キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

キラメイジャー30話感想: 幻のキラメイゴールド、博多南さん感謝デー

冒頭、復活したオラディンは普段アタマルドにいることがザビューンから説明されるんだけど、「下々の俺たちが気軽に王様を呼べるわけない」とか「アタマルドは特殊な場所でこの世界から直接交信出来ず、謁見を望むならハコブーに乗って会いに行くしかない」みたいな説明にはちょっと違和感。

「強い王様に助けて貰えばいい」という安易な依頼心が生まれかけたのを早々に潰すのはいいと思う。王様に気軽に頼ってはいけないという臣下たる魔進たちの心意気もわかる。

でも、元々地球人の義理息子はともかく自分の娘も地球に行かせて戦わせているのに、王様だからってキラメイジャーがピンチの時にも簡単に呼べない場所に引っ込んでいるのは、これまでのオラディンのキャラを考えても解釈違いかなあと。

後付けで良いんで何か理由が欲しい。もっとも、隠しているだけで例えば外の世界に長くいられない体だったって事情でもおかしくないとは思う。

同じく守り石に魂を移した王妃が目覚めるのに何年もかかり、ちょっとエネルギーを多めに使ったらまた眠りにつくような状態なんだし。オラディンはキラメイジャーに余計な気を使わせないために伏せている、みたいな方がむしろキャラ的には自然に感じるかな。

 

王様に頼れないなら新しい戦士を捜そうみたいなことを瀬奈が言いだして

「どこかに宝路さんみたいな頼れる人、いないかな」

「そんな都合良く行くか」

と、宝路認められてるな相変わらずきめ細かくフォローされてるなと、同じ追加戦士の誰かと比べてまたかすかに胸がチクリ(笑)。

 

ここで博多南さんが妙にシリアスに考え込んで「いよいよ私の出番か」とか眼鏡光らせて呟いてるんだけど、彼の思わせぶりなシリアス描写は宝路登場の時に盛大なミスリード前科があるから今度は引っかからないぞ(汗)。

 

今回の敵はマネキン邪面。現着早々に瀬奈がマネキンにされてしまう。直前に「せめて可愛く」と笑顔でポーズを作るのは「こんな時そんなことに最後の労力を使うのかよ(笑)?」と思う反面、ある意味等身大3G写真写りと考えると結構切実なことかも(汗)

辛うじて目は動くようで、名乗りポーズの時に抱き慣れてる為朝が一度下ろして「前より重くなってるか?」へのギロリがじわじわくる。

 

せっかく敵を追い詰めて一気にゴーアローで、って呼ぶも、博多南さんが今後もっとピンチになった時のために改良すると研究室に持っていってしまったせいで召喚できず、敵を取り逃がしてしまう。

 

ココナッツベースに持ち帰った瀬奈お嬢様の姿に泣き叫びながらいちいちキモい賞賛を付け加えるマッハにジェッタが「こいつ病んでるよ!」とツッコミ(笑)。

ギロリ睨みはあったけど、普段からこれと好意的に付き合ってあげてる21歳うら若き乙女の瀬奈ちゃんはホント偉いよ。

 

宝路には弟の「オラディン王との約束」という言葉に思い当たる節があって、30数年前、自分がモンストーンを取り込み意識が朦朧とする中で途切れ途切れに聞いた、オラディンと弟の会話から、弟は7人目の戦士になろうとしてるのでは?と思い込む。

 

妄想で博多南さんのキラメイゴールド変身シーンが流れるんだけどちょっと待て(汗)。

ただでさえ普段から邪面師と邪面獣で体部分の着ぐるみ製作費節約してる上に、直前の前後編では強化ベチャットや偽物バトルで等身大戦の邪面師を省略するような涙ぐましい努力してお金浮かせた目的が、リペイントだとしても妄想シーンにしか出て来ないキラメイゴールドのスーツ作るためだとしたら、なんか狂ってないか(笑)?

そんで「遅咲きクリエイティブ!」がなんか無駄にぴったりで。

 

実の弟なのに兄らしいことを何もしてやれなかったという宝路の負い目と、実の弟を差し置いて義兄を独占し続けてしまったというマブシーナの負い目が余計に、キラメイゴールド誕生に入れ込ませて暴走気味。

あくまでも今の脅威であるマネキン邪面を倒すことを優先して博多南の研究を中断させようとする為朝を止め、頭突きを喰らわすマブシーナ(汗)。

すぐに謝ってるし、博多南さんのためとの気持ちを打ち出すことで辛うじてバランスとってるとは思うけど。後でマブシーナに気にすんなと頭ポンポンしたのも彼の株が上がって良かったな。けど、シビアに現状分析して正論打ち出すけれど否定されるのを久々に見て懐かしい気がした。彼はそういう方が見てて安心出来るかも(笑)。

「俺は<冷静と情熱のあいだ>の男なんだよ!」

ってその本刊行されたの君が生まれる前の1999年だよ。やっぱり祖父ちゃんの影響か趣味嗜好知識が渋いよ為朝(汗)。

 

現行武器に改良を加えるのは後々のためにも必要なことだし、敵がこちらの都合に遠慮して襲ってくれる訳ではないから、絶対に安心して装備の改良に専念出来る時間帯なんてないも同然。だけど、ヨドン反応が出て皆がまさに戦ってる時に行かなくても・・・とはちょっと思った。

開発のために目の前の敵と戦うには武器不足になるってたまに戦隊である展開。メンバー全員最初からハンディ承知で武器を託す場合もあるけど、今回はチームの中に温度差を付けてきた。こういうの、単純にどっちが正しいとも言えないんだよな。

 

一方ヨドン側はドレス着てマネキンの気分になりきるヨドンナコスプレ(どちらかというとドレスの方が普通の女性の格好だけど)のサービスショットから

「マネキンになりきったら気分最悪」→「よし人間どもにこの気分をもっと味わせよう」

という思考回路でマネキン邪面を強化。人間を知ろうとする探究心は相変わらずみたい。

強化されたマネキン邪面が触れた人間は完全なマネキンになってしまい、今度は小夜がその犠牲に。

 

ガルザという緩衝材がいなくなったヨドンへイムでは、マネキン邪面の能力を高めたと誇るヨドンナと、鞭打つ=寿命を縮めたくせにと怒る部下思いのクランチュラさんが早くも険悪。闇が早く溜まってヨドンナから感謝を強要されるとかクランチュラさんストレスMaxで可哀想(涙)。

 

いつもより早く邪面獣も出てきて為朝がそっちを担当し、ザビューンで弱点探知に成功するんだけど飛行出来る相手を捉えきれない。

マネキン邪面にも迂闊に近寄って攻撃出来ずに防戦一方の中、あくまで弟の望みを戦士になることと思い込んで叶えてやりたい宝路に、充瑠が異を唱える。博多南さんは自分で戦うより自分たちを助けてくれている時が一番輝いているんだと。

 

充瑠の連絡と同じタイミングで博多南さんからゴーアローをそっちに向かわせたと連絡。宝路は完全な勘違いで本当は、ゴーアローでアタマルドにいるオラディンと連絡が取れるよう改良していた。

いわゆる「正しいのはレッド」パターンなんだけど、「いつも弟に輝かせて貰ってきたから今度は自分が弟を輝かせたい」という愛と負い目から強く思い込んでしまって、赤の他人の方が冷静に見られるってのはままある話なんで納得。充瑠は特に「どの状態がその人を輝かせるか」にわりと序盤から敏感だしね。

 

30数年前、意識朦朧の宝路を連れてクリスタリアに出立しようとするオラディンを博多南さんが呼び止め、これから兄がお世話になる王夫妻と臣下への手土産、それと兄の性格からクリスタリアに留まる可能性を想定して愛読書の漫画本を持たせた。

彼の気遣いを尊く思ったオラディンが賞賛し、助けが必要な時は力になるから呼んでくれと約束し、その時の言葉を途切れ途切れに聞いた宝路が誤解していたというのが真相だった。

 

博多南さんは宝路の2個下で、ホワイトデーの前日=3月13日時点で15歳。宝路と同じ制服姿だったから、当時高1で誕生日は3月後半~4月1日かな?

(ちなみにキラメイジャーのメインライター荒川さんの誕生日は3月14日、ホワイトデー当日。なんというか凄くぴったりな気がする・笑)

同じ高校で見た目(地味だけど博多南さんの若い頃かつ宝路の弟と言われても納得の絶妙なキャスティングだと思う)や宝路の友人の言葉とかから受ける感じ、博多南さんはイケメンで華やかで目立つ兄を自慢に思いつつ、それに比べて自分なんかと引け目を感じ、ひっそりとサポートに徹していたと思う。

けど、王にそんな自分を認められ最高の賛辞を受けて自信を持つことが出来、そのまま長所を伸ばしてサポート道を邁進してたら、人間離れした開発能力を備えた大会社の社長にまでなってしまった。

そう思うと博多南さんこそまさに、キラメイジャーのテーマど真ん中の人生を歩いてきた人だったのかもしれない。直接戦うのではなく陰で戦士を支える人にもキラメンタルはあるし、脇役でもちゃんと輝けるんだ、というメッセージも感じていいなと思う。

ただし事件を知ってから出立までの短い時間で差し入れを完璧に揃えるとか、彼の最大の武器スピード感はこの頃からだったのかな。

 

兄の陰に隠れていた博多南さんを認め、褒めて伸ばしたオラディン王。縁の下の力持ちポジションにいる人への目配りは、さすが国のトップに立っていた人だと思う。

一方で、日本酒とチョコとお煎餅と兄の愛読漫画本を差し入れた少年に対する最高のほめ言葉が「真の<戦士>」って辺りが、今の日本とは違って戦闘がごく身近にある世界なんだなとしみじみ思ったりする。

