キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー10話感想: 「公」のゼンカイジャー、「私」のツーカイザーという対比

「前回のゼンカイジャーはっ!」といういつもの冒頭お復習いコーナーを、柏餅食べてる最中に急に降られて放送事故になってるセッちゃん(笑)。猛威を振るったカシワモチの呪いはまだ爪痕を残している。

前回、わざわざ自分から負けを認めたことでこの世界では海賊行為をしないと約束したゾックス。フリントも兄に従って、タピオカの代金に宝石をじゃらっと。

もしもし?それ円に換金すれば言い値で買い叩かれてもそのタピオカ3桁は買えると思うよ?

カラフルでの商品強奪はあくどかったんだけど、いざ略奪を封印されて商取引のルールに従うとなると無防備で世間知らずすぎる物々交換に、早く誰かちゃんとこの世界の相場とか物価とか教えてまずは円を持たせてあげないと悪い奴にカモられるよと、変な心配しちゃった。

そんなゾックス一家が通りかかったとも知らずにマヒルワルドが作戦を遂行しようと現れて、早速見つかり戦闘開始。沸いてくる戦闘員を遅れてきたゼンカイチームに任せてマヒルワルドを追うゾックスと、さらにそれを追う介人ジュランでOP。

フリントのカットが変わってたり、カラフルの店内でわちゃわちゃしてたジュランたちが隠れんぼ状態になったりと、OPでこんな風に遊ぶのはパイロットの中澤監督の趣味かな。トッキュウジャーOPの時には、週替わりで誰かがコケるのがいかにも未熟未完成な幼い戦隊って感じで、好きだったなあ。

 

ベンチで自分たちの世界に浸り、足元を流れ弾が飛び交っても気付かないカップルに、ああ今日もゆるゆるゼンカイワールドだと思ったのも束の間、マヒルワルドが男の方を捕まえて人質にとると、女は男を捨てて一目散に逃げる(笑)。緩いくせにシビアな世界だ。

でもゾックスは人質なにそれ状態で戦闘続行。駆け付けた介人はメガレンジャーの力を使って男を救出すると、ゾックスの人命ガン無視っぷりに突っかかる。

それを軽くいなしてワイヤーで船に戻ろうとするゾックスの足にしがみつき、一緒に乗り込む介人。そう言えば前もスシワルドやバラシタラにしがみついてキカイトピアに乗り込もうとしてたっけ。いざとなれば問答無用でくっつき一緒に乗り込んでくスタイル。

そしてそんな介人と阿吽の呼吸でジャンプの踏み台になるジュランの以心伝心っぷりに、一緒に握られた者同士の固い絆を感じる。

 

船の中で非難混じりにこの世界に来た目的を一方的に問い詰める介人。それを見ていて業を煮やしたフリントが、双子の弟の姿を元に戻すためだと人間の姿だった頃の写真を突きつける。

トジデントからパクった技術で自分たちも並行世界ゲートを作り、あちこちの世界に行けるようになった一家は、SDトピアに乗り込んだ時に呪いで双子を今のデフォルメ姿に変えられてしまった。元の姿に戻すにはもう一度SDトピアに行って解決策を探すしかないが、今はトジルギアに封印されており、キカイトピアもセキュリティを変えたのかもう乗り込めない。だからトジデントを倒してSDトピアを解放するんだと。

故郷の海賊トピアを解放ってわけではなかったんだな。

 

ゾックス一家の見るからに人間と人外が混じった兄弟構成見て「他の世界じゃ、よくあることなのかな?って」ぐらいに思ってた介人。

直前にキカイノイドと人間のハーフで人間体のステイシーを知ったんだから無理ないよな。もしステイシーに兄弟がいてそっちが父親似だったらキカイノイドの姿だったかもしれないと思うし。元々スカイツリーバンジージャンプOKなくらい色々と考え方の枠がなくて何でもありな人だから余計にそう思っても不思議はない。

 

弟たちのためには他人のことなんか構っていられない、お前らとは違うというゾックスに、介人は自分も両親を取り戻したいんだと伝える。それを聞いてちょっと表情が変わるゾックス。目線のちょっとした動き、表情の細かい緩急が中澤演出らしくて好きだな。

