キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

海賊戦隊ゴーカイジャー: 16話感想というか覚え書き

海賊戦隊ゴーカイジャー公式完全読本「豪快演義」から一部参考にしてます。

 

■苛立ちまくり

こんなに余裕のないマベは初めて。旧知のバスコが登場し過去と隠されていた傷が露わになると共に、まんまと出し抜かれ仲間を奪われて、なんというかこれまでのふてぶてしさが実は去勢を張っていた部分もあって、それが剥がれてきた感もあるのが痛々しい。

 

■悪役全開

バスコもモバイレーツ持ってるから、その気になればいつでも連絡取り合えるってのは嫌な関係だな(汗)。

口調はチャラいけど「脚を滑らせ」てジョーの顔を思いっきり蹴るとか外道表現に容赦なし。

ルカが強かに「寝返ったふり」を試みるも失敗。

「わりいな。俺、人信じてねえんだわ」「人信じて何か得することあんの?うっかり信じた相手が俺みたいな奴だったらいろんなもんを失っちゃうよ?マベちゃんみたいに」

とせせら笑う。自分を例に出すことで一定の説得力が生じてしまうのが始末が悪い。

ジョーたちを人質に、宝探しに必要な物を全て渡せとマベに迫る。一見馴れ馴れしいチャラい口調ながら所々で見せる冷酷な表情が底知れない感じ。

ザンギャックが殿下の影響で今一つ対海賊には本腰を入れず「大いなる力」に目もくれていないから余計に、海賊たち特にマベの急所を意識的に的確に抉ってくるえげつなさが引き立っている。

一方で「得るためには捨てる」という等価交換への拘りから、卑怯な癖に取引が成立すれば人質はちゃんと返す信念もありそうなのが一筋縄でいかない魅力とただのチンピラではない「格」みたいなものを感じさせたり。

 

■サリー

バスコが連れているこの猿が何かとコミカルで楽しく、ヘビーな展開のわりに重苦しくなりすぎないようにバランスをとる存在になってるのが上手い。

どういう仕組みかお腹の中から巨大なロイドが出てくるのも、ザンギャック所属ではないためにバスコがメインで出てくる回は行動隊長もインサーンの巨大化装置もなしというハンディを補完している。

 

■何だってやる

ただ助けられるのを待つのではなく、マベに夢を諦める選択をさせないために自力で逃げようとする海賊たちがたくましい。

そんでサリーが仲間だと思ってくれるかもという一縷の望みに賭けて「手足が使えない分全力で」滑稽な猿の真似をするハカセに同意して「では私も」と自分も続こうとするアイム(汗)。

彼女には「今できないからやりません」「お姫様だったから、女の子だから出来ません」がないんだよね。そのスタンスが海賊としてここまで成長させたし、あざとさもありつつ視聴者の同性からの好感度を維持できた一因かとは思う。

反面、ほっとくとそんな姿見たくないって事もやりかねない危うさもあって、時に女であることをちゃっかり利用することもあるルカは今回アイムのそこを危惧して止めたと。いや止めてくれて良かった(しみじみ)。

そう考えると「自分が女である」ことに対するスタンスはジュウオウジャーで言えばルカはアム、アイムはセラに近いのかも、とちょっと思った。そう言えばルカはハカセにガンガン荷物持たせるけど、アイムは自分も持ちたがるんだよな。

 

■出会い

アカレッドと出会った時のマベ。

ゴーミンを倒して得た箱の中にぎっしりの財宝を「相変わらずショボいもんしかおいてないな」とか言ってルカに怒られそう。

この頃から現実的に金持ちになるとかは興味がなくて「冒険とロマンを求めて旅を」していたんだろうな。だから「宇宙最大のお宝」には漠然とした憧れを持っていた。

赤い人型(アカレンジャー)のレンジャーキーが全身赤いおっさんの欲しい物だと知ると、とりあえず粋がって歯向かい、でも負けたらそっぽ向いたままあっさり渡す。根は素直でむしろあどけない感じ。横の髪をかけて耳を出しているのが少年ぽさをより強調している。

「君が欲しい物はなんだ?」

「別にねえよ。でも、宇宙最大のお宝ってヤツなら探してみたいかな。あんたも海賊なら聞いたことがあるだろ?ま、ただの伝説だろうが」

「伝説じゃない。君が諦めたのでは手に入らない。後は君の決断だけだ」

大空に浮かび上がるガレオンを見上げるマベの表情がいかにも、これから始まる冒険とロマンへの期待で胸膨らむ少年て感じで、ワクワク感がこっちも伝わってくる。

そんであの時のアカレッドの言葉に改めて、自分が手に入れたいもの(諦めたくないもの=夢と仲間)を重ねて心を決める流れが熱い。

 

■両取り上等

取引の場所にバスコが指定した物を全部持っていくも渡すのを拒否し仲間たちも返して貰うと宣言するマベ。

「あのさあマベちゃん、何も捨てずに何かを得ようなんて、無理なんだって」

「知ったことか。欲しいもんは全部この手で掴み取る!それが海賊ってもんだろ?」

現実には、「何かを得るには何かを捨てる」のが正解なことも多い。なんならこの物語だってスタッフさんはシビアに何を優先的に描くかの取捨選択を行っていると思う。

でもここでのマベの言葉は、例えば世界の平和と引き換えに誰かの命を捨なきゃみたいな悲しい選択を否定するような、ヒーローそのものの台詞と重なる。

特に香村さんは、後のリュウソウジャーVSルパパトなんかもそうだけど、これが本当に綺麗で格好良く、いつも惚れ惚れする。

 

