キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパトオリジナルプレミアムドラマ「究極の変合体」感想

ノエル中心に軽めに。

本エピソードは劇場版に繫がる前日談という位置づけ。脚本は「もう一人のパトレン2号」と同様きださん。

撮影時期が早くてキャラが固まってない可能性もあるかもだけど、少し気障すぎるかな、きだノエル。

個人的には「〇〇したまえ」って言葉の使い方は気障ってよりバリバリ上から目線で偉そうで固そうであんまり好きじゃない。

「僕に任せたまえ」の大上段よりも、「僕に任せて?」の優しさ柔らかさが好きだな。ノエルは言葉の柔らかさも魅力だと思ってる。

そう言えばネットで、小さなお子さんで、ノエルは強いのに言葉や雰囲気が優しいのが彼にとってはギャップ萌えみたいって話が微笑ましかった。

 

きださんと言えば仮面ライダーウィザードの時に香村さんとのダブルメインライター体制で、あの時も晴人のキャラが二人の間で違っている感じだったのを思い出す。特に終盤はきだ晴人の描き方にダメージを食らったから正直あまり良い印象はない、というかトラウマだったりする。

でも一方で舞台の脚本演出は、見た事はないけどかなり評価高いんだよね。Gロッソの戦隊ヒーローショーも毎年評判良いし。

 

怪人の能力で魁利と圭一郞が磁石みたいにくっついちゃったもんだから、圭一郞ごと魁利を回収した透真と初美花に「つかささんも咲也くんも(圭一郎が攫われて)心配してるんだから」って諭すところ、なんだか保護者みたい。

また快盗だけでなくつかさや咲也の心労にも配慮しているのがわかって、ああここはちゃんとノエルさんだと思う。

キツツキ回もだけど「誰かが誰かを心配する気持ち」にはとても敏感なんだよな。

ただし自分が心配する事とされる事は除く。

 

ノエルさんと透真初美花との会話の様子から見てライモン戦よりは後なのかな?

ダメだ。

「僕の一人舞台の開幕だ」とか「最大の褒め言葉と受け取っておくよ」とか精一杯気取ってるの見てても、でもこの人ちょっと前に

「家事とか辛いし寂しいしこうなったら意地でも出ないからねっ」

て椅子にかじりついてたんだよな~とか思っちゃう。それって本当に元木さんの言うとおり残念王子なのかもな。

 

今回は魁利と圭一郞以外も、透真、初美花、咲也、つかさも団子状態でくっついちゃうという大ピンチ。ノエルさんが割って入らなかったら詰んでたんだけど、だからって

「無様としか言いようがないね」

は、キツすぎでしょ。「うわ、そういう事言うから後々風当たり強くなるんだよ~」とヒヤヒヤした。でもノエルさん以外どいつもこいつもくっついてジタバタは確かに酷かったのも確かで(笑)。  

 

  これや「もう一人のパトレン2号」の頃は、「参ったなあ」「どうしよう」「ミステイクだったかなあ」って、本編のある時期までの頃よりナチュラルに困ってるんだけど、どこか余裕もあって、終盤の張り詰めてすっかり余裕をなくして生き急いでる感じを何週も見続けた後だと新鮮だったり。

でも反面、この頃はまだ独りで困って独りで考えて打開してるんだなあと、仲間と積み重ねた時間を思ってみたり。

  

 怪人の行動パターンを読んで、カッコ付けて登場しても、一人で決めきれないのが微妙に残念なノエルさん。危ないところに魁利乱入。

くっついてたダブルレッドは、圭一郞を柱に固定して飛行機で魁利を無理矢理引き剥がすという策を魁利が思いついて先に自由を得、柱にくくりつけられて置いてきぼりの圭一郞は騙された怒りのパワーで引っこ抜いた柱ごと登場、というのが二人の個性を良く表している。二人の磁力を逆手に取った作戦にノエルが協力して三人で怪人を倒す所は、本編の共闘シーンを思い出した。

喧嘩しながら協力しあってるのを見て「仲が良いんだか悪いんだか」と呆れるノエルの感想は、決闘回での「良いコンビだねっ」に繫がるのかもしれないな。

 

後日のジュレ。時系列から行くと、初美花がデメランから救出されて咲也の好感度が上がった後じゃないかなと思うんだけど、その貯金を使いきってマイナスに転じた可能性もありそうな咲也の「快盗の女の子良い匂いだった~」とヘブン顔に水ぶっかけ。この後にあのレオタード目撃が続くと思うと、終盤でよくあそこまで持ってったなあと感慨深い。

 

この話はauビデオパスで前後編で配信された。戦隊の番組としてはひょっとして初めてなのかな?「もう一人のパトレン2号」はTTFCで前後編。こちらは去年のキュウレンもあったみたいだけど。2編とも巨大戦はなし。バンダイは関わってないんだろうか?

