キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト34話感想: ゴールではなく通過点として

個人的には戦隊のこの時期恒例のパワーアップエピソードって、それまでの流れに異物を投げ込まれるように感じることが多くて、総じてあまり良い印象がない。

その中で香村さんは前作のジュウオウもゴーカイを上手く絡めてチェンジガンエピソードを描いていたし、今回に至っては個人的にこれまで見てきた中では、それまでの積み重ねからの必然性、入手の説得力、インパクトともダントツに思えた。

 

アキバレンジャーのイエローママ、ウィザード冬映画のコヨミ@アンダーワールドジュウオウジャーの大和母と、特撮ならではの超常現象で今は亡き大事な人に会う話を書かせたら香村さんに外れなしなんだけど、それが温かな救いになることもあれば残酷な選択を突きつけてきたりと、いつもやたらと心を揺さぶってくる。

 大事な人を撃てた魁利。撃てなかった透真と初美花。

今回のエピソードはネットを見た感じ、子供たちは「透真と初美は失敗したけど魁利は成功」と素直に受け取り、大人はむしろ成功した魁利に心を痛めるという、この番組が時々仕掛けてくる、年代によって受け取り方の変わってくる作りになっているのかも。

 

前から思ってたけど、ダブルレッドの掘り下げって、圭一郞はエピソードを重ねる毎にプラスの人間性を積み上げるから眩しくて目を細めながら仰ぎ見る感じなんだけど、魁利はエピソードを積み重ねる毎にマイナスを足元の地面に叩き込んでくるからぽっかり空いた穴を覗き込もうとして底の闇に引きずり込まれる。

 

「兄を、コンプレックスを乗り越える」という一般的にはポジティブなイベントをヒーロー番組の主人公が一旦はこのような、明るい道に背を向けて暗い道を向いてるからと選ぶような形で描けるのはVSならではかな。単独レッドでこれは抵抗大きそう。これまで全ての行動基準が兄貴に縛られている描写を繰り返していて、どう展開させるのか気になってたけど、ちょっとぞくっとした。

でも正直、高校在学中までで兄貴の真似してやってきたことなんてたかが知れてると思うし、あの年代と境遇ではそれが世界の全てなんだとしても、空っぽな部屋に住んで自分の全てを快盗に捧げてる割に、他人の言葉にぐらんぐらん揺れ動いて他人と他人の約束すら無下にできない早熟で未熟な多感な男の子には、今回のはゴールじゃなくて通過点だと思うしそうであってほしい。

特別自分の闇に敏感なだけで善良さや優しさといった光の部分もちゃんと描かれていたと思うもんね。

 

今回のノエルさん

「僕にだって弱いところはあるさ」

 みんな「知ってた」

 ついこないだその場所で「つかさがあんまり一生懸命だからコレクション盗れない」って頭抱えてたの誰だっけ?

「家事とか辛いし寂しいし、こうなったら意地でも帰らないからねっ」って椅子にしがみついてたの誰だっけ?

むしろ撃てないもの、他の三人より多いんじゃない?

そもそもルパン家の人間の癖に未来の平和のために警察との共闘を望んだ時点で、実は四人の中で最も、アルセーヌが望むマグナム所有資格者から遠ざかってしまっていたのかもしれない。両方に属するが故のどちらにもなりきれない悲しさもじわりと感じさせてきたような。

でも、彼がその道を選ばなかったら、恐らく今頃はライモンあたりに両戦隊とも滅ぼされている。その一点だけでもノエルさんの選択は充分尊いよ。

 

ただ、単独行動もほどほどにね。

今回はなんで1人で「先に」行ったわけ?

ルパンマグナムがどうしても欲しかったのか、アルセーヌの隠れ家なんて危険に決まってるから、三人は温存してまずは自分が先に、グッティを連れて行ったのか。これまでのパターンからすると後者かな?おかげでグッティのナビは役に立ったし。

 

金銀宝石に興味がなく役に立つか立たないかで物事を判断するデストラ。

「分かってないわね、面白いかどうかよ」と言うゴーシュ。

部下が不可解な動きをして風波が立っても自分を軽んじているのでなければ面白がるドグラニオが、忠義者で実力者のデストラを信頼しながらも後継者には考えないのも、ゴーシュには甘くなるのもなんかわかる気がする。デストラさん、あんな見た目で乙女座っぽい苦労人タイプで、少しずつ、少しずつ何かがたまっている感じするなあ。

 

次回。

良いコグレさんと普通のコグレさんが何話してるのかめっちゃ気になる。

コグレさんのやろうとしていることに良心から異を唱えようとしているんだったりして?

わかりやすく暴れ回る悪いコグレさんなんかより1番怖いのは、何か隠してそうな普通のコグレさんじゃないのかなあって気もする。

 

あと、ここんとこツイッターで販促がらみのあれこれバレを目にすることが多いけど、それを物語に落とし込むための仕込みは結構早くから始まっているように思えるし、そこから薄ぼんやりと感じ取れるものは決してパトレンをないがしろにするものには思えない。

だから今はどうかそれが上手く行きますように、スタッフさん達は大変だと思うけど報われますようにと祈るだけ。