仮面ライダーゼロワン38話感想: サウザー(仮面ライダー)はサウザー(犬ロボット) で改心したけど(辛口)
最初に言っちゃうけど、ごめん、きつい。一応ここまで考察まがいなことやりながら感想書いてるつもりだったけど、今回なんかこう、急にあっちでもこっちでも終盤の共闘と物語の決着に向けて、時に過去の捏造も交えての強引な改心イベントとフォローイベントの嵐だったって感じで、ちょっとついて行けなかったかな(汗)。
アイちゃんは不破さん、唯愛さんと次々あっさり攻略して或人の元に凱旋。
「これでまた1つ、叶いましたね、或人社長。人と人工知能が心を通わせ笑顔になる、飛電家に代々受け継がれた夢が」
ヒューマギアは或人がイチから作ったものではないから、或人が今の会社で社長として自力で生み出した(実際には或人の思いを博士ヒューマギアが開発したものだけど)製品とその成功という実績が欲しかったのかもしれない。
アイちゃんが占いヒューマギアの仕事より勝っている描写も、「或人の興した飛電製作所が開発した製品が祖父の興した飛電インテリジェンスの開発した製品を上回った」という見せ方に必要だったのかも。
けど、そもそも「AI搭載人型ロボット」というものが、現実世界ではまだまだペッパーくんレベルなところに、敢えて「人間と見分けがつかないヒューマギアが普及した世界」を見せているのがこのドラマの肝だったと思うから
「或人くんのの理念を形にするには人型に拘る必要はない。これは大発見じゃ!」
と凄いことのように言われても、それは発見どころか現実世界レベルへの後退でしかないように思える(まあそれでもこんなに楽々悩みを抱える人たちを攻略出来るAIは現実にはないだろうけど)。
或人は人型であるヒューマギアにあんなにこだわって、「人とヒューマギアが共に笑って暮らせる世界」を目指していたんじゃなかったの?
アイちゃんには、「君は自由に生きていいんだよ」とは言わないの?自由だと言われても手足がないから自分じゃ動けないけど。反抗したくなってもヒューマギアみたいに暴れられない。
ここに来て「人型に拘る必要がない」と退化したことを言い出すのは、もしかしてその方が面倒くさくないから、万一自我に目覚められても怖くないからじゃないの?
なんて考えが頭をよぎってしまう。
心を通わす対象がヒューマギアから人工機能全体に拡大したのも、なんだかすり替えというか、ヒューマギアのいろんな問題点だったものから逃げに入ったのかな?みたいな穿った目で見たくなってきてしまった。
反旗を翻した副社長達に悪事の証拠データを突き付けられた天津は、ラボに閉じこもって証拠データを消去。あのパソコンから全部にアクセスして消せるものなの?USBデータは?バックアップはとっておかなかったの(呆れ)?例えば副社長のPCデスクトップとか。
困り果てた副社長に呼び戻された或人が秘密の通路からラボに入って天津を咎める。
追い詰められた天津は、レイドライザーの予約注文を副社長が勝手に全部キャンセルしたと聞かされて激昂。背任行為は許さないとサウザーに変身してソードを手に副社長に襲いかかろうとした!
そこは流石に或人が防ぎ、この時の画像が重大なパワハラの証拠としてザイア本社に送られる。
ここも、とうとう冷静さを失った天津がみすみすパワハラの決定的証拠を提供してしまったってことなんだろうけど、強引すぎてびっくり。
そもそもパワハラなんてレベルじゃなくて十分殺人未遂だと思うからね・・・そこまでさせる?って。
だけど台詞としては、そういう「殺人」みたいなワードを出して印象付けちゃうと、後々味方にした時に都合悪いから、あくまでパワハラと(汗)。
へたり込んだ天津を皆で囲んで、或人が天津に説教。だけど副社長と専務以外の社員との接触描写皆無で社長適性も感じられない或人に、「(飛電インテリジェンスみたいな大会社の)社長とは」みたいなことを論じられてもあんまり響かないのが困る(汗)。
「小さくても、俺がゼロから立ち上げた会社だ」
も引っかかる。もとは或人の預かり知らぬところでイズが或人をゼロワン資格者である社長にするために登録した会社だし、その仕事内容は、ヒューマギアという、実は祖父から著作権を譲り受けた飛電インテリジェンスの製造物で成り立っている。そういう背景をすっ飛ばして「ゼロから」と言うのは、お仕事勝負以降株の下がった或人の口から言われてもすんなり入ってこない体質になってしまったな(汗)。
そして1人になった天津を、またもアイちゃんが攻略。アイちゃん手足ないけどホント無敵だな(汗)。もはや恐怖を感じるレベル。
天津が今のようになってしまった原点というか元凶は父親。大森Pはホント好きだねクズ父。
100点で満足するな。1000点を取れ。ましてや99点などもっての他。そんな物で遊んでいるからだと。
天津が敢えて100を超えて1000という数字を好んで使うのは父親の影響だったと。
追い詰められた当時11歳の少年天津は、そんな物=大事にしていた犬ロボットを自分の手で封印し、誰にも頼らず自分の力だけで生きようと決める。
飛電がヒューマギア以前に開発したというその人工知能搭載犬型ロボットの名前は、「サウザー」。後に自分が変身する仮面ライダーと同じ名前。
34年前1986年頃か。
えーと、「北斗の拳」のサウザーが出てたのもその辺り?実は隠れて読んでた?
