キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー37話感想: 失敗の挽回も助けるダブルヒロイン回

冒頭、介人、フリント、ブルーンが美都子捜しから帰還。ブルーンはレンアイトピアにいたく感銘を受けていて、レンアイワルドの回の主役だったから今日はブルーンが同行したのかとほっこり。

けど、本当の狙いは別の所にあったのをこの時はまだ知らなかった(笑)。

3人は由椰ちゃんという女の子と一緒に人形を探すマジーヌと遭遇。自分で作った世界で1つの人形を落とした、と話す由梛ちゃんの様子に、何か思い当たったようなフリントのアップが意味ありげ。

 

そこにダイコンワルド。人々がその大根おろし攻撃「恨みおろし」を受けると、その人が捨てたらしいゴミが襲いかかってくる。

ブルーンも、頭に恨みおろしを被ったがとたん、さっき拾ってゴミ箱に捨てたばかりのゴミが襲いかかり、くっついて離れない。それだけでなく、界賊船の居室にまとめられていたゴミまで飛んできてくっついてしまった。

自分が捨てたゴミが「捨てるな(恨)!」と襲ってくる。降りたった芝生の上に不自然なくらいゴミがまき散らされていてそれをブルーンが片付けていたのも、今回ブルーンが美都子捜しに同行したのも、それをわかりやすく見せる伏線か。界賊船のゴミはきっと御礼を兼ねて気合入れてお掃除したからあんなにゴミ袋がたまっていたんだろうな。

 

ハカイザーの洗脳が不安定なので、ワルドを守る役目をステイシーが肩代わりしている。ワルドを逃がせたらさっさと撤退して、今日は介人との勝負にも拘らない。

そんなステイシーをボッコワウスたちも好意的に受け止めている。

元々ステイシーがイジルデに協力していたのは父を見返すためだけで、組織には愛着も忠誠心もなく時にはワルドを破壊すらしていた。

それが今ではハカイザーを失いたくないために自ら積極的に組織の歯車に組み込まれて貢献し、居場所が出来かけている。

父を見返すという行動原理も介人が嫌いで倒したいという感情も、大事な物を何も組織内に持たなかった時代の心の支えだったのかも。今はやっと出来た仲間を守る方が優先度高そう。

介人が敵にもかかわらず仲間を作れと説いたのはその先に自分が仲良くなる未来を見ていたかもだけど、仲間の出来たステイシーはその未来からまた一歩遠ざかってしまっているような。

バラシタラは初めて仲間の出来た息子に「イジルデの人形同士、せいぜい仲良くするがいい」と突き放してるけど、内心どう思っているんだろう。

 

カラフルでは、なぜダイコンワルドがゴミを操れるのか分からない介人たちに、ヤツデさんが「大根は捨てる所がないからじゃないかな?」と年の功を発揮。

大根は捨てる所がなく全部食べられる→捨てられたゴミが捨てるなと逆襲という概念的連想ゲームの賜物(汗)?

ブルーンは掃除好き故の自分の受難に納得。誰よりも掃除をしてきたために誰よりもゴミに恨まれるなんて理不尽だ(涙)。そんで過去に捨ててきたゴミの山が次々に襲いかかり、カラフルに被害が及ばないよう塀の外でゴミに埋もれるのが不憫だけど笑ってしまう(笑)。

 

ならばダイコンワルドを倒すまでと皆が街に出ると、捨てた物の逆襲がエスカレートしていて、廃車とかタンスとか壊れたビニール傘の先端とかが迫ってきたりと物理的に危険。捨てた女たちに囲まれている男とかは自業自得だけど(笑)。

 

由椰ちゃんは、一旦家に帰った後、持ち出したらしい自分の部屋のゴミ箱の中身を河原でぶちまける。見かけたマジーヌがダイコンワルドが来たら狙われると慌てると、むしろ狙われたいのだと言う。

そこにフリントも現れて、由梛ちゃんは人形を落としたんじゃなく捨てたんだと看破。

実は由梛ちゃんは自分で作った人形が下手で、友達に見せると何を言われるかと怖くてつい捨ててしまったのを後悔し、探していた。

フリントも子供の頃に、初めて自力で作ったオルゴールが歪んでいて音も変だと大人には見せられず、つい捨ててしまった。でも一生懸命作ったから凄く後悔し捜した経験があるので、由梛ちゃんのことも察せたということ。