 

トジデントでは、ボッコウスが未だにのさばっている界賊にイライラ。ボスの激怒という敵組織によっては怖くなる場面なのに拳を振り下ろすたびにバラシタラが跳ねまくってるせいで緊迫感ゼロ(笑)。中澤監督は跳ねる高さではなく数で勝負してくるスタイルなのかな。ホント、ジニス様やドグラニオ様とは方向性が違うけど、楽しい。

ゲゲが様子を見ようとなだめ、ゼンカイジャーと界賊が手を組むことを恐れるボスにバラシタラは、マヒルワルドへの動向を見る限りそれはないと思う自信ありげ。

バラシタラ、氷で滑ってた頃はてっきり脳筋系幹部かと思いきや、女性関係方面でえげつない掘り下げがされたのに続いて、意外と切れ者なところも見せてきて、面白くなってきた。

 

カラフルに戻った介人からゾックス一家の話を聞いた各反応は

 

ガオーン→人間ちゅわーん>>>キカイノイドだから気持ちはわかる

介人→自分も両親優先して握られたしなと同調

セッちゃん→でも介人は他人も守ろうとしてるから違う

ジーヌ→他所の世界で悪さしようとした結果だし自業自得

ジュラン→マジーヌに1票で奴らのやってることはトジデントと同じ

ブルーン→話聞いてなかった(笑)

 

って感じで、ブルーンが話聞いてなかったためにゾックス一家への意見はどちらかに大きく偏ることはなくなって、セッちゃんの「世界が広がると、いろんな人がいるってことッチュ」が、いかにも香村さんらしいテーマを背負った台詞だなと思う。でもどこかの段階で、ブルーンがどう思ってるかはちゃんと知りたい。

 

なお、マヒルワルドの作戦はじわじわ効いてきていた。その能力とは、ずーっと昼間状態にすること。太陽が沈まないだけでなく、時計も一斉に進まなくなって時間の感覚も麻痺するみたい。けど体や機械の消耗は元の時間のまま進むというややこしい仕組みらしく、正確な時間経過を把握出来ずに延々と仕事を続けて疲弊し、トラブルや事故を起こす人々が続出。

カラフルでもちゃんとしたご飯にありつけないまま皆がへたり込み、セッちゃんはいつの間にか充電切れ。白目剥いたアップの大写しがホラータッチ(笑)。

何かおかしいと感じ停電だろうかとテレビを付けると、日本も地球の裏側のブラジルも昼間だとのニュースでやっと異変に気付く。

 

界賊船ではゾックスが起きてきて、「地上(に行くの)は3日ぶりか」と言う。つまり本当はもう3日間も昼間のままだったんだよ(汗)というびっくりな時間経過の種明かし。

このあたり、実は何日も跨いでいるのに人々がなかなか異変に気付けない仕組みが、イマイチわかりにくかったかも。まあ細かいことを気にしないあの世界の人々の属性で、拍車がかかった可能性もあるのかな。

地球に停泊していないゾックスたちの視点で、地球を複数の太陽が照らしているという異変が一発でわかる見せ方が上手い。

でもちょっと待て。ゾックスさんの赤いパジャマ姿がやけに可愛い(汗)。何がそんなに可愛く見せてるの?と思ったら、ナイトキャップだ。

大ぶりの赤と白のギンガムチェックって大人男子にはハードル高めだと思うんだけど、違和感なく似合ってる(汗)。役者さんの画像見ると、個人的に明るめの髪色の方が似合って見えるし光り物にも強そうだから、パーソナルカラーが春とかそういうタイプかな?