玩具絡みではルパパトはさんざんな目に合った訳だけど、もし他にもスポンサーが得られる可能性を拡げられるならそれにこしたことはないんじゃ?と思う。 

スーパー戦隊最強バトル2話感想&ちょこっとジュウオウジャー

冒頭でガイゾーグと天晴&スティンガーが戦っているところに生身で乱入し、案の定ボコられて天晴がそれを庇ったせいで負傷し、なのに「邪魔するな!」と逆に突っかかってスティンガーに「いい加減にしろ」と胸倉掴まれ大和にも「あんな言い方はない」と責められる。

ゴーカイジャーって結構人気あると思うけど、そのレッドたるマベちゃんをあそこまで容赦なく突きおとせるのもメインライターにしか出来ないかもなあ。

 でもマベちゃんの場合、「邪魔するな」はしばしば「危ないからかかわるな」に翻訳されたりするんだけど、初見の人にはきついかもしれないと心配してしまった。

ゴーカイジャーは劇中で追加戦士に「みなさん基本的に第一印象悪いですからね」と突っ込まれる戦隊なんですすみません。

 

マベちゃんにブチ切れる大和先生。

そう言えばこの人は仲間が傷つけられたり誘拐されたりするのが本当にダメな人で、たやすくメーターが振り切れ、仲間を助けるために手段を選ばない鬼畜モードが発動したりするんだったと、なだめる天晴を怒鳴りつけた時に思い出した。

攫われた仲間を心配して狼狽えるあまり、犬の何倍も嗅覚のあるタスクに警察犬になれと躊躇なくレオ@成人男子の使用済み靴下を突き付ける人でもあったなあ。

 

大和の願い

病で亡くなった少年の生前の夢「大草原で動物たちと触れ合う」を一時でも魂を呼び戻す形で叶えてあげないというもの。

大和は自分の記憶から生まれた亡き母と再会した事がある。

宿敵バングレイが大和の目の前でもう1度殺し嘲笑う為という悪意から、大和の記憶を読み取り生み出したんだけど、その母親は記憶をかたどっただけの人形に留まらず魂を持ち、バングレイの斬擊を受けて消える前に、もう一度大和に会えた喜びを伝えた。

だから大和は亡くなった少年とも自分が覚えている限り今も繋がっていると確信していて、一時でも魂を草原に呼び戻す形で願いを叶えさせてあげられると考えたのかもね。

 

大和が1対3のバトルに挑んだ時はまさか勝っちゃうとは思わなかった。この人は絆(繋がり)が大事と言う割に肝心なところで独りで抱え込む癖があって、それがある程度上手く行っちゃうケースもあるのがたちが悪い。

でも、陸海空チームvsジュウオウイーグル→ゴリラ→ホエールの連続フォームチェンジ+OPは格好良すぎて反則。

「おーさすが坂本監督だ~」と思った。リラの太股強調は「あー坂本監督だったわはいはい」と生暖かく見てたけど厄介な監督(笑)

 

 ホエールチェンジガンでのトドメって、確か初登場の時に月だか星だか削ってなかったっけ?それを「殺し合う訳じゃない」とか前回言っておいて先輩にぶちかます大和くんにびびった。

 

ラストの、ガイゾーグの鎧の中の天晴は、マベが心の奥底で恐れていた事が形になっちゃったのかもなあ。

だいたいマベちゃんくらい戦隊世界で生きてたら、敵が仲間の技を完コピしていたら悪い予感しかしないし、迂闊に他の奴を巻き込んで対戦させたくなくてああいう態度だったのかも。

肝心な所で一人で抱え込みたがるのは大和もマベも似た者同士なとこあるかもなあ。人当たりは180度真逆だけど。

 

にしても、相変わらず荒川さんは5人のキャラ分けと役割分担を打ち立てるのが早くて上手いなあと惚れ惚れ。

優等生のまとめ役だけどツッコむところは容赦なくツッコみ、一人で抱え込む欠点も見せながら話を進める大和

超俺様で現時点ではピリピリし和を乱す秘密主義のトラブルメーカーだけど根はいい奴を臭わすマーベラス

おおらかで場を和ませるために進んで馬鹿が出来る天然イケイケ系の天晴

人見知りで寡黙、謎や違和感に向かって単独調査を進めるスティンガー

そしてカグラは今のところは賑やかしポジだけど次回頑張る予定。

正直、スティンガーと天晴はこれまでで今回が一番好感度が高く見やすいかも。

 

 レジェンドの寄せ集めなんだけど、1話で大和とマベ、2話で天晴とスティンガー、3話で恐らくカグラと追加戦士の番犬と、宇都宮戦隊以上に次々とスポットを当てて一つの「戦隊」として改めて構成していくのを見せる手際が良くてワクワクする。その分、次戦隊がPも脚本も監督も初戦隊なのでちょっと心配になってきたくらい。

 

ジュウオウジャーについて少し。

上記のバングレイは他人の頭を掴むことで記憶を読み取り、記憶の中の人物を実体化する能力がある。

下手に他人の記憶を読み取れたために他人との関係に絶望したのかは知らないけど、二言目には「繋がり」が口癖の大和を毛嫌いし「バリ苛めたくなるタイプ」としつこく嫌がらせしていた。嫌がらせと言うと軽く聞こえるかもだけど、やったことは、亡母のこと以外でも、大和の旧友の結婚式に乗り込んで旧友を殺そうとしたり、大和を誘拐して他メンバーを呼び出し、大和の目の前で殺そうとしたりという超陰湿凶悪なもの。