 

それから、あの時点でオラディンが「無鈴くん」と博多南さんの名前を知っていて、高校生の無鈴が王の日本酒好きや、王妃と臣下の好みそうな物を知ってたって事は、博多南父は宇宙人オラディンを自分ちに逗留させて夜は一緒に酒を酌み交わし、子供達とも交流させてたんだね。

そう思うとオラディンの枠のなさも凄いけど、博多南家、特にお父さんの底知れなさ感も物凄い。

そんでオラディン王は、単に博多南父の息子あり養子にした宝路の実弟であったからじゃなく、早くから無鈴本人の人柄や能力を認めていて「友人」と呼び、だからこそ自分亡き後に遺される愛娘を託したんだろな、といろいろ納得。

「以て六尺の弧を託すべく(もってりくせきのこをたくすべく))」

<信頼に足る者とは自分の死後に遺児を安心して託せる者のことだ>っていう故事を思い出した。博多南さんはオラディン王にとって、まさにそんな人だったんだな。

 

ところで、宝路がクリスタリアに残ったのは「優しくて情が篤いからクリスタリアに残って尽くしたいと言いそう」という彼の性格に起因するもの以外には特になかったってことかな?モンストーンとかの影響でクリスタリアから長く離れられない事情でもあったのかと思っていたから、それはちょっと拍子抜け(笑)。

 

博多南さんが呼びかけるとオラディンさんは快くノリノリで出撃してくれて、ちっとも恐れ多いって感じじゃない。やっぱり「謁見したければハコブーを通せ」ってのは違和感あるかな。

そのハコブーは落下したキラメイジンの魔進たちを全員一度にキャッチと、本当にパワーは桁外れなんだよな。「オラディン王の頼みとあらばいつでも来るぞ」っていうけど、こっちはこっちで普段はあの島に戻っているのかと(汗)。稲田ボイスのココナッツベース常駐を避けるにしても、やっぱりこちらもこの対ヨドンの戦況で「吾輩は王の命令以外聞かないんで」だけにならないような理由は欲しいかも。

 

マネキン邪面の方は時雨がゴーアローで撃破。マネキン邪面の盾にされたマネキンたち(元は人間)を宝路が空高く吹っ飛ばした後に全員キャッチ、と相変わらず強化の無い宝路へのフォローが手厚い。

 

グレイトフルフェニックスは圧倒的。キラメイジンの魔進たちをお手玉扱いした後に飛ばして邪面獣の弱点を集中攻撃し、あっさり撃破。

 

戦い終わって改めてオラディン王と再会出来たマブシーナそれから博多南さん。凄く幸せな時間だよなあ。

改めて互いを認め合い抱き合う博多南兄弟と、そこにそっと慎ましく混じろうとするマブシーナが可愛い。

小夜の「キラメイゴールドも見たかった気もするけど」に時雨がクスッとなった後大きく頷いて、こちらのコンビも良いな。

 

あとまた愚痴で申し訳ないけど、今回はサポートの大切さということで博多南さんにがっつりスポットが当たり感謝されたのを見ると、ルパパトのノエルも戦士であると同時に皆をサポートするエンジニアでもあったのに、他とのバランス等を見られ貢献や人知れぬ苦労にはスポットが当たらず感謝もないどころか、テコ入れによるビークル不平等の戦犯にまでされて、なんでこんなに見せ方が違っちゃったんだろうって、ついつい思っちゃうよ。

やっぱり評価すべきことはちゃんとスポットを当てて評価されて欲しいし報われて欲しいな。今からでも。

 

最後に、前話のアタマルドがまんま東京ドームシティで、観覧車を背景に降り立った5人がもろに素顔の戦士のCMみたいだったからついつい、こんなご時世で今年はどうするのか心配してたら、今週開催告知でCMも流れた。

やってくれるんだってホッとしたけど、もしかしてCMの撮影やるついでに東京ドームシティをアタマルドって事にして本編の撮影も済ませ、何度もロケに繰り出す負担を軽減しちゃったのかな?と思うと本当にやりくりと工夫がいろいろ大変だな、と頭が下がる。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 16話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■苛立ちまくり

こんなに余裕のないマベは初めて。旧知のバスコが登場し過去と隠されていた傷が露わになると共に、まんまと出し抜かれ仲間を奪われて、なんというかこれまでのふてぶてしさが実は去勢を張っていた部分もあって、それが剥がれてきた感もあるのが痛々しい。

 

■悪役全開

バスコもモバイレーツ持ってるから、その気になればいつでも連絡取り合えるってのは嫌な関係だな(汗)。

口調はチャラいけど「脚を滑らせ」てジョーの顔を思いっきり蹴るとか外道表現に容赦なし。

ルカが強かに「寝返ったふり」を試みるも失敗。

「わりいな。俺、人信じてねえんだわ」「人信じて何か得することあんの?うっかり信じた相手が俺みたいな奴だったらいろんなもんを失っちゃうよ?マベちゃんみたいに」

とせせら笑う。自分を例に出すことで一定の説得力が生じてしまうのが始末が悪い。

ジョーたちを人質に、宝探しに必要な物を全て渡せとマベに迫る。一見馴れ馴れしいチャラい口調ながら所々で見せる冷酷な表情が底知れない感じ。

ザンギャックが殿下の影響で今一つ対海賊には本腰を入れず「大いなる力」に目もくれていないから余計に、海賊たち特にマベの急所を意識的に的確に抉ってくるえげつなさが引き立っている。

一方で「得るためには捨てる」という等価交換への拘りから、卑怯な癖に取引が成立すれば人質はちゃんと返す信念もありそうなのが一筋縄でいかない魅力とただのチンピラではない「格」みたいなものを感じさせたり。

 

■サリー

バスコが連れているこの猿が何かとコミカルで楽しく、ヘビーな展開のわりに重苦しくなりすぎないようにバランスをとる存在になってるのが上手い。

どういう仕組みかお腹の中から巨大なロイドが出てくるのも、ザンギャック所属ではないためにバスコがメインで出てくる回は行動隊長もインサーンの巨大化装置もなしというハンディを補完している。

 

■何だってやる

ただ助けられるのを待つのではなく、マベに夢を諦める選択をさせないために自力で逃げようとする海賊たちがたくましい。

そんでサリーが仲間だと思ってくれるかもという一縷の望みに賭けて「手足が使えない分全力で」滑稽な猿の真似をするハカセに同意して「では私も」と自分も続こうとするアイム(汗)。

彼女には「今できないからやりません」「お姫様だったから、女の子だから出来ません」がないんだよね。そのスタンスが海賊としてここまで成長させたし、あざとさもありつつ視聴者の同性からの好感度を維持できた一因かとは思う。

反面、ほっとくとそんな姿見たくないって事もやりかねない危うさもあって、時に女であることをちゃっかり利用することもあるルカは今回アイムのそこを危惧して止めたと。いや止めてくれて良かった(しみじみ)。

そう考えると「自分が女である」ことに対するスタンスはジュウオウジャーで言えばルカはアム、アイムはセラに近いのかも、とちょっと思った。そう言えばルカはハカセにガンガン荷物持たせるけど、アイムは自分も持ちたがるんだよな。

 

■出会い

アカレッドと出会った時のマベ。

ゴーミンを倒して得た箱の中にぎっしりの財宝を「相変わらずショボいもんしかおいてないな」とか言ってルカに怒られそう。

この頃から現実的に金持ちになるとかは興味がなくて「冒険とロマンを求めて旅を」していたんだろうな。だから「宇宙最大のお宝」には漠然とした憧れを持っていた。

赤い人型(アカレンジャー)のレンジャーキーが全身赤いおっさんの欲しい物だと知ると、とりあえず粋がって歯向かい、でも負けたらそっぽ向いたままあっさり渡す。根は素直でむしろあどけない感じ。横の髪をかけて耳を出しているのが少年ぽさをより強調している。

「君が欲しい物はなんだ?」

「別にねえよ。でも、宇宙最大のお宝ってヤツなら探してみたいかな。あんたも海賊なら聞いたことがあるだろ?ま、ただの伝説だろうが」

「伝説じゃない。君が諦めたのでは手に入らない。後は君の決断だけだ」

大空に浮かび上がるガレオンを見上げるマベの表情がいかにも、これから始まる冒険とロマンへの期待で胸膨らむ少年て感じで、ワクワク感がこっちも伝わってくる。

そんであの時のアカレッドの言葉に改めて、自分が手に入れたいもの(諦めたくないもの=夢と仲間)を重ねて心を決める流れが熱い。

 

■両取り上等

取引の場所にバスコが指定した物を全部持っていくも渡すのを拒否し仲間たちも返して貰うと宣言するマベ。

「あのさあマベちゃん、何も捨てずに何かを得ようなんて、無理なんだって」

「知ったことか。欲しいもんは全部この手で掴み取る!それが海賊ってもんだろ?」

現実には、「何かを得るには何かを捨てる」のが正解なことも多い。なんならこの物語だってスタッフさんはシビアに何を優先的に描くかの取捨選択を行っていると思う。

でもここでのマベの言葉は、例えば世界の平和と引き換えに誰かの命を捨なきゃみたいな悲しい選択を否定するような、ヒーローそのものの台詞と重なる。

特に香村さんは、後のリュウソウジャーVSルパパトなんかもそうだけど、これが本当に綺麗で格好良く、いつも惚れ惚れする。

 

■逆転劇

マベは宝箱をバスコの後方で縛られている仲間たちに向けて投げた。宝箱のレンジャーキーが空中に散らばる中に、マベが紛れ込ませていたモバイレーツを見つけた4人は一斉にその狙いに気付くや、ルカとアイムがサリーを足止めし、その隙にハカセがモバイレーツ、ジョーがシンケングリーンのキーを口で受け止める。そんで、ジョーとハカセの口と口でゴーカイチェンジの凄い絵面(笑)。

