キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー13話感想: 加藤監督参戦 サンバで楽しく再生怪人回

介人と買い物に出た道すがら、話しかけた子供ちゃんたちに猫じゃらしでくすぐられて土手を転がり落ちるガオーン。自分がゼンカイジャーになったことで人間ちゃんの方からじゃれてきてくれるのが嬉しくてたまらず介人に礼を言う。なんだろう、ガオーンが人間ちゅわんたちに触れ合えて喜んでるのを見ると、こちらも嬉しくなってきて、ほっこり。

そこにリサイクルワルド登場。ゴミワルドそっくりの姿にリサイクルマークのシール貼っただけの、潔いくらい再生怪人(笑)。人間たちを次々に頭部のバケツに吸い込んではクダックに作り替えて、それをリサイクルと称している。

モチーフと能力の結びつけがいささか強引だけど、香村さんはここんところ必殺奥義「強引でも何でも因果関係があると説明出来れば良い」を獲得してそれを駆使している感じに迷いがないというか、したたかな肝の座りを感じる(笑)。

クダックにされた人たちの中には、さっき自分とじゃれ合った子供たちがいると気付いたガオーンは愕然。彼らが襲ってくるからとりあえず2人とも変身したけど、傷付けるわけにいかず対処に困っているところにヨホホイ参上。こちらはクダックが元人間だと知っても当然お構いなし。

しかもバラシタラが元人間クダックたちにトジルギア?を配布していたことを知り、ゾックスはますます積極的に倒してギアを回収しようとする。

セッちゃんの指示で介人がデカレンジャーのギアを使った所にジュランたちが到着して力を付与。その力とは、ただの手錠っていいのかそれで(笑)。

でもそれでゾックスを拘束出来た。連行するジュランが「暴れんな!神妙にお縄を頂戴しろ!」と意気揚々と楽しそうで、お前絶対前回の鬱憤を晴らしてるだろ(笑)。

そんなスムーズな形で、前回のフリントたちに続いて今回はゾックスがカラフルの対策会議に参加。お店が順調に両陣営の溜まり場と化してきている。

回収したトジルギアを調べると、偽物だった。

ゼンカイジャーが守りたい人間たちをクダックに変え、ゾックスの狙うトジルギアのダミーを渡して、利害のぶつかる両陣営を戦わせるというバラシタラの作戦。

ゲゲが「イジルデが生かし切れていない情報を、バラシタラが利用したというわけか」と幹部2人のライバル心を煽りつつ、状況を整理して私たちに伝える役割も果たしているのが、上手い。

それに乗っかる形でバトルシーザーロボのデビュー戦の微妙さを皮肉るバラシタラに、ステイシーが突っかかろうとしたところをイジルデが止めて、勝手にダミーを使ったことを問いただす。

でもバラシタラは「それもリサイクルでアル」と涼しい顔。バラシタラは脳筋の武闘派かと思えば、どうしてどうして、現場で収集した情報からの状況判断やそれを踏まえた作戦の立て方を見ても中々頭が切れてしっかりした、一筋縄では行かない優秀な軍人では?

 

そんなバラシタラの狙いにいち早く気付いたのはゾックス。こういうところで頭が回るのは今回も界賊一家の方なんだね。

でも、当たりが混じってる可能性はゼロじゃないからギアの回収はこれからも続けると言って立ち去る。

うわあ。やっぱりこの人根っこはかなり悲観的で慎重派、石橋を叩いて渡るタイプかも。

ガオーンが慌てて追いかけて、介人もそれに続こうとするのをジュランが引き止める。ゾックスの意志は説得しても変わらないから、こっちはこっちで何か対策を考えようと。具体的なアイディアは出せなくても、まずそういうベクトルを示してリード出来るのがジュランの頼もしいところだな。

「皆助けられて、皆傷付けずにギアを回収できたら最高なんだけど」と、介人が今回のミッションに必要な条件を整理。

ジュランとマジーヌが、ゾックスの言葉に気色ばむたびに持っていた掃除用具をブルーンの肩関節の隙間?にぶっさしていたのが(笑)、ブルーンが動くたびに視界に入ってシリアスな場面の空気を微妙に緩和してる。

それを見て何かを思い付く介人。

 

一方、ゾックスを止めようと食い下がるガオーン。

「なんでそんな拘んの?お前キカイノイドだろ」と振り払うゾックスへの

「関係ない!僕が皆を好きなんだ!」というガオーンの叫びが好きだ。

兄貴の邪魔するなとフリントたちがガオーンを押さえつけた所に、元人間クダックたちが襲って来る。「来た来た」と獲物を狙う目で銃を向けるゾックスの表情が、悪役の顔っぽくてバスコみたいだな、とちょっと思った時、フリントたちを振り払って盾になり、その弾を受けるガオーン。

人間の「姿」を愛するために人間と仲良くなりたいという一貫した姿勢が対人間への博愛主義者的な立ち位置となり、ステイシー登場の時はそれが裏目にも出たけど、ここでは身を挺して他種族を守る姿が、自分の家族以外どうでも良いゾックスとの強烈な対比になってる。

