ど屋外、というのはいろんな都合を感じさせて大変だなと思いながら、続く。
EDはまたキラメイ音楽祭。
相棒石とのツーショット、妄想演奏(アコーディオン)や変身前後のツーショット等、視聴者を映像で楽しませたい気持ちが伝わってくる。ちょっとVSのOPっぽい雰囲気もあるかな。
次回予告。
為朝はリーダー資質とか敵の戦力分析とか作戦立案能力とか熱血とか仲間思いとか、いろいろ各方面ハイスペック過ぎて個人的にキャパオーバー気味なのに今回歌まで上手いとかちょっと自重しろやと思ってたら、予告だけでその巫女さんにゾッコンなのがダダ漏れしてるピュア男子な演技見せられてホントお手上げ。
ネアンデルタールタール人邪面呼称への細かすぎる拘りとかドヤ顔で取り出した蓑とか歌舞伎調の大根演技のポンコツ加減がもはや癒しかも(汗)。