ハカセがシンケングリーンに変身して自分を縛っていた鎖を破壊&ルカアイムの鎖を切断&サリーからモバイレーツを取り返して形勢逆転。画面の隅で縛られたままぼそっと「忘れてないか?」と催促するジョーがじわじわくる(笑)。

空を見上げて叫ぶように大口開けてるハカセを予告で見た時はそんな作戦の遂行場面だなんて思いも寄らなかったよ。予想の斜め上行く展開にびっくりして大笑いしながら「海賊凄え!」って感心してた記憶。

 

マベのこれぞ海賊ヒーロー!な啖呵からの、「やられた!」って思う頭のいい作戦に、本人たちはいたく真剣だけど笑うしかないシチュエーションまで混ぜてきて、ゴーカイジャー本当レベル高え!って改めて思った。

 

■仲間になるハードル

「あたし達が気付かなかったら、どうするつもりだったの?」

「気付くだろ?おまえらなら」

ここでうわあっって思った(汗)。私はこんなのあんな一瞬で絶対気付かないから。無理。海賊無理(涙)。絶対に地面にボトボト落ちるレンジャーキーとモバイレーツをただ呆然と見てるだけだわ(汗)。

ここまで潜ってきた修羅場の数と、そこで培ってきた信頼は相当な物なんだろなと伺わせる。

同時に、次の追加戦士登場回の前に、彼らの仲間になるということにさりげなく高いハードルを設けているように見えなくもない。

 

■出来るトリ

散らばったレンジャーキーそっちのけでVS追加戦士sが開始。

「え?大丈夫?」と思っていたら案の定バスコが

「そんじゃあこの隙にレンジャーキーを・・・」

って獲りに向かうから「ほらやっぱりヤバいじゃん!」てハラハラした次の瞬間、ナビィが超高速で宝箱に1つ残らず集めて飛び去った(笑)。

可愛いだけでもクソ生意気なだけでもヘンテコな占いだけでもない、いざという時は本当に役に立つから凄いよナビィ。

「あららナビィちゃん、仕事早いねえ・・・」と残念そうながら軽口叩いて相手を褒める余裕のあるバスコと、それを「まあねえ~」と流すナビィのやり取りが大好き。

 

■リベンジ

前話ラストでは不意を突かれたこともあって為す術無く完敗したけど、今回はマベ以外は途中から2人一組になって対処。

一人あたりの敵の数は変わらなくても、仲間がいて確固とした意思があれば、意思のないガワだけの存在には負けないよ、とばかりに次々にレンジャーキーに変えていくのがカタルシス

こうして見るとやっぱりマベの強さは頭1つ抜けているのかな。

マジシャインの跳び蹴りをマベが避けてシンケンゴールドが喰らった時は「(岡元)次郎さんが次郎さんに自爆(笑)」とじわじわ来た。他にゴセイナイトもいるし次郎さんが一杯。

 

終わってみればこれまで出て来なかった追加戦士用のレンジャーキーを1度に15本もgetし、次回で6人目をお迎えする準備は万端整ったことになるのが、凄く計算された流れだなと思う。当の海賊たちにはそんなつもりは一切なく6人目とか思いもよらないことなんだけど(笑)

 

■絆再び

12話ではジョーとシド先輩との因縁の揺り戻しによって危機を迎えるも改めて絆を確認し、今度はマベがバスコとの因縁の揺り戻しでそれ以上の危機を迎えるも堅い結束でこちらも乗り越える。

バスコみたいな曲者との面倒事に巻き込んだことに責任を感じ珍しく詫びるマベにそれぞれが気にするな的に返す中でルカの

「嫌んなったら勝手に出ていくから、お気遣いなく」

が特に、相手に気兼ねさせないための言葉の選び方が洗練されていて格好いい。言ってるのはルカだけど言わせているのは香村さんで、こういうセンスは流石だなと思う。

 

■まだあった

結果的に何も得られず追加戦士のレンジャーキーをしこたま盗られただけに終わったバスコ。

そのわりに余裕かましてると思ったら「まだあったりして」と番外戦士のキーがずらり!

デカマスターデカスワンウルザードファイヤーマジマザーに黒騎士に理央メレにズバーンに姫レッド、シグナルマン・・・という特別感満載の豪華メンバー。

1敗したもののバスコの底知れなさはきっちりキープしつつ、次に出てくる時は彼等を従えているのか、ってのが楽しみ半分、怖さ半分。

 

■サブライター月間

宇都宮戦隊が好きという前提で、1クール〆の大一番の後~追加戦士登場前までのサブライター月間は、正直違和感や苦手な部分もあるんだけど、ゴーカイジャーはそういうものがカーレンジャーを除いて一切なかった。(カーレンジャー回はまた次元の違う何かかもな・汗)。

その大きな要因が香村さんで、レジェンド回も普通の回も本筋回もハイレベルでサポート出来る、というのは得難い人材だなと思う。

メイン荒川さんもキャラ造形も良い意味で繊細過ぎずキャラ立ちが早いから、サブライターが掴みやすく広げやすいってのもあるんだろな。

そこに香村さんがバランスよく目配りを効かせて繊細さと等身大感も加えてギャグも、という組み合わせが本当に最強だと思う。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 15話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■ダマラスの刺客?

8話で海賊たちの目的を知り、9話で自分たちも大いなる力を狙うも、殿下からストップがかかって表向きは動けなくなったダマラス。彼の次の一手がいよいよ動き出す。

ザンギャックの私掠船フリージョーカーを操る海賊、バスコ・ダ・ジョロキア登場。

マベたちと同様、宇宙最大のお宝を狙う彼が、スニークブラザーズの入手した情報をダマラスから得て、宝を得るためには何が必要なのかを知ることが出来た、という見せ方が簡潔で上手い。

前後編名物の冒頭巨大戦も、「ダマラスがバスコに大いなる力の実物を見せるため」という名目がちゃんとある。出陣したスゴーミンはそのための捨て駒だったのは気の毒だけど。

 

■マベちゃん

正直言ってその瞬間まで彼をちゃん付けで呼ぶ発想はなくて、予告でバスコが「マベちゃん」て呼んだ時の衝撃はかなりのものだった。

ルパパトの魁利の「いいっすよ、圭ちゃん」もかなりネットをざわつかせた記憶だけど、どちらもそれまで強面で来てたのにスポンジに水が染みこむみたいにソッコー浸透しちゃうんだよな。

両方とも香村さん担当回なんだけど、そうやって一気に親しみやすさというか可愛らしさを呼称で付与していくのが上手いなと思ったり。

私もこのブログで「ちゃん」こそ付けないけどずっと「マベ」で通してるのは間違いなくバスコの影響。

 

■少数精鋭

「赤き海賊<団>」てことはてっきりもっと大勢の集団だと思ってたのに、たった3人だったのには若干拍子抜けした。

でも全部見た後からだと、アカレッド、バスコ、マベってとんでもなく少数精鋭だからこれでいいんだろう。回想にあてる尺やマベにとっての人的喪失をアカレッド以外に分散しない方針もあったのかもだけど。

 

■下っ端

マベが一番下っ端として甲斐甲斐しく床掃除してる。船長のアカレッドに導かれ、気の置けない兄貴分のバスコと和気あいあいで楽しそう。今のふてぶてしさはどこにもない。

初めて見た時は新鮮だったけど最終回まで見終わると、本来のマベは「マベちゃん」と呼ばれるのが似合う、やんちゃな末っ子気質だったのかなとも思う。

 

■信頼されたとたん

なお、このバリバリ本筋な重要回を担当した香村さんは、ゴーオンジャーでデビューし(荒川さんとの共同執筆)、前年のゴセイでは単発エピソード3話を担当しただけだった。

なのに、「道を教えて」で宇都宮Pに「書ける人だな」と思われたとたん、荒川さんが忙しいからと1話おいてすぐにこんな重要な前後編を任されている(汗)。

しかもアカレッドとマベの過去は荒川さんから「好きにしていいよ」と託されてしまった(笑)。

やっぱりプレッシャーだったと思う。だからこの少数精鋭は、アカレッド、バスコという新キャラ+過去マベをしっかり考えて書かなければならない香村さんの負担を、モブにまで広げない配慮もあったかもなあとも思ったりする。

 

宇都宮Pは「この人は出来る」と思うとわりと思いきった抜擢をするところがあるのかもと思う。

杉原監督もジュウオウの夏の総集編でデビューさせたと思ったら、いきなり残り10話という重要局面を加藤監督との2人だけで回させ、1年後には早くもルパパトのメイン監督に大抜擢。

タイムレンジャーの総集編でデビューした中澤監督がローテ入りしたのは3作後のアバレンジャー後半、初メインは更に4作後のゲキレンジャーだったと思うと、時代や環境の違いもあるんだろうけれど、その無茶振りに近い起用っぷりに驚く。

 

アカレッド

2話では全身こそ映らなかったものの、ボウケンジャーVSスーパー戦隊を見た人ならすぐに思い当たるアカレッドが、満を持して本格登場。

地球人ではないマベは知らなかったけれど、彼は「戦隊のリーダーたる赤の戦士達の、平和への願いより生まれし者」。スーパー戦隊の歴代レッドへの変身が可能なところは、彼が作ったんだろうゴーカイジャーの多段変身システムに通じるかもしれない。

34戦隊が地球を守るのと引き換えに失い、レンジャーキーに形を変えて宇宙に散らばった力をかき集める役目を負うにはピッタリ、というかこの人しかいないだろうと思えるキャラクターだと思う。

