キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー38話感想: 自分がされたら悲しいことは

今回はボンワルドとショウガツワルドの2体が同時に登場。東映公式によれば「盆と正月が一緒に来た」をやってみろという中澤監督のリクエストに全力全開で応えた結果とか(笑)。

ショウガツワルドはホシガキワルドの頭をミカンに見立て、胸の伊勢海老で正月感を主張という、すっかりお馴染みのお手軽マイナーチェンジ。

なお、2体が同時に力を使うと打ち消し合って無効化されることが正式に判明。ワルド=ワールド=世界と、世界そのものに影響を与えるタイプだから私も以前、一体ずつしか送り込めない理由付けになってるんだな~とは考えた。けど、肝心のワルド本人たちはそのことを知らなかったこともついでに判明(笑)。なおトジテンドのこれまでの緩さを見ると、幹部たちもそれを把握しているか怪しい。

ボンワルドはバラシタラ配下でショウガツワルドはイジルデ配下。だけどワルド同士は普通に仲が良く、掛け合いも微笑ましかった。でも尺も限られているとのことで、盆と正月の共演はここまでとなり、今回はまずボンワルドのターン。

 

ワルド防衛のためハカイザーとステイシーがゼンカイジャー・ツーカイザーを食い止めている隙に、ボンワルドが「お盆線香」の煙をまき散らし、それに包まれた人々の前に亡きご先祖様が現れる。

戦闘中に煙を浴びたジュランの前にも曾祖父さんサンジョ、ゾックスの前にも何代か前のおっさんピラート、そんでトジテンド陣営でもステイシーが巻き込まれ、現れたのは母親のリセ。

現れるご先祖が何代前なのかはランダムな緩い仕様みたいだけど、どう見てもステイシーが一番衝撃受けていて、相変わらず不憫。

衝撃で皆がフリーズしている隙にボンワルドは逃げ、戸惑うステイシーは「お前も来い!」と母親をつれてトジテンドに帰還。

バラシタラに「この偽物を何とかしろ」と、この時点ではあくまでボンワルドの力が作り出した偽物という扱いで、それに振り回されたりはしない。だけど作戦中だと撥ねつけ息子を嘲るバラシタラに食ってかかるリセを見て、表情が変わる。

 

ステイシーの母親って勝手にほっそり儚げで浮世離れしたタイプかと思ってたら、意外と体格もがっちりして丸顔の、地に足ついた庶民的な感じもする方で戸惑った。

けど、よく考えたらヤツデさんにその面影を感じられる人なんだよな、と納得。もっとしっかり笑った顔はもっと似てるのかも。

 

なおバラシタラは「霊になっても勝ち気な所は変わらないのである」とわりと満更でもなさそう。ステイシーの母親は、おそらく無理やり妻にさせられたものの、誇りや気概は失わないままバラシタラにも堂々と物を言い、挙げ句に捨てられて野垂れ死んだってことか。

ステイシーの記憶の中では優しい母親。でもそれだけじゃないと、こうやって短い時間でキャラを立ててくるのはさすがだなと思う。

 

バラシタラは「いろんな世界の女を妻にしてきたが、霊はまだなのである」と手を伸ばす。うわあ。子供番組とは思えないえげつない変態趣味(汗)。

両親のこんな場面を目の前で見せられたら子供はたまらんよな。たとえ険悪だと重々承知していても、母親への性的玩具扱いすら連想させられて。ステイシーが咄嗟に引き離して連れ出すのも無理はない。

個人的にバラシタラには、ステイシーへの親の情を期待してた部分もあるんだけど、どんどん遠のいていってるようで、ちょっと残念。

ここんところ悪辣さを強調したりゾックスとの因縁を強化してきたりしているのは、決戦が近いのかな?なんて感じたりもする。

 

一方サンジョは、曾孫がトジテンドと戦っていると知らされるも、長生きしたけりゃ大人しくしとくよう警告。

トジテンドはサンジョの存命時代から既に暴政を敷いていて、彼の死因は王族の行列中にうっかりおならをしてしまったことによる、たぶん斬首(怖)。おじいちゃんがコミカルに語っているから緩和されてるけど、残酷で悲惨な最期すぎる(涙)。そりゃあ、曾孫にそんな目には会って欲しくないよなあ。

