キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー30話感想: ハカイザー登場、正体隠しスキルの差が狂ってる

おかしいとは思ったんだ。

冒頭でカキワルドがいきなり登場して「柿食えば鐘が鳴るなり砲」を世界に放った時、何?今回の怪人デザイン・・・って。

マスクの両側はいかにも柿らしいつるっと丸いオレンジの頬。でも明らかに継ぎ目があって、それに挟まれた顔の中央は色がもっと黄色く筋みたいなのがうねうねして顔のパーツを表現してる。頭のヘタも触覚に見えて果物というよりなんだか蜂の顔みたい。

テニスボールでお蝶夫人の髪型を完全再現したテニスワルドの秀逸デザインの後だったから余計に、ぶっちゃけハズレデザインに見えた。もうちょっと何とかならなかったのかなって、この時は。

 

鐘が鳴るなり砲は、ただ大音量で人々を苦しめるだけで目的不明。駆け付けたゼンカイ5人に聞かれても答えず、なら倒しちゃえば同じだとゾックスも参戦した時

「やめろお、ゼンカイジャー」とイジルデの新戦士が木の上から降り立つ。「機械のパワー、ハカイザー」

先週の東映公式がやたらと「この名前にだけはしたくなかった」云々とか言い訳していて(笑)、そりゃあ東映特撮ある程度見てれば誰でもハカイダーを連想するよね。

ゼンカイザー、ステイシーザー、ツーカイザーと来て次に敵側の新戦士を出すならこの名前が一番しっくりくるんだという言い分もわかるけど、でも追加戦士デザインに堂々とゴーカイのデザインパクってるスタッフさんだから、「そんなの建前で確信犯だろ」と言いたくなる(笑)。

デザインは普通に格好いい。ヒーロー番組の主人公と言われても納得する。そんでネットで何人もの人が指摘してくれた、体に「父」の字(汗)。前回登場した時からその正体はもう決まってるだろって感じだったけど、答を体に書いてくるな(笑)。

なおここまで、

ゼンカイザー→アカレンジャー

ステイシーザー→バトルジャパン

ツーカイザー→ゴーカイジャー

と皆デザインモチーフが過去戦隊の赤なんだけど、ハカイザーは一見すると私にはそこまで過去戦隊味を感じない。設定的にはウルザード(ファイヤー)っぽいからマジーヌと戦隊が被るけどそうなのかなと思って見比べたけど、言い切れる程ではないのかな。

 

「俺はワルドをガードするためにイジルデに作られた機械戦士だ」

「ってことでぇ、邪魔する奴らは全力でハカーイ!」

東映が「史上最高に爽やかな敵」と言うだけあって、ハカイザーは名前の割に台詞が妙にポジティブでヒーローっぽい。棒読みだけど。

ただし敵としては強い。独りで普通にツーカイザー含む6人まともにふっとばさて、ここまでゼンカイジャーの怪人やバラシタラにすら感じなかった強敵感。

持ってる武器、歴代スーパー戦隊のマスクが並ぶゼンリョクハカイ銃は更に凶悪で、チャンバラパワーを選んで操作するとニンジャレッド、ハリケンイエロー、シンケンイエロー、キニンジャーという黄色の和風戦隊をセレクト召喚。ステイシーザーのギアトジンガーより器用みたいだけど、あちらは強化戦士を出せるんだよな、と思っていたら黄色戦士たちが普通に強くてツーカイザーからもダウン取ってる(汗)。

その機を逃さずカキワルドは鐘が鳴るなり砲をゼンカイジャーたちにも喰らわせて逃走。

ハカイザーも「よおし、カキワルドを守ったぞお!じゃあなっ!」と爽やかな達成感丸出しで撤退(汗)。

やばい。面白い。前回ステイシーの影に潜んでたし、利用されて実の息子と戦わされるんだからどんだけシリアスなキャラが出てくるのかと身構えてたら、秒でゼンカイの作風に馴染んでた(笑)。想像の百倍くらい爽やかで軽くて気さくで前向きな、まるでヒーローみたい。

そこにホッとしたり笑ったりする反面、恐らく素の性格や口癖はそのまま、特に言葉の使い方に介人の父っぽさをたっぷり感じさせたままで悪事の片棒担がされているエグさ哀れさも感じてしまう。

 

トジデントでもハカイザーのデビュー戦の評価は上々。イジルデは、ステイシーに続く実験兵士で今回は(ステイシーがスーツを着るステイシーザーとは違い)イチから作った機械の戦士だと強調する。やっぱり五色田博士夫妻の技術をぱくったことはボスにすら秘密で全部自分の功績にしたいみたい。

