キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー29話感想: その女に手を出すな

冒頭、ヤツデさんとマジーヌはオープンカフェのお洒落な季節限定スイーツで秘密の女子会。ヤツデさんなりに紅一点で元々は内気なマジーヌを気遣ってるんだろな。他のキカイノイド男子たちから見たら贔屓だから内緒にして。

ゼンカイジャー は差別を否定した作風だけど、それは「皆同じ」ではらなくて、個々の違いは尊重する。「マジちゃんが好きだと思ったんだよ」ってあくまで個人を見た上で、男女間で生まれやすい嗜好の差を大事にするバランス感覚は好き。

 

その頃、配達中の介人の前に、またもステイシーが現れて戦いを挑む。

これに介人は「あー・・・でもあと1件配達が残ってて・・・そうだ!お店でちょっと待っててよ。ヤッちゃんも会いたがっ・・・」と、友達から遊びに誘われたみたいなリアクションで、命を狙われているという緊張感皆無(笑)。

「ヤッちゃん」を出されて自分を惑わそうとしたと怒ったステイシーが構わず攻撃してくると

「ちょっと待って!ストップ、わかった、ごめん」と謝って変身し「やるからには勝って、お前をカラフルに連れて行く!」と、あくまで友達に対する姿勢を崩さない介人はやっぱりもう、そのスタンスに一切迷いがない。

 

ステイシー来襲の知らせに、店番中の野郎キカイノイド3人は飛び出し、マジーヌもカフェを後にする。

でもその直後にテニスワルド出現。紫のミニスカート姿に紫のサンバイザー、黄色いテニスボールを繋げてお蝶夫人の髪型を再現するというデザイン力が凄まじく、もう笑うしかない。

そのスマッシュを食らった人々はテニスボールにされてしまう。ヤツデさんもやっぱり、自分よりその場にいた客を逃がすことを優先したため、テニスボールに。目を貼り付けた位置にボールの白いラインがあって、なんだか泣いているようにも見え、これがめっちゃ可愛らしい。。

騒ぎを聞きつけ戻ってきたマジーヌはヤツデボールを回収し、遅れて参戦したゾックスが応戦している間に、介人たちの所に知らせに行く。

ヤツデさんの一大事に介人たちは介人たちは「タイム!」とこれまたゲームのノリで戦いを中断。ステイシーもヤツデの受難に動揺し、その場を去ってしまう。

一方ゾックスは、自分の攻撃がテニスワルドに効いていないことに気づく。テニスワルド曰く「私はテニスでしかダメージを与えられないテニス」とのことで、実は超厄介な強敵だった(笑)。

 

トジテンドではテニスと聞いて呆れたボッコワウスがバラシタラをボール扱いしてゲゲとラリーを始める(笑)。音がテニスというより卓球だけど、ボスのドスンで部下が跳ね上がるお約束芸の見せ方が1つの到達点に至ったようで感慨深い。

結局テニスでしか倒せない防御力の高さを認められて事無きを得たけど、こんな屈辱的な扱いをされても怒らずむしろ何とか乗り切った感すら見せているバラシタラに、若干同情した。

 

テニスでしか倒せないならテニスするまで、とゾックスが皆のコーチを買って出る。実写版「エースをねらえ」でよく見かけた気がする室内テニスコートで、テニスウエアを身につけた一同・・・野郎キカイノイド3人が、上はそれぞれの体色と同じ色のウエアなのに下が全部ピチピチの白パンツなのが微妙に間が抜けていて嫌(笑)。

テニスは漫画で覚えたというゾックスは、キカイノイドたちの素人ぶりに苛立ち介人を指名すると、華麗なラリーの末に強力ショットで吹っ飛ばす。

演じる増子さんが本来右利きなのに左手にラケット持ってるのは、ミュージカル「テニスの王子様(略してテニミュ)」で演じた役の影響だそうで、昔からニチアサはテニミュ経験者が多いみたい。

「テニスは格闘技」ってどんな漫画で覚えたのか知らないけど、ゾックスの狙いは敵を倒せる破壊力を持ったショットを体得すること。それに向けて崖登りや川での手拭い振り、滝に打たれるなど様々な特訓模様が4分割画面で描かれる。どうやらこれらもテニミュに紐付くらしい。