私は正直言ってそれまでアカレッドのことはあまり魅力的だとも思っていなかったんだけど、ゴーカイジャーでは上手く使ってきたなあと感心した記憶。

 

なおアカレッド東映公式によると、実はボウケンジャー放送開始時にはもう用意されていて、30作記念年であるためどの戦隊にも属さずに全体を俯瞰出来るキャラクターとして、いろんな媒体で先輩戦士を紹介していく役割も考えられていたのこと。でも、現役のボウケンジャーより目立ったりしても問題だ、等といった理由で実現せず、ボウケンジャーVSスーパー戦隊でやっと日の目を見た。その時は胸のマークは30。

それが更に5年を経て胸のマークだけ35に変わり、記念作品のゴーカイジャーで主人公を導く重要な役割を演じている、というのは、当時企画したスタッフさんたちには感無量だったんでは?と思ってみたりする。宇都宮P本人もボウケンジャーにはサブPとして参加していたから、もしかしたら当時のリベンジ的な思いもあったかもなあ、とも。

 

アカレッドは自分を庇って死んだ、とマベは思っていて、だからこそその死の間際に交わした「俺の分まで生きろ!そして宇宙最大の宝を必ず手に入れろ!いいな!」という約束が重くのしかかっている。

正直、「俺の分まで生きろって、あなたそもそも死ぬの?」と思ってしまったけれど、ここはアカレッドとは何者かを知っている人と、知らないマベや未視聴の人で温度差があるかもと思った。未視聴だとよりマべの視点に近い状態で見ることが出来るのかな・・・と。

 

■仲間たちの反応

バスコと翌日サシで決着をつける約束をし、自分の問題だから手出し無用だ、と仲間たちに告げるマベ。

相手は曲者っぽいのに信じて待つしかないのか?と真っ当に心配するハカセとアイムの海賊らしくないコンビ。

譲れないものがあるからな、と自分も1人で抱え込んだ経験のあるジョーは理解を示す。だからこそ止められない。

と、メンバー毎の反応の差を描き分けた上で

「しょうがない。あたしたちは明日もお宝探しだ。もしかしたらたまたま途中で、ばったり偶然、誰かさんと会ったりするかもしれないけど」

と、いたずらっぽい笑顔で、粋なとんちを効かせるルカがなんとも素敵で大好き。

 

■ラッパ

バスコはレンジャーキーを実体化させるラッパを持っていた。

主人公が同シリーズの別のヒーローに変身出来て、後発のライバルが別のヒーローを実体化出来るのは、仮面ライダーディケイドとディエンドと同パターン。

そもそもゴーカイジャーの企画が通ったのは仮面ライダーの方でディケイドが成功したからってのもあるかもだし、ある程度踏襲するのは仕方ないのかも。

バスコは

「実はあの人(アカレッド)、俺らに黙っていたこと、結構あったみたいなんだよね」

と言って追加戦士のレンジャーキーとラッパを取り出したから、これらはアカレッドが隠していたものをバスコが裏切った際に回収したってことかな?このラッパ、後々を考えると結構作られた目的がエグいんだよな・・・。

 

■デンジャーでデンジャラス

いきなり追加戦士5人に囲まれて大ピンチのマベの背後から「わっかりやすい悪役だなあ」とルカ。

「こんな所で会うなんて偶然だね、マーベラス」「デンジャーでデンジャラスな物を探していただけだ」「新しいレンジャーキーがあるならゲットしなきゃね」「安心して。マーベラスの邪魔はしないからさ」

冒頭のナビィの占いと自分たちの本来の目的を大義名分にした言い回しが文句の付けようがなくて凄く洒落ていて、マベを心配しながらの距離感の取り方が何とも格好いい。このあたりは流石香村さん。

 

■追加戦士のレンジャーキー

予告で、タイムファイヤー、ドラゴンレンジャー、デカブレイクシュリケンジャー、キングレンジャーという追加戦士の実体化を見た時は、「来たあ~!」とテンション上がった。

レジェンド大戦には追加戦士も参加していたけど、ここまでゴーカイチェンジがなかったのは単にゴーカイジャーが自分たちと呼応する初期メンバーのキーだけを使ってたからなのか、もしくは作劇的に追加戦士加入まで温存する狙いがあったのか?なんて考えてた。けど、そもそも宝箱の中に入っていなかったのか!と意表をつかれた。

海賊たちが苦戦しながらも、武器交換で得意な二刀流二丁拳銃になってからは形勢逆転し、1人ずつ倒してレンジャーキーに戻していくのはわくわくした。

特にデカブレイクを相手にアイムが初めて見せた片手二丁拳銃が格好いい。

 

■予告にいなかったのに

かつてない強敵×5をやっとクリアしたと思った直後の、10人の新たな追加戦士たちの登場。

予告にもいなかったから余計に、「え・・・?何?嘘?嘘?うわあっ!」っていう衝撃と、こんな強い連中に倍の人数で囲まれた(怖)!という絶望感が当時凄かった。わざと不安定に揺らしたカメラワークがまたそれを煽る煽る中澤演出。

元々は正義の戦士たちが容赦なく攻撃し、次々変身解除させられた青黄緑桃をなおもいたぶるのがかなりショッキング(アイムの髪の毛を掴むアバレキラーだけは違和感ないとか当時言われてたけど・汗)。

ゴーカイジャーは基本的に強者感が強い戦隊だけど、いざピンチの時の描写も容赦なく痛々しい。

それが海賊たちの来た路と行く路のハードさを感じさせてくれるんだけど。まさに冒険物語。

 

悪の華

バスコは、マベの仲間たちが加勢に来ることまで想定した上で、彼等をさらうのが本当の目的だった。

ルカのとんちは流石だと思ったのに、まんまとその上を行かれてしまっていて、これまでしたたかな知恵比べやしぶとい戦いぶりを見せてきた海賊たちの完敗が重い。

陽気なおちゃらけた口調でコロコロ表情を変えつつ飄々としていて、決して正面から戦わず堂々と卑怯な手に拘る。

一方で「何かを得るには何かを捨てなきゃ」が口癖で、その言葉通りに5つのレンジャーキーは捨てるという彼なりの信念も強烈に見せていく。

細川さんも容姿は華やかだし演技もホント素晴らしくて、滅茶苦茶嫌らしいけどで凄く魅力的。「悪の華」っていう言葉がバスコにはぴったりだなと思う。衣装はお祖母ちゃんの編んだコタツ掛けみたいだけど(汗)。

 

■温度差で風邪を引く

マジシャインとシンケンゴールドというスーアク岡元次郎さんな強敵コンビの攻撃でも変身解除しなかったマベが、仲間たちを連れ去られた後によろよろ変身を解き、引き換えに残されたレンジャーキーの散らばった地面を叩くかつてない大ピンチend。

とんでもなく厄介な第三勢力の登場から波乱だらけの展開で、前話カーレンジャー回のあのシュールなギャグ空間はいったいなんだったのかというギャップが凄まじさ(汗)。

ギャグとシリアスの温度差で風邪をひく、のゴーカイジャーverかな。宇都宮P、絶対狙ってたよなこれ(笑)。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 14話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■混ぜるな危険

カーレンジャー回。東映公式曰く「迂闊に手を出すと火傷する作品」だからと、脚本はメインライターの浦沢義雄さんを起用。

私はそれまであまりこの方の作品を知らないか、意識して見たことがなかったけど、なんというか・・・まあ凄かったとしか言えない(笑)。

そんで13話のところでも書いたけど坂本太郎監督は、震災でスケジュールが逼迫し、2班体制にせざるを得なくなって監督が足りず急遽来て貰ったという経緯がある。

その結果、カーレンジャー回は浦沢脚本坂本監督という本編コンビが実現してしまったらしい。

これもピンチをプラスに反転するゴーカイジャーのなせる技・・・ってことになるのかもだけど、なんというか、物凄い化学反応がおきてしまったような(笑)。

 

■恋する女性幹部と行動隊長(汗)

1~12話までの作風や世界観を見た後にその流れから、地球を侵略に来た組織の女性敵幹部が地球人男性に恋しますとか書くか普通?

そしていくら彼らの青春時代を表現したかったからといって、彼女にセーラー服、それから彼女に恋する行動隊長に学生服を着せようと思うか普通?

そして恋に舞い上がるあまりギガントホースの中でモーツアルトのBGMで踊らせるか普通?もしかしたら見てなかったかもだけど。

わりと真剣に聞きたいんだけど、セーラー服と学生服着せようと考えたの誰(笑)?

いくら浦沢さんの脚本がその評判どおりいろいろ狂っていてもまさか脚本で学生服とセーラー服まで指定してないよね?それともしてたの(怖)?

それとも浦沢さんと数多くの作品でコンビを組んで盟友と言われてるらしい太郎監督のアイディアなの?ちなみにインサーンを踊らせたのは台本にはなくて太郎監督がジェラシットのあそこまでの嫉妬に説得力を持たせるためにやったらしいけど、ホント恐ろしい(汗)。

 

■設定?何それ?

私、カーレンジャーはVSオーレンジャーメガレンジャーVSしか見ていないけど、カーレンジャーのメンバーは自動車会社「ペガサス」の社員だということは知っていた。

でもこのエピソードに登場したレジェンド、レッドレーサー陣内恭介は「役者やってます」との自己申告。

「あれ?」と思ったけど書いたの本編のメインライターだし、最終回のあとにクビになったとかかな?本編にそうなりそうな伏線でもあったのかな?と穏便に解釈してみたり。

そしたら、宇都宮Pが

「みんな<カーレンジャー回>だと思っているけど、岸(祐二)さんが<交通安全>って言ってるからカーレンジャーに見えるだけで、一番設定を無視してますから(笑)。浦沢さん自身はそういうことに全く興味がないのが素晴らしいと思います」

と仰っていてびっくり。浦沢さんも浦沢さんだけど宇都宮Pも確信犯で、<火傷をしたくなかった>はずなのに、いいのかそれで(笑)。

 

■経年?落ち着き?何それ?

