キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー33話感想: 10年越しの制服回 「トジテンド学園で僕と握手!」

冒頭、介人はブルーンと買い出しの帰りに、トジテンドパレスで遭遇した大きな鳥ゲゲについて尋ねる。双子?という疑問は、幹部たちの前で正体を暴いておきながら逃げ道を教えるという矛盾が引っかかるからか。

疑問を持ってもおかしくはないけど、わざわざ話題にしたのは、「ここ引っかかっておいて下さいね」というメッセージかな?まあ香村さんの過去作を見た感じ、引っ張って引っ張って結局肩透かしに終わる可能性もないわけではないけど。

 

今回の敵はガクエンワルド。世界を広大な1つの学校、トジテンド学園に変えてしまい、人々は強制的に学生服/セーラー服姿に変えられ生徒に。

東映公式によるとジュランたちのスリムな姿は、あのゴツい体に着せられる学生服を用意するよう無茶ぶりされた衣装さんが突きつけた、逆にキカイ部分を剝ぎ取るという気骨ある回答だそうで。番組を作るって大変だなーと譲れない一線の攻防に笑った。

ちなみにガクエンワルドを守ろうとしたハカイザーも巻き添えでスリムな学生服姿にと、敵味方見境なし(笑)。

更にはカラフルも駄菓子部として学園の一部に取り込まれ、ヤツデさんもセーラー服でどうやら満更でもない様子(笑)。そんで学帽に葉っぱ加えたセッちゃんが可愛い。めちゃくちゃ可愛い。

 

ガクエンワルドを倒さない限り、皆一生ここでクダックになる教育を受けなければならず、ネクタイシールドを付けたクダイター先生にも逆らえない。でも学校=広大な世界のどこにいるのやら。

と、捜しあぐねる介人たちが目撃したのは、テストに満点合格して生徒から先生に昇格し校長室に行けるようになったハカイザー。

 

そんで教壇に立つのは金八スタイルのステイシー(汗)。

テストに合格すればガクエンワルドに会いに行けると勢い込んでテストを志願するゼンカイ組に、淡々とトンチキクイズを出し「答、オープン!」と普通にノリノリ。前回ラストの、荒涼とした世界で拳を握りしめたシリアスな姿からの温度差に風邪ひきそう(笑)。

そこに至るまでにどんな心の変遷があったのか真面目に知りたいけど考えたら負けってヤツだろうか(汗)?

でも、考えてみると今回はヤツデさんに直接危害が及ぶ訳ではなく、世界が1つの学園となることでカラフルもその一部に組み込まれ、その気になれば自分も先生として買いにいける。それって、ステイシーにとっても悪くない作戦に思えたかもなあとも思う。少なくともあのトジテンドパレスで微妙な扱いを受け、鬱々としているより、ここで先生として扱われている方がずっとマシだろうと思ってしまった。

 

「クダックの歯は何本か?」なんていう無茶ぶり問題に正解したのはフリントとブルーンの2人だけ。

不正解の罰で爆発コントみたいな頭になったゾックスが「頼んだぞ、フリント、ブルーン・・・!」と力無く呟く。

・・・ちょっと待て。今、「青いの」じゃなくて名前で呼んだ?と思わず巻き戻した(笑)。

前回、ゼンリョクゼンカイオーの活躍を見たゾックスが「あいつ<ら>やるじゃねえか!」って感心してたのを見て、「ん?<ら>って、介人だけじゃなくジュランたちのことも認めたってこと?」と引っかかってはいたけど、さりげなかったんでスルーしてた。

でもこんな聞き取れないような呟きで、「相手を認めることで呼び方を変える、ちゃんと名前で呼ぶ」というイベントを消化しちゃうのか。香村さんらしくはあるけど、もうちょっと劇的にしてくれても良かったのよ(涙)?

まあブルーンの場合は「私の名前はブルーンです!」が印象的だったから、味方のゾックスでもう一度それに近いことをやるのはちょっと、ってことかもだけど。ただどうもゾックスの心境変化は、敢えてあまりメリハリ付けて描写しない感じもする。

 

フリントは合流前のスシワルドネタで脱落。これは仕方ない。脅威の記憶力でそれをクリアしたブルーンも、顔だけの写真でゴミワルドとリサイクルワルドを見分けるとかいう無理ゲーで撃沈。同じ着ぐるみにシール貼ってるか否かだけの違いは出題者のステイシーにも判別不能。それがバレバレなのを取り繕いながら不正解判定するいい加減さで、もはやすっかりゼンカイ堕ちしてる(笑)。

 

行き詰まった介人たちにヤツデさんが何やら知恵を授けると、次の場面では一気に不良スタイルになった彼らがオラオラとグランドで派手な抗争を始めた。

 

元ネタは

ジュラン→嶋大輔?

