キラメイジャー23話感想: 王妃マバユイネ復活、強くて脆くてやっぱり強い
前回復活したアクアキラメイストーン改め魔進ザビューンから、王妃マバユイネが実は生きているという衝撃的な情報がもたらされる。
マバユイネは魂を体から離脱させて他の石に移す秘技を持っていた。呪いで体が砂になる直前に魂をヘッドドレスの守り石に移していたのでは?との推察どおり、守り石から彼女の生命エネルギーが確認されたので、間もなく目覚めるだろうと。
凄い展開だけど、王妃がその秘術を持ってることをザビューン以外誰も、夫のオラディンすら知らなかったのか?ってのはちょっと引っかかる。
ザビューンの呪いを解く力も王妃の魂を移す力も呪術めいたところがあるから、例えばザビューンがかつて王妃だけに術を教えていた、みたいな可能性もないわけじゃないだろうけど。
そしてそれ以上に気になるのは、その術は夫のオラディン王には使えなかったのか?ってこと。オラディンも殺される直前に魂を他の石に移したりしてないのかな?
私は以前の記事↓
キラメイジャー18話感想: やまない雨はない
https://kiuix.hatenablog.com/entry/2020/08/16/082538
でも書いたけど、夢の中でのオラディン王との交信や、魔進達がオラディンの予言とも合致したことで、充瑠のひらめキングや問題解決能力のどこまでが彼自身の能力なのか疑っている。ひょっとしてマブシーナが乗って来た白いキラメイストーンが地球にぶつかった衝撃で破片が凄く遠くまで飛んでって、教室で眠ってる充瑠の体内に入ってオラディンの思念をキャッチ出来るようになったとかない?って。
だから妻と同様に、もしオラディンがあの虐殺で息絶える寸前に、魂を白いキラメイストーンに移していたとしたら?って思っちゃった。
そんで更に、マバユイネが魂を移してから目覚めるまでに、幼いマブシーナが大人になるまでの長い時間が必要だったなら、、以前余所で見た説のように、キラメイストーンを埋め込んで命をとりとめた宝路も目覚めるまでに10数年間かかった可能性もあるのかな、と改めて。
それなら地球に戻って人間社会では生き辛く、オラディンが養子にした理由になるかも。宝路の精神年齢がアラフィフにはほど遠いのも、30年のうち半分くらい眠っていたなら納得だし。
眠っている間にマブシーナが生まれ幼い頃に目覚めて10数年くらい一緒に暮らしたのなら、マブシーナも実年齢ハイティーンでいいかな?とか。
マブシーナ筆頭にココナッツベースが歓喜に沸く中で宝路は、マバユイネが目覚めて母国陥落と夫の死を知ったら守り石ごと砕けてしまうかも、と彼女の心の脆さを指摘する。回想では、マブシーナが幼い頃にちょっと石の破片を踏んで怪我をしたのを見ただけで、娘を心配しすぎて倒れていた。
それでよく戦士が務まったな。というか、あんな危険なヌマージョ討伐によく同行出来たな。
でも逆にこの人は、そんな危険な戦場に夫と養子を送り出して自分は王宮で待ってるなんて心配過ぎて出来なかったのかも。
なんだか夫妻ともども、危険な戦いを配下や他人に押し付けて後方の安全な場所でどっしり構えてることが出来ない人たちだったのかな?って気もする。
それはヒーロー個人として立派なスタンスだと思うし、夫妻が国内最強なら危険な敵ほど自分が出て行かざるを得なくもなるだろうな。けど、なんだか弟のガルザのことも他人ではなく自分たちと同じに位置付けて、ごくナチュラルにこき使ってストレス貯めさせたのでは?って疑いたくなったりもする。
宝路の回想からは、クリスタリア人から見れば異形の地球人である宝路が、オラディン一家に分け隔てなく扱われ良好な関係を保てていた様子が見られて良かった。
基本は皆いい人たちだろうなとは想像できても、前回あたりからどうも宝路の実母目線で見てしまうところがあって(笑)、やっぱり実際に一場面でも見られると、安心する。
ただ逆にこんな環境では、体色が兄一家より暗くてもまさか叔父が悪意を隠しているとは夢にも思わず、どんなアドバイスも善意からだろうと疑わずに従ってしまったかもなあ、と改めて思った。
