キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパトの売上: テコ入れと負のスパイラル~クレーン&ドリルの受難とか~

30話が放送されてから1年。

予告でトリガーマシンなのにルパンカイザーに装着されたスプラッシュを見て胸が潰れ、だけど本編では見事に物語に落とし込まれていたのに凄く感動したっけ。

でも今思うとこれが、

「今後発売するビークルは全てルパンが使う」

という路線変更のハッキリしたスタートになったんだよな。

ただ、私から見て「これもテコ入れだったのでは?」と思えることはその前から始まっていて、それが負のスパイラルを生んでしまったようにも見えたりする。

なので今更なんだけど今回はそのあたりについて、等身大戦での必殺技の使われ方をとっかかりにしながら推察してみたい。あくまで独断と偏見だけど。

 

■15話で激変したグッドストライカーの使われ方

ルパパトの等身大戦での必殺技は、4話まではグッドストライカーが担い、パトレンU号とルパンレッドの分身を交互に披露していた。

その後、5話でのサイクロンとバイク登場後はこの2つがグッティに変わって使われるようになる。新商品の販促だから当然で、その後9話からシザー&ブレードも加わった。

グッドストライカーが再び必殺技で使われたのは15話で、それまでは8話で警察の目を欺くため分身を行った他は等身大戦で使われる事はなかった。

ご無沙汰が続いて「たまにはまた見たいんだけどな」と物足りなく感じることもあったのを覚えている。

 

それが15話以降一変した。

15、16、17、19話での等身大戦の必殺技には全てグッティが使われている。

15話はパトレン最大のピンチでもあり、U号で一致団結を見せるのはここぞ的な特別感があって物語としても効果的だったと思う。

でもそれ以降も立て続けに使われたのには、なんか安売り感も覚えた。

なお敵が最初から巨大化していた18話ではグッティのメイン回と言ってもおかしくない過去エピソードと争奪戦が繰り広げられている。

20話でノエルが登場して以降も、ライモンが自ら巨大化した25話を除く22、23、24、26話と立て続けに分身とU号が使われた。

 

■グッドストライカーを売るために

この怒濤のグッティ推しへの変更で思いあたるのがルパパト序盤からの販売不振。

3月にグッティと、それに伴いルパンカイザーセット、パトカイザーセットが発売されたのに、玩具の実売データを集計したトイネスランキングに名前が上がってこない(汗)。

数年前にランキングを見るようになってから、戦隊の1号ロボが上がってこないなんて初めてで目を疑った。

Amazonのおもちゃランキングも例年よりかなり低く、業界誌トイジャーナルのレポートも販売不振の深刻さを伝えていた記憶がある。

 

素人が見ても序盤から販売不振のやばさが伝わってくる状況では、現場が早々に対応に迫られたのは想像に難くない。

販売不振の原因については

 

ルパパトの売上: 下手するとルパンカイザーはルパンマグナムより売れてない?

https://kiuix.hatenablog.com/entry/2018/11/20/230543

 

の記事でも書いたように、

「先にVSチェンジャーセットを買った子が同じ戦隊のロボをセットで買うと赤ビークルがダブるからロボセットが買われにくい」

という問題が浮上していたとすれば、セットが買われないならバラ買いして貰うために、グッティを単体ででも欲しいと思わせる販促の必要性が高まったのでは?と思った。

そしてそれが作品に反映されたタイミングが15話付近だったのでは?と。

グッティはロボ2体のコアメカ、ルパパトの商品展開の要だ。追加ビークルの販促より優先されてもおかしくはないと思う。

ただし4-6月の決算等を見る限り、それで状況がどれだけ改善されたかはかなり疑問。

 

■クレーン&ドリルの受難

一方で、グッティ推しは結果的にクレーン&ドリルの販促への大きなしわ寄せに繫がってしまったと思う。

14話での登場が上記のタイミングとほぼ重なったためか、29話で圭一郎が使用するまで1回も等身大戦で使われなかったからだ。

そんな追加ビークルは後発を含めてもクレーン&ドリル以外にない。それだけでも異常だと思う。

中でも、登場が5話早いけれど追加ビークルとしては対になると思われるシザー&ブレードとは、販促に圧倒的な差がついた。

かたや等身大戦で大活躍、等身大の格好いい武器変形モードもある。

かたや等身大戦では29話まで使われず、武器変形モードはクレーンをビークルの形のまま腕に取り付けただけ。ここでもシザー&ブレードだけでなく、マジックやスプラッシュとも差がある。

準備段階でグッティ推しが決まり、その後も追加戦士の販促が控えていることを考え、武器変形モードは使う機会が作れないから用意しない判断がされたんだろうか?と思ったりもして。

 

これには、グッティを装着した時のルパンとパトレンへの効果の違いも不利に働いてしまったと思う。

ルパンの場合はレッドが分身して人数が増えるので、ブルーとイエローがシザーやサイクロンを同時に使用できる。

初めてそれが実現した16話では計5人の並ぶ姿が壮観で格好良かった。

でもU号の場合は逆に人数が3人から1人に減ってしまうから、追加ビークルを同時に販促することができないんだよね。

 

分母になるロボの人気差に加えてそこまで販促に差がついた結果、例えば発売1か月の実績を見たときにシザー&ブレードとクレーン&ドリルの販売数には、相当の差がついてもおかしくないのでは?と想像してしまう。

