タイムレンジャー41話42話感想: お金を数えられるようになったのに
■41話
アヤセは前回の今回で秘密もなくなって皆の気遣いも自然で、きっと気持ちも楽になったろうな。
一緒に暮らしている仲間に病気のこと隠すのって、それなりに気苦労もあったろうし、隠し事なんてないにこしたことはないんだよ。
そう言えば親にも言えなかったんだっけ。その気持ちはわかる。
ドモンはホナミちゃんに30世紀のことを告白。ホナミちゃんは驚いたけど
「それがなに?」って感じだったと。
だよなあ。将来とか保身とか安定とか永遠とか考えるタイプじゃないわ。それより今が大事で突き進む子だよなあ。
「日本人はお茶だよね~」
「おいしい!」
竜也とユウリは着々とバカップルの道を突き進んでる(笑)。
ユウリはそう言えばたぶん初恋かな。恋愛絡みの感情の出し方が頑なな女子中学生みたい。面倒臭いけと可愛い。自意識過剰は思春期に通る道だったかな。
教団に潜り込むための変装、ユウリはダサ可愛い。
竜也はあの大胆な赤のチェックの上着は誰のセンスか小一時間問い詰めたい。ガタイが良く広い肩幅が無駄に強調されて画面からの圧が強い(汗)。変に目立つし、見ていて落ち着かなかった。
まああれが似合うタイプの方が少数派かもだけど。
ドルネロは幼児化して閉じ込めたギエンの事をゼニットに
「ちゃんと様子を見に行ってやってんだろうな?!」
と念押し。
「見に行ってる」じゃなく「見に行ってやってる」に心配と愛情がこもっているのを感じとったリラに
「ギエンには甘い」
と言われ
「おめえにもたいがい甘いつもりだがな」
と札束を投げるのが良い。
ドルネロさんはいったん懐に入れて囲った奴だったら誰にでも甘いんだろな。アーノルドKとか。
今回の新興宗教ネタは放送の5年ほど前に起こったオウム事件を彷彿とさせる。空中浮遊とかそれに騙されて入信して全財産差しだす人とか。放送時ならまだまだ生々しかったろうな。
シティガーディアンズは対ロンダーズだけでなく、対象物件に入り込んで布教活動する新興宗教の団体を追い出すのも仕事なのか。大変だな。
見るからに警察より殺意高めで大袈裟な感じもするけど、オウムが現実世界でやったことを思うとそこまで違和感ないのが、あの事件の怖さ。
当時、連日ワイドショーや特番でやっていた時には、テレビが作るドラマ、フィクションが色褪せて見えるほど恐ろしいことがどんどん明らかになってたから。
ユウリは教団の女性に良い感じに指導して貰ってる竜也にヤキモチ焼いて、単独捜査の挙げ句怪人に見つかり捕まる。
らしくないけど、それだけ感情が表に出て左右されるようになったのかな。ただ、自分の気持ちが「ヤキモチ」っていうものだと自覚してるかも微妙だけど。
怪人は竜也に間接的にユウリを殺させようと、まどろっこしい仕掛けをした儀式に竜也を参加させる。
2人がタイムレンジャーと知ってここまでやったのか、単に見学者の一人に罪の意識を植え付けて精神的に支配しようとしたのかそれとも両方だろか。
間一髪で気付いた竜也がユウリを救出して逃げるけど、逃げながら痴話喧嘩を始め、とうとう階段の途中で立ち止まって話し出す(汗)。
助けたいから頼ってほしいと思っている竜也と、竜也に助けてほしいと思ってるユウリ。一応初めて素直な気持ちをぶつけ合った事になるのか。
ただ、小林さんの脚本は好きという前提で、時々
「あなたたちこの状況で悠長に話し合ったり思いをぶつけ合ったりしてる場合?」
とヤキモキすることは時々ある。
案の定そこを狙って攻撃しようとした怪人を、下の階から狙撃した直人。
グッジョブだけど、あの大声の痴話喧嘩は全部聞こえてたんでしょうか(汗)?
