キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー35話感想: ふざけ過ぎたサブタイトルの癖に超重要回過ぎる

最初に言わせて欲しい。いろいろ重い内容で見応えあってグッときたし凄く大きなターニングポイントでもあった重要回なのに、そのふざけたタイトルはなんだ(笑)。

「ダイヤモンド◇ユカイ?!」

内容と乖離し過ぎてるだろ。

名前を使われたタレントさんが、「勝手に使うなら呼んでくれよ!!」と突っ込んでおられて笑った。

でも、この記事のサブタイトル考えた時に、いろいろありすぎて的が絞れず、なんとなくだけどこんなタイトルにした気持ちがわかったような、いややっぱりわからないような(汗)。

 

介人は最近ジュランたちの様子がおかしいことを界賊一家に相談。自分が属する集団の大事な仲間たちが揃って挙動不審になった時に、気兼ねなく相談出来る別の拠点があるって、こういう時に助かることもあるんだなと思う。追加戦士がすっかり仲間になりきっていないからこそのメリット。

何かのサプライズパーティーを考えているのは?と言われ、自分の誕生日が近いことと結びつけて喜ぶ介人。

そう言えば射手座だったか。射手座は11/23~12/21。クリスマス商戦イベントにぶつけてくることも出来る誕生日。

そんな介人を嬉しそうに横目で見てるだけのゾックスが、これぞ後方彼氏面だよなあとしみじみ(笑)。本当、介人が幸せだと自分も嬉しいんだね。

 

でもジュランたちがおかしいのは、ハカイザーの正体が介人の父親、功博士では?ということを言いそびれていたからで、キカイタコ焼き屋でどうするか相談。

4人もいて1つしか頼んでいないのが、別にタコ焼きを食べたいわけじゃなく(というかたぶん喉通らない)、落ち着いて相談出来るテーブルが欲しいだけってよくわかる。キカイタコ焼き屋は1話からちょこちょこ登場していたけど、ここもジュランたちにとって、カラフルでは話しづらいことを話せる拠点になってる。

攫われたのではなく功の意志でトジテンドに与したのか?とか改造されてたら?とか悪い方向に考えてしまうのも言いそびれていた理由。でも最悪は介人が何も知らないままハカイザーを倒してしまうこと、とジュランが年長者として自分が話すと宣言。

モタモタ言いそびれていた理由があくまで介人を慮ってのもの、と具体的な心配内容を出して彼らの好感度に配慮してる。更にそれを踏まえた上で優先順位を見失わずに自分が辛い役を引き受けるジュランの株がまた上がって、こういう所は香村さん本当手堅い。

 

でもそんな矢先に、に何でも硬く(固く)してしまうダイヤワルドと、それを守護するハカイザーが登場。ハカイザーが功だと思うと矛先が鈍るジュランたちは、「カタクナルフラッシュ」を受けて口が固くなり、「ダイヤ」しか言えなくなってしまう。言おうと決意した途端にそう来るのか。

その直後に、たぶん悩み相談から直行した介人とゾックスが参戦。4人は「ハカイザーは功だから戦っちゃダメ」と必死に伝えようとしても伝わらず、次々に武器を放り出しては、2人を戦わせまいと群がって妨害してしまう。膝の裏ツンとかコミカルな動きもあるけど、切ない。

 

カラフルで事情を聞かれてもやっぱり説明出来ない4人。「なら筆談すれば?」という視聴者のツッコミはお見通しとばかりに、紙にも「ダイヤ」しか書けないのが、想像以上に厄介。

理論派のジュランとブルーンが文字。感情感覚直感派っぽいガオーンとマジーヌが絵。ブルーンが紙いっぱいダイヤの文字で埋め尽くし、マジーヌが端の方に小さくダイヤの絵を数粒描い書ていたりと、それぞれの個性を表現していて細かいよ。

ジェスチャーも伝わらず、介人は皆がダイヤワルドに操られてハカイザーを守らされたと勘違い。「ハカイザーもダイヤワルドも卑怯全開だ」と怒りを爆発させて飛び出してしまう。

後を追おうとするジュランたちをゾックスが止め「操られてようがど冷ややかに言い放つのが怖い。苛立って椅子を蹴っ飛ばした時といい、カラフル組に馴染んだようでも一皮むくと海賊の荒々しい本性はそのままって感じで、ぞくっとした。

 

一方、ステイシーは、ダイヤワルドを離れた所から見守っていたハカイザーに「僕と組まないか?」と持ちかける。一生懸命さりげなさを装っているんだけど、自分の殻を破って思い切って声をかけたんだな、そこに至るまで頭の中であれこれ考えてたんだろうな、というのがバレバレで愛おしい(笑)。

