キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー26話感想: 体が新生なステイシー、覚悟が新生な介人とゼンカイジャー

冒頭、体にコードを何本も付けて手術台?の上で目覚めたステイシー。イジルデによる修復が成功して生き延びた。強化改造もしたと恩着せがましく言われていて、改めてこの人は見た目人間でもちゃんと半分機械なんだなと思う。

 

ワイシャツにネクタイの上から作業着を羽織った人々が働く、何か中堅中小の製作所っぽいオフィス。介人が置き菓子を補充している。

「あー、介人くん介人くん」と呼び止められると「ゼンカイジャー頑張ってね!」とエールを受け、嬉しそうに元気に応えてる。この世界らしい素敵な場面。ちょっと介人が痩せたな、と感じてしまうけど。

暑そうだしコロナ感染拡大で気苦労も多いはず。そうでなくても人間の役者は少なくて、のし掛かるプレッシャーも大きいだろうし、毎回何かと体張ってて大変だろうなと思う。どうか健康なまま残り半年、乗り切って欲しい。

なお、声をかけた社員を演じているのはガオーン役のつたむねさん。刑事を演じた高田さん(ゼンカイザー)に続いてスーツアクターさんがエールを送る趣向は気持ち良いから、この後もあるといいな。

 

なお私はこれまで、駄菓子屋の売上で親子2人細々と暮らすだけならまだしも、居候4人抱えながら何かとパーティーまで開いてて大丈夫?と密かに心配してた。まあドラマだからありだけど現実は厳しくね?と。

でも、職域販売という説得力満点の答えに「考えが足りずすみませんでした!」って気持ち(笑)。

ヤツデさんの人徳もあって昔から頼んでる人もいそう。だけど、きっと今はそれ以上に、無償で命賭けて世界を守ってるゼンカイジャーを支援する意味もあって、他にもカラフルの置き菓子頼んでる企業が増えているんだろな。それでこそあの優しい世界だと嬉しくなった。

 

外に出てきた介人の前にステイシーが現れた。衣装がマイナーチェンジしてる。物語的には強化改造を視覚的に表現してるんだろうけど、見るからに風通し良さそうな素材になっていて良かった(笑)。

ん?倒されて改造したタイミングで衣装も夏仕様に変わったって事は、寒くなる頃にもう一回倒されて改造され更にゴージャスな冬仕様の衣装になると期待していいのかステイシー?とメタな期待をしたくなる。前の衣装も好きだけどまさかパワーアップ前仕様に戻らないよね?とか。

 

介人は自分の手で倒した相手が生きて元気そうなのを喜んで、ステイシーがのけぞるくらいぐいぐい話しかけてる。敵だと知る前にタコ焼き屋で遭遇した時みたい。無邪気に新しい服も褒めたりして、これが介人の偽らざる本心なんだな。覚悟決めて決闘したのはステイシーの気持ちに寄り添っただけだったんだなあとつくづく。

 

それでもステイシーの方は倒す気満々。変身後の姿には右手に盾が加わって、ブーメランにもなる。

やむなく介人も変身して対応。ステイシーザーは装備の分だけ確かに強化されてはいる。けど、介人は後ろから肩車に乗っかるというトリッキーな動きで頭に銃を突きつける決定的なチャンスを作った。そこで撃つのを躊躇わなければ勝てたかもって感じ。

その迷いを突かれて、盾を外した右手からミサイル「シーザー暗黒流星群」を浴びせられてしまう。

トドメを刺されそうになった所にジュランたちが駆けつけて、ステイシーは撤退。

そこまでの戦いをゾックスが陰から見ていた。彼は決闘の前から、介人のステイシーへの迷いに苛立ってるから、またかよって感じかな。根底にあるのは介人への心配だろうけど。

 

独りでゼンカイザーを圧倒したことをボッコワウスから褒められたステイシー。父バラシタラの前でドヤ顔しかけたのも束の間、イジルデがすかさず自分の技術のお陰と猛アピールし、ボスの意識もそっちに向いてしまう。

苦虫を噛みつぶす息子を父親が「残念だったであるな」と煽って、この2人は相変わらずの関係性。息子は今も父を見返すことが最大のモチベーションで、父はそんな息子を冷ややかに見透かしている。こんなんでも最後は父が息子への情を見せて散ったりしないかとついつい望んだりするけど。

 

カラフルでは晩御飯。

介人は昼間の戦いで出来た口の中の傷に酢豚が浸みて痛んでる。

そんな強敵って今日は何ワルドだい?とヤツデさんに聞かれ、一瞬場の空気がゴキッと派手な音を立てて凍りつく演出が、お帰りなさい中澤監督。てっきり当分テン・ゴーカイジャーかなと思ってたから、予想より早く戻ってきてくれて嬉しい。