それがたとえペットへの愛に近いものだとしても、そのために体を張れるなら、もう充分尊いよ。ガオーンもこの作品のテーマ「異種族交流」のど真ん中に位置するキャラなんだよだな、と改めて。

 

でもそんなガオーンの気持ちは今の元人間たちには届かない。庇った相手に囲まれてボコボコにされる痛ましさに、ゾックスもさすがに「やめとけって」と気遣う。「お前がどんなに好きでな、今のそいつらには関係ねえんだよ」。

でもそこに「そんなことない!」と介人たちが駆け付ける。

「だって、戻った時、絶対悲しい」

介人は時々、相手の気持ちお構いなしにぐいぐい押してきて、タコ焼き食べてる時に知らない男から至近距離で大声で唾飛ばしながら話しかけられる側の困惑は推し量れないこともあるけど、こういう本当に傷付くかもしれない大事な場面では、いつも相手の立場に立てるんだよな。

一度は自分に海賊行為を働いたゾックスみたいな相手にすらそれをしてしまうから、時々危うく思えてしまうけど、つくづく異種族交流がテーマのこの作品の主人公に相応しいキャラだよ。

 

その介人は大きめのボストンバッグ?を両手にぶら下げていて、何かと思ったら中から取り出したのは羽根がいっぱいついたサンバの衣装。

それを身につけた4人がサンバを踊り出した時は、予告で見た時と同様、何事かと呆気にとられたけど、次の瞬間、彼らは元人間たちに突進して掃除道具やらハケやらでくすぐりまくる。

キカイノイドもくすぐりには弱いという冒頭のガオーンのエピソードが伏線だったわけだけど、それをこうもエンタメな形で回収してくるかと驚いた。

でもこれ見かけだけでなく、衣装の羽根がくすぐったくて元人間クダックが背後から攻撃出来なくなる鎧の役割も果たしているんだな。一石二鳥のアイディア。

こうやって介人たちは次々に相手を傷付けることなくギアを回収していく。

 

東映公式によると、元の脚本にはサンバの「サ」の字もなく、あるのは「猫じゃらしや羽箒などを取り出し、一斉にクダックをくすぐりに行く」という一文のみだったそうで、それを加藤監督がサンバに発展させたとのこと。

さすが加藤監督!ジュウオウジャーやルパパトでは重要回で良い仕事していて個人的に中澤監督の次に香村さんとのコンビ回を見たかったから、お待ちしてました!って感じ。

 

介人のサンバ作戦見て思わず笑い出すゾックス。「なんだよあれ?くっだらねえ・・・」と言いつつ、子供みたいに無防備で他愛なくて楽しそうな笑顔。

フリントがそれを見て戸惑う。もしかして兄貴のあんな笑い方を見る事って久しく無かったのかな?

ゾックスは基本的に笑顔で陽気に振る舞ってるけど、いつもの笑顔はあくまで兄貴として妹や弟たちを安心させ支えるための鎧みたいなところがあったのが、今回はそういう気持ちから一瞬解き放たれて心から大笑いしたというか。

この人、能天気に歌って踊ってやりたい放題に見えて、実は一家の長として弟達の呪いを解かねばって使命感にがんじがらめなのがこれまでの様子に伺えるんだよね。だからギアが偽物だとわかっても万一の可能性を考えると回収をやめられない。

でも、ガオーンの体を張った「好きだから守りたい」や、介人の本人達は大真面目なんだけどやってることは結果的にトンチキで遊び心たっぷりな作戦と、その根底にある他者を守りたいという優しさに心が揺れて惹かれ始めてる感じがわくわくする。

そんで兄貴が自分たちのために一生懸命なことをきっと知っていて、自分もそんな兄貴を助けたいと思っているフリントが、兄貴の変化のチラ見せに何を思うのかも楽しみ。

 

ゾックスが元凶のリサイクルワルドを倒そうと矛先を向けた時、それ以上に怒りを滾らせたガオーンが先に変身して突っ込んでいく。圧倒されてるゾックス(笑)。

介人たちも変身して続き、その勢いのまま全力疾走しながら次々名乗る。ジュランがしんどいのは年だから(笑)?5人揃って最後はリサイクルワルドに飛びかかり、一斉攻撃と共に「機界戦隊ゼンカイジャー!」。格好いい。今回も変則名乗りだけど、これまでで一番格好いいと思った。それを見て笑顔になるゾックスが、やっぱりこれまでとは何か心境の変化があることを暗示してるんだろな。フリントたちも「怒りが、凄い・・・」と圧倒されてる。

 

変身した時に衣装とかを吹っ飛ばしてたから、その後に襲ってきた元人間にはどうするのかと思ったら、マジーヌが魔法で巨大な羽根ブラシ?を出してくすぐり、戦闘不能になったところを抑え込む。

だったら最初からサンバ衣装じゃなくてこっちで良かったんじゃね?とかふっとよぎったけど、いやいや私は他人様にそんな指摘が出来るほど思考回路ちゃんとしてないから。仕事の時に、後になってから自分に出来る最適解を思い付いて後悔するなんてこと、しょっちゅうある(笑)。マジーヌは戦闘中に間に合うだけまだ偉い。それにサンバ作戦があった方が、絶対楽しいよ。