■逆転劇

マベは宝箱をバスコの後方で縛られている仲間たちに向けて投げた。宝箱のレンジャーキーが空中に散らばる中に、マベが紛れ込ませていたモバイレーツを見つけた4人は一斉にその狙いに気付くや、ルカとアイムがサリーを足止めし、その隙にハカセがモバイレーツ、ジョーがシンケングリーンのキーを口で受け止める。そんで、ジョーとハカセの口と口でゴーカイチェンジの凄い絵面(笑)。

ハカセがシンケングリーンに変身して自分を縛っていた鎖を破壊&ルカアイムの鎖を切断&サリーからモバイレーツを取り返して形勢逆転。画面の隅で縛られたままぼそっと「忘れてないか?」と催促するジョーがじわじわくる(笑)。

空を見上げて叫ぶように大口開けてるハカセを予告で見た時はそんな作戦の遂行場面だなんて思いも寄らなかったよ。予想の斜め上行く展開にびっくりして大笑いしながら「海賊凄え!」って感心してた記憶。

 

マベのこれぞ海賊ヒーロー!な啖呵からの、「やられた!」って思う頭のいい作戦に、本人たちはいたく真剣だけど笑うしかないシチュエーションまで混ぜてきて、ゴーカイジャー本当レベル高え!って改めて思った。

 

■仲間になるハードル

「あたし達が気付かなかったら、どうするつもりだったの?」

「気付くだろ?おまえらなら」

ここでうわあっって思った(汗)。私はこんなのあんな一瞬で絶対気付かないから。無理。海賊無理(涙)。絶対に地面にボトボト落ちるレンジャーキーとモバイレーツをただ呆然と見てるだけだわ(汗)。

ここまで潜ってきた修羅場の数と、そこで培ってきた信頼は相当な物なんだろなと伺わせる。

同時に、次の追加戦士登場回の前に、彼らの仲間になるということにさりげなく高いハードルを設けているように見えなくもない。

 

■出来るトリ

散らばったレンジャーキーそっちのけでVS追加戦士sが開始。

「え?大丈夫?」と思っていたら案の定バスコが

「そんじゃあこの隙にレンジャーキーを・・・」

って獲りに向かうから「ほらやっぱりヤバいじゃん!」てハラハラした次の瞬間、ナビィが超高速で宝箱に1つ残らず集めて飛び去った(笑)。

可愛いだけでもクソ生意気なだけでもヘンテコな占いだけでもない、いざという時は本当に役に立つから凄いよナビィ。

「あららナビィちゃん、仕事早いねえ・・・」と残念そうながら軽口叩いて相手を褒める余裕のあるバスコと、それを「まあねえ~」と流すナビィのやり取りが大好き。

 

■リベンジ

前話ラストでは不意を突かれたこともあって為す術無く完敗したけど、今回はマベ以外は途中から2人一組になって対処。

一人あたりの敵の数は変わらなくても、仲間がいて確固とした意思があれば、意思のないガワだけの存在には負けないよ、とばかりに次々にレンジャーキーに変えていくのがカタルシス

こうして見るとやっぱりマベの強さは頭1つ抜けているのかな。

マジシャインの跳び蹴りをマベが避けてシンケンゴールドが喰らった時は「(岡元)次郎さんが次郎さんに自爆(笑)」とじわじわ来た。他にゴセイナイトもいるし次郎さんが一杯。

 

終わってみればこれまで出て来なかった追加戦士用のレンジャーキーを1度に15本もgetし、次回で6人目をお迎えする準備は万端整ったことになるのが、凄く計算された流れだなと思う。当の海賊たちにはそんなつもりは一切なく6人目とか思いもよらないことなんだけど(笑)

 

■絆再び

12話ではジョーとシド先輩との因縁の揺り戻しによって危機を迎えるも改めて絆を確認し、今度はマベがバスコとの因縁の揺り戻しでそれ以上の危機を迎えるも堅い結束でこちらも乗り越える。

バスコみたいな曲者との面倒事に巻き込んだことに責任を感じ珍しく詫びるマベにそれぞれが気にするな的に返す中でルカの

「嫌んなったら勝手に出ていくから、お気遣いなく」

が特に、相手に気兼ねさせないための言葉の選び方が洗練されていて格好いい。言ってるのはルカだけど言わせているのは香村さんで、こういうセンスは流石だなと思う。

 

■まだあった

結果的に何も得られず追加戦士のレンジャーキーをしこたま盗られただけに終わったバスコ。

そのわりに余裕かましてると思ったら「まだあったりして」と番外戦士のキーがずらり!

デカマスターデカスワンウルザードファイヤーマジマザーに黒騎士に理央メレにズバーンに姫レッド、シグナルマン・・・という特別感満載の豪華メンバー。

1敗したもののバスコの底知れなさはきっちりキープしつつ、次に出てくる時は彼等を従えているのか、ってのが楽しみ半分、怖さ半分。

 

■サブライター月間

宇都宮戦隊が好きという前提で、1クール〆の大一番の後~追加戦士登場前までのサブライター月間は、正直違和感や苦手な部分もあるんだけど、ゴーカイジャーはそういうものがカーレンジャーを除いて一切なかった。(カーレンジャー回はまた次元の違う何かかもな・汗)。

その大きな要因が香村さんで、レジェンド回も普通の回も本筋回もハイレベルでサポート出来る、というのは得難い人材だなと思う。

メイン荒川さんもキャラ造形も良い意味で繊細過ぎずキャラ立ちが早いから、サブライターが掴みやすく広げやすいってのもあるんだろな。

そこに香村さんがバランスよく目配りを効かせて繊細さと等身大感も加えてギャグも、という組み合わせが本当に最強だと思う。