私は未見だけど、この回は全編全力全開でその作品のパロディをぶっ込んでいるようで、東映公式が、やり過ぎたと慌てて関連映画作品を宣伝する形でフォローしてる(笑)。未見でも十分楽しめたけど、ネットの熱狂ぶりを見た感じ、知ってる人は絶対に私の数倍楽しんだに違いないと思うとちょっと悔しい(笑)。

 

そんなゼンカイ界賊合同訓練を陰から見守りながら「あれで本当にヤツデを助けられるのか」と苛立つステイシー。その脳裏に、母親からテニスを習った幼い頃の思い出が蘇って「またバラシタラに奪われるのか・・・」と、相変わらず彼の周辺だけはシリアス。

 

特訓に鍛え上げられたゼンカイチームは、人々をまたテニスボールに変えていたテニスワルドの前に立ち、テニスで勝負を挑む。テニスワルドは「よくってよ」とお蝶夫人全開な台詞(念のために言っておくと声優さんは男・汗)。「相手して差し上げるテニス」とラケットを振り上げると場面が一転、いつもの爆破の聖地岩舟山にテニスコートが出現して、もうそれだけで大笑いしてしまった。

ボールが変幻自在に軌道を変えてぶつかると文字通り爆発するテニスワルドのショットにジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーンと次々敗退。

残る介人とゾックスにダブルスを促し、テニスワルドは分身して対応。放ったボールも無数に分身して、もうテニスの試合中とは思えない爆発から身を守るため、介人とゾックスは変身。ラケット持って格好よく名乗りポーズ決めるな(笑)。

「よくってよ」とテニスワルドが繰り出す分身してショットを、ゾックスがスーパー化してスピードで対抗するなど、2人は善戦する。けど、手応えを喜び威力を増すテニスワルドのショットの容赦ない火力(汗)に最後は吹っ飛ばされて変身解除。だから岩舟山なのねと改めて納得した(笑)。

それでも2人は立ち上がり諦めない闘志を見せるものの、スーパーツーカイザーは初の敗北、耐久性のあるスーパーゼンカイザーは見るからにスピードに対抗出来なさそう、ともう打つ手無し。追い込まれた所に、ステイシーがひらりとネットを超えてきて「選手交代だ」と告げる。

いつもの衣装と180度違う白いテニスウエアに長めの髪を1つにまとめ、サトシと名乗ることで、テニスワルドも自分の上司の息子とは気付かない様子(ブルーンの「王子様みたいです」は絶対狙ってる・笑)。

まあ印象がガラリと変わってはいるし、トジテンドなら気付かなくても仕方ないかなと納得はする。ゆるゆる敵組織だとこういう時に便利で、香村さんはその緩さを存分に作劇に活かしてる感じだな。

「お前らは基本がなってない。黙って見てろ」と漫画で覚えたゾックス&彼にコーチされた面々のスキルを真っ向否定したステイシーもといサトシは、ゾックス曰く「基本に忠実なパーフェクトなテニス」でテニスワルドと堂々渡り合う。なんだか宿命のライバルがボールで会話してるアニメみたいな、カメラが2人の周りを自在に泳ぎ回っているかのようなカメラワークがじわじわ来る。

「テニスは好きだが、(ヤツデをあんな目に合わせた)お前は嫌いだ」とステイシーが執拗に顔を狙って放つショットが、遂にネット模様の仮面を弾き飛ばした。これがないとテニスパワーのご加護が激減、つまり防御力がガタ落ちするらしい。

してやったりのステイシーはキラキラエフェクトと共に長く残したサイドの髪を靡かせ、すっかりゼンカイ世界の住民の趣(笑)。「今なら攻撃が通用する」とわざわざアドバイスしてコートを去る。

勢いづいたゼンカイ5人が変身して、テニスワルドに駆け寄った審判もろとも一網打尽のトドメ。

ヤツデさんたちが元の姿に戻り、介人はスーパーゼンカイザーの姿のまま、相手の渋いリアクションにも構わずボディタッチしまくって感謝。更にゾックスも、「お前、面白い所あんじゃん」。

14話で介人とゾックスの決闘を仕組むも「だっておまえより、介人の方が面白いんだよ!」という理由で裏をかかれてから15話目、ワンクール以上経て遂に面白さを認められたのが心を揺らしたみたいで、「うるさい・・・!」と明らかに動揺しながら去るステイシーが可愛い。「お前は面白くない」と突きつけられたこと、実は気にしてたろ?