 

リサイクルワルドには、今回のメイン、ガオーンがゾックスと組んで戦う形になる。そこにセッちゃんが、ゾックスにゴーオンジャーのギアを使って貰うよう指示。ガオーンが勝手にゾックスのギアを取り出して渡し、シンケンフォームのゾックスが「よくわからんが心得た」とわりと素直な侍口調でセットすると、ゴーオンウイングスの力がこの2人に宿り、フルパワージェットタガーで華麗な空中でのコンビ攻撃。

なるほど。コンビ技を使える追加戦士は限られるけど、ゴーオンウイングスなら打ってつけ。ゴーカイジャー41話でも、アイムが追加戦士の鎧とのコンビでゴーオンウイングスにチェンジしたのを思い出した。

リサイクルワルドはツーカイザーの烈火大斬刀で倒されて、クダックにされた人たちも元に戻る。介人は「こういうの持ってたら、回収しま~す」とごくごく和やかに声をかけてギアを集めてミッションは無事に完了。

なお、リサイクルギアは拾い上げた介人の手から弾けて飛び出し、クダイテストが踏みつけてダイリサイクルワルドになると、リサイクルパワーが満ち満ちたと、もう4体クダイテストを発生させ、それらが過去に倒したはずのダイワルドたちに変貌する。キノコ、氷、ボクシング、寿司。しかも次々名乗り、「リサイクル戦隊ダイワルジャー」と、過去の戦隊世界にも時々現れた悪者戦隊まで結成しやがった(笑)。

「お前ら練習したろ!」とジュランのツッコミは毎回いいとこ突いていてホント笑っちゃうんだけど、今回のは11話で「5人揃って!」「並んで並んで!」「いつもの立ち位置!」とか実は呼吸を合わせるのに苦労しているのを垣間見せた後なもんで、ポッと出のはずのダイワルジャーがぶっつけ本番であんな息ピッタリな一糸乱れぬ名乗りを決められるはずない!出来てたまるか!という悔しさが滲む(笑)。

また今回は疾走名乗り中にでジュランが息上がって「しんどい」と辛そうだったから余計に

「正規の俺らは毎回握られたままだったりゴミ袋被ったりサイズ合わなかったり流れ弾浴びまくったり鬼ごっこでドタバタだったりなのに、悪のお前らの方が綺麗な王道名乗りをやらせて貰いやがって狡いぞ!」という嫉妬もありそうで好き(笑)。

 

私は以前に、

「ギアがこんなにあるんだから一度に何体もワルドを出せば一気に侵略が成功するのでは?というヒーロー物あるある問題について、ゼンカイジャーの場合は世界同士で潰し合ってどちらかの力が無効化するから意味ないって答が出来るかもな、と思った。」

と書いたことがあるけど、ごめん、間違ってた(汗)!堂々といろんな世界が入れ替わり立ち替わり現れてるよこれ。

そんな状態の中で、ジュラガオーンとブルマジーンは一度に5体相手に大苦戦。しまいには、以前ジュランたちが披露した巨大バズーカ技までパクられもといリサイクルされて、とうとう遙か彼方に吹っ飛ばされてしまい、敗北。

ところがそこに、今回はリッキーの力を使ったツーカイオーリッキーが上空から参戦。

ジュラガオーンとブルマジーンが2体がかりで勝てなかったダイワルジャーを、ツーカイオーが無双して次々に仕留めていく。

メタ的には思い切り新ロボの販促補正なんだけど、あまりに差がありすぎるんで、そこは「お前らの弱点、上から観察させて貰ったんでね」と理由付けがされてホッとした。

具体的にそれぞれどんな弱点があってどんな対策をしたのかの説明まで一切なし。だけどそこまで詳細はなくても、こういう理由があるだけで納得度が違うし、実は用意周到なゾックスのキャラにも合っていて、良かった。

 

残りがダイリサイクルワルド1体になったところに、ステイシーがバトルシーザーロボで登場。

助けに来てくれたのかと喜ぶダイリサイクルワルドを、ステイシーは「お前に恨みはないが、倒しに来た」と言いながら必殺技の一撃で破壊。前回は登場したものの目立った活躍もなく終わったけれど、今回はキッチリ撃破して強さを見せる。ただし敵ではなく味方に対して(笑)。

確か以前ドアワルドもサクッと倒したっけなあと、なんとなく前作のガルザさんの面影が頭をよぎったところに、ゾックスと何か目論見があるらしいステイシーが向かい合って、続く。

 

今回もいろいろ楽しかった!

再生怪人回と言えば予算節約回なのにらしからぬ豪華なロボ戦で一度に5体使いきってしまったな。でもこのスタッフさんたちならどうせまた、コピーワルドとか3Gプリンターワルドとか、「お前そんなトピアあるわけないだろ」って心の中でツッコミたくなるトピアの力使って今回みたいにしれっと再生怪人繰り出すつもりだと思う、絶対。