 

曾祖父さんを穏便に受け入れたジュランたちに対し、ゾックスはピラートに対し敬ったりなどせず終始反発しているのはいかにも海賊の流儀って感じ。

それでも、和菓子屋に乗り込んで略奪しようとするピラートを止めるゾックス。

「この世界を荒らさない」という介人との約束は、<後方彼氏>と化した今となっては交わした当時よりも重くて、破るなんて考えられないだろうな。自分ではなく先祖のしたことでも介人が嫌がるのはわかりきっているし。俳優さんの皮膚が薄いのかすぐ顔が紅潮するのが、必死感出ていて良い。

もっとも、介人やジュランたちとの交流を通して、約束がなくてもこの世界を荒らす気持ちが薄くなってたりはしないのかな?とはちょっと思った。

 

まあ界賊はそんな感じだけど、他はご先祖様と和やかに交流。

ステイシーも目の前にいるのが生前の記憶を持った本物の母親だと受け入れて穏やかで幸せな一時。

でもそこで作戦は第二段階に移行。先祖たちは突然豹変して、直前まで子孫に襲いかかる。

生前の関係が良好だった場合ほど、直前の交流が楽しく幸せなほどきついよなあ。

この作戦を指揮してるのはバラシタラ。やっぱり人の心理を読んだり人が人を思う情を理解して、それを嫌らしく作戦に利用し敵にダメージを与えるのが上手い。

ただし、プライベートでは息子のバレバレな変装にも他人のゲゲが気付いた入れ替わりにも気付けないポンコツ観察力なのが、つくづく色々残念だよ(涙)。

 

そんでやっぱりダントツでキツいのがステイシー。さっきまで優しかった母親に刃物片手に襲われて、戦うことも出来ずに逃げるしかできない。ボンワルドの力で操られていると分かるだけがせめてもの救いかな。香村戦隊における蘇った母親との再会は、またしてもエグい。

 

ジュウオウジャー24話

亡き母親を実体化させて和やかな時間を過ごさせ心情的にすっかり受け入れた後に目の前でもう一度殺す

 

・ゼンカイジャー38話

亡き母親を実体化させて本来の優しさと愛を発揮させ心情的にすっかり受け入れた後に豹変させて刃物で襲わせる

 

個人的に香村脚本鬼畜選手権の優勝候補かな(汗)。そう言えばジュウオウジャー24話当時、

「蘇った母親を操られて戦わされるのかもと怖かったけどそれだけは免れてまだ良かった」

みたいなこと言ってた人を散見したんだけど、もしかしてそんな反応を見て

「そうかこれまだ温かったのか」

とか思って書いたんじゃないかと勘繰ってみたり(汗)。

つくづく香村さんて人が人を思う情を敵が利用したり抉ったりする描写が多いよな、と改めて思う。

 

ゴーカイジャー

バスコが人質取ってお宝探しに必要な物を渡せと迫る3エピソードは全部香村脚本

 

・ウィザード

子供を絶望させるなら親を殺せ

祖母を絶望させるなら孫を殺せ

夫を絶望させるなら妻と腹の子を殺せ

 

ジュウオウジャー

生物が触ると消滅する透明なドームで親子を分断して徐々にドームを縮小

20話35話41話全部メンバーが攫われて人質にされたり仲間の怒りを利用したり

 

ただしルパパトのギャングラーだけは、ノエルの命を盾に仮面を取れと迫った時ぐらいかな?と思ったら、コグレさんが大事な人への情を利用して快盗にスカウトするわ、アルセーヌはマグナム欲しけりゃ大事な人の幻撃てと迫るわと、快盗側の方がよほど人が人を思う気持ちを利用したりハードルにしたりしてた(苦笑)。

 