まあそれ言ったら介人もあのカラフルなジャケットに負けてないから、たぶん介人が被っても似合いそうだけど、ゾックスの場合は外ではワニ皮付きのハードな船長コート着てるくせにっていうギャップのぶん衝撃が大きかった(笑)。

 

一方、全世界をそんな延々真っ昼間にしている大元のマヒルワルドは、追っ手の目を逃れて薄暗い地下道でひっそり体育座りという対比(笑)。ああそう言えばジュウオウジャーでみっちゃんの本性が分かった回も、中澤監督だったなと思い出した。

そこを嗅ぎつけたゾックスが逆光背負って歌いながら登場。マヒルワルドの作戦の影響を受けてないのは地球に住んでないからというしごく真っ当な理由を突きつけて変身。

地下道には薄く水が張っていて、逆光と水面や飛沫の反射という光と影の視覚効果で、ゾックスの踊るシルエットがスタイリッシュ。

(マヒルワルドが濡れないように一段高くして体育座りしてたのがじわじわ来る)

初披露の時はあまりの衝撃で思考停止した歌もダンスも、気が付けばすっかり馴染んでるもんだ。

だけど中澤監督、このスタイリッシュダンスをOPではガチャガチャと早送りでコミカルに見せたのはわざとだろ(笑)。

 

ゾックスは優勢に戦いを進め、もちろん周囲の巻き添え被害には一切配慮なし。彼の銃は標的に的を付けられる仕様でロックオン状態から、それに向けて乱射。

ヒルワルドが吹っ飛ばされてビルの壁に激突し、剥がれたコンクリートの塊が避難していた人たちの頭上に落下するのを、変身前のゼンカイジャー全員で支える。途中でマジーヌが手を放すと隣のガオーンが急に重くなって戸惑うのがこういうシチュエーションあるある(笑)。

介人と、助けられたキカイノイドが同時に「大丈夫?」と声をかけ合って笑ってしまうのが、気持ち良い。

危ないから介人だけでも変身しろよと思ったけど、咄嗟だったのとゾックスが「ばっかだなあ。これでお前が死んだら、大事な家族取り戻せなくなるのに」と呆れる説得力は変身前の方が大きいからかな。

介人は「お前がそういう奴なのは、よ~くわかった。お前は、全力全開で、トジデント倒すことだけ考えてればいい。みんなのことは、俺が、いや、俺たちが守る!お前ら界賊の分も、全力全開で守ってやる!」と啖呵。一概に相手を否定しきらないのも介人らしい。ちょっと何でもかんでも抱え込み過ぎでは?と思うけど、どこまでそれを貫けるのか、それともゾックスの考えも徐々に変わっていくのか。

お互いのスタンスがはっきり打ち出された良い場面だと思うんだけど、引いた画面の上端で壁に突き刺さったままのマヒルワルドの足がジタバタしてるのが、微妙に緊張感を削いでいてとっても中澤監督(笑)。

 

「じゃ、遠慮なく」とゾックスはマヒルワルドを撃ち落として戦闘再開。シンケンフォームに変わると、クダックたちの放った銃弾を次々はじき飛ばして、また容赦ない流れ弾の嵐。介人たちは一般人たちの盾になってそれをビシバシ受けまくりながら変身し名乗りを上げる。ゼンカイジャーの名乗りは

 

1~4話: メンバー1人ずつ追加

5話: 寿司職人&握られ状態

6話: ゴミヒーロー

7話: なし

8話: 介人+巨大化4人

9話: なし

10話: 流れ弾浴びまくり

 

と、ここまで5人揃った普通の名乗りが1度しかなくて、毎回変化を付けて来てる。こうなると、どこまで変則名乗りを続けてくれるのか楽しみになってきた。

 

介人たちは人々の避難誘導と周囲の被害抑制のためにクダックを担当し、マヒルワルドとの戦闘は最後までツーカイザーの独壇場。シンケンからオーレンフォームへのチェンジはダンスの振り付けをマヒルワルドとの戦闘に組み込んで、これなら踊っているところを襲われても大丈夫だな(笑)。必殺技は、銃をぐるぐる回すと「俺の拳で沈めてやるぜ」と巨大な拳?がワルドを叩き潰してトドメ。

倒した途端、空は本来の夜になって、たぶん3日間徹夜していたゼンカイジャーたちはへたり込む。

でもダイマヒルワルドがまた大量に太陽を出してきていつもより眩い世界にしてしまう。毎度のことながら、ようやく解放されたと思った途端にまたもとの世界に復活されるもしくはもっと酷い世界にされるの、心身にダメージあるよな、と思う。

ここで「いい加減にしろ~っ!」と、マジーヌがブチ切れ。「占いには夜の神秘が必須なんだよぉっ!」そ、そうなの?怒った時の台詞の迫力が普段との落差もあってキレキレだなと改めて。

そんで「介人!wake up!」とたたき起こし合体。

「ほんまおこ案件ですわ!」「まっ~たく同感です!」

合体バンクでの台詞が毎回面白い。「おこ案件」てオタク女子のマジーヌらしい台詞だけどアドリブなのかな?

