仮面ライダーゼロワン13話感想: イズとワズと全てのヒューマギアの思いがこもったシャイニングホッパー
ゼロワンの新たな強化体「シャイニングホッパー」はあっさり暗殺ちゃんにラーニングされて敗れ、更にイズを庇おうとして或人は負傷。絶体絶命のところ、ワズの機転で撤退。
或人は謝るイズを励まし、暗殺ちゃんに狙われている5号を怪我をおして助けに行く。「守ってやらなきゃ」に5号というヒューマギア個体に対する労りや思いやりが感じらるのが嬉しい。
これまでたくさんハッキングされマギア化して破壊されたヒューマギアを見てきながら
「いつか或人が人間だけでなくヒューマギアにとっても仮面ライダーになって欲しいな」
と思っていたから。
イズはワズにこれまでの非礼を詫び、なぜシャイニングが不完全だと分かったのか尋ねる。
ワズの答は「ただの勘です」。
シンギュラリティに達したことで、本来なら状況判断に使わない範囲のささいであやふやな情報や違和感等も取り込んで自分なりの主観や解釈を交えてそう感じ取ったってこと?いわゆる「女の勘」や「刑事の勘」みたいに。
それがワズを<名探偵>にしているってことだろうか?
イズちゃんは、不完全なシャイニングを或人に使わせた上に或人に負傷させ足を引っ張ってしまい、さんざん無能扱いしたワズに助けられたことで、すっかり自信喪失。
自分の存在意義を否定しにかかって或人のため簡単に自己犠牲承知でシャイニングキー完成に必要な戦闘データを差し出そうとする。自分がいなくてもワズがいるから良いと。
普段完璧と言っていいほど優秀な分、一つ上手くいかないと全否定?挫折に弱いのかな。
思い詰めてる感じが既にただの機械の反応じゃなくて感情的だから、もうシンギュラリティに達してると言われてもすんなり納得する。
廃棄覚悟で戦闘データを差しだすイズを突き飛ばして自分が身代わりになるワズ。
英語でイズ(is)は現在形でワズ(was)は過去形。
過去の社長を支えてきた兄が現在の社長と彼を支える妹を助けるために、一度は復活するも完全に過去のヒューマギアになる事を自分で選ぶ。
ルパパトで東雲悟の苗字が夜明け「前」って意味があると知った時に似た悲しさを感じた。
復活してからそれなりに楽しそうにしていたように見えても、一番敬愛する是之助社長はこの世にいないから、彼にとってはあくまで是之助社長のいた過去が本来の自分の居場所だと思い定めていたのかもしれないとちょっと思った。
飄々としていて時々鋭くて、体型も雰囲気も丸っこくてふんわりしていて、女の子みたいに小走りで腕を体の前でちょこちょこ振るしぐさも可愛くて好きだったのにな(涙)。
ラボにあのまま飾っておいてくれても良いのよ?まさか廃棄したりしないだろうし。
化け物に変貌してしまった仲間にショックを受けてしょんぼりしてる5号がかわいい。ラーニングを終えた4号の不敵さとは同じ顔でも全く別人で声のトーンも違って、役者さん凄い。
祭田ゼットはお祭で踊ったりして盛り上げるためのヒューマギアだってわかってみると、3号が強くなるためであっても殺陣の型を身につけるのは踊りの振り付けに通じるものがあったろうし、エンタメ、演技という点で本来楽しませるべき人を暗殺することなんかより親和性が高かったのかもなと思う。
大和田さんに演技を着けてもらった3号にもしその時、心や自我ががあったとしたら、改造前の本来の自分というか本能みたいなものが呼び覚まされて本当に楽しくてのめり込んでしまったのかもな、と思ってみたり。
暗殺ちゃん4号は5号を仲間にしようとしたわけで危害を加えようとしたわけではないんだろうけど、怯えた5号が拒んで逃げ出すのを見て、強制的に自分と一緒に世界を破壊する仲間に組み込もうとしていた。
だから、それを阻止した或人は今回初めて、罪のないヒューマギアを守り抜くことが出来たんだろうか。
でもそれには別の、ワズというヒューマギアの犠牲が必要だった。
イズが自己犠牲を覚悟し、ワズがその思いを汲み取りながら肩代わりして出来たキーをイズが祈りを込めて託し、或人がそれらの思いを背負って使い、バルカンバルキリーと束になっても勝てないと言われたドードーを撃破した。
シャイニングホッパー誕生のドラマが重すぎる(泣)。
「それは私の兄です」
「それには或人社長に期待する全てのヒューマギアの願いが込もっています」
「よろしくお願いします」
イズの言葉も重い。
ヒューマギアにとっても、或人は希望であって欲しいんだよな。
悪意のためにハッキングされ操られ本来の目的に反して人間を襲わされ破壊されるなんて彼らだって当たり前に嫌だもん。
やっぱり人間だけでなくヒューマギアにとっても仮面ライダーになることが、或人の目指す場所になるのかもしれないと思った。
暗殺ちゃんは倒され5号が保護されたことで祭田ゼットの悲劇の連鎖は最後の1人を残してギリギリ食い止められた。
でも、ドードーのキーは滅に奪われたから、あの強さを持った敵はまた現れるってこと?
天津はぺったんこの変な日傘さして(似合ってない(汗))「サウザーとの対決が楽しみ」と嘯く。
年明けあたりに出てくる新しい仮面ライダーかな。
今回の前後編は三条脚本。
三条さんの或人好きだな。たまにちょっと小生意気な口をきく。
「俺は伸びしろだけはちょっとしたもんだぜ」
正直あんまりこれまで伸びしろを感じたことはないし、私はわりかし口だけタイプって好きじゃないんだけど、今の或人ならこれくらい言ってもいいかなって思えたのが意外だった。
前回も唯阿さんに「それがザイアのやり方か」「どうやら図星だったみたいだな」って相手の痛い所を突いていて、気に入った。
ちょっとWの翔太郎っぽいかもしれないけど。
今までいろんな事に振り回されて翻弄されて1クール。売れない芸人やってる世間知らずの純な若造が、自分を取り巻く悪意、滅亡迅雷だけでなくザイアの悪意も認識し始めて、これ以上やられっぱなしでいられるかよ、みたいな気概を感じるからかな。
今回の不破さんは、「礼はいい」とか「変身すれば少しは楽だ」とかフォローが優しく年上の頼れる先輩感。変身で楽になるのはこの前松葉杖放り出して変身した時の経験が生きてるんだろな。
ただし戦力的には滅に軽くいなされるのは相変わらずで厳しい(汗)。
イズと仲良くなりそこねた唯阿さんは、不破さんがザイアより或人(飛電)寄りになるのは、自分の立ち位置や罪悪感もあっていろいろ面白くないかもな。
次回予告。不破さんパワーアップ。不破さんバルカン、キャラは好きだけど正直言ってマスクはあまり好きじゃなかったから、今度の強化形態のガワがめっちゃ格好良くて楽しみ。