また「記憶を読み取り実体化」という能力がめちゃめちゃ便利で、再生怪人を生み出し、亡き母のエピソードで大和の過去を掘り下げ、敵の幹部クバルの反逆心をあぶり出し、メンバーの偽物を作り出し、総集編や偽物とのバトルで費用を浮かせ、2000回放送記念のゴーカイジャーとのコラボ回でも他戦隊の敵を作り出して、本人は全合体ロボのお披露目回で敗れたものの、記憶を読み取る能力のある手を奪ったクバルがジニスの反逆に利用するという、骨の髄まで有効活用され尽くした敵だった。ちょっと便利すぎて頼り過ぎたきらいすらあるかも。

 

追加戦士の操は、コミュニケーションに超難ありの超ネガティブ思考でその成長が中盤からクリスマス決戦までの中心みたいな感じだった。

 

大和「今度皆で一緒にご飯行こうね?」

操「いつ?いつ行くんだご飯?!」

最初はこんな感じ。

ちなみにルパパトだと

圭一郞「人間である以上助けない選択肢はない」

ノエル「人間じゃないから助けなくていいからね」

 と、ベクトルとかは全然違うけど、香村戦隊の追加戦士との会話は思わぬ処に地雷ありだったなあ。どっちもいろいろ心臓に悪いし。

ただ、操関連はむしろ本筋より力入り過ぎた印象すらあるのに対し、ノエルはWレッド優先厳守とテコ入れでいろいろ思うところありで難しいな。

 

人間界とジューランドという分かれていた二つの世界が地球の意志で融合するという誰も予想出来なかったであろうラストは物凄くびっくりして大笑いするしかなくてワクワクした。

反面、人間とジューマンの共存なんてこれから大丈夫か?現実には厳しいしって心配して、ちょいラストぶっ飛びすぎなんじゃ?って思った。

けど後の香村純子さんのインタビューで

「これから小学校へ上がるお子さんへの応援メッセージです」

みたいなこと言われたらもう全面降伏するしかなかったよ。

 

ルパパトオリジナルプレミアムドラマ「もう一人のパトレン2号」 感想

東雲=夜明け前という意味の名前を持ち、パトレンジャーという太陽が昇る前の苦しい日々を懸命に戦い、仲間を庇って重傷を負うという形で去った悟。

44話で彼が殺され化けの皮にされていたというとことん救われない展開には私もショックを受けた。

でも本編を先に見ていた私が東雲悟の運命から受けたダメージなんてきっと最小限に抑えられていた程度のものだったんだろうな、という事だけはわかった。

こっちを先に見ていたら悟を好きにならないわけがなく、本編に出るとわかったら楽しみにしないわけがなく、出来れば本編で少しくらい報われて欲しいと思わないわけないよね。

それがああいう突き落とされ方をしてしまったわけだから。

 

飄々として冷静で周りが良く見えて機転が利いて、穏やかで寛大で、自分が何をすべきか良く分かってる。

 

 偽悟がノエルを信用している圭一郞に苛立ち信用するな疑えと焚きつけた場所って、生前の悟が圭一郞に八つ当たりに近い形でキツくあたられたにもかかわらず、心配して様子を見に来たつかさに「自分よりも生真面目で自分を追い込んでしまいがちな圭一郞を気遣え」と言い「彼を支えるのが自分の役目」と話したのと同じ場所だったのかよと思うと何かむかつく。

同じ場所で同じ顔で同じ声で生前の気高い佇まいを汚そうとすんじゃねーよ、みたいな。

 

「圭一郞も音楽でも聞けば」って悟が言ってるから、圭一郞の音楽の趣味はきっと悟の影響なんだろうけど、それは間違いなく悟が自分を庇って大怪我した事で死ぬほど自分を責めた後だろうから、趣味というよりどこか血の滲んだ戒めって感じで、女の子と一緒に楽しむたぐいのものじゃないのかもな。

悟がそんな圭一郞を見たら「おいおい」って溜息つきそうだけど。

 

 音波攻撃

ヘッドホンで防ぐけど音量上げげられてヘッドホンが吹き飛ぶ

違う音波をぶつけて打ち消す

 

これまんまジュウオウ8話だ。宇都宮Pが、敵の攻撃はこういう感じで、みたいなアイディアを出したんだろうか?

怪人はレオタード回のピョードルと色違いだけどギャグとシリアスの雰囲気がかけ離れすぎてる(笑)。

 

ノエルさん

若干きださん仕様の気障強めモード?