これまでのレジェンドたちは、ガオレンジャー回の時の「アラフォーなんだからもっと落ち着かせて下さい」発言に代表されるように、わりと本編最終回からの経年変化を描くことを重要視していたと思う。

カーレンジャーは当時で9年前の作品だったガオレンジャーよりさらに5年前の作品。

だけど年相応の落ち着きとか何それ?な大暴れっぷり。

冒頭からザンギャックに追われて逃げるのも騒々しく、助けてくれた海賊たちを大いなる力を餌に強引に劇団にスカウトして逃げられると全力で追いかけ、ジェラシットからの攻撃をハカセを盾にするヒーローにあるまじき方法で避け、インサーンには文字通り振り回され、キスを迫られると騙してその気にさせた後にうっちゃり、巨大化したジェラシットにアイラブユー指南。

ここまで書きだして、出演時間も間違いなくこれまでのレジェンドたちより多いし、今回どんだけやりたい放題なのよと改めて呆れた(笑)。

 

■確信犯その2

いくら脚本がぶっ飛んでいたってそれを撮るのは監督だし演じるのは役者さん。そこでブレーキもとい調整が入ってもおかしくないと思う。

でも坂本監督と岸さんはブレーキをかけるどころか、2人で相談して

「ぶっこわしてもいい、すべってもいいから、とにかくやりたいことをやろう」

と決めたらしい。で、その結果がこれ(笑)。脚本の浦沢さんと宇都宮Pだけじゃなく、監督もレジェンドゲストも確信犯。ストッパー不在だったということか(汗)。

 

■インサーン初対面

侵略すべき地球の男への恋に狂って自軍の行動隊長と戦い、敵である戦隊メンバーに、さっさと変身して自分の思い人を守れとけしかける。それがゴーカイジャーと敵幹部インサーンとの初めての出会いだった(汗)。

11話での殿下とバリゾーグとの初対面はあんな衝撃的でシリアスでドラマチックな展開だったのにギャップが酷すぎるけど、いいのかそれで(2回目)。

 

■海賊が蚊帳の外

海賊たちは今回は傍観者。あっけにとられて見ていたり、変身したら敵がいなくなって「派手に行・・・けない」と調子狂ったりで「やりづれえな」とかぼやく始末。

ふだん不敵でマイペースなアウトローの海賊たちが振り回されて戸惑ってる、らしくない様子が新鮮で楽しい。

役者さんたちも台本を見て「大丈夫なのかな」と不安になってプロデューサーに相談に行ったら「浦沢さんも坂本さんも天才だから大丈夫だよ」と言われたとか。

そう言えば撮影は2班体制で、浩一監督組の11話12話と同時進行だったと思う。けど、かたやあんな激熱特濃前後編でかたやこれ(笑)。

宇都宮戦隊だと後にルパパトで「温度差で風邪をひく」と言われていた。

けど、「覚えているか?」「当たり前だ!」から「炎のジェラシーパワー!」「アイラブユー!」へと両極端な撮影現場を行き来しただろう役者さんたちにとってはこちらの温度差も相当なものだったんじゃないかな(笑)。

 

■小ネタの宝庫

筋トレ最中に昼寝しているジョーの寝相。横断歩道を両手を上げて渡るマベ。13話ザッカイ信号無視の伏線回収。真剣白羽取り失敗。レジェンド回お約束の変身で車戦隊違い。部下に呆れて自ら巨大化装置を握る殿下。

等々、いちいち上げたらきりが無いくらい小ネタが多い。本当ならこれらにもツッコミたいんだけど、体力気力がもたないのでやめとく。

 

■生きていた

ジェラシットは巨大化して必殺技を喰らっても、ギガントホースまで飛ばされただけで生きていた。行動隊長で生き延びたのは初めて。

まあ愛に狂っていただけで、恭介には明確な殺意を向けたし街は若干破壊したけど(汗)、そこまで悪辣ではなかったということか。(それを言ったらスニークブラザーズの方が破壊行為という点ではもっと無害だったけど・汗)コミカルで憎めない部分もあったし、生き延びて良かったほっとした部分もある。

でも彼がまた後に新たな波乱の火種になり、更にはある意味ゴーカイジャーの枠すら超えた戦隊の財産みたいな存在になっていくとはこの時にはまだ想像も出来なかった(汗)。

 

■大いなる力とは

戦闘中に大いなる力の発動はなく、ラストで海賊たちは結局大いなる力のために「五色の信号機」の劇を引き受けたということか。

普段オラオラしているマベやジョーが、子供たちの前で凄く嫌そうにたどたどしく棒読みしているのが物凄くシュール(笑)。

大いなる力が結局なんだったのかよくわからないしナビィには「役に立たない大いなる力もあるんだね」と言われてしまって終わりとか。(電気消したのは当時の節電事情を反映したのかもしれない。)

こんな扱い、たぶん本編のメインライターでなければ許されないだろうな(笑)。でもゴーカイジャーって結構そういうパターンも多いかも。

 

■作風破壊回の季節

初めて見た時には、笑いもしたけどこれまでの作風との違和感も凄くて、正直なところ自分の中での評価に困るエピソードだった。

でも全話見終わった後に見返すごとに、その違和感は薄れていて、普通に楽しめていった印象。

たぶんこのカーレンジャー回はレジェンド回としてもゴーカイジャーの1エピソード回としてもこの後に与えた影響が大きくて、結果的にゴーカイジャーの作風を広げて大事な血肉にもなったからじゃないかなと思う。

ちなみに浦沢さんは、「(自分の回が完全に浮いているのは)宇都宮さんの責任です」と言い切っている。それが彼の狙いだったと思うから、とも。

ゴーカイジャーの後にも宇都宮戦隊を3つ見た今だと、このカーレンジャー回はいわゆるレジェンド回なんだけど、同時に

 

シンケンジャーのシンケンブラウン回

・トッキュウジャーの剣玉探偵回

・ルパパトの映画撮影回

 

とかと同様の宇都宮戦隊名物、 1クール〆前後編でシリアスに盛り上がった後、それまでの丁寧な作風にサブライターが殴り込みをかけて破壊する勢い重視のはちゃめちゃギャグ回でもあると思う。そうやって作品の枠を広げてエピソード毎の振り幅を大きくしていくのを、大事にしてるのかなと。

もしかして、だからこの時期にカーレンジャー回だったのかな?と今になって思ってみたりする。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 13話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■ピンチヒッター坂本太郎監督

ボウケンジャー以来の5年ぶりの戦隊復帰。

震災でスケジュールが悪くなり、2班体制にせざるを得なくて監督の人数が足りないところを助けて貰ったと宇都宮P。

ただでさえ例年にはない時期の劇場版撮影と被ってスケジュールのやりくりが大変なところへ311でグチャグチャになる中、容赦なくやってくる毎週の放送のために、四方八方に頭を下げて走りながら体制を立て直していったのかなと、ひしひしと感じて、本当に頭が下がる。

 

■アイム単独メイン回

荒川さんはまず5人のキャラ構成を「海賊らしい3人とその外側に海賊らしくない2人を配置」と決めてていたそうで、序盤の3-10話までは、マベ以外では海賊らしい荒事担当にゴーカイ独自の色を見せる非レジェンド回、海賊らしくない渉外担当にレジェンド回をあてていた。

映画撮影との兼ね合いでジョールカ、ハカセアイムのペアを維持していた事情もあったからだけど、その役割分担で海賊戦隊のアウトローな独自性と、レジェンドとも馴染める取っつきやすさをがっちりかつ魅力的に両立させたと思う。

その後に11-12話の前後編で荒事担当だったジョーにレジェンド回を解禁。

そんで今度は渉外担当だったアイムに非レジェンド回を宛てて、「らしくないけどちゃんと海賊です」なエピソードを見せる。

香村さんが「アイムの楽しい話を書きたいです」と希望して実現したから結果的にそうなった部分もあるんだろうけれど、なんだか凄く計算されてるなと感じてしまった。

 

■その柄はなんだ

ごめん、初めて見てから9年経ってるけどやっぱり言わせて。

見返すたびにマベのズボンの色とりどりの迷彩柄に目が行って気が散るんだけど(汗)、ルカの膝下丈パンツといい、この回の衣装は誰のセンスかと小一時間問い詰めたい気持ちがある(笑)。

 

■アイムの金銭感覚

電話一本で仲間が簡単に3億円調達出来ると思っている(汗)。

1話でルカがぶうぶう文句言いながら身に着けていた指輪を売ったら数千万円になった。それが彼らの地球での生活資金になってるんだけど3億円はその数倍。亡命して海賊になるまでどういう生活してたかは知らないけど、金銭感覚はネジがぶっ飛んだ王族のままだった(笑)。

自分を誘拐しようとした梨田の借金3千万円という苦境に同情して助けようと身代金を上乗せて告げたんだけど、そんな感じで庶民感覚とは絶望的にズレているから梨田にとって事態がどんどん悪化していく(笑)。

「わからないわからない!俺宇宙海賊がわからない!」

いや、アイムはまたちょっと特別なんで(笑)。

梨田役の山中さんのコミカルな演技もあって、誘拐犯の自業自得なのに同情してしまった(汗)。

 