「ふうぅん、イチからねえ」とそれを見透かしたようなゲゲが相変わらず不穏。

ステイシーザーより性能が上がったように見えるとの評価に「ですかね?まだ比べたことないですけど」とハカイザー。なんとなく、ちゃんと確かめないことは決めつけない、科学者の精神を感じた。

ステイシーは前回大活躍したせいか、今回はこうやって比べられて不機嫌になり退出するだけ。本人に対してはザマミロ的態度ながら息子が去ると暫く見送るバラシタラにちょっと秘かな親の情を感じたい(しつこい)。

 

セッちゃんはハカイザーとハカイ銃の正体を突き止め、カラフルに戻ってきた介人たちに、まくし立てる。銃に見覚えがあり博士たちの残したデータを調べて組み合わせたら、同じスーツと銃が出てきたと。ハカイザーは元はゼンカイザーのデザイン候補の1つだったもので、ハカイ銃は正式名称ゼンリョクゼンカイキャノン。

これでイジルデが五色田博士夫妻から技術を盗んでトジルギア開発にも利用したことが、ゼンカイジャーたちにも把握された。イジルデからその技術を更にぱくったのが界賊たちのシステムだということも。2話でイジルデの見せた「偶然だな」の狼狽え方が伏線だったことも確定。

だけど判明したその真実をどうこう言う前に一同が驚愕したのは、やかんの注ぎ口から直接水を飲み続けるヤツデのあられもない姿。前回はテニスボールにされた姿も可愛らしく、ステイシーを秘かに寝返らせる圧倒的ヒロイン力を見せつけたヤツデさんのこんなお行儀悪い姿を見せてくるとは(笑)。全力で演じてくれてありがとう郁恵さん。

介人たちは自分たちも喉がやけに乾いてサイダーを手にしたことに思い当たり、同じ頃ゾックスも船にあるだけの飲み物を全部飲み干してなお渇いていた。

 

街でも人々が渇きに苦しみ、水道の蛇口を争うという、ゼンカイジャー史上屈指のガチな地獄絵図。

それを嘲笑いながら姿を現したカキワルドは、顔の両側を外してシワシワの頬を露わにし、自分は実はホシガキワルドだと正体を明かす。これにはホントやられた(笑)。最初ハズレデザインとか言っててごめんよ。

まさか正体隠すために語尾まで合わせて騙してくるなんて思わなかった。ワルドの語尾は本人の意識付けの為に言わせてるものだから、こういう目的のためなら変えることは可能なんだけど、語尾で正体がバレたこともあるのを今回は逆手に取っていて、こういう所にも脚本香村さんの知力を感じる。

でもちょっと待て。ハカイザーは一応幹部ポジションで、ホシガキワルドはいち怪人。普通なら正体隠しスキルは幹部の方が上でしかるべきなんじゃないの?雑魚怪人がこんなに用意周到に正体を隠してるのに、幹部の答えが体に書いてあるの狂ってるだろ(難癖)。

って、ぶっちゃけ「体に父って書いてやんの(笑)」と笑ってたらワルドにまんまと騙されて、結構悔しいからの八つ当たりですすみません(笑)。

 

カキワルド改めホシガキワルドの能力は、鐘が鳴るなり砲を聞いた者の体内から水分を奪って干からびさせること。

なんて凶悪な能力。一緒にビーチバレーを純粋に楽しんだ敵もいたというのに、ここまでガチで殺しに来てるワルドは久々かな?

なお私は今週ワクチン接種の副反応で熱が39.1度まで上がり、脱水対策で水ばかり飲んでいた1日を経験したので余計に恐ろしく感じる(怖)。

 

介人たちはゼンカイジャーに変身するも、喉が渇き過ぎて名乗りの勢いも急激に萎み、力が出ない。もう文字通り絶体絶命って言って良い感じの彼らの前に出現したのがなんと給水所(笑)。

界賊一家総出で紙コップに水を注ぎまくってる。彼ら、特に基本非戦闘員フリントの、直接変身して戦わなくてもこうして折々着実に役に立ってる感じは手堅いなと思う。

ゾックスとゼンカイジャーどちらかが戦ってる間にどちらかが駆け込み変身を解いて給水という戦術のアイディアもテンポも良くて見応えあった。

こうなるとホシガキワルドは、まあワルドってそういう敵少なくないんだけど、能力が凶悪な代わりに直接の攻撃力は大したことないっぽくて、たちまち追い詰められる。

でもそこにハカイザーが乱入。「ホシガキワルド、諦めるのはまだ早いぞ?」と台詞もヒーローっぽく優しく、給水への道を阻むと、銃から今度は「サイエンスパワー」を選んで、デンジブルー、ダイナブルー、ブルースリー、タイムブルーとブルー戦隊をセレクト。