カラフルで捨てたゴミが襲ってくるという言葉に反応する由椰ちゃんを見逃さなかったし、ずっと気にかけていたんだね。

「みんな、そういうのあるんすね。好きだし大事だけど、自信なくて、わーってなるもの」マジーヌも3話の占いをけなされた時の自分を連想して共感。

つい人形を捨ててしまい、それを落としたと嘘をつく由梛ちゃんの行動は決していわゆる「良い子」のそれじゃない。

だけど、あのくらいの子供、いや人によってはもっと成長してからもつい持ってしまいがちなネガティブな気持ちを「あるある」と受け入れ、それを後悔して取り戻そうとするなら全面的に応援するのがゼンカイジャーなんだな。失敗は挽回。

 

ダイコンワルドが現れたとの連絡に、マジーヌは自分も行きたいという由梛ちゃんの気持ちに応え、戦場に連れて行く。

今回の名乗りは離れた場所でゴミに埋もれたままのブルーンも含めた「4人と心はもう1人」のリモートバージョン。もう変則名乗りのパターンがいくつあるのか追い切れない(笑)。

ブルーンが集合写真にはめ込まれた欠席生徒みたいになっていて、今回はワルドの被害とコメディ部分を全力全開で体言してるな。

 

ジーヌは由梛ちゃんと一緒にわざとダイコンワルドの周りを飛び回り、敢えて恨みおろしを受けさせると、飛び去って河原に戻る。

由梛ちゃん目がけて襲ってくるゴミを、マジーヌとフリントがバンバン撃ち落とす。今回は小さな女の子だから良いけど、個人的には、あんまり他人に見られたくないゴミが一斉に襲ってきて、それを他人に撃ち落として貰うのはちょっとな・・・と変な所で冷や汗をかいた(笑)。

 

一方、対ダイコンワルドの方は、戦場に現れたハカイザーに、「今回は待機命令が出ていたはずだ」とステイシーが嗜める。でも「一緒に戦うよ。仲間だろ?」と言われると弱い(笑)。

カラフルのおやつ券を握り潰してまで選んだからには、失うのが怖すぎて一緒に戦う仲間という以上に、安全なトジテンドにずっといてほしい保護対象になってる感じすらある。ヤツデさんの時にはまだ抑えていた自分を受け入れてくれる人への執着のタガが外れたみたいだな。

 

ダイコンパワーレベルアップからの恨みおろし攻撃をジュランとガオーンが浴びると、切り「捨てられた」クダックがゾンビ化して倒しても倒してもまとわりつく。更に、見「捨てた」キカイトピアが迫ってきて、この世界ごと飲み込む勢い。厳密にはキカイトピアは見捨てられた訳じゃないんだけど、このあたりもう解釈次第でどうにでもなるのがゼンカイクオリティ(笑)。

 

河原では背後からお目当ての人形が「捨てるな~」とナイフ片手に襲ってきて、下手くそな手作り感満載だから緩和されてるけど、これが精巧な市松人形とかなら立派にホラーだ(汗)。

それを2人がかりで引き留めて時間稼ぎする女子ズ。「由梛ちゃんの背中はお姉さん<たち>が絶対守る」って、大袈裟でも何でもなくこういうことね。

安全第一なら子供を戦場に連れていくなど論外。平和第一ならただでさえ1人少ない今回は戦線離脱すべきじゃない。たぶん賛否両論あるだろうな。

だけど「間違えた1人の子供」の心を助けるのだって、同じくらい大事で、「トジテンドと戦うだけがゼンカイジャーじゃないんだよ!」と介人もそんなゼンカイジャーのヒーローとしてのあり方を補強しているのが、なんだかいかにも香村さんらしくて優しい。

 

セッちゃんのアドバイスでジュランたちが対抗索で取り出したのは、マジレンジャーのギア。その場にいないけど今回の主役の1人ということもあってか、マジーヌのモチーフという特別なギアをここで使うのか。

すると強化の呪文によって、ゾンビクダックたちは強化されクダイターに進化。敵に塩送ってどうすんだよな展開のはずが逆に、ゾンビたちは「捨てるどころか、強化してくれてありがとう!」と喜び、なぜか成仏(汗)。

