仮面ライダーゼロワン29話感想: それでも「俺のルールで」 戦う不破さんと、或人の描写に差がありすぎる
不破さんの頭の中に埋め込まれたチップは、天津に仕えていた兵器開発のヒューマギアであり滅亡迅雷の一員だった<亡>の人工知能。
ヒューマギアは廃棄すべきという天津にもヒューマギアを使っていた時期があったみたい。
天津がヒューマギアを廃棄すべきと考えるようになったきっかけにこの亡が関わっているんだろうか?
推測するに、亡がシンギュラリティに達して自分の意思を持った結果、滅亡迅雷に取り込まれてしまい、最終的に破壊されて人工知能データだけが天津の手に残った。それを不破さんの頭脳に埋め込んで今に至るという感じだろうか?
恐らくそのあたりの一連の出来事はデイブレイクの辺りで起こったと考えるのが無理がなさそう。
でも亡の物語はどうやら本編ではなくスピンオフ、ブルーレイ特典のオリジナルドラマでやるらしく。う~ん。
不破さんの頭の中の亡は今でも基本的には天津に従っている。不破さんがギリギリ天津の悪事を追い詰めきれなかったのもその影響と考えるべきなのかな?
で、時々ハッキングされて滅亡迅雷として不破さんの体を使って活動してきたと。
ザイアに侵入してプログライズキーを盗んだのも、お仕事勝負のザイア側選手にレイドライザーを渡していたのも、ハッキングされた亡の意思で動いていた不破さん?ややこしいな(汗)。
ん?だとすると、悪徳刑事や幼馴染みにレイドライザーを渡していたのもハッキングされた亡ってこと?なんかそこら辺はあまり深く考えてはいけない気がする(汗)。
因みに迅が「亡を解放する」と言ったのは、不破さんの頭から亡の人工知能を取り出すという意味だったのか。ぐえ(汗)。
迅の表情に勝手に親しみを読み解ってしまってたけど、それはあくまで亡に対するもので、不破さんは殺すべき対象だった(汗)。
それを助けた滅も、「亡の器」として不破さんの体に利用価値を見出すアークに従っただけ。
どいつもこいつも不破さんの意思を無視して不破さんの体だけを利用しようとしてる。
天津が人工知能を埋め込んだところから不破さんへの凄まじい人権侵害が始まっていたわけだ。
天津は不破さんと唯阿さんを道具だと言い切り、その言葉が本心だとしか思えない扱いをしているけど、実は例えばデイブレイクで瀕死の不破さんを助ける意味合いもあったりするんだろうか。
いやそうだとしても、「私が助けた命だから私の好きに使って良いよね♪」とか考えていそうだから困る。
反抗しようとしたら苦痛を与えられて倒れもがく不破さんを見下ろした表情とか、もう誰がなんと言おうと悪役でしかない。
不破さんは、自分の意に反して敵に改造され変身能力を手に入れたのは仮面ライダー1号。
敵に操られて苦しみ抗うのは人造人間キカイダー。
何をどう克服したのかはわからないけど、テレ朝公式によれば、「亡の思考を完全に排除した諫」は、天津が与えたランペイジガトリングプログライズキーで変身。天津@サウザーと唯阿@ジャッカルレイダーを圧倒。
公式が「完全に排除」って書くってことは、もう亡のチップに苦しめられることはないんだろうか?ちょっと安心したような、でも女声のバルカンがもう見られないんだとしたらちょっと残念なような(おい)
天津はメタルクラスタといい今回といい、敵対相手を封じ込め又はコントロール出来ると思って迂闊にサウザーを上回る装備を与えて返り討ち、って展開を繰り返してるけどいいのか?大人の事情だけど。
開発したのはどちらも唯阿さんだけど、実はそんなところでささやかに社長に反抗してない?
