キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト45話感想: 魔法使いノエルさんとなんでもありの咲也とルパパト温度差芸など

大量失踪事件は2年もの間ギャングラーの仕業と結びつけられず、4話時点では16人が密室から消えた事件をギャングラーの仕業以外にありえないと言った圭一郞ですら、今回の悟の件をきっかけにやっと関連に気付いた。

兄を消された直後の魁利は「ギャングラーにやられたのだね」とコグレに言われても「ギャングラー」という名前にピンと来てない感じで「何があったのか」を知りたがった。

ってことはギャングラーの犯罪が認識されるようになったのは大量失踪事件よりもうちょっと後なのかな?

機を見るに敏なザミーゴが本格襲撃に先行して人間を調達して化けの皮にし、本格襲来の際に必要な怪人に供給したんだろうか?

時系列では

 

人間界侵略の方針決定

→ルパン家襲撃&コレクション奪取

→大量失踪事件

→ギャングラー本格襲来

→国際警察戦力部隊設立

 

かな?

 

「化けの皮を作るために誘拐したのでは?」

 

 番組が始まった頃は分からなかったザミーゴの行動の目的が、これまで出てきた「化けの皮」の数だけ説得力を持った形になって表れて来るのが恐ろしい。「怪人の人間体」というニチアサにはよくある設定にこんなにも論理的で残酷なバックボーンを持ち込んで来る宇都宮香村コンビが恐ろしい。

 

悟の死を一旦は受け止め「お前の為にも必ず真相」をと強く誓っても、ジムの照合を待つ間はやはりどこかで違ってくれと願わずにはいられず、でも望みが砕かれた後は失踪届けの取り消しも同様の成りすましを疑い洗い直せと、悟の死がもたらした情報を1ミリも無駄にせず突き進む圭一郞とつかさ、その切り替えが悲しいよ。

悟は本人だけがとことん報われない形で、容赦なく圭一郞達を真実に導いていく。とうとう魁利の兄貴にまでたどり着かせ、圭一郞の脳内にジュレの3人全員が大量失踪事件の関係者である可能性と快盗の正体である可能性が浮上してきてしまった。

 

一方、今回メインのギャグパートは終始明るく楽しげ。

悟が化けの皮にされたことを知って怒りより先に圭一郞とつかさを気遣ってた咲也とノエルが、辛い時期を共に戦った同期の推し量れるはずもない傷心に迂闊に踏み込むのではなく、あくまで外側から元気付けるイベントを持ってこようと出来ることを精一杯やってるのは偉いなあと思う。

  

ちなみに放送前日までの私

「ノエルさん両戦隊を共闘させる為にわざわざ海を超えて来日するなんてどれほどの強い覚悟が必要だったことだろう(涙)」

ケーキとチキンのためにエックストレインでパリまで1日2往復

 私「え」

 

ノエルを始めとするコレクションに携わるルパン家の人々は可能不可能の境界線の位置が一般人と違うという実例をこんな形で見せつけられるとは(汗)。

いや、20話冒頭で日本に旅立つ時の「Salyu、僕の愛したパリ」の「Salyu」は「またね」ってくらいの軽い別れの挨拶だってのは調べてわかったけど、それは普通、「必ずギャングラーを倒し願いを叶えて戻ってくるよ」っていう強い決意の表れとかって解釈するじゃん?

まさか「クリスマスにはケーキ買いに戻ってくるから」って意味だとは思わなかったよ(笑)

 

彼らは本当に数々の不可能を可能にする魔法使いなんだなと痛感しながら大笑い。テンポの良さも中澤演出のこっち方面の真骨頂だなと。また前回で秘密が明らかになり吹っ切れたのかノエルも久々にギャグ方面に全振りでノリノリ。こういうノエルさんももっと見たかったかもなと思ったり。

 

そんなノエルのパリ行きをあっさり受け入れたばかりか帰ってきたばかりのノエルにまたチキンを買いにもう一度パリに行くよう頼む咲也。

女体化も三週間で師範代も「頼むおかしいと感じてくれ」レベルで全てを前向きに受け止める彼の、ありえるありえないの境界線の位置も実はルパン家の人々と近いのかもしれない。

 

咲也は透真にもシャケ怪人をおびき出す囮役を頼む。

料理講師失踪事件の時は一般人の透真を怪人をおびき出す囮に使う発想は国際警察にはなかった。今でも圭一郞やつかさにはないかもだけど、レオタード同盟やら一緒に異世界体験やらを経て、もう咲也にとって透真はただの守るべき一般市民の一人には留まらず、危険な作戦にも協力をお願い出来る、ある意味信頼し頼れる「仲間」に近くなってしまっているのかもしれない。