これ見たら一部のパトレンファンのノエルへの風当たりの厳しさの理由も少し分かった。

あれは確かにこいつはコレクションの事しか考えてないと思う人がいてもおかしくないかも。

 

若干上から目線

ピンチには中々現れない

コレクション盗ったらさっさと撤収

魁利への優しい態度

こいつ完全に快盗よりじゃんて

 

でも遅れたのは壊れたバックルの代わりにヘリを借りに行ったからで、さっさと退いたのも圭一郞達にカタをつけさせてやりたかったから。更には、ヘリを借りた時に事情を話して、自分が責任持って回収するから君たちは圭一郞達の敵に手を出さないでくれと制しているってことだと思う。

ノエルさんの警察への思いはある時期まで一環してわかりにくく敢えてスポットをあてずでもどかしい。

 

 ノエルさんはドグラニオにアルセーヌを殺されてるんだから、圭一郞達が悟の因縁のある敵を今度こそ自分達の手でって思う気持ちは人一倍わかり、だからこそ敢えて手を出さなかったわけで、そんな彼が警察や一般市民を守るためにその憎い敵に自分を差しだすのはどれほどの無念だったかと改めて思う。

 ドグラニオを倒すのは警察の使命であると同時にノエルさん的にはまさにアルセーヌの敵を討つことでもあったけど、ドグラニオの前に引き出された時以外は自分のそういう気持ちは一切表に出さなかった。

ずっと「警察官」に徹していたんだとは思うけど、この人って恨みも自分だけの欲もすぐ他の誰かの大事な物のために引っ込めてしまうのが儚く感じる。

  

ラストの、ジュレにいた悟の解釈は、難しいな。

時系列から言えば、クレーンを持っていたアニダラが踏み潰された4話より少し前の時点で、もうナリズマと入れ替わっているはず。

でも「本編に出る<かも>」と言われていたってインタビューがあるのなら、メタ目線だと制作時点では化けの皮にされる運命とは決まってなかったろうから、あれは正真正銘本物の悟。

 

敢えて理屈を付けるなら、悟の皮に遺った意思があの時はナリズマの意思を乗っ取っていたとか。

心臓移植をされた人が時に持ち主の人格や嗜好の一部まで受け継ぐことがあるように、化けの皮も本人の思いが強ければ時にそれを被ったギャングラーの意思にも影響を及ぼす事があってもおかしくないと。

たぶん悟は最後まで圭一郞と自分の後任の事が心配で、その思いの強さがナリズマを一時支配した。来日、ジュレ行き、どこからが悟の意思かは分からないけどあの言葉を吐いた瞬間は絶対に本物の悟だったと思う。

ならなぜ圭一郞達の前ではそうしなかったか?圭一郞達なら必ず偽者だと見抜くと信じていたからと思う。そして実際そうなった。

自分の意思が出ていけば話は早いかもしれないけど、皮に意思が残っていると分かれば圭一郞達は攻撃出来なくなってしまうかもしれないし。だからナリズマがボロを出し圭一郞達がそれに気付き、ピンチにノエルが割って入ったのを見届けて満足して散っていったんだ。そう思う。

 化けの皮に細かい設定なんてないままだったんだからいくらでも都合良く解釈したって良いよね?

スーパー戦隊最強バトル1話感想&ちょこっとボウケンジャー

ルパパト以外の番組の記事を書くのが初めてで戸惑ってる。つくづくこの半年以上ルパパトにどっぷりだったんだなあと改めて。

こちらはそこまでどっぷり考察という感じでもないから、ちょこちょことメンバーが参加している戦隊の思い出を辿ったりしながらの形になるのかな?

 

荒川さんらしい、賑やかで掴みやすい導入で面白かったし、ワクワクしたのも確か。ジュウオウ好きだしキュウレンVSジュウオウがなかったのは淋しかったから、大和君が思い切りメインなのも嬉しい。

でも、「どんな願いも叶う」っていうどこかで聞いたようなフレーズには、先週の今週で少し胸が痛む。

ノエルさんこっちに参戦した方が早くない?いやでもこっちも罠みたい。

どっちにしろ取り巻く世界はそんなに優しくないんだな。やっぱりノエルの願いの決着は(例え叶わなくとも)正式な続編で頼む。

 ・・・・・・やっぱりまだかなり引きずっている(笑)。

 

以前から魁利兄って大和に弟がいたらあんな感じなのかな?誰にでも優しく正しいけど弟とか恋人とか大事な人とのレジャーやデートの途中で出会った困ってる人を見過ごせなくてそっち優先しちゃう奴だよな~と思ってたから、魁利が兄に似てると慕った圭一郞を見て大和が「気が合いそう」って言ってたのに超納得した。

ネットでは「一回座って」の大和くんに警戒の解き方や目線、距離の取り方など野生動物を手名付ける時の心得と手順を見出して細かく

解説する方々もいて楽しかった。

猛獣使いの大和くんはクセモノの多いスーパー戦隊のお祭り企画にはまとめ役として本当に便利で得がたい個性で、おいしいポジションが取れるなと改めて。

 

今回圭一郞が接触したのは恐らく生真面目チームと大和だけで、たぶん素晴らしく居心地が良く有意義な体験だったろう。けど

スーパー戦隊の先輩達は素晴らしい人格者ばかりだ」

という間違った認識を持ったまま帰ってしまったのではと思うとこれからの彼のレジェンド人生がちょっと心配(汗)

 