■海賊の流儀

梨田に「俺たちの仲間をさらうとはいい度胸してんな・・・!そこで待ってろ。動くなよ・・・!」とドスの効いたヤクザ台詞で凄むマベ。

アイムと誘拐犯の居場所を特定してカチコミをかける時は4人一斉に銃を乱射しながら突入(笑)。こういう荒事をこなすのが手慣れている。

元王女だったアイムでさえザッカイから逃げる時に、天井の灯りを撃って暗闇を作って逃げるというセオリーが身についていて、修羅場潜ってるなあと改めて。

今回は元王女のアイムがメインだけど、いつも以上に海賊の荒っぽさ、正義の見方とは外れたところにあるアウトロー的な仁義が強調されていて楽しかった。

 

■王女でありながら

自分が猛毒を生み出す宇宙鉱石プアゾールを知らずに拾ったばかりにザッカイに襲われたことを知った梨田。

「借金はなくならない。誘拐は失敗。海賊に狙われた挙げ句にザンギャックにまで襲われて。なんでこんな運が悪いんだよ(泣)。最悪だ・・・」

と自分の不運を嘆く彼をアイムは幸運だと言う。

「あなたがこの鉱石を拾った事で、この星の、あなたや大勢の人々の命を救えるのですから。王女でありながら何も出来ず、星を失い、たった一人で逃げなければならなかった……そんな人もいますから」

正直言って、梨田が地球を救ったところで彼自身には自分の命を守れた以外の得はないと思う。

だけどアイムには、自分の星を守るチャンスを掴めた梨田が羨ましい。彼女の根っこはやっぱり王族として民を守る意識の強いと公の人なんだな。

姫として鍛えられ、シンケンジャー回でザンギャック襲来に果敢に立ち向かった薫と相通じる部分があるんだろうなと思う。

 

■すれ違い勘違い

カチコミ先にザンギャック反応があったことから、海賊たちはザンギャックがアイムを誘拐したと勘違いして血相を変える。

ザッカイがアイムの首を締めている誘拐現場(笑)も押さえ、変身前の戦闘も怒りの表情が見えて激しい。ジョーのパンチなんてやたら気持ちがこもってるし、ゴーミンに普段ならやらないような頭突きして痛がっているルカが可愛いよ。浩一監督ではないけど前回に続いて素面アクション頑張ってるなと思った。

で、最後までザッカイを誘拐の主犯と勘違いしたまま倒してしまう海賊たち(笑)。

さんざん誘拐犯扱いされて倒され、巨大化してから「訳の分からん因縁付けやがって」とブチ切れてるザッカイが若干気の毒(笑)。

香村さんはわりとこういうすれ違いネタが得意なイメージ。アンジャッシュのすれ違いコントとか好きかもなと思う。

 

■アイムの腹黒

「ま、いっか」は当時衝撃だった(笑)。

どうせザッカイはこの場で倒すから、死人に口無しで梨田の誘拐の罪も被って貰えばいろいろ都合がいいと(笑)。

ふんわり優しくてもやっぱり為政者側にいた人だし亡命&サバイバルしてるからいざとなればシビアだよな。

「お姫様だけどお嬢様じゃない」「吹雪でも手を振っていられる」という荒川さんが設定した元王女というキャラクターの核を香村さんがしっかり押さえた上で、大胆かつ等身大的な掘り下げをしている。さすが兄妹弟子コンビで連携取れてるんだろなと。

 

■爽快感

梨田が見守る前でアイムが背筋を伸ばして小気味よく戦う姿にOP主題歌が重なるのが凄く爽快感があって気持ち良い。

「そうか。これが王女だったあの子が自分で切り開いた道なんだ」

って梨田の表情がうっとりって感じなんだけどそれも納得。スーツアクターの野川さんはゴーオンシルバーでも見せた体の柔らかさが印象的で、女性らしくしなやかで品のある動きが美しく可愛らしかった。

 

■めでたしめでたしじゃなくても

梨田の借金はなくなっていない。そのあたり海賊には何も出来ない。

だけど梨田は前を向いてあがいてみようという勇気が出た。それは「王女でありながら何も出来ず星を失い、たった1人で逃げなければならなかった」アイムの「新たに切り開いた道」を目の当たりにしたから。

厳しい現実は変わらないけど希望と救いがある。このあたりの匙加減塩加減が流石香村さん。

「俺の幸運は、あんたに出会ったことだ!」

っていう叫びが万感こもっていてエピソードが凄く気持ち良い話に昇華された感じ。演じた山中さんも流石だなと思う。

 

ダブルミーニング

「道を教えて」というサブタイトルには、このエピソードの発端となった、梨田が誘拐のためにフェイクでアイムに道を尋ねたことと、アイムが梨田に「生きていれば新しい道が開ける」と身を持って示したことの2つの意味が掛けてある。

それら諸々をアイムの「ちょっと道を教えて差し上げたんです」という台詞で集約したラストがなんとも美しく締まりすぎだよ。

 

■信頼get

香村さんは戦隊オタクだからと荒川さんの紹介で起用され、7話と9話でレジェンド回を担当していたけど、この「道を教えて」は

宇都宮Pが「書ける人だな」と香村さんに目を付けた記念すべき非レジェンド回。

ここで信頼を得た後に、一介のサブライターの域を超えた重要な役割をガンガン担うことになるんだけど、そうやって重用されなければ、後のジュウオウジャーやルパパトは生まれなかったかもしれないと思うと感慨深い。

 

キラメイジャー29話感想: オラディン王復活やらグレイトフルフェニックスやらで結果がオールライト

ハコブー登場で、さあ反撃の狼煙だ!ってところで煙はヨドン巨獣プロジェクターゴモリュウの被る邪面のプロジェクターから出てきてオーバーヒート。

「頭を冷やして来い!」というヨドンナの腹立ち紛れの台詞が物理的にもぴったりでじわじわ来た。

あんなに強い上に飛べる。まあ逆にあれだけの翼があって飛べなかったら詐欺だけど。

登場タイミング的に強敵を撤退させたようにも見られて

「吾輩まだ何もしてないよ?」

と戸惑うハコブーが可愛い。いやあなた前回ラストではあの強敵を1度転倒させただけでも十分凄いよ。

 

今のうちに苦しむ魔進たちをアタマルドに連れて行き回復させてくれと頼む充瑠に異を唱えるハコブー。

アタマルドはオラディン王の精神が理想郷として作り出した異世界。そこにある奇跡の輝きを放つ石ミラクルストーンの輝きを浴びると、どんな病も治ってしまう。

でもかつてハコブーはクリスタリア襲撃後に訪れた時、ミラクルストーンが一切の輝きを失っているのを見て王の死を知り、絶望した。だから今のアタマルドに連れて行っても無駄だと。

・・・世界まで作っちゃうオラディンて一体何者?枠のない人だとは思ってたけど持てる力にも際限なさすぎでは?

だんだんガルザさんは自分とオラディンの何を比べて自分の方が優れていると思ったのかわからなくなってきた(汗)。

 

充瑠は夢で貰った鍵を見せ、オラディンが会いに来てくれと言ったと明かす。

王妃が魂を守り石に移したように、王の魂も必ずまたどこかに存在している。その場所はアタマルドに行ってみればわかると。ココナッツベースに希望が沸き上がる感じが見ていてこちらもわくわくしてくる。

 

一方ヨドンへイムでは、ハコブーの戦線復帰に嫌な予感を覚えるガルザに、ヨドンナが石に埋め込まれたようなオラディンの遺体?を見せる。

オラディンは王妃同様、体が崩壊する寸前に魂を転生させようとしたがヨドン皇帝が阻止して封じ込めた。ここにある限りヨドン皇帝の力が常に注がれているので復活はあり得ない。今は互いの力が拮抗しているが耐えられなくなるのは時間の問題だと。

 

オラディンやっぱり生きていた!あんななぶり殺し状態で遺体が引き摺られていったのに、魂の転生とその阻止がどのタイミングで行われたのか考え始めるとちょっと無理がある感じもするけど、いやもう結果がオールライト!

殺され方が英雄の尊厳という意味からも惨たらしすぎるなと思っていたから、良かったな。

 

そこにクランチュラがプロジェクターゴモリュウの修復完了を告げに来てオラディンの像を二度見(笑)。エピソード0ではガルザに助けられなかったらやられてたもんな。怖いよね。

ヨドンナは「何でもない。忘れろ」「とっととゴモリュウを暴れさせな!」とガルザに対するより露骨にぞんざいで、重要なことは教える価値がないといった差別的な態度。

クランチュラさんが仲間外れ状態なのはちょっと可哀想。ヨドンへイムは愉快で癒しのある空間だったのに(違)。

 

充瑠の説明に希望を取り戻したハコブーは体中に魔進5体を乗せてアタマルドに運ぶ。あ、だからハコブーなの?