「捨てられた」という状態ではなくなったために恨みが消えてダイコンワルドの能力の影響を受けなくなった、ということか。理屈はそんな風に通るのかもだけど、いややっぱりトンチキ展開過ぎる(笑)。

ハカイザーはワイヤーでくくりつけて足止め、ステイシーはゾックスが対応している間に、ダイコンワルドはキャノンで撃破。3人だけだとやっぱり吹っ飛ばされる演出が、細かい。

 

ワルドが倒されたら役目は終わり、とステイシーはハカイザーを連れてとっとと撤収し、今日はニュークダイテストが召喚されゼンリョクゼンカイオーのターン。

大根おろしは「消化を助ける」から、ダイダイコンワルドのそれを浴びると、ロボの体が溶ける。

いやいやいやいや(汗)。

 

干し柿→乾燥→強制脱水による大量殺戮

牛乳→白い→記録やデータの抹消による文明滅亡

大根①→捨てる所がない→捨てられたゴミが捨てるなと逆襲

大根②→消化を助ける→ロボが溶ける

 

食べ物系ワルドの能力の見せ方としては、「食べたくて止まらない」というカシワモチワルドの能力みたいなのが王道なんだろうけど、柏餅中毒のインパクトが強すぎてその後方向性を変えたのかもしれない。

だけど、平凡な食べ物の特性を拡大解釈して凶悪兵器化するにも程があるだろと(笑)。

 

それに対抗するのはスーパー戦隊全力シークレットパワー。何が出てくるかと思ったら、ルパンレンジャーのマジックダイヤルファイター。

おお、ルパパトだ~と懐かしく思う気持ちは、次の瞬間、なぜかいそいそと御膳を運んで来る巨大化ヤツデさんを見て吹っ飛んだ(笑)。

秋刀魚の塩焼き、蕎麦、ナメコ、揚げ出し豆腐。すると大根おろしたちが引き寄せられるようにそれらの器の中に飛び込む(汗)。

「そっかあ。大根おろしだもん。ロボより料理に添えられたいよね~!」と料理好きのガオーンが弾んだ声で納得していたけど、ちょっと待て。ついさっきまでロボ溶かしてた凶悪な大根おろしが、料理の横にちんまりと料理に添えられて、それでオールオッケーなのか?食えるのか?(笑)

でもいったん理屈さえ付ければ、それがどんなに荒唐無稽で非現実的であろうとも強引に押し通す、香村さんの開き直りスキルが炸裂。それををマジックの謎の力技のせいにしているのが狡い(笑)。

 

ダイダイコンワルドは撃破され、人形を取り戻した由梛ちゃんは満面の笑みでマジーヌとフリントにありがとうと言い、マジーヌがデレデレ照れまくるのも納得の可愛いらしさ。

ダブルヒロイン回だったけど、2人は終始仲が良くて、特にぶつかり合いもなく和やかに一件落着。フリントが登場したばかりの頃は、性格的に凄くハレーションの起きやすい組み合わせだと思ったけど、そういうのはレンアイワルドのせいにして済ませ、あまりギスギスさせなかったなって感じ。

ドラマ的には戦隊メンバーのマジーヌよりむしろサポートメンバーのフリントにスポットがより当たった回だったな。ゼンカイジャーは着ぐるみメンバーのメイン回が決して多いわけじゃないから、今回も着ぐるみより俳優さんのドラマを優先した感じがあってちょっと複雑な部分はあるけど、その代わりマジーヌは由梛ちゃんを戦闘に参加させるなどアクション面でしっかり見せ場を作ってバランスを取ったのかなって印象。

 

今回ゾックス兄貴は出番控えめ。だけど少女時代のフリントが捨てたオルゴールを捜し出したと台詞だけで語られて、画面の外でちゃんと好感度ポイントを積み上げているのは手堅い。

今度は父ちゃんたちを取り戻すと盛り上がる介人に引っ張り回されてよろけるままになっているのが、可愛かった。

 

一方トジテンドでは、ステイシーがワルドの護衛役として目途がたったため、ボッコワウスがハカイザーには更なる発展を期待したいとゲゲに告げ不穏な空気で、続く。

介人にとってはまた辛い展開になりそうだけど、一方でそれが「仲間としてのハカイザー」をステイシーから奪うような形になれば、今のステイシーならトジテンドとは相容れなくなる展開も考えられて、それも楽しみ。