キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー36話感想: 仲間仲間仲間♪仲間が出来ると♪

ハカイザーの正体が介人の父親と聞いて、驚かずにむしろ納得しているゾックス。以前、ハカイザーから介人に似たものを感じていたもんな。介人ラブなガオーンは気付けなかった不覚にショックを受けてるけど、恐るべし後方彼氏だの観察力(笑)。いや、元々ゾックスの洞察力がゼンカイ陣営で最強だったってことか。

ハカイザーは倒すんじゃなくて捕獲、さくっとそう了承したゾックスは、トジテンド襲来を聞いて妹弟たちと何やら作戦会議。

 

今回の敵はビックリバコワルド。でもその攻撃は、光線を当てたものがビックリバコに変わって中からビヨーンと花とか他愛ない物が飛び出すだけ。

ゼンカイジャーたちが駆けつけた時には、街の人々は一通りびっくりした後にとっとと何事もなく受け入れていた。相変わらずの大らかさ(笑)。

ビックリバコワルドは5人の銃に光線を当ててビックリバコにすると、撤退・・・しようとした所をゾックスが、ゴセイジャーのギアでゴセイナイトのライオン頭になり、咥えて連れ去ってしまう。

 

トジテンドではハカイザーの正体が功博士だったことから、イジルデのこれまでのパクリがとうとう全部、ボッコワウスにバレていた。

自分を騙していた事に怒るボスの包丁でみじん切りにするような小刻みな拳芸に合わせて小さく上下する幹部たちが可愛い。

でもゲゲがすかさず、そんな優秀な科学者を攫ってきたイジルデの功績を指摘すると、コロッと賞賛に切り替わる。

ちょっと待て。トジルギアの発明も元々は五色田夫妻の技術だったってこと?センタイギアの技術を応用してイジルデが「世界を閉じ込める」という技術を開発したのならセーフだけど、それすら五色田夫妻が開発してしまっていたのなら、ちょっとマッドサイエンティストになっちゃうなあ、とヒヤッとした。

渦中のハカイザーは洗脳強化&充電中で、その姿を見つめながら、ようやく手に入れた初めて仲間を失いたくない気持ちとヤツデさんに難しいを返てあげたい気持ちとの間で揺れまくってるステイシー。彼がおやつ券を見る度に、裏に書かれた「いつでも来てね!」がチラチラ目に入ってきて胸を抉ってくる。こういう場面をきっちり挟んで貰えて、扱いが丁寧だなと思う。

 

ゾックス一家はニチアサお馴染みの廃倉庫でビックリバコワルドを文字通り吊し上げ、ハカイザーを呼ぶよう銃で脅すわくすぐるわ、やっぱりひと皮向けば根っこは海賊。

「介人、こういうの嫌がりそうだけどな」とフリントが気にかけると「だからこっちで勝手にやってんだ」とゾックス。

介人のためなら自分が手を汚し、しかも汚れた血飛沫が介人にかからないよう配慮してる。

この時、私の頭の中に「君が笑ってくれるなら、僕は悪にでもなる~」という中島みゆき「空と君の間に」のフレーズが流れた(汗)。

なんだか清廉潔白なトップでいてもらうために裏で汚れ役を引き受けるナンバー2みたいな趣を感じるな。

 

カラフルに戻った介人たちもその意図に気付く。最初に気付くのがブルーン、それに同調するのがマジーヌと、今までジュランやガオーンに比べて割りを食いがちだった2人にここのところ、ちょこちょこスポット当ててフォローしてる感じ。

ゾックス兄妹の読み通り介人はそんなやり方に反対。更にジュランも、ビックリバコワルドを放っておくと、そのうちにどんな被害が及ぶかわからないから早く倒すべき、と主張。

確かにこれまでも、キノコワルドやレトロワルド、ホシガキワルドとか、作戦が第二段階に移ると被害が深刻化するワルドが少なからずいたもんな。

 

この、

・ワルドを人質にハカイザーをおびき出そうとするゾックスと、平和の為に一刻も早く倒すべきなゼンカイジャー

の構図って、何かに似てると思ったらルパパトの、

ビークルを奪った快盗をおびき出すためにギャングラーとの戦いを引き延ばそうとする圭一郎と、それに平手打ちを喰らわしたつかさ

だった。

ちょっと脱線すると、パトレンジャーはルパンコレクションやビークルの力自体は認めていて、自分たちの戦力増強のためにルパンレンジャーと争奪戦もする。でも、それが怪人の金庫の中なら取り出すより平和のため倒す=金庫ごと破壊することを優先する公的戦隊だった。(ただし最終回のつかさには金庫のコレクションを気にする台詞があって、それがノエルへの配慮なのかもと疑ってるけど)