 そんな咲也が快盗の正体を知ったら誰よりもダメージは大きいかもだけど、それまでの彼等の言動を全て好意的に受け止めてその分だけいち早く正体ごと彼らを受け入れてくれそうな気もする。

咲也の1番大事な部分をはずさなければ「頼むおかしいと感じてくれ」なくらい何でもありな姿勢がここに来て希望になってきたような。

予告でも何かヒルトップに必死に願い出て頭を下げていた。「東雲」と「陽川」という名前にあれだけ冷徹に意味をこめたスタッフさんの拘りからすると、警察の太陽としての役割だけでなく「花」も「咲」かせてくれると良いなと期待してしまう。

 

圭一郞達のこれまでの態度等でつい忘れがちになるけど、ノエルは不可能を可能にし国際警察職員の命と名誉を守った救世主。

その気ならもっと恩着せがましく偉そうな態度もとれるのに、むしろ自分の方が何かと「メルシー」を連発し、一皮向けば親切で人のピンチには率先して出ていく気の良い兄ちゃんなんだよな。だから人間と思われてる限り何かあれば喜んで協力してくれる人もそれなりにいるとは思う。

でも職員がギャングラーにすり替わられ情報漏洩が起こっていたという衝撃的な事実が発覚してまだ日も浅いフランス本部で、「今から〇分くらいで日本からそっちに行くから鶏肉買って本部前で待機ね」という常軌を逸したお願いにすんなり笑顔で対応した彼にはどこか咲也と同種の匂いもした(汗)。

まあ今まで歯が立たなかった化け物を倒す装備を作れて、自ら実際に倒せて、今回もスパイを暴くのに貢献し、日本から鶏肉のために気軽に超特急で来られるノエルさんは、ギャングラーみたいな常識で計り知れない脅威に蹂躙されてきた世界にあっては本当に、不可能の壁をぶち破る希望の星なんだろうな。

でももし人間じゃないとわかったら「そんな奴をこの組織に置いて大丈夫なのか?」ってなりそうなのがちょっとウルトラマンみたい。

 

今回のサモーンの「チキンの代わりにシャケを食え」のインパクトたるや(汗)。

スーパーに行けばお子さんが「チキン、チキンがな~い!」とはしゃいでたり、飲食店やお弁当屋さんの公式が「チキンの代わりにシャケ」と自商品をアピールしたり、ルパパトのタグを付けて晩御飯の鮭料理をアップする人が続出したり。何か色々凄かった。うちの夕飯も鮭バター焼き。きっと鮭の売上には貢献したのではと思ったら実際にそんな声の報告もちらほら(笑)

鮭関係が幾つもトレンド入りしてたけど、氷頭なますまで入ってくるとは(汗)。大和屋さん+中澤監督で自分が見たギャグ回の中で一番凄かったかも。

 

 この1話毎の振り幅、また超強力ギャグ回の中に差し込まれるとてつもなく残酷な真実との振り幅はの切り替えはさすが中澤監督。9-11話も3話持ちで、コレクションが壊されたのではという絶望の前後編に続けてかの性転換ギャグ回も演出してる。宇都宮Pも「あなたこういうの好きでしょ」と敢えて繰り返し割り振ってる気もしたりして。もしかしたら今思うと、ルパパトは1話毎にここまで落差を付けて良いんだというガイドラインを最初に示す役割を中澤監督に託したのかもと思ってみたりする。

 ルパパトの単発回ごとの振り幅の大きさは宇都宮Pがサブで入ったボウケン中盤を思わせるけど、例えばメインPのゴーカイジャーとかでもこういう1話ごとの温度差が激しかったりした印象で、ルパパトでは「温度差で風邪をひく」というフレーズを大勢のツイッター民に定着させるという、一種の芸というか完成の域に達したかもしれない。

それを可能にした要因の一つに、改造の繰り返しや改造戦闘員やゴーラムを使って、気が付けばこの45話までここまで再生怪人を一切出さずに来た、というのもあるんじゃないかな?「コレクションを盗る」というノルマがあるのもそれに一役買ったかも。

金庫破りは、前にも書いたけど、他にもアクションのバリエーション、強敵を倒すハードル=共闘の盛り上げポイント等要所要所で面白さをアップする発明では?と思う。