ガオーン→ルーキーズ岡田?

ジーヌ→スケバン刑事二代目?

ブルーン→今日から俺は三橋?

だろうか?ちなみに

セッちゃん→ドカベン岩鬼

サブタイトル「グレートティーチャー鬼使い」→GTO

って感じかな?

介人はフォーゼ?と思ったけど髪型がちょっと固めすぎだろうか。

「なんかそっちだけお洒落っぽくしてんじゃねーぞコノヤロー!」と、今日もジュランのツッコミはキレキレ(笑)。

 

いきった表情で派手に暴れているようでゾックスとか動きがグダグダ(笑)。なんだけど、クダイター先生でも止められず、ガクエンワルド校長が直々に出向いて涙ながらに説得を始める。

「お前たちは腐ったみかんじゃない!」って若い人は金八先生ネタわかるのかな?とも思ったりするけど、40年前に社会現象にもなったドラマの言葉が時代を超えて堂々と台詞に使われてるのが、ちょっと感慨深かった。

腐ったみかん(不良生徒)が箱の中に1つあるとその周囲のみかん(他の生徒)も腐ってしまうから早く排除しなければ、っていう例えに金八先生が「自分たちはみかんじゃなくて人間を育ているんだ」みたいなことを言った記憶。

その回のサブタイトルが<腐ったみかんの方程式>。日本の連続ドラマのサブタイトル史上屈指の知名度と切れ味じゃないかな。私はゼンカイの記事のサブタイトルに困ることが多いから余計に沁みて、ちょっと脱線(笑)。

 

介人たちは感銘を受け説得されたふりをしてガクエンワルド校長に群がると、どさくさに紛れてシールドネクタイを剥ぎ取り態度を一変させて反撃の狼煙を上げる。

ヤツデさんの授けた知恵は「偉い人を現場に引っ張り出すには、揉め事よ」。そのドヤ顔に「年の功!」とセッちゃんがすかさず被せて楽しい。

 

ヤツデさんは観音様のような優しさ寛大さで弱った人や子供を癒し元気づけ、敵の美少年幹部をも惑わせ時には秘かに寝返らせてと、ここまで戦隊史上屈指と言いたくなるヒロイン力を誇示してきたと思う。

でも決してか弱く守られているだけでの存在ではなく、地に足ついて人生の荒波もかいくぐってきたのが垣間見えるたくましいお祖母ちゃんなのが良いな。

孫の手伝いはあれど女手一つで店を切り盛りして地域の社交場として確立させ、大量に抱えた居候のサボりや節度に欠けた行動にはビシッと釘を刺し、訳分からん通貨で支払う海賊にはせめてドルで払えと言い放ち、いざとなれば年の功の悪知恵で若者たちに打開策を与える。聖母性と現実を生きるための俗っぽさのバランスが格好いいと思う。

 

ただ、「偉い人を現場に引きずり出すには揉め事よ」は正しいけど、実際にはよほどの事がなければ下に任せる人も多いのも現実。今回なんてハカイザー先生@ネクタイシールド付きに武力で手っ取り早く制圧してもらう選択肢もあったはず。

でもそれでは根本的な解決にならないと、自ら荒くれ生徒達の中に飛び込みあくまで言葉で切々と訴えるガクエンワルド校長を見ていると、うっかり元々は良い先生の素質があるのでは?と思いかけてなんだか騙すのが可哀想になってしまった(汗)。

けど被害を受けてる当事者の介人たちは1ミリも心を動かされずに冷徹に作戦を遂行して、さすがヒーローは心構えが違うとちょっと思ったり。

 

ゼンカイジャー恒例変則名乗りは思い切りツッパリバージョンで、バックの絵面の悪さはヒーローのせれじゃない(笑)。

ハカイザーステイシーも加わっての乱戦は、スーパー化した2人との対決も見たかったけど、そこはお預け。今回はセレクト戦隊をハカイザーとステイシーの足止めに使い、カメラは早々にキャノンを撃つためにわちゃわちゃ集合するゼンカイジャーたちに移動。またジュランたちがセレクト戦隊に出番を奪われるのかと身構えちゃったけど、ホッとした。キャノンを撃った反動で皆が上に跳ね上がるのを最後尾のブルーンが踏ん張って支えているのが何か良い。

ガクエンワルド撃破で世界は元に戻り、防衛の失敗を嘆くハカイザーは充電切れで、ステイシーもさっさと撤退。

 

