キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー12話感想: ツーカイオー&バトルシーザーロボ登場、観音様と近所のおっちゃんのいる戦隊

連れ立って買い物中のジュランとマジーヌ。川沿いの道の桜が綺麗で「桜は優勝」「じゃあ梅が準優勝」なんて言ってる。今年は桜が早かったから、関東で撮影したなら3月下旬くらいなのかな?2ヶ月も前に撮影してるのか。そう言えば去年は3月末あたりで撮影が中止になったっけ。コロナでいつ何が起こるかわからないから、撮れるものは撮れるうちに、みたいな感じだったのかも?

通りがかった子供たちにゼンカイジャーと認知されるも、彼らの人気は専らツーカイザーに集中してるのを突きつけられて、面白くない。まあ子供人気はそんな感じだろうけど、2人は界賊たちのやることがいろいろ気に入らず、なのに他のメンバーが界賊たちに好意的なスタンスなのにもモヤモヤしてるから、一気に愚痴モードに。

でも、そうやって愚痴を言い合える仲間がいてまだ良かったと思うよ?銀色の新入りを皆がチヤホヤするんでたった1人でストレス溜めてた緑の宇宙海賊とか思い出すと。

こんな時にはダンスだと踊り出したジュランの不満の根源が「ダンスも、ぶっちゃけ、俺の方がイケてるっつうのによぉ」なの(笑)をマジーヌが自分の胸に納めて転がったジャガイモを拾っているところに、カタツムリワルドが出現。その力が発動したエリア内にあるもの全て、動きが超スローモーションになってしまう。

ゼンカイジャーがスローエリアに引っかかったと気いたカタツムリワルドに2人がボコられているところに、空からゾックスが乱入。だけど正に飛んで火に入る夏の虫で、やっぱり動きがスローになったところを攻撃されて変身解除して痛めつけられてしまう。ゾックスは初めてのピンチらしいピンチだな。

タツムリワルドがご機嫌で去った後、駆けつけた介人たちも知らずにスローエリアに踏み込もうとするのを、上空の界賊船から一部始終を見ていたフリントが間一髪で制止する。

SDトピアでは弟達を止められずに呪いであんな姿にされ、前回もオニゴッコワルドに突撃する2人をむざむざ見送って鬼にさせてしまい自分を責めていたフリントが、今度は敵の能力の詳細は不明でも咄嗟にストップをかけられ、全滅を防いだ。

彼女なりに失敗を克服して成長した証なのかもと思うと、ちょっと感慨深い。

 

今回は兄を助けるためにフリントと弟たちもカラフルに集合して、介人たちと一緒に対策会議。

テーブル代わりの鉄板でヤツデさんがパンケーキを焼き、その上にフリントがチョコソースで状況整理と敵の能力解説っていう分かりやすく美味しそうな演出が素敵だ。駄菓子屋にもんじゃ焼きの鉄板があるのが懐かしさを呼び覚ますセットなんだけど、上手く活かしているな。

ヤツデさんは双子たちの境遇にも同情を示しながら全員にパンケーキを振る舞い、不在のジュランマジーヌに加えてゾックスの分も用意する。

ヤツデって植物は女性の名前に使うには花も地味だし微妙かなと思ってたけど、八本の手という意味に、出来るだけ皆に手を差し延べてその手を掴んであげたい温かい人っていうスタッフさんの思いが籠もってるのかな。孫の介人にもキカイノイドたちにも、一度はこの店の商品根こそぎ強奪して、代金として紙屑通貨を押し付けた界賊一家にも。

だとすると千手観音みたいだと思って調べたら、そのものずばりな「八手観音」も各地にあるんだと知った。名前にわりとストレートな意味が込められてることの多いゼンカイジャー の物語において、ヤツデさんは観音様ってことなのかもしれない。

 

スローエリアでは、動きが遅すぎて脱出も出来ないとジュランマジーヌが嘆く傍で、ゾックスが歌いながらスローなまま踊っている。スローな口の動きと通常速度の台詞が全然合っていなくてシュール(笑)。

こんな時に余裕で踊っていられるのは、フリントたちの助けを待つってことかと聞かれて

「別に。あいつらの助けがなきゃ生き残れないようじゃ、ゴールドツイカー一家を率いる長として、失格でしょ!」と力強く否定するゾックス。

「妹たちはそういうの、寂しいんじゃねえか?」と、ジュランが初めて一家の内面にしんみりと踏み込んで来て、なんだかこの2人の関係が面白くなってきたぞ。

 

一方、カタツムリワルドが場所を変えて次々スローエリアを増やしている所に、バラシタラが様子を見に来る。近づけないので遠くからスピーカーで呼びかける間抜けな絵面がこの組織にはよく似合う(笑)。