偽物ブルーたちは渇きに苦しむ介人たちを圧倒し、「スーパー戦隊、ありがとうホシガキ」と怪人側に言わせるのが酷い(笑)。

なおハカイザーは給水所とゼンカイジャーたちの間に立ちはだかっていたから、振り向いてフリントたちを攻撃されたらもう終わりだと一瞬ヒヤッとした。けど、ハカイザーには武装してない相手特に女子供に刃を向ける発想はないみたい。

 

倒れて苦しむ街の人々の姿が挿入されて危機感を煽る。ヤツデさんもやかんの水が尽きたのか、倒れて頬が土気色になってて凄いメイク(汗)。

このピンチを打開するために、介人は自分が独りでハカイザーを抑えるからその間にカキワルドを倒してくれと提案。時間が経つほど渇きが進んで苦しさが増すこの作戦の頼みの綱はひたすら根性。

(こういう時に、マジーヌなら魔法でもっとなんとかならなかったのかなとつい思っちゃうのは厄介かな。あと前回滝パワーを獲得して自分の消火をしたブルーンも・汗)

ハカイザーは根性で戦う介人にかける言葉も「頑張るな!ゼンカイザー、給水行かなくて大丈夫か?」と爽やか全開。まあ行ったら撃つ気満々だけど。介人は父母が世界を守るために作ったその銃を世界を終わらせるために使わせてたまるかと反撃のパンチを叩き込む。

更に「このままじゃミイラになるだけだぞ」と給水を促されて「そうなったら、世界初!世界を守るミイラになってやる!」とたぶんあくまで本気の言葉を叫ぶと、ハカイザーは妙にツボに入ったのかいきなり笑い出した。ゼンカイらしいトンチキな場面とも言えそうだけど、戸惑う介人のカットが入ったり、妙に不穏な感じに強調されてる感じ。

笑ってる隙を突いた銃撃で弾け飛んだハカイ銃を争って2人は空中で激突し、介人が銃の奪取(奪還)に成功。その手に持ち替えた途端、ハカイザーが持ってた時には隠れていた銃のもう片面が表に出る。そこには思いっきりゼンカイザーのマスクと同じ配色のデザイン(汗)。

メタ的にはゼンカイザーの武器として発売するんだから当然という大人の事情丸出し。けど、物語的には「イジルデ、お前それもうちょっとどうにかしようと思わなかったのかよ(笑)」というツッコミは入りつつも、それだけ博士たちの技術丸ぱくりだったのか・・・とキャラの残念さの範囲に収まってくれてる気もする。

セッちゃんのアドバイスで介人は奪ったばかりのハカイ銃改めゼンリョクゼンカイキャノンを、ホシガキワルドに向け、ジュランたちがハカイザーを抑えている隙になんか全スーパー戦隊のレッドの顔が浮かぶ必殺技フィナーレバスターで撃破。物凄い反動で介人も吹っ飛んだけど、きっといずれ全員で支えて撃つんだろうな。

皆の渇きも解消し、ハカイザーは銃を取り返そうとするも充電切れで「またな!」と軽いタッチで撤退。介人のステイシーへの「また今度!」を思い出して、この緊張感のなさはやっぱり親子だな。

 

クダイテストが「俺参上」とどっかの電車に乗った赤鬼みたいなこと言いながらギアを踏んで、出現したのはダイホシガキワルドではなくどうやら正真正銘ダイカキワルド。

ここは、同じギアなのに厳密にはトピアが違うことになるけどいいの?と引っかかる部分。倒されて解放されたのは果たしてカキトピアかホシガキトピアか。まあカキトピアでも大量に干し柿が作られていただろうとは想像出来るから、これだけ近い世界なら、例えばカキワルドと言いつつ実質ホシガキトピアに変質しかけてたって説明はつくかも(誰が名前を判定してるんだって疑問もあるけど・笑)。そんでワルドもダイワルドも頬は取り外し可能状態で生まれていて、名前と姿と能力を選べる仕様だったりとか。

 

これにまずゼンカイオー2体とツーカイオーが対峙。ブルマジーンが中々出番貰えないイメージがあったけど、ジュラガオーンはなんと21話以来9話ぶりの登場(汗)。合体時に「お待たせしすぎたかもしれません!」「ガオーン我慢してたもんねえ」を聞くと、序盤から声優さんたちのアドリブで合体シークエンスを面白いコーナーに作り上げて楽しんでたりした分、販促の事情とは言え自分たちのロボ登場がない期間が2ヶ月以上も続くのは色々思う所もあったかもな、と、ちょっと申し訳なく思ったり。

イカキワルドの能力は、カキ繋がりで巨大<牡蠣>攻撃、ゼンカイオーを生け花化する<花器>攻撃、それを燃やす<火気>、ともはや駄洒落の領域。カキトピアにおいては、世界の中心にある柿と同じ音を持つ物質はちょっと特別な存在なのかもしれないと無理やり考えてみた(笑)。

「だったらこっちは重火器だ」とゾックス介人が合体して、なんかこっちの合体シークエンスも雑談の場と化している(笑)。ゼンカイジュウオーはいきなりブラスターを喰らわすとトドメ全開。全ロボ4体が並び立ってる絵は初めてってことになるのか。もっと見せてくれても良いのでは?