 

■バイクはルパンも使った

追加ビークルの先輩にあたり5話で同時に登場したサイクロンとバイクがどれだけ売れたか、両者の間にどれだけ差がついたかはわからない。

もともとパトカイザーがルパンカイザーに比べて不振だったことを思えば、その追加ビークルもやはりサイクロンの方が売れていて当たり前だと思う。

でも、あくまで売り場の動きを時々見たり、Amazonの順位を見ていた印象ではあるけど、そんなに差はつかなかったかもと思う。ましてやシザー&ブレードとクレーン&ドリルほど差がついたとは思えない。

バイクは等身大戦での使われ方が力強く印象的(6話、9話)でロボ戦でのヨーヨーも躍動的で格好よかった。個人的にはむしろサイクロンより印象が良い。

更に、つかさには悪いけどロボにしたときの色合いのバランスも赤青緑で、トリガーマシン3号との合体より男の子向け。パトカイザーをバラで買う時に3号の代わりにバイクを選ぶ子もいそうだと思った。

 

だけどそれだけではないかもしれない。

5話で最初にバイクを使ったのは魁利。そしてサイクロンを使った圭一郎との1対1の争奪戦に勝った。

穿った見方をするともしかしたら、テコ入れの具体的な方法を考えなければならなくなった際に、ルパンとそんなに差がつかなかったバイクと差がついたクレーン&ドリルとの違いに着目して

「トリガーマシンでもルパンが使えば売上にはさほど差がつかないのでは?」

という判断をする根拠になった可能性はないだろうか?なんて思ってみたりする。

そして今後発売するパトレンの商品は全部追加ビークルだということも踏まえると、

「今後発売するビークルはすべてルパンに寄せる」

という決定にある程度影響を与えたのでは?とも。

ちなみにクレーン発売1ヶ月後の6月中旬というのは、ネット上でルパパトの販売不振によるテコ入れの噂をちらほら見かけるようになった時期でもあったと思う。

 

■偏り過ぎて販促の食い合い?

路線変更の結果、ルパン側には28話のマジックの後も、当初はパトレンに渡るはずだった2つを加えた計3つもの追加ビークルが渡った。

これで所持する追加ビークルは、ルパン: 6、パトレン: 2。

ルパンマグナムもルパン側の手に渡ってかなり戦力格差が開いてしまった。

当然販促のため、以降の等身大戦での必殺技を繰り出す役割とロボ戦はどうしてもルパンの出番が多くなる。

特にロボ戦は、30話~最終回までの20話余りの間、VSXを除いてパトカイザーが出動したのは僅か5回。特にビクトリーとサイレン登場の38話~43話では1度もなかった。

 

ただしルパンに装備を集中し過ぎた結果、今度は限られた販促機会の割り当てに苦慮しているようにも見えた。

特に同時期に出たサイレンとビクトリーは一緒に装着出来ない仕様のため、片方を使えばもう片方の出番がないか、換装を繰り返しての忙しい見せ方になってしまう。

マジックとスプラッシュも一緒に装着は出来るものの、マジック単体の時の魔法ならではの自由で楽しい演出がスプラッシュの機能に制限されてしまい、魅力を損ねたように見えた。

またルパンマグナム登場後の36話では、せっかくルパンとパトレンのロボが同時に出せるようになったのに、パトカイザーが使えるのはクレーンとバイクだけで歯痒く感じた事もある。

あとサイレンストライカーはどうせノエルが持っているんだから、等身大戦でノエルが装備することさえ徹底すれば、ロボ戦では一緒に戦っている方に貸すという形には出来ないのかなと何度も思った。パトレンにも使わせた方が販促機会が増えるのにと。

箱やカタログにルパンカイザーの装備だと書くからにはそれすら許されず、44話でサイレンパトカイザーが実現したのは、42話のデストラ決戦で早めのクリスマス販促回が終わり一定の縛りが緩んだということだろうか。

更に圭一郎がスーパーパトレン1号になるのは最終回になる。そこまで控えなければならなかったんだろうか。

 

そうまでしたこの路線変更の効果ってどのくらいあったんだろう?

恐らく厳しい状況にあった小売さんに仕入れて貰うためには必要なことだったのかなという気はする。

ただ後半も数値的には厳しいものだった。

こうやって振り返ってみると、グッティ推しからテコ入れが始まったとすれば、それはもっと大きな路線変更を免れるまでの効果はあげられず、却って後の販促の妨げになる悪循環に繫がってしまったようにも見えてしまい、何とも言えない気持ちになる。

だからと言って、ではどうすればよかったかはわからないのでただの愚痴になってしまうけれど。

 

最後にまたいつもの要望になるけど、私はいろんな理由でノエルのスピンオフを望んでいて、理由の中には警察との関係をもっときちんと描いてほしいというのがある。

描かれなかった理由の1つとしては、路線変更のため劇中でどんなにノエルとパトレンがハッキリ信頼を深め合っても、その形としてパトレンにビークルを渡せないからでは?と思っていて。

だから、そういう縛りがなくなった今からでも、不完全燃焼だったかもしれないパトレンジャーの戦闘面での活躍を思い切り描きつつ、ノエルとパトレンとの関係に重きを置いた物語をお願いしたいと思う。

出来ればノエルの願いに悟も絡めた形で。