再びヨドン反応があり、5人が現場に先行。宝路も魔進たちに、王妃が目覚めた時の注意を改めて言い含め出発しようとしたその時に、マバユイネがあっさり復活(汗)。最愛の娘マブシーナとの再会を喜びながらも、娘や魔進と共に地球にいる理由を怪しむ。
空気読まない(たぶん宝路の注意喚起もイマイチ頭に入っていない)ショベ爺のせいでバレそうになり、誤魔化そうと姫が地球の景色を見せようとモニターを付けた途端、画面に映し出されるキラメイジャーとヨドンとの戦闘シーン(笑)。
「ヨドンはクリスタリアの次に地球を狙っていた→今ヨドンが地球を攻めている→じゃあクリスタリアとオラディンは?」
と、いきなり恐れていた事態に陥ろうとした時、マッハが「これはお芝居です!」と全力で誤魔化したもんで今回の大騒動へ。
マバユイネはお芝居が大好き。
二人称こそ「あーた(あなた)」と、昭和アニメの高飛車マダムみたいだけど、王妃という立場ながら特別選抜隊に選ばれ自ら剣を取って戦うほど型破りな武闘派でもある。髪型からしてファンキーで王族っぽくなくて、若い頃は自由に夢を追って女優やりたかった人なのも納得かな。
オラディン王も地球人を養子に迎えるくらい枠のない人だから、妻のことも王妃の枠にはめることなく、むしろそういうところを面白がって愛したんだろうか。
今回の敵、金庫邪面は人々を金貨に変えて自分の仮面である金庫に閉じ込めてしまう。
その金庫の解錠に苦戦し取り逃がした戦場の5人に宝路から役者になれとのミッション。
ならばここは本職の自分が、と時雨が張り切って例のスマイル炸裂で座長=主役として王妃に挨拶するも、主役は黄色でしょ?と、ばさ斬りされ(笑)、私の頭の中を何度目かの「クールキャラの定義とは?」との疑問がよぎる。
マッハが芝居と言ったのは「ジジョクルニ」という5人の大泥棒が活躍するクリスタリアの有名な演目。スーパー戦隊の原形とも言われる歌舞伎の「白浪五人男」みたいなもんかな。「敵に奪われた財宝を5人の大泥棒が取り戻す」って、なんかルパンレンジャーとゴーカイジャーを足して2で割ったような感じだ。
黄がリーダーのミスター1、赤がおとぼけ詐欺師のミスター2、桃が魅惑の鍵師ミス3、緑がお転婆令嬢のミス4。
まあ、ここまでは合ってなくもない。為朝はリーダー資質あるし、充瑠は物腰柔らかくてちょっと天然だし、小夜は「美しすぎる」が謳い文句だし、瀬奈はまんまだし。
でも、時雨のミスター5は残念なギーク・・・お約束のオチ(笑)。モデルはゴーカイジャーのハカセかな。鍵師もルカっぽい。
マバユイネに色と役柄を符合させるためにキラメイジャーたちが自然に変身後で帰還しているのも、もはや恒例のコロナ対策を兼ねているんだよね。いつもながら頭が下がるよ。
再びヨドン反応で、あくまで芝居のふりしながら戦う5人。
首領を演じてやたら歌舞伎調になる為朝は、もしかすると子供の頃に爺ちゃんに連れられて歌舞伎見に行ってたりしたのかもな。
桃の妖艶なS演技はハマってる。実はスクールカーストならぬココナッツベースカースト最上位に君臨する女王みたいなもんだし、普段からもっとこんな感じでもいいかも。
そして変身スーツの上から赤いハチマキにリュックと一人だけ次元の違う役作りで語尾まで「~なんだな・・・」と徹底してくる時雨。どんな役でも一度振られたからには全力投球するんだな。
ここまで、万力侍→死神に恋したキョドリ高校生→相撲→中二病釣り師→と来てきっと時雨は仕事を選り好みしない男。
金庫のダイヤル解読に成功するも暗証番号との2段階認証で開かず、瀬奈が勢いで数字キーを押しまくったら3回エラーで10分後に爆発する、大変な事態に。
動揺したキラメイジャーたちの苦戦ぶりに、現地で観劇(観戦)していたマバユイネが本気の戦いなのでは?と怪しみだす。クリスタリアやオラディンは?と不安に囚われ始めて今にも守り石が砕けそう。