私的戦隊のゼンカイジャーも、介人には「両親を取り戻す」というルパンレンジャーと同じ願いもありながら、スタンスはしっかり公的戦隊そのものなんだな、と思う。

 

(なお愚痴になるけど、パトレンジャーにとってビークルは大事だけど戦う為の手段にすぎず、平和や目の前の人命優先の為なら手放したり破壊したり出来る物で、そこが自分の私的な願いとの板挟みになるノエルの辛さや迷いに、今回のステイシーの半分でもスポットを当ててくれていたら、一部の風当たりももう少し和らいだのではと思うと、それを徹底的に阻んだ諸般の事情が悲しいよ)。

 

だけど、そんなゾックス一家の前に現れたのは、ハカイザーではなくバラシタラ。その途端、ビックリバコワルドは弱々しかった今までの芝居を棄てて凶悪な本性をむき出しにし、縛られたまま倉庫内にビーム攻撃。倉庫内の至る所に発生したビックリバコの中身が界賊一家を襲う。

ハカイザーはバラシタラの配下ではないけど、父親だと分かったらゼンカイザーは取り戻そうとするだろうからビックリバコワルドには弱々しいふりをさせてわざと捕まり、そこにバラシタラが合流して一気に殲滅って作戦か。

バラシタラってプライベートでは息子の変装にも入れ替わりにも気付けない駄目親父なくせに、軍人としては親子の情を嫌らしく作戦に取り入れるんだな。

ゾックスはビックリバコワルドの光線をギアダリンガーに受けてしまって蓋が閉まらず変身不能。フリントはビックリバコから出てきた男から弟たちを庇ってダメージを受け、倒れてしまう。

罠を仕掛けたつもりが裏をかかれて界賊たちは一転、この世界に来て以来最大のピンチ。

 

その頃街では、ビックリバコのスケールが超拡大して、突然地下から飛び出したバネに人が飛ばされたり建物が破壊されたりなど、やっぱり作戦第二段階の被害は甚大。介人たちのヒーローとしてのスタンスが正しく、それを外れたゾックスたちは窮地に陥っているという対比が、今回は界賊に対し容赦ない。まあそれも元は介人のためなんだけど。

救助にあたっていたところに双子から事情を聞いて、介人たちは絶体絶命のゾックスの元に駆けつける。

ギアトリンガーの蓋が閉まらないから変身出来まいと嘲笑うビックリバコワルドに「出来るよ、仲間がいればね」と介人がにっこり。

どうするのかと思ったら1人が操作する時に、隣の仲間がその蓋を抑えるだけ。

仲間がいるから補え合えるという見せ方に、こんなにもシンプルで超他愛なく、でもわかりやすくて素敵な形があったのか。唖然として、笑うと同時に感動してしまった。これは、背後にに1人で転がってるゾックスには出来ないよね。

介人は変身し終わると今度は倒れていたゾックスも起こして、蓋に手を充てる。

助けて貰ったゾックスは、抑えてくれてる介人に構わずに、なんかいつもよりムキになって踊る(汗)。ここでしおらしくなってたまるか!みたいな意地だろうか。

「どうしても踊らなきゃいけないんですか?」と真顔で呟く倫太郎が脳裏に浮かんだ(笑)。

 

ビックリバコワルドとバラシタラにはスーパー化した介人とゾックスが対応。キカイノイドたちは、救急戦隊55Vのギアを使って炎の中倒れているフリントを救助。ジュランたちキカイノイドが、ここまでがっつり界賊側の誰かを直接助けたのは初めてかな。ゾックスも色では呼ばなくなってはいたけど、これでまた距離が縮まるならいいな。

 

その頃、充電完了したハカイザーは戦いの気配を感じ取り、イジルデの意向を無視して戦いの場に駆けつける。

バラシタラ的にもお呼びじゃないんだけど、ハカイザーは自分が誰の配下とか関係なく、あくまでワルドを守るのが自分の役目というスタンス。でも何がなんでも守るという悲壮さは感じなくて、なんか本当はゼンカイジャーと戦えるのが楽しい方が上回っているような。

介人はハカイザーから「父ちゃん」に戻そうと呼びかけながら戦い、追いかけて来たステイシーは、暫くそれを見守り、たぶん迷った後に「済まない、ヤツデ」とおやつ券を握り潰して変身。ハカイザーは渡さないと割って入る。

