キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

仮面ライダーゼロワン42話感想: イズからアズへ、ゼロツーからアークワンへ

自分の夢は人類滅亡だと宣言した滅。ヒューマギアだけに通信を送り、人類滅亡の聖戦の開始とそれへの参加を呼びかける。

でも集まった個体数が微妙・・・。職業ヒューマギアが5体。それから素体が8体くらい?素体ってどういうこと?生産ラインのどこかから自分の意思で脱走してきたってこと?

集まってきた職業ヒューマギアたちも、自分たちを勝手に稼働停止させたりでき、時に悪意を突き付けてくる人間たちに脅威と怒りを根底に抱えて、自分の意思で反乱への参加を決意したの?

それとも滅の声にはアーク同様ハッキング能力みたいなのがあって、「或人社長に影響されたために悪意に影響されない」ヒューマギア以外のごく少数が操られたということ?

このあたりが不明なので、今回のヒューマギアの反乱の性質がわからない。まあいろいろな設定やルールが曖昧過ぎた世界観ではあるけど。

そもそもゼアはアーク諸共破壊されたと思ったんだけど、そうなると今のヒューマギアはどうやってコントロールされてるのかな?イズの中のゼア?

 

更にはゼツメライザーも人間の悪意に触れてアークと接続したわけでもないのに自発的にマギア化するのはどういう仕組みなんだろう?

もしこれが標準装備だというのなら、やっぱりヒューマギアやばい、流通させるには危険過ぎる、ってなっちゃうんじゃないかな。今回の件は、前回のヒューマギア再稼働が見せた光を一瞬で消し去って、飛電インテリジェンスへの世間の信頼にも改めて致命傷だと思うんだけど。

 

一方、ザイア本社から新キャラ来日。天津から日本支社社長の座を剥奪してその座に座った与多垣ウィリアムソン。

迅と繋がっていたのは彼だった。恐らく迅を復活させたのもこの人。

滅の始末を迅に指示していて、予告を見た感じその辺りもやるんだろうけど、天津に輪をかけて胡散臭くて、単にアークと滅を滅ぼして事態の収拾を図りたいだけなのか、その先に別の狙いがあるのかはわからない。あと3話で何をしようとするんだろう?

 

滅がアーク化し、或人が死ぬ未来を夢(アズ曰く、<アーク様のシミュレーション>)で見ていたイズは、滅の呼びかけを知り、或人にはそのことを告げずに単身止めに行く。

「おまえは人類の恐ろしさを理解していない」

 「あなたこそ、人類の素晴らしさを理解していない」

と、互いの主張は平行線。

「本当に恐れるべき事は、偏ったデータをラーニングしてしまう事なのかもしれません」

というイズの言葉は全く正論だと思う。そうなんだけど、イズ自身のラーニングもかなり偏ってると思うよ。イズがそう信じる根源の或人が滅茶苦茶偏ってると思うから。

 

そして不破さんと唯阿さんが駆けつけて、イズの呼びかけも空しく戦闘開始。

「人類が悪意を持っていても、もうアークが生まれないと言い切れるのか?」

という滅の問いに

「知るか!お前をぶっ潰す!」

という不破さんの答は空しかった。

人間の悪意とアークに散々人生を狂わされた張本人で、この作品では一番真っ当にヒューマギアとは?人間の悪意とは?について葛藤しそれなりの答を出したりしてきた不破さんのその一言に、本当はどんな深い思いがあったとしても、ごめん、あれを見ただけでは私にはくみ取れないのが寂しい。

 

或人も駆けつけて、ゼロツーに変身。暴走したマギアをソードで斬って、「大丈夫か?」と元のヒューマギアに戻していく。

「アークは消えた。もう俺たちが争う理由はない」

と言うけど、それはアークの復活を恐れて聖戦を開始した滅への答にはなってないんだよな・・・。

ゼツメライザーで暴走させられたわけでも、人間の悪意に触れてアークに接続して暴走したわけでもなくても、或人のソードで攻撃されると元に戻る。

もし滅の呼びかけに応じて自らマギア化したものまで戻してしまうのならそれはつまり、ヒューマギアの意思に反して、強制的に人間に抗う力を奪ってしまうということでは?

このソードは、或人を慕う全てのヒューマギアの善意のデータで作り出した物じゃなかったっけ?これによって或人は、ハッキングで暴走させられたら破壊するしかなかったヒューマギアを破壊しないで元に戻せ、ヒューマギアを守れる仮面ライダーになったと思う。

だけどこの使い方だと、ヒューマギアを守るのではなくて、ヒューマギアの意思による反乱を許さず人間のコントロール下に置くための道具ってことになっちゃわないかな?それがモヤモヤする。

それとも滅のやっていることは相変わらずヒューマギアのハッキングなの?ゼツメライザーを使わなくても滅本人にもそんな能力があるということなのか?