階下でギリギリまで出ていくの待っててあげたのなら優しい(笑)。
■42話
ドルネロとギエンの過去。ギエンは以前は人間の姿で、子供のように無垢な一方、数も満足に数えられない若者だったからびっくり。
抗争してる敵に追われて傷を負ったドルネロを助け匿ってくれたギエンは、その敵からドルネロの居場所を隠し通したために瀕死の重傷を負う。
恩人の彼を助けるためにドルネロが今の姿に改造を依頼した、ということか。
その際にドルネロが電子頭脳を組み込むよう頼んだのは、命を救うだけじゃなく、もう彼が誰かから殴られたりしないようにしてやりたかったんだろうか。
2人でいるときのドルネロは本当に楽しそうで、あのままのギエンを気に入っていたと思う。
でもあのままではあの世の中を上手く渡ってはいけず、いずれ誰かに食いものにされてしまいかねないのもわかる。
だから、電子頭脳を使ったのは自分のためじゃなく本当にギエンの幸せのためだったんだろうな。
でも、もっと頭が良くなるよう、もちろんお金もちゃんと数えられるようにと電子頭脳を組み込んだのに、頭が回るようになったギエンはいつしかお金を数えることには見向きもせず、破壊と殺戮だけを求めてすっかりドルネロの商売の敵になってしまったのが皮肉で悲しい。
一番古い付き合いのアーノルドKすら切り捨ててギエンを選んだはずなのに。
だけど殺せない。何者かに逃がされてまた暴走するギエンを、
「捕まえてやっちゃあくれねえか」
と対立するタイムレンジャーに頼む。
アーノルドKと同じ。圧縮冷凍なら命まではとられないから。
殺そうと思えば解除キーで元のギエンの知能に戻した時に、簡単に殺せたはずだった。
今や金儲けの邪魔になるギエンを切り捨てられないドルネロは、決して金だけの男じゃないよね。
そもそも瀕死のギエンを救うためには大金を使ったはず。
ドルネロはお金が好きだけど、ためこむのが好きな守銭奴じゃなくて、大事な人達を自分に繋ぎとめて良い思いをさせ、時には一緒に存分に楽しみ、いざとなれば命を救うための、どんなに沢山あっても良い凄く重要なツールだと思ってるんじゃないのかな?
ドルネロはリラに「お前は変わらねえな」と言う。昔から贅沢が好きで、どうしようもない浪費癖があってドルネロとは金と欲の繋がり。
だけどギエンが破壊と殺戮だけを欲して狂ってしまった今ではドルネロにとってはそれが何より救いなんだね。
私は個人的に浪費する人が苦手で、ルパパトのオークション回でノエルが日本円なら億単位の金額をさらっと提示した時に密かにドン引きした小市民。
だからリラのことも最初は嫌いだったんだけど、ギエンが狂っていくにつれ、リラがこういう性格でいてくれるのがありがたく思えてしまったから不思議なもの。
そのギエンを逃がしたのはリュウヤ隊長ってことだよね?
おかげで研究所が襲われて被害は甚大、絶対沢山の研究者や隊員が死んでるし、浅見パパまで重傷を負ってしまって。
シティガーディアンズの本拠地はあの研究所が兼ねてるってことなのか。巨悪に立ち向かっているわりにセキュリティが脆いのは戦隊お約束かなあ?襲われたの何度目だっけ?
ヘルズゲート囚人を一人で倒したあとで浅見パパに付き添い病院に行った直人は、駆け付けた浅見グループの重役に邪魔だと突き飛ばされる。
本部長まで上り詰めて現場での活躍も文句なし、浅見会長に同行して内務省まで出向き、後継者候補という見方をされるまでになっても、いざとなるとこんな下っ端扱い。キツいなあ。
というか、これまでの直人の功績を思えば突き飛ばせるオッサンの方が何様?って感じだし、これが直人の心境に何かしら変な影響与えたらちょっと許せん(怒)。
タイムレンジャー側はギエン逮捕のチャンスをリュウヤ隊長が銃撃して邪魔。の癖にやたらと上から目線で偉そう。しかもこれまでずっと一緒に戦ってきた竜也を部外者扱い(怒)。
なんかクリスマス決戦らしく一気にあっちもこっちも大変になったけど、これ解決出来るの?
あんなにみんなで楽しく飾り付けしたクリスマスツリーが倒れたまま放置なのも辛いし、このまま一息つかずに終盤に雪崩れ込んだりしたら神経保たないんだけど。
特に予告でリュウヤ隊長の変身を見たらシンケンジャーのあの終盤を思い出しちゃって何とも言えない気持ちになった。
やっと本格登場したと思ったら、「隊長」の癖に何がしたいのこの人?
少なくとも同じ「隊長」としてなら直人の方がよほど真っ当だったよ。