別の場所でツーカイザーとゼンカイ赤桃も引っかかっていることを知ったバラシタラは「そこはのんびりせんでいいのであーる!」と今のうちに片付けるよう叱責。台詞がスピーカーからテロップになって飛び出し物理的に攻撃してる(笑)。でも言ってることは全くそのとおり。

前回は介人たちがぬけぬけとカラフルに戻っていて鬼のブルーンを絶望させてたけど、今回はトジデント側が敵を抹殺出来るチャンスにのんびり構えている。

シリアスで有能設定の組織なら「脚本の都合で無能に」と言われかねない緩さも、やっぱり「こいつらなら仕方ない」と納得出来るし、今回もそこにちゃんとツッコミを入れるのが、見せ方として狡いよ香村さん(笑)。

 

戻ってきたカタツムリワルドはまずゾックスを片付けようとするが、放ったミサイルはなぜか届かず途中で爆発。ならばと直接襲いかかっても謎の攻撃を食らって近づけない。

ただのダンスだと思っていたのは実は以前も見せたマーキングで、自分の周囲の空中に盾を作っていたってことか。そんでカタツムリワルドが戻ってきた場面をよく見ると、ゾックスの手元の銃から赤い線が発射されている。カタツムリワルドが近づいたタイミングで予め放った弾がマーキングに到達しダメージを与えるという防御策だったみたい。やや強引だけど、敵の緩さがくれた時間にちゃんと頭脳的な打開策を仕込んで、緩いだけじゃないところをちゃんと見せてくるのは好き。

ゾックスはあの初登場の歌と踊りのせいでだいぶ能天気なヨホホイ野郎の印象があったけど、一見チャラい余裕な態度は妹弟達への責任感からの鎧で、本当は出来るだけ事前に最悪の事態を想定して準備しておきたい用意周到で悲観的な奴なのかもな。

考えなしに突っ走って呪われた幼い弟達と、それを自分のせいだと悔やむ妹の事があるから余計に。

 

界賊に手出し出来ないなら先にこちらをとカタツムリワルドが矛先をジュランマジーヌに向けた時、ゼンカイチームが駆けつけて、介人がターボレンジャーのギアの力を3人に付与。するとエリアの中でも元通りのスピードで動けて、カタツムリワルドに対抗出来るようになった。

いつもは「こんな時はこの戦隊の力を使え」って言ってたセッちゃんが「そんな技あったっけチュウ?」と不思議がってたってことは、後から来て「ターボかけてやった」と解説したフリントが開発した力ってことみたい。

他の一般人やキカイノイドたちも力を付与されて動けるようになり、さっきはジュランのサイン圧を全力で拒否していた子供たちが笑顔でお礼を言うのが気持ち良い。

そんで皆、一斉に変身してゾックスを先頭に次々名乗り一列に並ぶと

介人「5人揃って・・・え?あれ?あ、6人、6人揃ってー」

ゾックス「俺をカウントすんな」

ジュラン「じゃあ並ぶんじゃねえよ!」

とまた普通の5人名乗りにならず(笑)。うん、これは確かに介人の隣=中央に堂々と並んだゾックスが悪いよ。

 

タツムリワルドの能力はスローエリアを作るのに全振りしているらしく、ゼンカイ&界賊がターボブーストで対抗すると、もはや通用しなくなった。むしろクダックだけの動きが遅くなって逆効果。

ゾックスがターボギアを使った時にブルーが1人だけ現れたのが意味不明だったけど、ネット情報によると本編に「もう一人のブルー」的なエピソードがあったのを6人目として拾ったみたい。マニアックだ。

タツムリワルドはゼンカイジャーのトドメで撃破され、続いてダイカタツムリワルドが登場。カタツムリワルドとは特性が変わって、硬い殻にジュラガオーンの攻撃が通用しない。ジュランの尻尾ソードが破壊。続けて硬い殻爆弾を次々投げつけられて打ち返しているうちにガオーンの爪も破壊されて大ピンチ。

そこへ、イジルデが開発していたバトルシーザーロボが、ステイシーの操縦で初見参。

苦戦中に新たな敵が参戦し2対1という大ピンチなのに、ブルマジーンがこれと言った理由もなく参戦しないのはさすがに苦しいな。その理由が、今回初登場の界賊たちの新ロボという販促事情なのは、痛いくらいわかるんだけど。。

 

リッキーとカッタナーは自分たちももっと兄貴と一緒に暴れたいと、フリントに頼んで改造して貰い、界賊船と一体化することでロボ変形が可能になった・・・えーと、改造したのは体?それとも自分たちのギア?