ブルーンが彼らしく空気読まずに「ステイシーですよ!」とバラして赤黄桃から制裁を受け(笑)、ヤツデさんは「倒されたんじゃなかったのかい?しつこい奴だねえ」と忌々しさを隠そうともしない。ステイシー=サトシだと知らずに「今度来たらね、私が出て行ってやるよ!うちの孫に何するんだい!ってね」と力説。

いかにも孫が大事なお祖母ちゃんらしい盲目的な台詞が、この状況だと却って切ない。通常の敵相手なら何の足しにもならないような無力で滑稽な威嚇。でもステイシーには間違いなく、他のどんな攻撃よりクリティカルヒットしてしまうんだろうな。

 

そのステイシーはイジルデに文句を言おうと訪れた研究室で、眠ったままの介人の母を目撃。ステイシーを救うために人間の血が必要だから一時的に解凍したという。

血だけか・・・。もしや体のパーツを?みたいなエグい想像よりはマイルドな使われ方でホッとする一方、彼女を眠りから醒まして修復を手伝わせ、目を醒ましたステイシーと遭遇なんて展開への期待もあったぶん若干拍子抜け。

問い詰められたイジルデはちょっと口ごもった後、別の世界から攫ってきたサンプルで科学者、ちょっと知識を利用させて貰っているとだけ答える。本当は夫妻の知識がトジルギアの技術の由来だと思うけど、そこはやっぱり隠してるっぽい。

イジルデが彼女の入った冷凍装置を再稼働させて床下に格納し退室した後、ステイシーは、息子夫婦が消えてしまったと語るヤツデさん、おやつ券をくれたヤツデさんを思い出す。

黙って見つめるおやつ券の裏側に書かれた「いつでも来てね!」の存在感が、揺れる彼の心を画面の中で雄弁に語っていて上手い。意を決してシステムを操作すると、収納されたばかりの介人母の装置がもう一度床下から押し上げられてきた・・・。

 

翌日、介人とジュランは買い物帰りに公園で寄り道してブランコ。介人は夕べのヤツデさんの言葉に、彼女から説得して貰えばステイシーと戦わなくてすむかもって思ってしまった。

うん、私も普通に思った。ヤツデさんがショックを受けたとしても一時的で、それが一番手っ取り早いと思ってしまう。

ジュランはヤツデさんを苦しめることになると否定的だけど、正直、そこまでヤツデさんの気持ちを慮って隠さなきゃダメ?と思ってしまう部分もある。まあステイシーが隠したい気持ちは物凄く説得力があるんで、介人に関してはそれに寄り添い過ぎてる部分もあると思うけど。

そこに割り込んで来たゾックスは更に、迷いがあるままではお前がやられると昨日の戦いを引き合いに出し、覚悟を決めて倒すしかないと諭す。偽物回から、ゾックスはゾックスなりに介人を心配してるのがだんだんハッキリしているのはいいな。介人に寄り添う仲間がまた増えていく。

ジュランも今回ばかりはゾックスに同調。ステイシーがどんなにヤツデを慕おうが、介人を倒す決意は変わらないし諦めないんだからと。

でも介人にとっては、一度は倒したステイシーが生きていたと分かって嬉しかったしホッとした気持ちが、本音なんだよな。自分に殺意を向ける相手に対する本音がそれって、よく考えるととんでもないことなんだけど。

話し合いが膠着状態になりかけた時に、「見つけたぞ!」とビルの屋上からステイシー。

新たなギアで暗黒召喚した新ロボは、ブラックゼンカイジュランとブラックゼンカイガオーンが合体したブラックジュラガオーン。ぶっちゃけ戦隊ロボあるあるのリデコ。ブラックver.売る気満々だな。

売上が厳しい中、プレミアムバンダイでのステイシーの装備やロボの販売が好調だから更に稼ごうという大人の事情をひしひし感じるけど、そう言えば今年は劇場版枠に当たる玩具が出てなかった(去年はザビューン関連)から、もしかしてそっちの方かな?