もし仲間になる前だったなら、ステイシーは美都子の時以上にヤツデさんに実子を帰してやろうと暗躍したかもしれない。

介人はステイシーに仲間を作るよう促し仲間が出来た事を喜んだ。最終的に自分がステイシーと友達になる未来を見ていたと思う。

けど、その結果、ステイシーはそんな思惑から外れた道を選び、現時点では父親を取り戻す障害として跳ね返ってきてしまったのが皮肉だな。

 

初めて出来た仲間を選び、カラフルのおやつ券を握り潰すステイシーは、外の世界に友達が出来たからカラフルに来なくなった諒くんと同じなのかもしれないと思う。

たぶん少年の成長としては正しいんだろな。でもその仲間が無理やり拉致され洗脳されている時点で、築いた関係は所詮、砂上の楼閣なんだと思うと悲しい。

 

ハカイザーは「渡せとか譲れとか、やめてくれえ。俺の仲間は、俺が自分で決める~!」

自分の意思を強く打ち出しているんだけど、所詮は洗脳の土台の上に築かれたキャラなんだと思うと哀れにも思う。

介人にも「自分で決めるなら、やっぱり本当の父ちゃんに戻ってからだ」と、真っ当なことを言われてしまう。

でもそれを「黙れ!お前ばかり何でも手に入れさせてたまるか!」と理屈でなくネガティブな私情全開で否定してくるステイシーが悲痛。

 

一方ビックリバコワルド担当のジュランたちはノリノリで圧倒し、キャノンを撃つ役を譲られたブルーンが「いいんですかあ?嬉しいなあ」とぶっ放したら反動で上半身だけ吹っ飛ぶ。今年1番じゃないかってくらい笑った。免疫力アップに良い番組だとつくづく。

 

それを見てショックのハカイザーをステイシーが慌てて抑え込むようにトジテンドに連れ帰る。1度そちらに舵を切ったら、もう失うのが怖くてなりふり構っていられずに執着する姿を晒すんだな、って感じが痛々しい。

バラシタラはゾックスを地面に転がしつつ「命拾いしたデアルな」と自分の勝ちを印象付けて撤退。スーパーツーカイザーがバラシタラより弱い、とはっきり見せつけられたのが、ちょっと悲しい。

 

巨大戦は今回はセンタイジュウオーなので着ぐるみ撮影か。ビックリにはビックリ返しと、マジブルーンがぬぬぬマジーヌでなぜか「スターどっきりマル秘報告」の寝起きドッキリをワルド相手に再現。最初何が起こったか分からなかった(汗)。懐かしかったけど、ちびっ子たちも絶対に元ネタなんかわかるまい(笑)。こういうネタ本当に好きだな加藤監督(笑)。

今回もゼンカイジュウオーとマジブルーンで撃破。販促事情なのはわかるけど、そろそろジュラガオーンもまた見たい。あの合体バンク雑談コーナーも随分とご無沙汰だと思うとちょっと寂しいな。

 

戦い終わった夜のカラフルでは、介人が2度とあんなやり方はするなとゾックスにお説教。やり方の是非だけでなく、今回はゾックスとフリントが危機一髪だったからってのもあって余計に真剣。渋々従いつつ手遅れになることを危惧するゾックスだけど

「手遅れにはしない。絶対助ける。今回みたいに(にっこり)」と、今日のことを引き合いに出されると弱いよな。

店の外で待っていた妹弟たちに「仲間が出来るってのは、面倒臭えな」と呟いて、満更でもなさそうに口の端で笑うゾックスが素敵。更にその後今晩のご飯のリクエストを聞かれ「イカそうめんかな」と渋いところをつく意外性も良い。

ゴーカイジャー12話のラストで今夜は豚丼だと言われ「手羽先が良かったな」と呟くジョーが、ちょっと被った。

 

敵の仕掛けた変身封じを仲間との連携で打開するゼンカイジャー

やっと出来た仲間を失いたくなくて、慕っている人の息子だけど帰さない道を選ぶステイシー。

仲間の望みを叶える為に仲間の喜ばない方法を選んで咎められ、仲間が大事だから気持ちを尊重して渋々従うけど満更でもないゾックス。

仲間仲間仲間。仲間が出来ると、1人では出来ないことも出来る。一方で心が乱れたり、面倒臭かったりもする。そんなあれこれがいっぱい詰まった素敵な回で、面白かった。