 

ハカイザーを充電しながらイジルデは銃を奪われたことを嘆くも、ハカイザー本体が無事ならまあ良いみたい。で、それよりハカイザーが得た新しい情報が何か功博士に影響を与えているっぽいことに興奮してる。空中に浮かび上がる功の映像の頭から煙が出ていて、イジルデの狙い「脳に刺激」を表現してるみたい。

ハカイザーの本体の構造と功の関係はわからない。この場面を見るまでは、てっきり洗脳した功本人を変身させていると思っていた。けどこれだと、あくまで功本人はコールドスリープシステムの中にいて、ハカイザーの意思に功の意識というか思考回路?脳の情報が取り出されて使われ、ハカイザーが得た刺激をまた功本人にフィードバックしてるのかな?脳から直接情報を抜き出してギア等を作れるなら出来ないことではなさそう。

そんで今回ハカイザーとしての戦いの中で新たな刺激を受けたとしたら、一番の刺激になったのは間違いなくツボに入って笑い転げた実の息子の言葉「世界初!世界を守るミイラになってやる!」だと思うと、それがどんな発明に繋がるのか見たいなと思う気持ちといやちょっとあんまり考えたくない気持ちとがせめぎ合って複雑だな。

 

カラフルでは勝利を祝って乾杯。ハカイザーは倒せなかったものの、ヤツデさんが息子夫婦の大事な物を取り戻してくれたことに感謝し、介人はこれからはそれを正しく使っていくと誓って、続く。

 

ハカイザーは裏表一切なさそうなキャラだから介人とも本気で戦い本気で銃を奪われたように見える。

けど、センタイジュウギアのデータをセッちゃんに伝えた時みたいに、封じ込められた息子への思いが無意識に呼び覚まされて一瞬防御を緩めさせ、そのデザインが思い切り示しているように、本来その武器を与えたかった者の手に渡らせたのなら良いなと思った。10年越しの、父から息子へのプレゼントだったらな、と。

それにしても。

 

介人がステイシーを倒す

→ステイシー修復の為に美都子を解凍

→ステイシーが美都子を目撃し解凍し直す

→美都子が並行世界に逃走

→残った功の脳活性化のためハカイザー開発

→ハカイザーの武器を介人が奪取し強化

→来週の合体ロボ?

 

と、介人vsステイシー決戦の結果が新たな敵と新たな強化に繋がる後半戦のストーリーの流れが綺麗すぎる。また美都子逃走は捜索の為に船を貸すゾックスがその度に同居して更にゼンカイチームとの距離を縮める事にも、ゲゲの具体的な暗躍にも繋がっていてホント一粒で何度も美味しいなと思う。

香村戦隊って私の目には過去2作は30話付近で

ジュウオウジャー→ゴーカイコラボ時期がズレてホエールお披露目と重なり、恐らくバドとラリーの役割が海賊に振られて出番が後ろにずれる

ルパパト→テコ入れの影響が具体化

と色々本筋が停滞する影響が出たように見えるから尚更、ゼンカイジャー ではパズルみたいな緻密な構成力の本領発揮が見られるのでは?と期待したいな。

 

なお、今回出番の少なかったステイシーについて。

今回ゼンカイジャーは苦しんで苦しんでやっと勝ったけど、前回を見た感じだと、ステイシーにホシガキワルドのせいでヤツデさんが脱水で死にかけてると伝えればソッコーで闇に葬ってくれていたんでは?とついつい思ってしまった。

ステイシーは、介人たちがホシガキワルドを倒さなければ他の大勢の人々と一緒にヤツデさんも死んでいたとは知らない。けど、これまでだって彼女はワルドのせいでゴミに埋まったり数日間徹夜させられたり過去に囚われて笑顔を失ったりしてる。

介人を倒すことはヤツデさんから孫を奪うだけでなくいずれ彼女本人を守れなくなることにも繋がり、もっと言えば介人たちだけで無理ならテニス回の時のようにステイシーが手を貸すしかない。

本当にヤツさんが大事ならいつかは介人と共に戦う以外ないのに、それを直視するのを拒んでるみたいだ。

前は異世界の生物ラブのガオーンの爪の垢でも煎じて飲めと思ったけど、今だとゾックスにもそういう所にズバッと斬り込んでくれないかなと、ちょっと思ったり。