キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト46話感想: 戦隊史上最も重要回な総集編とかノエルさんのこれからとか

ルパパトが始まって、警察と正体を隠した快盗との交流が徐々に深まって行くにつれ、でもいつかは正体がバレちゃうんだよね、とドキドキハラハラしながら見守っていた人は私を含めたくさんいたはず。ある意味年間通して今作一番のクライマックスみたいなもので、どんな形でその瞬間が来るのか、あれこれ想像した人も多いだろうし、実際ネット上でもいろんなパターンを見かけた。

でもまさか、総集編のギャグ回と同時進行でと事前に予想出来た人はどれだけいたんだろう(笑)

 

過去回で散りばめた小さな違和感を一つ一つ伏線だったと積み上げて総集編としても成立させるというか、むしろこの時期恒例の総集編をまるまる正体にたどり着くための推理の裏付け回として利用するという大胆さ。

戦隊史上かつて総集編にこんな大事な役割を持ったたせたことがあったかとぞくぞくした。

一方で、警察署の一室で冷静に検証というのは推理物のような謎解きの面白さがある反面、両戦隊が対峙した状態でのアクシデントや究極の選択でいきなり正体がバレるまたはバラす的なインパクトやドラマチックさには欠ける。そこを快盗のゲームの楽しさ華やかさ、そしてもはやルパパトの売りになった感のある温度差芸自体も他では得がたい付加価値にして補った。

ルパパトの年間のハードルとして課された「毎回がクライマックス、毎話がデラックス」もこれでクリアしたのが本当に凄い。

 

香村さんて、私は大好きで凄く刺さるんだけどジュウオウまでは「話は良く出来てるし面白いけど盛り上がりに欠ける」って感想も時々見かけて、釈然とはしないながらも、そう思う人も少なからずいるんだってのは分からなくもなかった。

だからルパパトが始まる時にキャッチコピー見てビビった。

 

「毎回がクライマックス、毎話がデラックス」

 

ハードル高過ぎない?これ香村さん大丈夫なの?と正直心配もあって。

でもここまで本当にクライマックスでデラックスを貫いてきたのが奇跡だなって。もちろんサブライターさんもみんなそれぞれ役割を果たして下さっての事だけど。

ルパパトはここまで見てきて宇都宮Pのサブ時代やライダーも含めた集大成なのかなと思うと同時に、ゴーカイのサブライター時代から大事に育ててきた香村さんの卒業試験だったりしない?なんてちょっと頭をよぎったりして勝手に淋しくなったりもするかな。

それくらいこのコンビが好き。

 

 ジュレ3人は大事な人を取り戻すために快盗になった

透真の大事な人は婚約者

 という前提で話が進んでいるのに圭一郞達が挙げる不審な点に「君も君も可愛いねイエーイ」がさっぱり入らないんだけどいいのかそれで?

 ということは、これまでの圭一郎達の透真観は

婚約者に逃げられてストレスを溜め、普段は真面目だが時々未成年二人を騙して店をサボり複数の女と豪遊する男

もしくは女癖が悪過ぎて婚約者に逃げられた自業自得野郎

だったのが

命を賭けて取り戻したい婚約者がいるけど

時には志を同じくする未成年二人に嘘をついてまで店をサボって複数と豪遊する業の深い男

とか人物像が色々心配な方向に上書きされてないか心配(汗)。

 

咲也

いつもは相当ありえないことでも前向きに解釈してあっさり受け入れ信じそのせいで騙されたりもするのに、快盗の正体がジュレの3人であることは状況証拠をいくつ積み上げられても受け入れない。ノエルのスパイ疑惑の時と同じで、どこまでも人の善意の方を信じる。

圭一郎の「お前にも心あたりはないか?」ではなく「あるんじゃないのか?」という聞き方は、たぶん7話の初美花からのデートの誘いとルパンイエローの出現を思い浮かべてるんだろうな。

つかさもそもそも心境の変化を不思議がりその後快盗かと疑いを持ったきっかけになったようなものだからすぐにピンと来たはず。

でも自分からは指摘できず、「まっったくありません!」と断言する咲也にはそれ以上突っ込めない。

レオタード回の時も思ったけど、先輩二人とも、騙されて傷つく咲也見たくないんだ。

だから自分が調べるから監視は待ってくれと必死 頭を下げる咲也の横で圭一郞はそんな後輩が傷つく予感を憂えているんだけど、同時にどこかで咲也が正解であってくれればと願ってるかも。