 

今回の敵はスーパー化でも倒せない強敵で、ステイシーが加勢しなければ負けていた。ヤツデさんの受難がなければこの展開はなかったと思うと、テニスワルドの敗因はズバリ、ヤツデさんに手を出したこと。彼女に危害を加えようとすると、ゼンカイジャーだけでなくステイシーも水面下で敵に回ることになるんだな。まさに「その女に手を出すな」。

ただし、もしヤツデさんの存在とステイシーの思いがトジテンドに知られると一転、彼女を人質に取られたりしてゼンカイジャーだけでなくてステイシーもエグい決断を迫られる可能性もある。

後半戦スタート早々、ヤツデさんのヒロイン力が全力全開で止まらない。番組開始時に「ヒロインが祖母」って説明が公式からあった時、話半分で聞いてた自分を殴りたい(汗)。

 

ダイテニスワルドにはまずセンタイジュウオーで挑むも、ラケットを持っていなかったために敢えなく変身解除。こんなふざけた怪人のふざけた回なのに、これまで無敗の最強ロボが初黒星って、鳴り物入りで登場したバトルシーザーロボ2世とブラックジュラガオーンは泣いていいと思う(涙)。

ここで5話ぶりのブルマジーンに選手交代。魔法が使えるからラケットも出せるし、飛べるからネットを高くされても更にその上からトドメのショット。断末魔は「コートでは誰でも一人きりテニス」と、余韻はしっかり「エースを狙え」(笑)。

「ベストを尽くした結果です!」とキカイノイドたちの特訓の成果はなんとかロボ戦で活かされた感じかな。まあ持てるポテンシャルを全力全開すればブルマジーンはかなり強いと思うけど。

 

戦い終わって、カラフルでは、ヤツデさんが自分のためにボロボロになって頑張ってくれた戦士たち一人一人にタオルを渡して労い、深々と頭を下げる。

でも今回はサトシのテニスが強かったおかげ。そうゾックスが告げると、介人はちょっと戸惑ってから「また、うちの店、来てくれるんじゃないかな」と告げる。希望的観測なんだけど、介人の決意表明でもあるんだろうな。

それを聞いたヤツデさんの全力全開の笑顔が、とても綺麗だと思った。

ステイシーはここまで陰ながらヤツデの為に幾度となく暗躍してきたけど、誰からも気づかれなかったんだよな。でも今回初めてゼンカイ側とヤツデさん本人にも認識されて、なんか報われた感ある。

そんでサトシと伝えたのが介人でもキカイノイドでもなく、今まで敵対するだけだったゾックスなのもちょっと嬉しい。

介人やキカイノイドたちだとヤツデさんの気持ちを慮るあまり、サトシの正体がステイシーだとバレるのを恐れて迂闊に言い出せない部分もありそうなんだけど、ゾックスならズバッと行ける。彼が時々船を貸して同居したりとカラフルにいることが多くなったのは、そういう意味でも効いてるなと思ったりする。

そんで数話前までの、ヤツデのためにはサトシの正体を知らせず倒し秘密を墓場まで持って行くべしという考え方も、今回面白さ認定したことで変化してきてるのかな。

 

一方ステイシーの方は、トジテンドに戻って来て「僕は何をやってるんだ」とまた自己嫌悪モード。

「全力全開!ちょわー!」の時もだけど、正義も悪もゼンカイ脳にどっぷり浸かった世界でシリアスの最後の砦と言われながら、「ヤツデの為」というシリアス理由を大義名分に掲げて躊躇なくこっちの世界に足を踏み入れ超ド級の破壊力を見せつけては、こんな風にシリアスの世界にすっと戻って来るのがホント狡い(笑)。

そこにイジルデが「戻っておったか」と声をかけると、ステイシーの影から突然、見たことのない赤白黒のバトルスーツを纏った戦士が襲いかかる。その攻撃を避けたステイシーにイジルデは「新たな実験兵士だ」と不気味に笑って、続く。

 

イジルデの様子からは、突然乱入してきてテニスワルドの敗因を作った白いウェアの少年「サトシ」の正体がバレたという雰囲気は感じられない。まだトジテンドにバレてステイシーがマズい立場になったりはしなさそうで良かったと思う。ゲゲがどこまで把握しているかは気になるけど。

でも反面、バラシタラには敵将としてそれなりに目配りの利く奴であってほしかったり、父親としていくらモニター越しでも息子の顔くらい見分けて欲しい気持ちもあって複雑だ。

 

なお、謎の(と言っても正体はもう1人しか思い浮かばない・汗)新戦士の名前はハカイザーって(笑)。