ゾックスはピラートにフリントをボコられて大激怒。鬼の形相で躊躇なく変身し、霊とはいえ生身の相手に強烈な蹴りを喰らわす(笑)。

これ、ゾックスが「悪」だから出来るのかもな。仮面ライダーエターナルが、打ち負かして怪人から変身解除させた生身の敵=人間をそのまま蹴り殺したのを思い出した。

ただし相手は霊だからダメージも受けず、元々死んでるから死も恐れず戦う、と、今回ゾックスがずっと生身相手に戦う理由付け。

 

その頃、非道な作戦に怒る介人たちゼンカイジャーはボンワルドとハカイザーと戦闘中。その最中に介人はステイシーが母親と戦わされてることに思い至ると、ハカイザーにステイシーの居場所に案内させ、あわや母親に刺し殺される寸前のステイシーを体を張って庇う。

「こんなの、ステイシーも、お母さんも、絶対悲しい!」と助けた理由を告げる介人。その悲しさは、ハカイザー=父親と戦わされている介人自身が一番よくわかってる。終始明るくあまり悲壮にならずポジティブだからあまり前面に出て来ないけど、介人だって相当辛いんだよな。それが今回ステイシーの受難で浮かび上がる。

更に、自分にそんな仕打ちをしている相手であっても「俺の気持ちを思い知ったか!」ではなく「俺と同じ悲しい思いをするのは見過ごせない」という思いやりを発揮するのかよ?と、どこまでも他人への共感を大事にする介人のヒーロー性なに改めてお手上げ。

 

ハカイザーがこっちに来ている隙に、ガオーンが構えマジーヌブルーンが支えるキャノンでボンワルドを撃破。ジュランはずっと曾祖父さんを相手にしていて、前回に続いて3人でぶっ放すと反動で吹っ飛ぶ。これでまだキャノン撃ってないのはマジーヌと腰痛ジュランか。年内に全員ローテーション一巡出来ればいいな。

霊たちは襲撃モードから正気に戻ることなく消滅して、先祖に襲われた側にとっては心に傷の残る人もいそうな後味の悪い幕切れ。

中でもステイシーにとっては、ハカイザーに抑え付けられ顔を歪めて抵抗しながら殺意を向けるのが最後に見た母の姿なんて、悪夢だよ。

 

ダイボンワルドは、精霊馬(胡瓜の馬)に精霊牛(茄子の牛)の豆知識を挟みつつセンタイジュウオーが撃破。

皆はカラフルに戻ってクリスマスツリーの飾り付けをしながら、改めてトジテンドの圧制を自分たちの代で終わらせようと誓う。時期的にクリスマス決戦を前にした決意表明って感じに引き締めるジュランが格好いい。

声優の浅沼さんは今回、ご先祖のサンジョの声も担当していて、本当に芸の幅の広い方だなと改めて。

 

一方、母親に殺されかけて傷心のステイシーは、それと同じことを自分が介人にしていることに思い至ってしまい、罪悪感を覚える。

自分がされたら嫌なこと悲しいことは他人にもしない。

それは他人と交流する時の基本的なマナーだけど、善人の発想でもある。悪役のメンタリティじゃないよな。

自分がされて嫌なことこそ「このままもっと苦しめ」と相手に仕掛けようとするのが悪役で、バラシタラはまさにそれ。

ステイシー父親と同じにはなりたくないって思いが強いから余計に自分の首を締めてしまってる。

そんで自分からずっとそんな思いをさせられている介人が「同じ悲しい思いをさせないように」と庇ってくれたことで、介人への気持ちも少し変わってきているのかも。

更には自分を仲間として温かく気遣ってくれるハカイザーに対しても、仲間として大事に思う気持ちが強くなるに従って、洗脳して実の息子と戦わせていることが苦しくなり始めたかもしれないなあと思ったり。元々は、リセが言うように「優しい子」なのは、スーさんを見かねて助けてあげたことからも分かるもんなあ。

 

一方トジテンドでは、ボッコワウスが先々代の細胞をハカイザーに使うよう、イジルデに迫ってびびらせた所で、続く。

季節外れのお盆回、面白かった。

ハカイザーを強化体にして、いよいよクリスマス決戦って感じに盛り上がりそうで楽しみ。と思ったら、予告がそれにそぐわない時期ズレのお正月モードでずっこけた(笑)。