 

イズはまた滅を執拗に呼びかけて、結果的に煽って弓を引かせ、破壊させれてしまった。

イズ爆散の演出は力入っていたと思うけど、マギア化もしてないヒューマギアがあそこまで派手に爆散するイメージはなかった。ゼロワン計画に係わるためいざという時は秘密保持出来るよう自爆装置でもついていたんだろうか。(でも迅の触手に貫かれた時は爆散しなかったんだよな。)

或人を思うあまりあそこまで滅に食い下がった、というのはわかる。でもごめん、なんだか迅を煽って破損させられた時みたいに、ここまで出張らなくても、と思ってしまう。

 

滅の人類滅亡の夢は、「ヒューマギアが自分の意思で生き方を選び夢を持てる世界を目指している息子の、未来の障害になる可能性を排除したい」という父親としての思いだと受け取った。

父親として夢を持つことは或人がヒューマギアに望む夢の方向性とも合致しているだけに、或人がその夢とどう対決するかを見たかったんだよね。

だけど、或人が滅と接触する前に先回りしてイズが間に入り破壊されることで、なんだか或人が滅の夢に向き合わないまま倒そうと出来る別の理由を与えてしまったみたいで、狡いなと思っってしまった。

 

イズという唯一無二の相棒を失い、呆然自失で爆散跡に座り込む或人を「そっとしておいてやろう」と不破さんが配慮した形で放置したことが、そのあとアズにつけ込まれてしまうという結果を招く。

う~ん、この終盤まで、相棒の喪失という主人公の一大事に、或人に強引にでもより添ったり、ずかずか踏み込みはしなくても目の届く距離で見守ったり出来るキャラが一人もいない、という殺伐さが辛いな(汗)。

 

日が変わってニュースが滅亡迅雷による破壊活動を伝えている。でももはや滅亡迅雷のうち、亡も迅も雷も滅の呼びかけには集まっていない。亡と雷は何をしていて、どんな思いで滅の所業を見ているんだろう?

 

応戦する不破さんと唯阿さん。

滅にボロ負けして死にかけたのに、当時よりラーニングで強くなってる相手にシューティングウルフで立ち向かう不破さんに違和感。

ランペイジ壊れたの?でもそれならまだアサルトウルフの方が良くない?(個人的にシューティングウルフのデザインがあまり好きではなく、アサルトとランペイジが好きすぎるというのはある・笑)

アズに「アークは蘇る」と以前収集したシンギュラリティデータをちらつかされて滅のアーク化を恐れた迅が止めようとするけど、迅の「滅がアークになる!」という制止の呼びかけにも「知るか!」だし、不破さんの扱いがどんどん軽くなっていくような・・・・。

 

そこに爆音と共にアークワンが降臨。圧倒的な力でその場にいる全員を一蹴し、変身解除すると、正体はなんと或人!

その場から人間ではないかのような消え方をした或人は悲しみと怒りで悪意に飲み込まれ、アズにイズの幻影を求めて縋っているみたい。そこにアズがつけ込み、アークワンを誕生=アークを復活させた、ということだろうか。一言も喋らなかったしどこまで本気なのか、操られているかもわからない。見せられたシンギュラリティデータに笑みを浮かべる姿は、今までのどちらかというと子供っぽくて悪意への無防備さを感じさせる或人がこれまで見せたことのない狂気の表情で、役者さん頑張ってるな、と思う。

ここまで何を目にしてもヒューマギアは夢のマシンと性善説に立ち共存を訴え、悪いのは外の誰か、という姿勢を貫いてきた或人のこの姿は確かに衝撃的。

その原点が其雄との記憶っていう個人的体験だから、大事な物を奪われるっていう痛みを伴う個人的体験を喉元に突き付けられると実は脆かったのかもってのはわかるんだけど。

 

「アーク様は決して滅びることのない神様になったの。神様って、心に宿るものでしょ?大いなる悪意が生まれた時、アーク様は再び蘇る。イズ?あなたにアーク様を止められる?」

イズはその言葉に危機感を感じて滅を止めようとして破壊され、結果として皮肉なことに、守ろうとした或人の中に大いなる悪意を生んでアークワンを誕生させてしまった。もしかしたらここまでがアズの狙いだったということなのかもしれない。

イズを失い、アズが代わりに寄り添う或人は、イズと思いを一つにして生み出したゼロツーを手放して、このままアークワンに取り込まれてしまうんだろうか?普通なら主人公にそれはないと思うけど・・・・。

 

ただ、私はあくまで正気ままの或人が滅の夢と対決し、同時に自分の思想と向き合うのを見たかった。今の或人は、アークにつけ込まれ乗っ取られた感もあったりして、この後或人が滅やヒューマギアを滅ぼそうとしたとしても、或人の核になってる例の思想は実は守られたままなんじゃ?という目で見てしまったりしてモヤモヤする気持ちはあるかな。