キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト48話感想: 仮面を外した理由とかドグラニオの変貌とか咲也と初美花の因果応報とか

各所で賛否両論分かれた今回。

その中の一つが、快盗は仮面を外さなきゃいけないほど追い詰められた状況だったのか?ってこと。

ドグラニオの提案

「素顔を晒したお前達がゴーシュと戦って勝てば、Xを解放してやっても構わん」

「仮面を取るならそれに免じて俺は手を出さない。断るなら俺も参戦しちゃいけないって決まりもないよな。俺はたぶんあのデストラより強いし負けたら処刑続行だけどどうする?」

 

私は上記の意味だと受け取った。

快盗からすると、処刑場に行ったらなんとボスまでいた。当然こいつとも戦わないといけなくなったと思うはず。でもあのデストラを従える程の奴が半端な強さな訳ない。ゴーシュだけでも手強く、実際パトレンは変身解除に追い込まれてるのに、かなりヤバい状況じゃん。

と内心焦っていたはずのところにこの提案が来た。

仮面を外しゴーシュとだけ戦うか、仮面を付けたままゴーシュに加えドグラニオとも戦うリスクを犯すか、ノエルを助けられる可能性が高いのはどっちか?で、ドグラニオが約束を本当に守るか分からなくはあっても後者を選んだのだと思う。もちろん断った場合はノエルに危害が加えられない保証もないし。

あとは、ここに至るまで、正体を隠し人を騙して快盗を続けることに状況的にも精神的にも限界が来ていて、追い詰められていっそ楽になりたいと思ったのもあるかなとちょっと思った。

 

取引の間圭一郞達が転がってるだけなのは、前回はあんなにすぐ立ち上がったのに(泣)、と逆だったらよかったのにとは思った。

ノエル救出直前まで存在感を消す必要があったし、迂闊に何かして取引がダメになるのはノエル救出を最優先に考えるなら避けなければならなかったとは思うけどね。特にドグラニオの強さを肌で知る咲也とつかさはこの状況で彼の参戦が避けられるならその方が良いと思っても不思議はないし。難しいな。

 

賛否が分かれる形になった理由の一つが香村さんの、理詰めで考える割に全てを台詞で説明しない所かなって感じもする。私はそんな作風にまんまと乗せられて考察沼に落ち、とうとうブログやツイッターやるようになっちゃったんだけど。

 

 ドグラニオ様

この方は「人質の命が惜しくば」みたいな姑息で卑怯な言い方を少なくとも表面上はしない。する必要もない程強いしこんなに悪なのにどこか上品に思える。

それはデスガリアンのジニスが自身の卑屈さを糊塗して表面上取り繕ってみせていた優雅さとは違う、むしろ表面は江戸っ子的鉄火肌な風にも見えるけど、内面的な品性を感じるというか。

ふと気になって調べたら、ギャングラーがここまで戦隊相手に人質を盾にしたのはデメランの1度だけなのに気付いて驚いた。一般人相手には営利誘拐もあったけど。

香村さんはゴーカイウィザードジュウオウでは人質を盾にする敵が本当に得意技だったのにギャングラーにはほぼ封印していて、それはドグラニオ様の品性をここまで保つ事に繫がってたのかなとも思った。ただし、良いボスをやめて「昔に戻った」彼がどうなかのかは未知数。

 

ドグラニオ様はこれまで懐の深い良いボスだったけど、自分の銅像や映画を無邪気に喜ぶ崇め讃えられたい一面もあって、デストラがそこを堅苦しいくらいがっちり満たして全身全霊を捧げ、些細な無礼にもいち早く噛みつくから「まあ良いじゃないか」と鷹揚に構えていられた、という形でバランスが取れてた面もあったのかも。デストラは愚直なまでに分を守り、下品な輩は後継者に相応しくないとドグラニオの地位も尊重してくれた。

けど、その地位を最も譲りたかった相手でもある彼を失い、ザミーゴに「バカしか欲しがらない」と全否定されても咎める者もなくなり、500年守ってきたボスの座が色あせて見えたのなら、デストラはドグラニオのストッパーでもあったのかも。

 

ドグラニオの提案相手は快盗だけだから、警察が隙を突いてノエル奪還に動いたら攻撃するし、出し抜かれても「やるな」で済ます。

けど、部下のゴーシュが自分が全世界中継で宣言し快盗が応えたルールを破り、勝手に助っ人を乱入させたらボスとして顔を潰されたも同然。制裁を加えて退場するのはトゲーノの時にちょっと似てるけど、それでももしデストラが勝手な行動を咎めていたらゴーシュは許されたんだろうか?と少し思った。

なんかデストラがいなくなった事でゴーシュがボスを読み間違えた気もして、反目もしたけどゴーシュはデストラに守られてもいたのかもと。 

 