ハカイザーはそれに対して凄くあっさり「組むも何も、俺たち最初っからチームじゃないか。だろ?」。当たり前にフレンドリー。

そうか、と思わず口元が綻ぶステイシーは、拒絶されるのが怖かったんだね、わかるよ(笑)。だってたぶん母を失ってからは無条件に受け入れてくれる存在なんてなかったろうし、そんな環境の中で自分自身も他人に対しては拒絶しかしてこなかったろうから。

今まで友達いなかった子が、気兼ねなく話しかけてくれる子に勇気を出して「友達になって」と言ったら「え?最初から友達じゃん」と言われてホッとする、みたいな微笑ましさ。この感じ、なんだかジュウオウジャーのみっちゃんの成長を見守ってた時に似ている(笑)。

 

海辺でゾックスがダイヤワルドを見つけた頃、商店街を全力疾走していた介人は、ハカイザーとステイシーのコンビに遭遇。この走り方だとたぶんゾックスは介人に追いつけず、はぐれたんだろな。

ステイシーがハカイザーと組んだ=仲間を作れるようになったのを見て嬉しそうな介人。でもハカイザーのことは倒す気満々なまま。それはステイシーからやっと出来た仲間を奪い、再び暗闇に突き落とすことになるんだけど。

たぶん更にその先にある、自分がステイシーの友達になるという光しか見ていない。ちょっと狂気で、でもそれが凄く介人だなと思う。

 

カラフルでは、ジュランたちが「ダイヤ」だけで深刻に会話中。東映公式によると、脚本では

 

ジーヌ「ダイヤ(どうしよう)」

ブルーン「ダイヤダイヤダイヤダイヤ(こんなことなら、もっと早く介人に伝えるべきでした)」

 

みたいに、「ダイヤ」にこめられた意味が演者にわかる書き方がされていたそう。うん、マジーヌの「ダ~イヤ~」が「どうしよう」なのは感じ取れた。ブルーンのはさすがに無理だったけど(笑)。

だけど、意味はわからなくても、彼らが次々決意してカラフルを飛び出していく気持ちはわかってぐっときた。これだけ上手い声優さん達が集まると台詞が「ダイヤ」だけでもちゃんと心に響くもんだな。

昔、外国の名優がレストランでメニューを読み上げるだけでその場にいる人を全員泣かせたという逸話を思い出した。けど、文章に近い外国のメニュー読み上げより今回の方が、もしかしたら難易度高い見せ方だったかもと思ったり。

なお、演出方法としては、例えば「ダイヤ」に脚本に書かれた心の声を被せたり、字幕で見せるやり方もあったと思う。それらを一切使わずひたすら「ダイヤ」だけで押し通したのは、中澤監督の手腕とか。声優さんたちへの信頼あってこそだなと思う。あ、もちろんスーツアクターさんの演技にも。

 

ステイシーたちの連携攻撃は、慣れないせいで失敗もある。そこを突いた介人がハカイザーにいきなりキャノンの必殺技を喰らわそうとするのを、駆けつけたジュランが蹴り飛ばすのが格好いい。

邪魔をするなとステイシーがジュランたちにあてがったのが、ゲキレッドとレッドバスターの強化体。

ゲキレッドは、正体を知らないまま父親(の亡霊)と戦わされた。

レッドバスターは幼い頃に異世界に飛ばされた両親を取り戻せず失った。

異世界に連れ去られた両親を取り戻そうとしていて、かつ知らずに父親と戦わされている介人を嘲笑うかのような人選(汗)。「ぐえっ」と変な声が出た。

もちろんステイシーはそのあたりの知識は皆無だし、そんな意図があるはずはない。

鬼畜なのはスタッフさんだよ。

強化形態を持っていて、介人と境遇が被って、かつ家族に関しては悲劇に終わった戦士。「知らずに父親と戦わされた」で統一すればマジレッドという選択肢もあったのに、あっちはハッピーエンドだから選ばなかったんでしょ(決めつけ)?