レジェンドゲストはゴーオンレッドの走輔とボウケンシルバーの高丘映士。

ゴーオンジャーは私がリアタイで初めて初回から見た戦隊で1年間楽しかった。あそこから私のニチアサ人生が始まったようなもので思い入れある。

 

ボウケンジャーは当時サブPだった宇都宮Pの原点感あって、こちらも思い入れある。

正義を標榜しないアウトローの宝探し戦隊

1話ごとの振り幅の大きさや温度差

映士のコートのヒラリズム

途中でトラブルが起こった時に走りながら対応していく感じ(メインライター離脱)

等など。

 

高丘映士は13年ぶりの復活。ゴーカイジャーの時に出て欲しかったけど、出合さんは確か47RONINの撮影で日本にいなかったと思った。同じシルバーで名前が「がい」という因縁の敵と同じ名を持つ後輩の追加戦士と絡んで欲しかったんだけどね。

出合さんの他の役の時と違い、ちゃんと映士の声なのが嬉しかった。まさかあんな間抜けな理由で敗退とは思わなかったけど(笑)。

 今回はあんなギャグキャラやってたけど、本編では登場時黒コートに錫杖姿で人間と妖怪のハーフでめっちゃ重いものを背負ったシリアス全開キャラだった。

黒コートは彼が「眩き冒険者」となり、闇から光の世界に移行した時に脱ぎ捨てたんだけど、「脱がないで!」と思うほど格好良かった。

私は追加戦士にしては背負ってるもの大きすぎじゃないかな?と思いながらハマったけど

まさかそれより更に物語の根幹背負って最終回まで少なくとも背負ったものの半分も下ろせずに走り抜けてしまう追加戦士が出てくるともそいつにハマるとも思ってなかった。

あんたの事だよ高尾ノエル・・・・・・いかんいかん。

 

 ボウケンジャーマジレンジャーに続いてDVDで見たけど

「兄ちゃん姉ちゃん力合わせて頑張ろうぜ」

なアットホーム全開で最終回では両親+5人兄弟+娘婿の全員集合名乗り

からの

「俺の部下になるかマグマに焼かれるか選べ!」

への作風の激変ぶりはリアルタイムで味わいたかった気もする。

 前の1年で家族愛をたっぷり描いた後に、冒険とは(安全な)家を出てするものと言わんばかりに、両親のいないメンバーや自分の意思で家を出たメンバーで構成された戦隊を持って来るのがこのシリーズの幅だなあと思う。

 

ボウケンシルバー加入4部作は追加戦士当初加入編としては別格で好き。

映士の心境とチーフ達との関係の変化が各回ラストの映士の去り方に表れてるのも良い。

 

17話→ボウケンジャーなど自分とは全く相容れない奴らと歯牙にもかけず去る後ろ姿

18話→使命を負う自分と違って好きな事に命をかけるボウケンジャーが羨ましいけど振り切って去る後ろ姿

19話→チーフに一緒に冒険しようと言われ嬉しいけど自分には許されないと半泣きで走り去る後ろ姿

20話→ボウケンジャーに加入し仲間に囲まれてこちらに歩いてくる姿を正面から

 

って感じだったなあ。

映士の母親、アシュのケイ役はメガピンクの東山麻美さん。「母親役です」と聞かされて「そろそろそういう役も良いかな」と思ったそうで、でも話が進むうちに「実は妖怪です」「白髪です」と言われ、「息子です」って紹介されたのが出合さんだったっていうエピソードが大好き。たぶん可愛らしい子役との親子演技を思い浮かべられていたであろう所に現れた、メンバー最年長、筋骨隆々、茶髪ロン毛鋭い目つきのヤンキー仕様な、「息子」を見た時の心境はいかばかりだったろうなあと(笑)  

ルパパト: 構造や売上が ノエルと警察、それから結末に与えた影響について(長文2)

※「ルパパト: 構造や売上が ノエルと警察、それから結末に与えた影響について」の後編です

 

■迂闊に活躍や思いを描けない

 ノエルが快盗としての覚悟を魁利達に認められたのは25話。では同様に警察としての覚悟を圭一郞達に認められたのはいつだろう?

32話の決闘は違う。あれは快盗でも警察でもない自分だけの道を行くというノエルの思いを吐露した回ではあるけれど、それが圭一郞にどこまで伝わったかは疑問。実際に44話で圭一郞は決闘の時のノエルの言葉を思い出し、「俺はノエルの思いを聞こうとしていたのか?」と自問している。

私はてっきり38話のサイレンストライカーの回になるかと思ったけど、実際はとてつもなくほど遠かった。快盗として警察を足止めに行った所をデストラに襲われて逆に圭一郞達に「胡散臭いが人間なら助ける」だもん。この回のノエルの扱いは個人的には思い出すだけで今でも辛い。

43話ではそれでもこれまでの積み重ねで「ギャングラーのスパイなんかやるような奴じゃない」とは言われるようになり、47話で警察と街を守るために自分を差しだした後、やっと次の48話で「ノエルは人々を守るため」と認められた。快盗に認められてから22話後。長かった。何でこんなにかかったんだろう。