だけど、正体が分かったとして、どうするんだろう。ここまでノエルの言うように「快盗の力もなければギャングラーは倒せない」をあれほど繰り返した以上、もはや逮捕してる場合じゃなくない?というか逮捕したら確実に戦力ダウンで平和は実現できなさそうな状況では?これまでのように緊急避難で済ませるのではなく、そのあたりを一度彼等の言葉で聞いてみたい。

 

 ドグラニオとザミーゴ

14話でドグラニオ様はちょっと肩を払うだけで辺り一面廃墟に出来るような桁外れの力を見せている。

だから本人さえその気になればどんな暴君にもなれるのに、自分の後釜になる気はないのかと尋ねたザミーゴから、ギャングラーを束ねてきた自分の500年と、後継者争いをけしかけたこの1年と、それによって大事な右腕を失った事を全否定されて嘲笑われたも同然な事を言われても、ふっと笑って静かに「そういうものか」と何か考え込むだけ。器が底無しでビビった。何かこれからの身の振り方を真剣に考えてそうで、どっちの方向に変わって行くのか楽しみ。

一方でデストラさんがいればザミーゴのあんな無礼な口のきき方は絶対許さず噛みついてたんだろうなと、彼の不在に一時代が終わった淋しさを感じる。

ザミーゴが「今時バカしかやらない」と全否定したボスの座を、自分の野心でなくボスがかけてくれた期待に応え安心させるために全身全霊で盗りに行って散ったデストラさん。

ザミーゴの「情報収集に長け商売上手でありつつもニヒルでバトルジャンキーな一匹狼」も刺激的だけど、デストラさんの「剛腕らしからぬ知性と繊細さと戦略を備えつつも愚直なまでに忠義一徹な組織人」も改めて染みてくる。

 デストラさんとザミーゴ、ホント対照的で魅力的なステイタスダブルゴールドだ。

 

 えーとアルセーヌ・ルパンもあのコレクションで遊んだということは彼もあの空間の中ではいつものマントじゃなくてジャージ姿だったんですか?

 

次回予告のノエルさん

 快盗に対しては「なぜ快盗になったのか誰を取り戻したいのか」が明らかになったけど、警察に対しては「なぜ警察に入ったのか、VSビークルはなぜ戦力部隊に渡ったのか」が個人的にはまだ明らかになってない印象なので、次回以降でわかると良いなと思う。

快盗側には「痛恨のミステイク」と説明していたけど、共闘への強い思いやノエル以外の誰にグッティを拘束梱包なんて事が出来るのかと考えると、ノエルの意志で送ったとしか思えない。またノエルの思いがどれほどのものなのかは、ノエルの正体が分からなければ警察側には本当には伝わらないだろうなとも。

子供の頃に絶望の中からアルセーヌに救い出され、コレクションのエンジニアとして育てられる事で生きる希望を与えられたノエルさんには、コレクションは大事な恩人アルセーヌを取り戻す命綱であると同時に、その恩人が大事にしていた形見であり、たぶん自身にとってもアイデンティティの大部分を占めてると思う。

そんな大事な物を、どんな目的の為であっても海の向こうの見ず知らずの国際警察職員に託すのに痛みがなかったとは思えない。

だから圭一郞達にはできればノエルの正体を知った時に、騙された利用されたと怒っても仕方ないかもだけどそれだけでなく、自分達が今手にしている装備に込められたその痛みや、それでも託した平和への思いも受け止めて欲しいと思ってしまうんだよね。

 

ただ予告や東映公式を見るとその前に、自分が来日後は一度も警察にビークルを渡さなかった事に対して、何かを決意する方に行くのかなあという気もして。ルパパトの路線変更によって一番割を食ったのはノエルのこの部分だと思うけど、物語としてそこに踏み込み落とし前を付けても逆にスルーのままだったとしても、きっと私は見ていて痛みを覚えるんじゃないかなと思った。 

 

だけど、積み上げてている死亡フラグについては、あまり心配していない。

誰かのために自分の命を犠牲にする事は遺されたその誰かの精神をズタズタに破壊し絶望に引きずり込む事だと描いた「ジュウオウジャー最期の日」の大和の絶叫とその後の死んだ魚のような目を見てから、香村さんはそっち方面には絶対に行かない行くふりはしても絶対に行かないと信じてるから。