面白えと攻撃的な顔になったゾックスがツーカイオーで対峙。

ガオーンたちも到着すると、ステイシーが次に繰り出したのは、アバレマックスとスーパーゴセイレッド。

強化改造されたら偽物レジェンドも強化形態になったわけだけど、別の考え方するとこれ、強化形態のない戦隊はもうステイシーの手駒にはならないってことで良いのかな?。それでも強化形態ある戦隊は余裕で10超えてるし、比較的近年の戦隊に絞れて良いのかも。

 

キカイノイドたちは迷いのある介人を庇うように戦って、戦闘の舞台は街中を流れる川に移動。仮面ライダーWの劇場版やディケイドのアギト回とかに出てきた場所だろうか。戦隊だとこういう川中の戦いって私はあまり印象がなくて新鮮。ジュウオウジャーの同じ香村中澤コンビ回の大和vsみっちゃんくらい?

そんで何度負けても諦めず自分を倒そうとするステイシーの叫びに、両親の「本気でやりたいことはな、結果を出すまで全力全開!失敗も挽回!何回もトライ」を思い出した介人が、なんか意味不明な叫びをあげながら仮面の上から猛然と川の水でザフザブ顔を洗い出した(笑)。

すんごい斬新で印象的な演技演出で、これをやるためだけに川を舞台に選んだと言われても納得する。

「そうだよな!」「俺だって、諦めなくていいよな!」そんでステイシーに突進し「俺がずっとやられなかったら、いつか、お前の気持ちが変わるかもしれない!」「ステイシー、またうちの店来いよ!やっちゃん、待ってるよ!」「すぐには無理でも、俺も諦めないから!だからみんな、これからも協力よろしく全開!」

介人の覚醒に、ちょっと泣けた。

「な~るほど、そっちの覚悟を決めたわけね。流石だわ」と若干呆れ混じりにジュランが感嘆し、ガオーンたちもすんなり受け入れる。

これこそ本当の介人なんだろうな。視聴者にとってもジュランたちにとっても。

ここに至ると、ステイシーとの決闘は介人がステイシーの意志に寄り添って自分の本意を殺していた訳で、決着回に見えて実はまだ介人の心情的にはステップの途中に過ぎなかった。

そう思うとあの回がイマイチ、ドラマとロボ戦の兼ね合いがすっきりしなかったのも、あまりバッチリ決まり過ぎてもそれはそれでよろしくなかってことなのかなと思ってみたり。

一方で、成功するまで何度でも自分を殺す事を諦めない決意を突きつけられたら、一般小市民の私ならストレスマッハで胃腸炎起こす自信がある。けど、そこで両親の教えなんていう尊い記憶と重ね合わせて仲良くなる事を諦めない方に覚醒するなんて、ポジティブシンキングにも程があると思う。

去年ガルザから憎悪を向けられた充瑠もだけど、ヒーローって神経タフでないと務まらないよな、偉いなと改めて(笑)。

吹っ切れてスーパーゼンカイオーになった介人に「やっぱイケてるわ~うちの介人は!」とすっかり身内贔屓な叔父さんモードのジュラン(笑)を皮切りに、黄桃青も次々と偽レジェンドたちにクリティカルヒットを決めながらの名乗り。トリをスーパーゼンカイザーが務めて、爆炎を背景に決意も新たなある意味新生ゼンカイジャーの5人名乗りがビシッと決まって、爽快感MAX。

 

その頃イジルデの研究室では、解凍状態で放置されていた介人母、美都子が目を醒ました。銀鼠色の布の下はチェックの普段着っぽく、10年前に攫われた時のまんまの服装みたい。「コールドスリープシステム?」と即座に自分の入れられていた装置を理解するのが、服装はラフでもしっかり科学者。

「そうだ、私たちキカイトピアに攫われて」と、諸悪の根源トジテンド王朝でなくキカイトピアという世界そのものに攫われたって認識なのが、ちょっとしんどい。攫われてすぐ凍らされたっぽいから無理もないけど。

「功くん、どこ?」と夫をくん呼びなのがいかにも仲の良い友達夫婦っぽくて、泣きそうに顔を歪めながらシステムを操作しようとするのがリアル。

そこに戻って来たイジルデ。洗面器をガシャッと落として、お前はまたスパに行ってたのか(笑)。

一瞬怯むも拳を突き出し、挑んでいく美都子の掛け声も介人と同じ「ちょわーっ!」でこの母にしてこの子あり(笑)。

イジルデが洗面器から飛び出したギアの1つを踏んづけて転び(石鹸?)あの下半身なんで自力で起きられなくなった隙に美都子が逃亡。うわ、ここから新展開くるか?(わくわく)。

 

偽レジェンドが倒され1人になったステイシーは、以前だったら5人相手に袋叩きだったかもだけど、強化された今はしっかり健闘し、暗黒流星群でスーパーゼンカイザー以外なぎ倒す。強化された介人とジュランたちの戦力差がくっきり出て、分かっているけど物悲しい。