ここがアタマルドだと見せられた景色がどう見てもまんま東京ドームシティ(笑)。お馴染みの観覧車をバックに変身前の5人が降り立つともう、素顔の戦士公演のCM感満載(汗)。今年はやって貰えるのかな・・・・。

 

普通の街並みに見えたアタマルドだけど、人間に混じってクリスタリア人たちも普通に行き来している。人間と同じ服を来てデートしたり、スーツ姿で通勤途中だったり、制服姿の学生たちがたむろっていたり(汗)。

乗り物も人間世界の車や電車と一緒に魔進が走っている。

 

両文明の交流を目指したオラディン王の理想とした世界アタマルドは、ジュウオウジャーの最終回をちょっと連想させる。

だけどそこにいたクリスタリア人は全てオラディンやマブシーナみたいな水色の肌で、他の色、特にガルザと同じ肌の色は1人もいないんだな。

異星人の宝路ですら受け入れたオラディンの精神が、自分と違う体色のクリスタリア人を排除したとは思えない。だからガルザの体色は突然変異か何かで、王家に生まれたにもかかわらずもしかしたら彼はクリスタリアでは生まれた時から異端者だったのかな?とちょっと思った。まあこのあたりはスタッフさんがどこまで意識して作り上げたのかはわからないけど。

 

やがて皆は扉だけががたくさん並んでいる場所に出る。

こういう時の特攻隊長瀬奈が真っ先に無警戒のまま扉を開けると中から光。

この中に王に通じる扉がある。扉は1人1回しか開けられない。でもどの扉にも鍵穴はない。

緑「開くんだからいいんじゃない?」桃「入ってみないとわからないか」黄「時間がない。悩んでいてもしょうがないな」

と4人はさっさと中に入る。

プロジェクターゴモリュウが復活したら今戦えるのはドリラーだけ、というのは確かに厳しいので時間がないのは本当。

だけど、攻略に必要なアイテムがあるならそれを使うのが定石なゲーマー為朝にはもうちょい鍵に拘って踏みとどまるか、自分たちが先行し失敗したら充瑠に後を託す、みたいな形にして欲しかったところで、ちと残念。

 

扉の中で4人がそれぞれ出会ったのは眼の周り真っ黒なもう一人の自分。メスをかざして歌いながらエレベーターを降りてくるアナザー小夜がホラーレベルの怖さだけど、これはこれで絵になってるなと(汗)。

アタマルドはオラディン王が亡くなった影響で不安定になっており、何が起こるかわからないから気をつけろ。

ハコブーの言葉はこれを指していたのか、アナザー4人は変身して襲いかかる。けど、本物4人は変身出来ずに生身で戦うというピンチ。

もう1人の自分、変身後の自分と戦うのは戦隊時々あるあるで絵的には面白いんだけど、特にこの後の展開に繋がらなかったのは残念かな。まあ、5人中4人が失敗して残るは充瑠だけ、という状態はあると無いとでは切迫感が違うと言われればその通りなんだけど。

 

扉が消えて4人が失敗したと悟った充瑠は焦る中で「煌めきこそが私に通じる」という王の言葉を思い出し、

「俺の煌めきは閃きスパークリング!いつも何かを描いてきた」「鍵穴が無ければ描けばいいんだ!」とひらめキング。

読み通り鍵穴の絵は実体化して、中に入るとそこにいたのはオラディン王。

「行きましょう!ここではない場所へ!」

充瑠が王の手を引いて扉を出ると、ヨドンへイムでは王を封じ込めたオブジェが崩れ、魂の転生を悟るガルザ。

 

どういう理屈で、充瑠が鍵を使って扉を開けると王様の魂が転生出来るのか、その仕組みはよくわからない。

ヨドン皇帝に魂を封じ込められて物理的に移ることは出来ないけど、自分の精神が作った異世界には辛うじてあと扉一枚の所まで迫れていて、そこに自分と同じ力を持ち交信出来る充瑠のイマジネーション=閃きスパークリングの力で異世界へ脱出する出口を作って貰えたって感じだろうか?まあでも結果がオールライト(笑)。

なんか王様と充瑠2人の力が合わさったらイマジネーションの力で出来ないことなくない?ってくらいチートだな。もう現実主義的なガルザさんがこれに対抗出来る気がしないよ(汗)。

そんで扉の外へ出た王様の魂がミラクルストーンに飛び込むと輝きを取り戻し、キラメイストーン、魔進オラディンとして生まれ変わった!

 

アタマルドも安定を取り戻し、もう一人の自分と戦闘中だった4人も戻ってくる。更にミラクルストーンの力でファイヤーたちも元通りに元気に。

あまりの歓喜に石たちが一斉にガヤガヤ喋り出し、もう何がなんだかわからない。為朝も泣くよなそりゃ(笑)。

「形など関係ない。結果がオールライト!」さらにフェニックスの姿になり「見よ!私は本当の不死鳥になったぞ!」と王様本当に元気そうで嬉しそうでもうノリノリ。

「さあ行こう!キラメイジャー!煌めこうぜ!」

この朗々とした杉田ボイスには、なんかもう細かい理屈とかどうでも良くなるような高揚感があるな。で、それがそのままオラディン王の、恐らく大勢の民や家臣をたまらなく惹きつけて愛される大らかなカリスマ性の表現や、でも一方でガルザのようなタイプには凄く負担となり嫌われるんだろうな、っていう説得力に繋がってる感じ。圧倒された。

 

プロジェクターゴモリュウに1人で苦戦中の宝路は、突然加勢してきたフェニックスにびっくり。それが義父の転生した姿と知ってなおびっくり。

マブシーナもそりゃあびっくりするやら嬉しいやら。死んだと思っていた母王妃に続いて父王も復活だもんなあ。彼女がこれまでいろいろ頑張ってきたご褒美が一気に来たみたいで、素直に良かったなと思う。

なんか今回、オラディン王が復活してからの幸福感と盛り上がりが凄いよ。

 

一方ヨドンへイムには激震が走る。

「奴は言う。王は奇跡を呼ぶものだと・・・何が奇跡だ!(激怒)」

とガルザさん。

才能は自分の方が上なのにと鬱屈した思いを抱えながら手足となって長年働き、秘かに計画を練って首尾よくクリスタリアを攻め滅ぼし兄を殺し、名実共に兄を超えたと証明したはずだったのに、目の前で奇跡を起こされまんまと復活されてしまった。

これまでもオラディンのようなタイプが兄王だと、無自覚に理想を押し付けられ滅私奉公させられてたんだろなとか悪役ながら同情しちゃう部分もあったけど、復活したオラディンのやりたい放題なんでもありっぷりを見ると、いやつくづくこの人の弟やるの大変だったんだろうな、振り回されまくったんだろなとしか(汗)。

 

王復活にファイヤーたちも元通りと上げ上げムードの中でオラディンは充瑠を操縦席に呼び、一緒に同じ姿の巨神をひらめキング。

「ハコブー、お前も来い!」

「相変わらず吾輩使いが荒いですな、はっはっは」

ハコブーも嬉しそう。つい数時間前まで感情をなくすほどの絶望の中にいたとは思えない。オラディンが実は生きていて救い出せた。しかも自分がそのために大きな役割をはたすことができたんだから、ハコブーは時雨の兄貴に足向けて寝られないな。

「よーし、私も戦っちゃうぞ~」

とクリスタリアの英雄オラディン王とクリスタリアいちの豪の者ハコブーの合体でグレイトフルフェニックス完成。

そりゃ強いでしょ。てか杉田ボイスと稲田ボイスの合体ロボなんていろいろ反則すぎるでしょ(笑)。

 

飛んで逃げる巨獣を追跡して追い落とし、パワーでも圧倒。

あんなに強かった巨獣も真っ二つ。なんかもうよくわからないけど強すぎるのだけはわかる(笑)。

復活したオラディンは充瑠に礼を言うと義理息子宝路からの挨拶にも気もそぞろにとっとと飛び去った(汗)。残されてあっけにらとられるキラメイジャー。

 

自由過ぎる(汗)。今までも枠に囚われない精神だったんだろうけれど、王という立場で民のために我が身を省みず働き戦い不自由に甘んじていたことも多かったと思う。

でも復活したら王様としての敬慕は維持しながらも義務に縛られる事もなくなり、何処にでも飛んでいける翼まで得ちゃって。たぶん今の方が幸せだよな王様。

飛び去ったのには時間制限とかエネルギーとか何か理由があるのかも。だけど現時点では、この人絶対今まで行けなかったいろんな所に飛んで行って見て回りたくてたまらない気持ちが頭の99%くらい占めてたでしょとしか思えない(笑)。

まあオラディンの立場で好意的に解釈すると、王様だった自分がココナッツベースに居座ると

博多南さんとかやりにくいこともあるだろうし、他の石たちにも変に気を使わせ過ぎるのでは?なんて配慮もあったかもな。

そんで作劇的にも、稲田ボイスが加わるだけでも濃いのに杉田ボイスまで常駐したら、その2人だけで基地での存在感が他を圧倒してしまいそう(汗)だからこれでいいのかもしれない。

 

ガルザは兄の復活に「俺にも考えがある」と暫くヨドンへイムを離れることにした。

新しい魔進でも製作するのか。

それとも強大な力をもたらすカナエマストーンの残りの1つを捜しにでも行くのか。

いやそれともOPのヨドンへイム集合場面の妙に空いている場所を埋める誰か新キャラを連れてくるのか(ヌマージョの妹ミンジョ希望!)。

とか考えると楽しみな一方で、暫くはヨドンへイムがクランチュラさんとヨドンナだけという緩衝材なしのギスギス空間になるのかもと思うと早く帰ってきて欲しいと思う(汗)。タイミング的にクリスマス商戦に帰ってきそうな感じかな?