まあ正直なところ、このゴーシュ戦、彼女をどう攻略するか期待していなかったと言ったら嘘になって、ボスに実験体だけでなくゴーシュのコレクションまで奪われた時にはちょっと拍子抜けした。

でも考えて見ると、あのデストラ戦でハードルが上がりまくった直後ではあるけど、ゴーシュはライモンと被る金金庫一つだけ。正体がバレた混乱の中で2戦隊の気持ちは一つとは言い難く、今までとは被らない斬新な見せ方も今までを超える盛り上げも難しかったと思う。

この後には最終3話でのザミーゴ戦とドグラニオ戦も控えているので、このスタッフと言えど決して無尽蔵ではないはずのアイデアを無理に割いて中途半端に盛り上げようとするより、思い切ってドグラニオ覚醒の布石に留めたのなら私はありだと思う。

これで殆どのピースが出揃った感があるので次回以降の盛り上げに期待したい。

 

 咲也と初美花

咲也の「今の僕に出来る事」=初美花を信じ祈る事

→初美花に届き咲也との「今」の為にも早く全部終わらせたくてターゲット変更

→ゴーシュ戦に快盗が合流せず警察が完敗

→皆を守る為ノエルが「今の僕に出来る事」=自分を差し出す

→ノエルを救うため快盗が素顔を全世界中継で晒す

→咲也の祈りと初美花の願いを打ち砕いた

地獄への道は善意で敷き詰められていると言うけれど、残酷すぎる因果応報。

 

ルパンイエローの姿で幾度となく咲也さんと呼びかける初美花。覚悟完了したようでいても、自分を大好きでいてくれて懐深い咲也なら、もしかしたら許してくれるのではないか、何か言葉をかけてくれるのではないかとどこかですがりたい気持ちが何かリアルで、でも決して顔をそちらに向けない、声もかけない咲也の反応を見て「アデュー、咲也さん」と完全に諦めてしまう流れに思えて痛々しい。時間を積み重ねて好意を持ち始めてしまった後だから余計に。

 

咲也はレオタード回の時もだけど、基本的に人の善意を疑わず信じる分、騙されたと分かった時のショックが凄く大きい人。

彼は初美花の本質は本当に早くからざっくり掴んでいて、咲也がそこに惚れたように「襲われたのは自分のせいじゃないのに」責任感じる子だから、自分を庇って消えた親友に責任感じたんで、咲也が思うとおりの滅茶苦茶良い子だからこそ快盗になった事がきっと咲也には一番辛いんじゃないかな、単純に騙された事より。

 

 今回のノエルさん

魁利「じゃ、一つ貸しってことで」

私「やめてこの人にその言葉やめて」

 圭一郎への借りを返したためにこんな大変な騒ぎになって正体バレに繫がった訳だけど、ノエルさんはたぶん「だからこれからは自分をもっと大事にしよう」じゃなくて、「助けて貰ったこの命はこっちの借りを返すために使おう」とか性懲りもなく考えてるから絶対。あの力一杯の頷き方は、ドグラニオの金庫にバックルかざしに特攻とか使い道はいくらでもあるとか考えてるよ絶対。

 ここは是非つかさに、例の「お前生きて帰る気あるのかセンサー」をフル稼働して頂きたいと思う。

またノエルばかりが御礼と謝罪を繰り返している状況にだんだん疲れてきたので、その状況も出来れば打開して欲しいんだけど、ビークルを使わない理由に辿り着いたつかさが一番、その役目を担う可能性が高そうなので、お願いしますという気持ち。

やっと圭一郞もノエルの「警察官として」の信念も認めてくれた所まで来たしなあ。欲を言えば助けられた後の警察との会話も聞きたかったけど、恐らくノエルさんは正体バレの罪悪感で頭が一杯だったのかもしれず。そのまま次回は咲也の胸倉つかみかと思うと道はまだ険しいような反面、そろそろ打開して腹割ってくれるかなという期待も。

 

ゴーシュが狂ったように自分の金金庫を移植した時、思わず顔を背けたノエルさん。

私はどちらかというと、この人は根本的に敵でも味方でも精神的に傷付いている姿を見るのが超苦手な同情心の強すぎる豆腐メンタルか、それとも同じ開発者の末路として感じる物があったのか、と思っていたけど、他の方のブログで自身もゴーシュ同様人間ではない事に対して、という見方を知って、なるほどそれもありかもと思った。

これも香村さんの全てを語らない脚本スタイルや演出プラン等のなせる技かな。

 

次回

快盗の正体を知って、初美花の両親とか透真の家族とかは胸が潰れたろうけど、彼らがどんな思いで快盗に身を落としたかは時間と共に分かってくれるはずだし、娘の失踪を悲しむ詩穂と彩の家族が彼等の戦いの目的を知れば、法を超えて救いになってくれると思う一方、魁利にはどちらの存在もない事に辛くなったから頼むぞ圭一郎。