ここでマブシーナが母を守るため、あくまで芝居で押し通そうと幕間のショータイムとして歌い踊り出す。
マバユイネの記憶の中のマブシーナは恥ずかしがり屋で、父オラディンから母の前で歌うよう言われても出来なかった。
このちびマブシーナの仕草がめっちゃ可愛くて、夫妻はそんな娘が愛しくてならなかったろうな、と思う。
でも、今目の前にいる成長した娘は、恥ずかしさなどかなぐり捨てて、一生懸命歌っている。
じゃあなんで娘がそうまでするか、と考えたら答は1つ。
回想でオラディンが娘に諭した「心貰わば倍思え」っていう、クリスタリアの諺?が効果的に使われている。良い言葉だな。なんとなく時節柄、半沢直樹の倍返しを連想しなくもないけど(汗)。
幼い頃に、自分を心配して倒れた母のために歌えなかった娘は、その時に貰った心を今こそ倍にして返そうと恥ずかしさを克服して歌い、その心を貰った母は、娘にそれを倍にして返すべく、母国と夫の悲劇を悟るも心強く受け止めて、乗り越える。
母と娘の、互いを倍思う連鎖が綺麗だな。
もしかすると、マブシーナは成長過程で自然に、以前ほど恥ずかしがり屋ではなくなったのかもしれない。どう見てもノリノリで歌い踊ってて、場慣れ感すらあったし(ごめん)。
でも長い長い間眠っていたマバユイネにはその分眠る前に見ていた幼い頃の姿が鮮烈に残っていて、余計に娘の必死さを感じとれたのかもな。
そんな王妃に一同ホッとするのはわかるんだけど、一方で金庫爆発までにもう時間がないと思うと気が気でなかった(汗)。
でもここでマバユイネが「倍返し」の真骨頂。回想で見せた、集めたキラメンタルを1点に集中して放出する技を再現する。
今回ここまで戦闘に参加せず義母のフォローに回ってていた宝路が、シャイニーブレイカーからキラメンタルを守り石に注入・・・って普通に守り石を攻撃してるようにしか見えなくて、大丈夫とわかっていてもハラハラした(汗)。
守り石から放たれたビームは難攻不落の金庫の扉を綺麗にくり抜き、中の金貨にされた人たちを救出。
空になった金庫(とそれを被った邪面師の頭部)を充瑠が容赦なく撃ち抜く画がエグくてかなりビビった。
義母にエネルギーを送る形できっちり活躍した宝路はキラメンタルを使い果たして今回はもう戦闘不能。自然にロボ戦をザビューンの販促に集中させるのは上手い見せ方だな。
追加戦士の販促が一段落するとあれこれ理由付けて彼の活躍をどうセーブするかに毎年、頭使ってる感じだけど、前回ラストでこれから、より一層ヒーローとして輝くぜ宣言してるのに、露骨に引っ込めたら可哀想だもんね。
紐付いて出てきた邪面獣は金塊リガニー。その能力でキラメイジンがソッコーで金塊化?して動けなくなる。「動けないんだな・・・」と、王妃に芝居とバレた後も役柄を全うする押切時雨。その役者根性に脱帽だ。
後はキングエキスプレスザビューンの独壇場。マブシーナとマバユイネもエキスプレスの方に同乗して特等席で観戦。
娘の成長を知り、魔進を作り出した充瑠にオラディンと同じ力を見出して安心し、金庫攻略に多大なパワーを使い果たしたマバユイネはまた眠りにつく。
レギュラーキャラがまた一人増えると大変かなと思っていたからホッとした。これなら必要な時にだけ目を覚ます形で物語に加われて大事な役割をピンポイントで果たすことが出来る。
今回、面白かったけど、気が付くとガルザとクランチュラが出て来なかった。ガルザが義姉上の復活を知らないまま、というのは物語として意図的なのかな?例えばオラディンの復活の可能性に関わってくるからまだそこには触れないのかも?とか。
edは今週からキラメイ音楽祭と称して、各メンバーのキャラソンを紹介していく趣向とのこと。トップバッターは劇中でも披露したマブシーナで、映像もこれまでの彼女の名場面集。今年は放送休止中にたくさん総集編をやっちゃったから、例年なら前半の総集編をやる24時間裏も通常回だった。その代わりも兼ねてるのかな?
で、ノリノリでMCやって「マブシーナさいこ~う!」と親バカ晒してるオラディンさん、あなたやっぱり死んでないでしょ?