体を改造だと、今後もし呪いが解けても元通りの体には戻れないんじゃないかと、ちょっと心配になる。

今回はカッタナーの力を使ってツーカイオーカッタナー完成。確かにシンケン味のある侍ロボだ。

参戦するとダイワルドが標的をこちらに変え、さっきジュラガオーンを苦しめた殻攻撃。でもツーカイオーの刀はそれらを全て難なく切り捨てて、さすがシンケンジャーモチーフロボの刀の切れ味は違う。

 

ステイシーは、これで介人との戦いに専念出来るとむしろ歓迎。ツーカイザーが初登場した時に敗れて暗黒ギアを破壊された因縁があるから、リベンジに燃えるかと思ったらそっちはスルーして、あくまで介人との勝負に拘るのはちょっと意外だった。

ツーカイザーへの苦手意識もあるかもだけどそれ以上に、親に対する受け止め方が自分と真逆で光属性全開の介人を全否定したい気持ちが強すぎるのかもな。

 

タツムリワルドは降水確率100%ミサイル(なんつうネーミング・笑)で雨を降らしパワーアップ。過去にあまり記憶がない雨の中のロボ戦が新鮮だな。間合いをしっかり撮った睨み合いからのツーカイオーの殺陣がどっしりしていて格好いい。トドメは、シンケンジャーならやっぱりこれでしよと烈火大斬刀で撃破。

 

残るステイシーは「邪魔が入るか。今日はこれくらいにしといてやる。また会おう」と余裕ぶった捨て台詞と共に撤収。彼の行動原理が

・父バラシタラを超える手柄を立てたい(父の手柄を邪魔したい)

・自分の与えられなかった親からの愛をたっぷり与えられて自分とは正反対な親への信頼に満ちた介人を叩きのめしたい

で、トジデントへの忠誠心もたぶん皆無だから、介人に余計な加勢がついて形勢不利になった状況でこれ以上真面目に戦いを続ける発想そのものがないって感じかな。

それにしても登場早々に本来の追加戦士ゾックスの踏み台にされ、せっかくのバトルシーザーロボもデザインは普通に格好いいのに、正規に玩具が販売されるツーカイオーのお披露目と被ってほぼ活躍できずなのは、当初は予定になかったキャラをとことん不憫枠で使ってる感じ。

一周回って、却って同情集めて美味しくなりそう(笑)。

 

戦いが終わり、皆で協力して勝てたことを喜びお礼を言う介人に、「別に。兄貴のこと助けたかっただけだし」とフリント。

ジュランは「おい、あーんちゃん、聞いたろ?妹たちの気持ち。だからお前ももうちょっと・・・」となんか急に訳知りなおっちゃん的な説教モードに入るも、ゾックスは「一緒には戦ってんだろ。ただ、最後にケツ持つのは俺しかいない。そういうこと」と遮り、妹弟を率いて「さらばーい」。

話はまだ途中なのにとモヤモヤが増すジュラン。

「1人だけ頑固っていうか、頑固って言うか、頑固って言うかーっ!」と同じ言葉を繰り返しながらだんだん腹立たしさが増していくマジーヌが可愛くて、続く。

 

私が香村さん好きな理由の1つはキャラの等身大感で、ジュウオウジャーの時は最初からそれを全面に出してたから早々にハマったけど、ゼンカイジャーでは介人にしてもゾックスやフリントにしても、まずインパクト重視のトンデモキャラとして出してから、徐々に内面の等身大的な要素を付け加えていく、っていうキャラの組み立て方をしてる感じがする。そんで徐々にハマって、ああやっぱり香村さんだってなる感じも気持ち良いな。

 

ジュランは一昔前とか近所にいた、ちゃんと働いてるかは謎だけど気さくで子供達の精神的避難所的なおっちゃんて感じ。人の心情面の一般常識というか機微がどっしり根付いてるのが、この色々極端に振り切った物語の中で頼もしい。

一緒に握られた時に介人の心を救ったように、後々ゾックスの心も救いそうな安心感がある。

そんでゼンカイ側にはもう一人、ヤツデさんもいる。この抱擁力と温かみで人の心をほぐせる2トップによって、メンバーの精神的なケアは盤石っぽいんだけど、この2人を一番必要としているキャラは誰かと思うと、ステイシーがうっかりかしらばっくれてかカラフルにやって来て、ヤツデさんに孫みたいな扱いされて戸惑いながらほだされたり、ジュランに説教されて反発しながら揺れる回か見たいと思った。特にヤツデさんから「はいこれステイシーちゃんの分」とちゃん付けでパンケーキ出されて欲しい。