愛深き故に敬愛する師匠を自分の手で殺させられたことに耐えられず「こんなに苦しいのなら愛など要らぬ!」と叫んで愛を捨て暴虐に走った男。
メタ的にもしかしたら、そのイメージを天津に投影させたかった意図もあるのかもだけど、ちょっと天津があそこまでになった理由としては大人しすぎるエピソードかな。彼がこれまでしてきたことは、あの程度のクズ父の所業が言い訳になるレベルを超えてると思う。
特にアークに悪意をラーニングさせてデイブレイクを起こさせた理由になるとはとても思えないな。デイブレイクで少なくとも1人確実に死んでる人がいることも、説得力のハードルを上げてる気がする。
アイちゃんが天津に子供時代の辛い記憶を思い出させた直後に、たぶん或人が去ってからずっと沈黙を守っていた?衛星ゼアが、図ったような連携プレーで勝手に犬型ロボットの最新モデルを製作。AIBOとコラボらしいけど、34年前のサウザーよりだいぶ見た目が変わっちゃってる。
けど、すっかり少年の心に戻ってた天津にはそんなの関係なくて、愛らしい仕草に「変わってないな」と涙を浮かべる(汗)。
少年時代に封印した、サウザーへの気持ちを取り戻し、本当は友達や仲間が欲しいという気持ちも素直に認めて。
そんでなんか良い人外キャラが死んで死体を残さず消える時みたいな勢いでキラキラエフェクト入ったんだけど、これで浄化されてるっていう見せ方なのかな?ここまで、というか、ついさっきまでもあんなに、「あれも天津が悪い、これも天津のせい」、を繰り返してたのに(汗)。正直、受け入れがキツい。
一方滅亡迅雷。体を乗っ取られていた迅は、アークが離れて正気に戻り、一旦心が折れたふりからの逆襲を試みるも失敗。
そんなのはアークには最初からお見通し。他3人は心からアークに従っている。アークの、いざとなれば滅と迅を自由に行き来出来る能力も厄介だし、迅の無力かつ孤立無縁状態がキツいな。
だけど打倒ゼアのために宇宙開発センターにアーク迅と雷が行くと、雷に異変。自分の昔の職場を前にしたせいか、雷電だった頃の自分と弟の昴との記憶の断片がバグみたいに蘇ったりする。
ここにもドラマがあるのかな?雷は風貌も、砕けた雰囲気台詞回しとかの演技も好きだし、他がこんな状況だから昴とのドラマを見たい気持ちが強い。
というか、滅亡迅雷が残るにしても滅びるにしても、この4人がアークの支配から外れたところでのドラマはちゃんと見たいかな。
唯阿さんはまだ戦える状態じゃないけど寝てる場合でもないと退院して、黄色い可愛い花束を手にお見舞いに来た不破さんと鉢合わせし、なんだかんだぎこちない和解ムード。不破さんが花屋さんであの花束を買っているところを想像するとほっこりする。あ、店員は一輪サクヨね。
「俺が仮面ライダーバルカンとしてアークを倒してやる」という不破さんに、エイムズの通信を傍受出来る装置を渡す唯阿さん。こういう時のこの2人の何とも言えない雰囲気は好きだったし、今もやっぱり好きなんだよなあと、久しぶりに思った。
そこにエイムズの、実質ザイアの手先となって毎回倒されていた2人。
戦いに行こうとする2人を危険だと止め、唯阿さんに突如
「ザイアの指揮下でもう自分達は何のために戦っているのかわからなくなってたけど、それでもやって来れたのは隊長であるあなたがいたからだ」
とか、猛烈にフォローしだしたぞ。
唯阿さんはエイムズにいた時は隊長ではなく技術顧問。滅亡迅雷が一旦倒されてからはザイアに戻り、以降はあくまでザイアとして、ザイアの管理下に起かれたエイムズを使っていたんだと思っていたけど、いつ隊長だった時代があったんだろう?
またそこまで隊員に慕われるような描写がどこにあったんだろうと、横にいる紛れもなくエイムズ隊長だった不破さんを見ながら思ってしまったのは残念。
(でもね、たとえ捏造でもこんなにもはっきりと熱く存在意義を認めた言葉をかけて貰えるのはちょっと羨ましいと、両戦隊を繋ごうという誰より茨の道を歩いていたのに誰からも労われず責められ胸倉掴まれて終わってしまった某追加戦士を思い浮かべてしまったよ・・・ごめん涙)
宇宙開発先端にバイクで駆け付けた或人、のバイクアクションと変身は格好良かった。
メタルクラスタで適わないアーク相手に初期フォームで突っ込むのはちょっと・・・と思ったけどバイクとの配色の都合かスーツの素材か何かで仕方ないのかな(汗)
で、やっぱりメタルクラスタでも勝てない。ボロボロで転がり変身解除の或人にトドメの一撃・・・・を防いだのは、天津サウザー。そしてなぜか一緒に滑り込んでくる犬サウザー(ややこしいな・笑)。相棒化してる。
「心の底から許せなかった。君のことも、ヒューマギアのことも。青臭い夢ばかり掲げる経営が許せなかった。その理由は他でもない、私が飛電インテリジェンスを愛していたからだ!」
「嘘だろ?」と呟く或人は、自分がさっき「本当は飛電が好きなんじゃ?」と言ったのはホントに「なーんてな」とからかっただけで
本心では思ってなかったってこと?まあこれまでの仕打ちを思えば仕方ないけど。
それとも自分を庇いそんなことを堂々と目の前で語り出す天津の姿が信じられなかったってことなのか。
「アークを倒すぞ。我々2人の手で」
と、すっかり仲間モードになった天津、で続く。
これまでの積み重ねやら何やらで、なかなか素直に良かった良かったと見られなかったんだけど、犬サウザーの滑り込みは可愛くてちょっと和んでしまった私はチョロい(笑)。