ジーヌとブルーンは、片付けへの適性が対照的なだけで、わりと波長の合う良いコンビだなって感じ。

前回は大好きな人間ちゅわーんに危害を加えかねない状態にされたガオーンが奮起してジュラガオーン単騎のロボ戦だったから、今度はマジーヌが自分の大事な占いを脅かされた怒りからブルマジーン単騎の活躍となりジュラガオーンはお休み。追加戦士絡みの新メカが来る前に、改めて単騎ずつ活躍=しっかり販促させておくのは良いことかも。

今回ブルマジーンはマジーヌの魔法で雲を出して太陽を遮ったり、サングラスならぬ日食グラスで対策したりと敵の攻撃を無効化して、そこをブルーンのパワーで押していくスタイル。。

「介人、今だ!」→寝てた(笑)とか、相変わらず緩急の付け方が楽しい。

 

ダイワルドも倒し、今度こそちゃんとした夜が来て、ブルマジーンは巨大ロボ状態で眠りに落ちる。

路上で爆睡中のジュランとガオーンを見下ろして「な~んか目障り。今のうちに倒しちゃえば?」と寝首を搔く気満々なフリント(汗)に

「面白いからほっとこうぜ。こっちの邪魔さえしなきゃいい」と制するゾックス。

巨大戦はまだ終始見守っているだけだったけど、現時点では対抗手段はないということなのかな?OPにはそれらしい新ロボがフライングでお目見えしているけれど、パイロットの中澤監督の担当回のうちに入れてしまったということか。

 

一方、バラシタラは「やはり結束には至らぬようである。これはいずれ、奴らの命取りになるはずである」とほくそ笑む。それは逆に、いずれ共闘するフラグとしか思えない(笑)。

 

宇宙海賊と世界海賊については

 

ナビィ

「俺は電池なんか変えたことねえぞ」「なんのエネルギーの供給もなく動き続ける永久機関

セッちゃん

「俺が毎晩充電してるんだ」

 

ルカ

手持ちの宝石売って地球の通貨を調達

フリント

タピオカの料金にじゃらっと宝石

 

海賊

カレーだなんだ理由付けて人助け

界賊

人命ガン無視

 

と、今回でいろいろ差別化してきたな、と思う。そう言えば、ゴーカイジャーも中澤監督がパイロットで、「電池なんか変えたことねえぞ」も中澤監督回の台詞だった。香村さんも16本も書いてるし、デザインを「ぱくった」分だけ余計にゴーカイジャーとどう変えて見せるかは、意識している部分なのかも。

 

一方、介人たちとゾックス一家のスタンスの対比は「公」と「私」という、なんだか、ルパパトの警察と快盗のそれに似てるなと思えてきた。(介人にも私の要素はあるけどね。)

ゼンカイジャーは国際警察から私設戦隊に変わった分だけ緩くなって、快盗ならぬ界賊のあり方を、肯定もしないけど取り締まろうとはせず辛うじて許容してる感じ。

界賊は快盗よりもエゴ丸出しで人命ガン無視。あからさまに犯罪行為も見せた。

ルパパトが、先行のルパンチームの好感度に配慮して、序盤から人助けもして見せ反社会的行為は控えめだったことを思い出すと、ゼンカイジャーは先に介人たちが真っ当に正統派ヒーローやってるところに途中からゾックスが参戦したから、快盗の時より気兼ねなくアウトロー成分を打ち出しやすいのかな?って感じはする。

そんなゾックスたちが、回を重ねるうちに本家ゴーカイジャー同様、この世界を守るスーパー戦隊の一員に変わっていくのかどうかは見もの。とは言いつつ、そんなに変わらなくても個人的には楽しめそうかな。