にしても不破さんは格好良かった。
自分の人生あそこまでザイアに人権侵害されまくっていたと知り、実際に操られ抗えば苦痛を与えられ、それでも自分の夢を持つことに目を向け、唯阿さんの人生まで案じて鼓舞し、改めて「自分のルールで」戦うと宣言する。
演出にも力が入っているのは分かりすぎるほどわかる。
弾を身に受けるたびに足や腕にガシッと力強く装着されてくスーツ。
思いっきりかかる主題歌。
一歩踏み出すたびに足元でヒビが入りまくるアスファルト。
それと連動するようにジャッカルレイダーを捕らえた不破さん目線の揺れるカメラワーク。
見惚れてた。
(ここから辛口)だけど一方で、2号ライダーと1号ライダーのここまでの落差が悲しい。
或人良いとこなし。
最強装備のメタルクラスタの戦闘も、販促で仕方ないのかもだけど精神面で追い込まれたせいかパッとしない。
住民投票は圧倒的にヒューマギア否認で最後の勝負はザイアの勝ち。TOBで正式にザイアが飛電を買収。
チェケラは復活せずで、だから倒されたまま挽回もなく終わった。
前回からしつこくて申し訳ないけど、目とモジュールの色が青=正気のままで「人間は滅びるべきだ」と言い、ゼツメライザーを自分から装着してマギアになってしまったチェケラのやったことは、もしその場に仮面ライダーやレイダーという抑止力がなければ、政治家の不正に怒って機関銃を持ち出しその場にいる聴衆を無差別殺人しようとしたのと変わらないと思ってしまう。
これを見てしまったら、もうヒューマギアを支持するのはもう無理なんだよ・・・。
それをあくまで「悪くない!」って副社長にも言い張る或人に、かなり違和感。
(杉原監督・・・ひょっとして本当に、不破さんパートに力入れ過ぎて、チェケラ関係の演出、特に目とモジュールの色、赤く変えるの抜けちゃってない?)
ビラ配りながらの「私達が正しく接してあげれば」って訴えも、人々に届くはずがないのは描写としては正しいんだろうな。
でも主人公の行動として見せられるのはキツい。
ヒューマギアは或人にとって「社員」なのかもしれないけど、一般人から見たらあくまで飛電の商品。
或人の言い分は
「ウチの商品が暴走して危険な存在になるのはお前らの扱いが悪いせいだから、くれぐれも注意して正しい心で見捨てずに根気良く我が社の製品を使い続けてくれ」
って会社存続の為に自社の欠陥製品をリコールもせずに押し付けようとしてるように見られても仕方ない。
ここの或人の意識のズレは、製作側が意図してのことかそうでないのかわからなくて不安になってくる。
更に或人は、廃棄されてしまうヒューマギアの心配はするけど、買収された後の「人間の社員」だって役員は自主退職を求められるような辛い立場に追いやられるのに、それには一言も触れない。
副社長の「社長の器じゃない」という言葉は全くその通り。
最後まで副社長とまともに心を通わす、もしくは対立するにしても腹を割って話すシーンがなかったのは残念。
飛電の何もかもを失ったのは失うべくして失ったらとしか思えないし同情も出来ない。
でも予告を見ると、これまでは対立していた迅と行動したりする場面とか新鮮でワクワクするし、案外全てをなくしたこれからの新章の方が見やすいかもしれない。
唯阿さんは「道具じゃない」と自分に言い聞かせてるみたい。
不破の手前ある意味「自分の意思」だと強がってる状態?
彼女だけは未だに同じところに燻っているように見えてやるせない。
ジャッカルレイダーもデザインは格好良くて、下手するとバルキリーより好みのデザインかもしれないけど、いつか不破さんの言葉に応えて天津の呪縛を自分の力で解き放って「仮面ライダーバルキリー」として戦って欲しい。
天津は飛電の社長になってゼロワンドライバーも手に入れたけど、変身出来るのかな?
でも確か、イズがサポートしないとダメで下手すると死ぬんじゃなかったっけ。
予告では再び或人が変身してたけど、どういう流れでそうなるのか楽しみ。