でもセッちゃんのアドバイスカーレンジャーのキーを使うと、ガオーンにイエローレーサーの技、激走メカニックばらしが発動してミサイルのスピードに対応しつつスパナで分解した(汗)。

相変わらずマニアックな戦隊知識が使われている。たぶん戦隊オタク香村さんの案じゃないかと思うけど、折り返し地点を過ぎても殆どサブライターが入らない理由の1つが、他の人ではこの辺りを真似出来ないからでは?と思ってみたり。

なお巷ではなぜジェットマンのギアよりカーレンジャーのギアの方がまともなのかという疑問が散見されてじわじわ来る(笑)。

 

ならばとステイシーの胸のマークから砲筒が出現し、「シーザー蛇王咆哮撃(漢字曖昧)」とかいう暗黒流星群以上の中二病感漂うネーミングの必殺技を放とうとした瞬間、クダイターが現れ、

「あの女が並行世界間ゲートを使って逃げた。至急捜索せよ。直ちに戻れ」

とイジルデからの伝言を伝える。やっぱり呼び捨てで、同格か格下に対するようにぞんざいな口調。

「あの女って・・・」と聞きとがめた介人に、ステイシーは暫く沈黙した後、「お前の、母だろうな」

ヤツデさんをたぶんこの世で唯一大切な人として慕いながら、その孫を必ず殺すと固く決意して、でもその母親を解凍して逃げるチャンスを与え、思惑通りに彼女は逃げた。それは殺したい介人に母親を取り戻すという、自分にはもう決して望めないチャンスを与えることでもある。

人はそんな時、どんな壮絶な表情をするんだろう?

カメラは足元からステイシーを仰いで、顔はよく見えない。元々仮面の下で素顔が見えるはずもないんだけど、見えないことで却っていろいろ想像せずにいられなくなり、ぐっとくる。

宇都宮Pが「後ろ姿の魔術師」って呼んでたけど、中澤監督のこういう表情見えない状態での演出好きだな。

トッキュウジャーで祭の記憶を取り戻したライトの背中

つかさに兄の話を持ち出された時の魁利

「またおいでね」を背中で受けるステイシー

 

介人母の逃亡という大ニュースがその場に衝撃を与え、なおも矢継ぎ早に質問を浴びせる介人を振り切ってステイシーは去った。残された介人はやり場の無い気持ちをブラックジュラガオーンに向け、ゾックスに合体を呼びかける。

ここまでツーカイオー苦戦中。押され気味だけど負けてはおらず、この後の展開を思うとむしろ健闘かもしれない。あまり界賊にハッキリ土を付けたくないのかな?とふと思った。

ゼンカイジュウオーはここまで負け知らずの最強ロボ。だけどその必殺技をブラックジュラガオーンは、分離することで生じたブラックホールに吸収し、逆にミサイルを浴びせ返してゼンカイジュウオー初のピンチ・・・かと思ったら、ステイシーが撤退したせいかブラックジュラガオーンも消滅して戦いは決着つかず。

介人の心が乱れまくってるせいか、直後にゼンカイジュウオーも合体解除。ゾックスが介人に肩車して成り立っていることが判明(笑)。これは中澤監督らしい茶目っ気かな?って気がする。今回全編通じてギャグ少なめだし。

介人はいてもたってもいられず、ゾックスやジュランたちを置いて駆け出し、もしや母が帰っているのではとカラフルに飛び込む。

カラフルではヤツデさんもセッちゃんから美都子の逃亡を聞いて取り乱してる。でもここに戻ってはいなくて、介人は当てもなく街に飛び出して母を捜し回り、続く。

今回良い場面だらけでずっと面白かったんだけど、ごめん、ブランコの側で保冷バックからはみ出して炎天下に晒されっ放しだったネギがどうなったかちょっと気になった(汗)。

 

予告にコオリトピア、カシワモチトピアなど、これまで解放してきた並行世界。美都子を捜してこれらの世界を廻るのか。

ギアに閉じ込められていた世界はこれまで名前を聞いたりワルドの力からどんな世界か想像するだけで、見た事がなかった。だからどうしても「ワルドを倒せばトピアが解放される」というルールへの意識が薄くなりがちだったのではと思う。私も忘れてたし、バカンスワルドを惜しんだ時の介人も、もしかしたらそのせいでバカンスワルドの方に距離感が近くなってたのでは?と思ってしまった。

だから次回で一気に各トピアを見せてくれるのが嬉しい。

介人達が解放してきたことで、美都子が今回逃げ込めて助かる事になるならもっと嬉しい。