ニュークダイテストは量産出来ないとイジルデが堂々と言い切って、巨大戦には従来のクダイテストによるダイガクエンワルドが出現。

奪われた武器が敵の最強合体ロボの要になってしまったことを追及されてる感じはなくて、やっぱりトジテンドはゆるゆる組織なんだなと改めて思う。もっと問い詰められてもいい気もするけど、功博士の存在がクローズアップされた時にまとめてやる可能性もあるかもな、とちょっと思った。

今回は正義側もゼンリョクゼンカイオーは封印してセンタイジュウオーが立ち向かう。

ダイガクエンワルドは下校時の男の子みたいにランドセルをお腹側に回してシールドにしてる。そこには見るからに難しそうな数学問題が書かれていて、「介人にわかるわけねーだろ!」って絶叫するゾックスが容赦ない(笑)。公式認定の後方彼氏面だからこそ推しの強みも弱みも理解しきってる感じ。

販促がひと段落したからか問題が解けない=シールド解除出来ずに圧され気味のセンタイジュウオーを救ったのはブルマジーン。

ああそうか。ジュラガオーンを購入済みのご家庭は、キャノンと合わせてブルマジーンのセットも買えば5体合体が出来ますよって、改めてブルマジーンの販促を強化してきた感じかな?序盤から前半は比較的ジュラガオーンの販促中心で、多分ジュラガオーンだけを買ってる家庭の方が多いだろうし。

ジーヌは魔法で問題を幼稚園児レベルに書き換える反則技を使い、難なく正解したセンタイジュウオーが撃破。断末魔はしくじり先生で、今回は「ワルドの主張でしょうか?」から始まって、ぶっ込まれた学園ネタが多すぎて追い切れない(笑)。

 

戦い終わって、介人は皆を自分が通った学校に連れて行く。グラウンドでは人間キカイノイド入り混じった生徒たちが和やかにサッカーをしてる。

中に入れず外から眺めるだけなので、教室の中で生徒たちがどんな風に過ごしているか彼らには見えないだろうと思うと若干物足りなくて残念。それでも学校とは良い所なのだと伝わり、「あの子らみんな、未来のヒーローだ。守ってやんねえとな」というジュランの言葉に皆が決意を新たにして、続く。

 

世界を学園に変えられたばかりの頃には、ブルーン筆頭にキカイノイドたちにはむしろ学校に通えるなんて幸せだという気持ちもあった。トジテンド支配下のキカイトピアには学校って施設はないか、あっても庶民が皆通える所ではなかったんだろうか?なんて妄想も広がる。まあ合体シークエンスのアドリブでジュランが「(ワルドの顔が)担任の先生に似てる」なんて言ってたけど(笑)。

それがクダック育成を目的とした偏って理不尽な教育と横暴なクダイター先生たちを目の当たりにして、ゾックス筆頭に「学校ってのはつまんねえ所だな」と幻滅しかけた時、介人が、学校ってこんな所じゃないと訴える場面がある。

「友達作ったり、いろんなこと学んだり、全力でイベント盛り上がったり。こんな苦しい場所じゃないはずなんだ」「絶対ガクエンワルドを倒そう。そんでみんなに、本当の楽しい学校を見て貰う」

その約束が果たされたのがこのラスト。

10年前に香村さんが書いた、ゴーカイジャーメガレンジャー回を思い出した。

宇宙海賊が全員、メガレンジャーの舞台になった諸星学園に1日体験入学し、生徒たちが勉強・スポーツ・恋愛に一生懸命な姿に触れる。大多数が学校に通った経験のない海賊たちは、学校とは若者たちの夢の詰まった良い所なのだとその価値を認め、守り抜いた。

香村さんはそれから10年を経たゼンカイジャーで、再びメンバー全員に制服を着せる。描かれた<学校生活>は支配されて歪んだ正しくないもの+不良に扮したヒーローたちの大暴れという、10年前とは正反対のアプローチだったけれど、最終的に伝えたいメッセージは変わっていないんだな、と思うと感慨深い。

・・・と今回わりと綺麗な感じに締めようと思ってたら、不意にメガレンジャー回の「諸星学園高校で僕と握手!」ってフレーズを思い出し、そのまま

「トジテンド学園で僕と握手!」

に変換されてしまった。

そんでゼンカイジャーで一人称「僕」はステイシーだけだから、おのずとステイシーの声で脳内再生されてしまい、ちょっと困っている(汗)。

でもごめん、あのノリノリで教員生活が満更でもなさそうなステイシー先生ならなんとなく、テストで100点取ったら握手してくれそうな、いやでもやっぱり「調子に乗るな」と撥ねつけられてしまいそうな(笑)。

 

なお、ゴーカイジャーメガレンジャー回の記事はこちら↓

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 39話感想というか覚え書き

https://kiuix.hatenablog.com/entry/2021/02/01/215646