 

あとごめん、やっぱりまた愚痴りたくなっちゃうけど、宝路はルパンコレクションと同じくどんな願いも叶うカナエマストーンを求めながら、死んだ義父オラディンの復活を叶えたい願いに含めず、だけど「実は生きていた」ことにして別の姿で華々しく復活させたために再会出来た。それを見ると、同じ追加戦士のルパパトのノエルと比べてしまって辛くなる。

もしも、死者蘇生はやっぱり見る人によってはNGな願いだからという配慮で「オラディンは実は生きていた」ことにしたんだとしたら、最終回が終わった今もそんな願いを叶えることも乗り越えることも出来ないまま、VS続行の舞台装置として背負わされている今のノエルの状態は、本当にどうにかならんもんかな・・・と思ってしまうよ。

 

キャラソンは小夜。メイン回ではないけど、そう言えば小夜メイン回の時はキラメイバンドだったからか。こちらもしっとりした優しい曲だけど、スローテンポなせいか、アナザー小夜メイクで歌うと不穏さも出せるんだな、と不思議な感じがした。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー: 12話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■初仕事で脱落

8話の過去映像でのジョーは、まるでゴーミンたちを率いての侵略活動くらい日常茶飯事な感じだった。

けど、実際は軍人としての初仕事である幼女虐殺を拒否して逆に妨害したために、命令違反で拘束されてしまう。

9話の「軍人は大変だな」を思い出した。ジョー自身は意に染まない命令に従い非情に徹して任務を遂行する軍人でいることが出来ない人だったんだなと。

 

ジョーが元ザンギャックだってのは当時、開始前の雑誌情報なんかで知ってた。だからボウケン蒼太さん以来のダーティ過去持ちブルー来るか?って楽しみな反面、罪の重さによっては贖罪が難しいかもと心配もしていたもんで、ちょっと拍子抜けした一方で安心もしたっけ。

8話のあれはインサーンのイメージ映像みたいなものか、それとも途中でやっぱりジョーの手は汚さないことに方向転換したのかな。

 

■逃げ続けるか死ぬか

軍令違反で捕らえられたジョーを助け出したシド先輩の言葉。

「ザンギャックに逆らったからには逃げ続けるか死ぬかだ」

一旦逆らったが最後、その二つの運命以外に選択肢はない。それがこの物語の宇宙の大部分を支配している「常識」で、海賊たちもそんな強権と理不尽に支配された世界で生きていた。

「だが俺たちは宇宙に生きる者として正しい道を選んだんだ」

気高く正義感が強く誇り高い。眼差しも温かくてジョーが憧れる先輩という説得力もある(そしてそんな先輩を尊敬してきたのも、幼女虐殺という非道な命令を拒絶した一因なんだろう)。

「生意気な奴だったが」と殿下が言うくらいなら、もしかしたら殿下に対しても直接堂々と正論を吐いたことがあったのかもしれない。

というかジョー同様シドもザンギャックの非道な軍令に従い続けられたとは思えないから、ザンギャック内部で本格的に汚れ仕事を働く前に脱走したんだろう。なら、殿下に「生意気」なことを言ったのは捕らえられてからなのでは?と思う(汗)。臆せず屈せずに激しい言葉を浴びせたということなんだろうか。

でも正しい道を選んだ末に捕らえられ改造されてシドとしての意思や記憶は消され、その剣の能力だけを正しくない道に使われてしまっている。

そんな風にこれまでも無数の、強大な帝国の前には小さな正義が押しつぶされて現在に至っていたんだろうな。シド先輩の運命にはそんな虚しさも感じてしまった。

 

■完全なる機械

バリゾーグは殿下以外の命令は聞かない。殿下に命令されたこととそれを遂行するために必要なこと以外はしない。

置き去りにした剣を任務に必要だからと回収に来たけど、そこに現れて自分を「シド先輩」と呼んでしつこくまとわりつき、自分の技を真似て攻撃までしてくる男を、振り払うだけで殺しもしない。命令がないから。

殿下の凄く忠実な部下だけど、その殿下を傷付けた海賊の仲間に対しての怒りも憎しみも一切見せない。シドとしてのジョーに関する記憶や感情だけでなく、主と仕える殿下への情すらないんだね。

そもそも人の心はどこにも残っていない、「完全なる機械」だった。

ジョーにとっては残酷すぎる現実で、「俺の先輩はもういない」と絶望するには十分すぎる。

 

■掴んで離さない

ナビィと二人だけの頃に立ち寄った星で、脱走兵として追っ手と戦っていたジョーを目撃し、仲間にすると決めて加勢したマベ。 

「おまえの剣の腕と、その眼が気に入った」

なんでも荒川さんも「山田くんの眼が気に入ったんだよね」と仰ったそうで、もしかしたらそれをマベの台詞に投影したのかもしれないと。だとしたら粋だなあ。

ジョーの首の発信器と危険な電撃の話を聞いてもマベは怯まずその発信器を鷲掴み。力尽くで外してしまう。

一度決めたらそれが危険を伴っても掴んで決して離さない。それは終盤でも壮絶な形で繰り返される。

OPに、マベが空中でもがきながらレンジャーキーを掴むカットが印象的に使われているんだけど、この番組で「掴む」という言葉の持つ意味があそこまで特別だったんだ、ということにはこの時点では思い至らなかった。

 

出会ったばかりの自分にマベがそこまで命がけで自由にしてくれた。それはもうついて行くしかないよな、とひたすら納得。てかめちゃくちゃ熱い展開でテンション上がった。

 

■仲間

シド先輩を完全に失った絶望で倒れ込んだジョーの手にモバイレーツが振れたことから、マベの仲間になり、ルカ、ハカセ、アイムの順でガレオンに仲間が増えていく回想に繋がるのが、短くても温かい映像で素敵。

大事な先輩を失ったけれど自分にはまだ仲間がいる、と立ち上がって駆け出すジョーの姿に、なんというかカタルシスがあった。

 

■双

林の中を駆け抜けるジョーを、木の葉が舞う中で薫と丹波が待っていた。薫は「私の負けだ」と丹波に持たせていた「双」のモジカラのディスクを渡す。これを使うと刀が2本になるので、二刀流のジョーにまさにぴったり。また、本編最終回に丹波が殿を当主と認めて激励と共にこのディスクを託したように、今は海賊たちを認めた証として託す、そのさりげないリフレインがぐっとくる。

 

■外から見守る人

前日からずっと海賊たちの心意気と絆、特にマベからジョーへの問答無用の信頼を見守り続けた姫。彼女はシンケンジャー本編でも侍たちの中には入れずに外から彼らの絆を、痛みと後悔を抱えながら見守り続けた人だった。

ゴーカイジャーはこの時点では全戦隊ともレッドが出演していた。その中で姫は、間違いなく正統なレッドなんだけどイレギュラーな存在。そこには殿を演じた松坂さんの出演が恐らくスケジュール都合で叶わなかった事情があるんだろう。

でもこの新武装付き1クール〆の大一番に海賊たちの絆を外側から見極める役目を負うのは、シンケンジャー達の絆を外から見届ける立場でもあった姫が一番相応しかったと思う。結果がオールライト。

それは幸運もあったろうけど、1年間いろんなトラブルや苦難をプラスに反転し続けたゴーカイジャーのスタッフさんならではだな、と感慨深い。

 

坂本浩一監督の爪痕

ジョー不在の中での海賊たちのアクションも、変身前も後も盛り沢山すぎる。

特に素面アクションは、確か浩一監督は「痛そうなアクション」への拘りが強かったようで、ザンギャック時代のジョーもそうだけど海賊4人もダメージ描写がこの頃の戦隊の中では容赦ないな、と驚いていた。

坂本浩一監督が担当したのは、5-6話とこの11-12話の計4話だけ。

でも個人的に、ゴーカイジャーは生身アクションがこの頃の戦隊としては多かった印象で、もしかしたらそれは浩一監督回の影響もあって、他の回でも増えていったんじゃないかな?と思ったりする。

 

■アドリブ

ダメージによる変身解除にあわやトドメというピンチに間に合ったジョー。

「背中、頼むぜ」とニヤリと笑ったマベ。

さっそくゴーミンに囲まれながら背中合わせになり

「覚えてるか?」

「当たり前だ!」

からの息の合った攻撃が、出会った時の背中合わせからの立ち回りとシンクロする演出。

この台詞は小澤さんと山田さんのアフレコ時のアドリブだったとのこと。そんで、これを見た浩一監督が回想映像を追加で差し込んでくれたらしい。

自分たちのアイディアがそういう形で作品に反映され変えていく手応えを喜んでいらっしゃったのが印象的で、素敵なエピソードだなと思った。

 

■シンケンゴーカイオー

シンケンジャーの大いなる力。

パーツ自体はガオライオンで、それが変形して合体し、侍仕様の武装となる。

9話のところでも書いたけど、放送時にはもうすっかりネタバレが出回っていて、もはや驚きは一切なかった(笑)。何も知らなければもっと驚けたのでは?と思うとちょっと勿体なかったかも。

でも通常戦隊だったら1号ロボ2号ロボのスーパー合体にあたる位置づけで、1クール〆の集大成的な位置付けに相応しい重みも感じられる、格好いいプロポーションだし見せ方だったと思う。

 

■特濃前後編

4話で剣への鬼気迫る拘りと悲しい過去の匂わせはあったけど、基本は無口で感情の起伏が少なめなジョーの過去と、根っこにあるキャラの熱い核みたいな物を、慕い続けた剣の師匠が今は改造されて敵幹部という因縁と絡めてしっかり描き出す。

更にそこからマベとの出会い=ゴーカイジャーの始まりの物語に繋げて、海賊たちの強い絆として熱く格好良く見せていく。

レジェンド回のゲストとして登場し、最初は海賊と刃を向け合った薫が、本編の姿と重なる形で彼らの絆を見届け認める、いちシンケンジャーファンとしてたまらない展開。

その全編に散りばめられた激しく多彩なアクション。

物凄く熱くて中身ぎっちりの特濃前後編だった。初めて見た当時も満足通り越して圧倒されてたっけ。

封印の文字の秘密、殿の家出等、やはり盛り沢山だったシンケンジャーと重ねながら見てた部分もあったけど、宇都宮戦隊は1クール〆にメンバー離脱や組織崩壊の危機→そこからの再生が凄く盛り上がって好きだ。

ジュウオウジャーの時に、「ここで一旦最終回のつもりで盛り上げて」という指示があった話をインタビューで読んだ事があるけど、本当に後発のトッキュウ、ジュウオウ、ルパパトと、全部滅茶苦茶熱くて外れなしだったな、と思う。