 

個人的にはこれもテコ入れの影響だと思う。

パトレンが思うように活躍出来なくなった状態で、ノエルはこのしわ寄せというか、VSのバランスの調整弁的役割を果たさなければならなくなったと思う。

まず、ビークルを渡せなくなったこととつじつまを合わせるように、日本に来てからのノエルは、コレクションは絶対に快盗に集めるとし、前述したようにそのためなら警察も足止めするというスタンスになった。30話ではビークル提供どころか、逆に圭一郞の怪しい動きを魁利に探らせ、結果的に警察のスプラッシュ獲得阻止に繫がってしまう。26話27話が快盗よりの活動だった事もあり、ネットではこのあたりからノエルの快盗贔屓に対する不満の声も聞こえて来るようになった。個人的には当初はスプラッシュ以降はしばらく警察での活動が中心になる予定だったのでは?って気もするけど。

でもそれだけではないはず。本気で描こうと思えば圭一郞達に警察の覚悟を認められるエピソードが作れなかったとは思えない。

だけど、物語の根幹を背負ったノエルが警察への思いや決意、貢献をはっきり打ち出すような、いわゆる燃えるエピソードを描いてしまったら、活躍が制限された状態のパトレンはそれに耐えられずに霞んでしまっていたんじゃないだろうか?とも思えて。

またそもそもパトレンのエピソード自体が限られてしまうなら、その尺はまずきちんとパトレン3人に割くべきではないか?そんな懸念や判断があったのでは?と思う。

なので当初予定になかった強化と引き換えに、VSとしてのバランスのためノエルの警察への思いや決意、貢献の表現はセーブまたはぼかすか先送りにという判断だったのかもと。極論すれば、路線変更後の警察とノエルの関係において、

 

活躍を制限された警察がその結果更に見劣りしてもノエルをきちんと描く

活躍を制限された警察の描写ボリューム確保、好感度や精神的優位性を保つためにノエルは描かないか引き伸ばす

 

の2択となり、当初予定に無かったスーパー化と引き換えに後者を取ったのではと。

 

例えば35話のコグレが分裂した回。ネットの各所で「ノエルは警察の役に立っていない」という不満がいくつも見られた。一方で、それに対して「圭一郞達が被害者を元に戻す方法はノエルが教えたもので、それが無ければ被害者は全滅だった」という反論も見られた。なおこれ以外にノエルはタイムオーバー寸前のコグレを魁利達に任せて自分は圭一郞達の被害者救助が間に合ったか様子を見に行っている。

これらの動きをもっとわかるように描けば、少なくともこの回のノエルを「警察にとっては役立たず」と言う声は少なかったんじゃないかな。

ただし「ノエルが危険性と救出方法を教えたから被害者は助かった」ときちんと見せた場合、警察の見え方はどうなっていたか。

この回のパトレンは冒頭の戦闘は分裂した被害者の「悪い人達」に翻弄され、前回がルパンマグナム初登場回という影響もあって2話連続で目立った活躍はしていない。

その後は変身せずに制限時間内で体を張って被害者を元に戻していた。それがノエルの指示のままの動きだったとハッキリ見せていたら、あの回の警察の扱いに不満を持つ人は更に増えていたのではないかという気がする。

また数話前にそうして助けて貰ったノエルに38話で「胡散臭いが人間だから助ける」と力強く言い放つ圭一郞はどう見えていたか。実際、「ノエルだって警察に貢献してるのに」と思う私はあの言葉が未だに受け入れられない。

 

誰にグッティ梱包が可能か考えればノエルの警察への思いは本物で、装備のなかった時代の圭一郞達の苦労を考えれば装備提供の貢献はとても大きい。それもルパン家を裏切ってまで。

でもそれをハッキリ描いてしまうと「なのに警察はあんなに辛くあたって」と悪役になってしまいかねない。ただでさえ戦闘面での活躍を制限される中でそれはあんまりだと思ったのではと。では仮に視聴者だけにわかる形ででもノエルの平和に対する真の思いを描いていたら?仮面ライダーエグゼイドの九条貴利矢みたいにノエルだけは一気に同情と人気を集められたかもしれないけれど、そんな描き方は絶対に許されなかったのではと思う。

香村さんてこれまでの作品ではむしろ主人公や二号ライダーの行動原理を人一倍きちんと描く方だったと思うから余計にそう思う。

 

■助ける、助けられるの見せ方 

VSの形を守るため、警察はしばしば、結果的に快盗に助けられてもいる、という事から目を逸らし続けてきたのでは、というのは前編の最初の方で書いた。ノエルについてもそれは同様かそれ以上に徹底されていたと感じている。

路線変更前でも、ウシバロックの講師失踪事件を解決したのも、タマテバッコの老化煙からパトレンを遠ざけてルパンだけで倒したのも決してコレクションの為だけではなく、警察の名誉や安全のためでもあったと私は思っているけど、圭一郞達は現実に助けられてもいるのに憮然としているだけだった。

一方、ノエルはこまめに御礼を言ったり時に印象的に自分が助けられた事をアピールしている。

もちろん圭一郞達にも胡散臭い、信用出来ない、隠し事ばかり等の言い分があるのはわかる。だけどそういう見せ方によっても、視聴者にもノエルの警察への思いや貢献は尚更伝わりにくくなった可能性はないだろうか?