偽物たちと戦えながら必死に介人に戦わないよう訴えかけるジュランたちは、相変わらず「ダイヤダイヤ」としか言えないんだけど、介人とのすれ違いが切なくてやっぱりぐっと来る。

 

なおハカイザーは今回、「ステイシーの為にも」と介人を全力で破壊しようと戦って・・・本来の使命を忘れてる(汗)。

おかげでダイヤワルドは孤立無縁なままゾックスにフルボッコ。海に逃げたところをジュウオウザワールドの釣り竿で釣り上げて、撃破。出てきたと思ったらゾックスに引き込まれて慌てているコミカルさが、みっちゃんだなと思う。

 

同タイミングで口がきけるようになったジュランたちの叫びが響くのと同時に、介人がハカイザーにキャノンをぶっ放す。ハカイザーは仕留められはしなかったものの、ダメージ+充電切れで機能停止し、マスクが消滅。その下に隠れていた功の素顔が現れた。

前回はイジルデがすぐ回収したからわからなかったけど、そのまま暫くすると本人の意識は正気に戻る仕様らしく、功は自分が開発したゼンカイザーを見て、「まさか、・・・介人・・・介人なのか?」と聞く。

美都子が目覚めた時の様子からして、功には10年間眠らされていたという認識はなかったと思う。最後に見た介人は子供のはずで、でも大人サイズのゼンカイザーを見て、息子なのかと思った。やっぱりゼンカイザーは息子が使うことを想定して作ったか、もっと言うと息子にしか使えないような仕掛けをしていたんだろうか。

 

介人も変身を解いて、互いに驚きと同時に親子の再会を喜びかけたのも束の間、ステイシーが悲痛な叫び声と共に、功をトジテンドに連れ去ってしまう。

仲間なんていらないというこれまでの自分を乗り越えて、勇気を出して仲間になろうと持ちかけ、受け入れられて、嬉しかった。そんな経験しちゃう前だったら、ヤツデさんの実の息子なんだし、ステイシーは美都子の時以上に積極的に帰そうとしたかもなあ、と思うと切ない。

 

呆然としている介人たちの前にニュークダイテストが出現してダイダイヤワルドになる。

ツーカイオーで出撃だと勢い込んだフリントと双子が見たのは、ポツンと体育座りしている兄ツーカイザーの姿(笑)。なぜかわからないけど急に気分が落ち込んだと。

最初意味わからなかったけど、ギアの副作用かと言われて大笑い。ジュウオウザワールドみっちゃんと言えば、成長する前は豆腐メンタル過ぎていかなる状況でも構わず体育座りしてたもんな。それをここに持ってくるとは意表突かれた。

東映公式によると、実はロボ戦がCGになるので、(恐らく着ぐるみのツーカイオーもセンタイジュウオーも出せないことから)ゾックスを戦闘不能にするために香村さんが考えたらしい。ニュークダイテスト戦は全部CGになるってことかな。

ゾックスがギアを使いダイヤワルドをきっちり倒した上で、戦闘不能に出来る要素のある追加戦士、というパズルの答。

元々香村戦隊の戦士とはいえ、こうやってその膨大な戦隊知識を説得力と笑いを兼ね備えつつ適材適所で使いこなせる人が他にいるだろうか。そう思うと、香村さんがここまで35話中33話を独りで書いてる理由の一端を見た気がした。

 

ジュランが介人に「行けるか?」と気遣いながらもゼンリョクゼンカイオーで出撃。互いを思いやり合いながらもすれ違っていた介人と4人が今は心も体も1つに合体したロボになり、敵を倒すって良いな。32話以来なのも、ここぞという特別感がキープされている。

 

戦い終わって、今まで黙っていたことを謝る4人。それが自分たちへの思いやり故だと十分理解して受け入れる介人、ヤツデさん、セッちゃん。このやりとりが相変わらず香村さんらしいなと思う。

悪いことばかりじゃない。功は生きていて、ゼンカイジャーと戦えるほど元気だった。

嫁だけが逃げたというニュースを聞けば、もし私がヤツデさんなら「じゃあ息子は?生きてるの?」と不安でたまらなくなるだろう。だから、まずは最悪を免れて一安心なのは本当だろうなと思う。

 

一方、ハカイザーを強引に連れ帰ったステイシーは今頃、何を思うだろう。

ヤツデさんは介人の祖母。ハカイザーの正体も介人の父。ステイシーが欲しい物は皆、介人のもの。

1つくらい介人の物じゃない自分だけの大事な物も欲しかったろうにね。

でもそれはたぶんトジテンド側にいる限り叶わないよな。だからあんまり拗れてないで、早くこっちにおいで。

なんならガオーンにちょっくらステイシーと屋台に並んで、さっさと好きな物に素直になれと説教してきて欲しくなる。

そもそも人間とキカイノイドのハーフという個性だって、トジテンドでは異端扱いされただろうけれど、介人達の住む世界ではむしろ人間とキカイノイドの共生の象徴となり得るんじゃないのかな。

そんでもし近い未来に同じような子供たちが生まれてくるとすればその先達になるかもしれない。そういう意味でもステイシーはこちらの世界で生きるべきなんだよな、と思う