 

例えば、32話の決闘は圭一郞がノエルに勝ちを譲った形で、それに対しノエルが「借りだね」と感謝を口にして印象付ける。でも私から見れば、頑なに共闘を拒むも、実験体を倒し街を守る代案を見つけられない圭一郞も、決闘に巻き込まれた時点で実は同じかそれ以上に救われてる。でも圭一郞も物語もそんなそぶりは一切見せない。

スプラッシュが当初の警察ではなく快盗に渡り、テコ入れを意識せざるを得なくなった次の回、実験体にパトカイザーが敗れるラストからの決闘の予告を見て、圭一郞や警察が今後どんな粗末な扱いを受けてしまうのかという心配の声がたくさん上がっていた記憶があるから、そうではなくむしろ圭一郞はノエルに貸しを作ってやったんだという見せ方にしたのは正しかったんだろうなと思うようにしているけど。

警察上層部が対策会議をしても解決出来ないピンチを決闘からの共闘で救われても圭一郞達のノエルを見る目は変わらない。33話でノエルは1度圭一郞を助けてるけど変わらない。35話の分裂回でのアドバイス、36話の爆弾回で一致団結、ノエルも圭一郞と咲也のピンチを助けるのに協力しても変わらずに「人間だから助ける」。

テコ入れ後はとにかくより念入りに「ノエルに結果的にでも意図的にでも助けられた」という印象を見る人に持たせないように注意し、逆にノエルを助けた事はより強くアピールしたかったのでは?とさえ思えてくる。

   

咲也が「なんで仲良くなるよう仕向けたんですか?面白がってたんですか?」とノエルの襟首を掴んだ時に、異世界回で「見捨てたら魁利達が傷つく」と透真に庇われたつかさなら、それを指摘しノエルをフォローする事も出来た。でもしない代わりにザミーゴ情報を隠した事を謝ったのが違和感あった。穿った見方なのを承知で言えば、指摘する事で「正体を隠した快盗と仲良くなった事で実は一方的に守られてもいた警察」「それに思い到らず襟首掴んだ咲也」と見られるよりも、「自分達も散々隠し事をされたのに謝れるつかさ」という見せ方を選んだんじゃないかな?と思いたくなる。

ノエルが警察や街を守るために捕まった後、警察は苦悩するけれど決して「自分達のためにノエルが」とは言葉にしない。翌朝、「ノエルは人々を守るために」とやっとここでノエルの警察としての思いを指摘すると同時に「そこに思い到れる圭一郞」「ノエルの犠牲は警察のせいだけではない」と見せる。

香村さんはこういう台詞の選び方が上手いし狡い。

個人的にはテコ入れでパトレンの活躍が描きにくくなってから、圭一郞達のマイナス面を迂闊に描けなくなった部分はあるのでは?と思う。

活躍させづらい分、精神的優位性や好感度だけは守りたい、というバランス感覚を感じる事が何度もあった。それはやむを得ないと思う。ただ、たいていの場合そのしわ寄せはノエルに行っていたように見えてしまい、その最たるものが38話だったのではと。

結果、一部の人達から「警察は優しすぎる。快盗びいきで役立たず、助けられてばかりのノエルなんか叩き出せ」「死んで詫びろ」とまで過激な事をいう人も出てきてしまったのかなと思うともどかしい。

ノエルは終盤になって今度はパトレンを身を呈して庇う事を繰り返したけれど、物語の中だけでなく視聴者にとっても、体を張って好感度や精神的優位性を守ったという意味で、パトレンの盾だったのでは?という気がちょっとしている。 

もっとも、好感度に気を使われていたのは快盗も同じで、終盤、私はノエルばかりが御礼と謝罪を繰り返す状況に少し疲れていた。

 

 ■向き合うのを避けた警察のジレンマ

ノエルの描写の事ばかり言ってきたけど、これらの事は警察にも影響を与えたと思う。

テコ入れで販促が快盗とノエルに傾く中で、ノエルと警察とのバランスや好感度等を考慮した結果、「警察はなぜ戦えていたのか」「自分達の力だけで平和を守れない」という問題に迂闊に触れられなくなったのではないだろうか?

快盗達との時のように段階的にノエルが警察との関係を深めていけば、同時にノエルの抱える秘密にも警察は近づいていく事になる。両者が最終的に本当の仲間になり関係が完成するには、ノエルがルパン家所属を明かしてこそだと個人的には思う。でもそれは同時に圭一郞達と視聴者に「警察はなぜ戦えていたのか」と改めて突き付ける事になる。

当初はむしろ圭一郞達がそれにどう向き合い、最終的にはルパン家の願いに対してどんな答えを出すのか、までをパトレンの後半から終盤にかけての物語の核にしたかったのでは?とも思えている。

けど、テコ入れ後の両戦隊やノエルとの不均衡の中でそれに取り組んで持ちこたえられる体力は今のパトレンにはないから避ける、避け続けるという判断だったんじゃないかな?

そしてルパン家の願いに対するパトレンの最終的なスタンスを打ち出せない状態でルパン家の願いに決着を付ける事は出来ず、それを「VSの継続」という答えにしたんでは?と思う。少なくとも本編では。

 

だからノエルと警察との関係はイベントはあってもそれによって両者の関係がはっきり変わるという描き方はされないまま最終回を終えてしまった。

1年後の両者の関係もかなりぼかされている。ノエルが国際警察に籍をおいているか否かすら分からない一方で、警察がノエルに協力してコレクション回収代行している可能性も感じさせる。

 

VS続行という結末を評価する声がとても多いのは承知の上でそれでも私は、警察とノエルの関係が、VS戦隊のもう片方の快盗と比べてあまりにも不完全でバランスが悪く感じるし、個人的にあまりにも終わった感じがしなさすぎるので、どうにかこの両者が本当の意味で関係が深まる続編をお願いしたいと思う。

販促の制約が不自由すぎた本編枠よりもむしろ自由がきくのではと思えるので尚更だし、本当は制作側もそう思ってない?と感じてしまう。

 

なお、宇都宮Pと香村さんのコンビはジュウオウジャーでも中盤で本筋のバド関連を引っ張ったので、ノエル関連を引っ張ったのはこのコンビの傾向では?という考えもないわけではない。

でも私の見る所、ジュウオウも2000回記念のゴーカイジャーとのコラボ回がなかなか日が確定しなかった挙げ句にジュウオウホエール登場のタイミングと完全に重なり、当初そこで予定していた物語が後ろにずれた可能性もあると考えている。

 

ここまで構造やテコ入れの影響を専らノエル中心にネガティブに書いてきたけれど、基本的にはこんな難しい舵取りの中でそれでも毎回クオリティの高い番組で1年間楽しませて貰えた事には感謝もしている。

また、あくまでいちノエルファンの視点、テコ入れがなかったら見る事の出来なかった物の中に好きなシーンがある可能性もあるし、お子さん等は弱体化より強化の方が嬉しかったりもするだろうことも承知している。

またパトレンファンの方から見たら、不平等に耐えてきた痛みはこんな物ではないと思われたらお許し下さい。

ルパパト: 構造や売上が ノエルと警察、それから結末に与えた影響について(長文1)

ルパパトは快盗の物語については綺麗に終わったと思う反面、警察とノエルについてはかなり不完全燃焼、とは前回の記事で書いた。

ここでは、なぜそうなったのか、ルパパトの抱えていた構造的な問題と売上不振による影響を特にノエルについて考えてみたい。

つまりどうしても、特にノエルの扱いについてネガティブな話になるので、そういうのが嫌な人は読まない方が良いかと。

 

■助けられている事から目を逸らす

ルパパトはノエル登場以前から、基本的な構造として、警察は快盗を捕まえたら終わってしまうので逃げられ続けなくてはならないだけでなく、快盗も怪人を倒さなければならない。

それは結果的に、警察はしばしば快盗に助けられている、警察だけでは市民を守れなかった案件がたくさんあった事にもなる。

2戦隊はこの時点で元々イーブンな見せ方は出来ない。だから制作側は序盤から圭一郞達を快盗よりもキャラの人間性を豊かに描いていく等、見せ方にいろいろ気を付けていたとは思うけど、この「警察が時には意図的にしろ結果的にしろ快盗に助けられている」「自分達だけでは平和を守りきれない」という事については、はっきりと共闘しVSXの最強ロボが登場した時以外は殆ど問題視されていない。咲也が「共闘した方が頼もしいのでは?」と問題提起した時もヒルトップとジムが速攻で世間の信用を理由に否定し、共闘はあくまで現場の緊急避難的扱いに留めている。そして普段はその事に対する悩みも葛藤も見せない。見せない事で視聴者にも極力意識させないように仕向けていたのでは?と思ったりする。

そして警察にはもう一つ、直視するとなかなか厄介な問題がある。それは、そもそも警察は誰のお陰で戦えているのか?という事だったと思う。

 

■物語の根幹にいすぎた追加戦士

ルパンレンジャー結成を画策したのがルパン家の執事コグレ。パトレンジャーの始動を可能にしたのが開発者として国際警察に潜り込んでいたルパン家のエンジニアのノエル。つまり対立する2戦隊はどちらもルパン家の者が作った事になる。

これは2戦隊のコアメカが共通のグッティで共闘の一つのゴールが2戦隊が合体するVSXのため、共通の技術から生まれた物とする必要もあったからと思う。コアメカを共通にして両ロボが並び立たないようにしたのは戦隊ロボ同士で戦い街に被害が出る等といった事態を避けるためだろうか。アニダラを踏み潰す等という展開を敢えて取り入れるのなら尚更。

 

圭一郞達に装備が渡った事について、ノエルは「痛恨のミステイク」と言った。

 でもノエルが頼む以外の誰にグッティを拘束梱包なんて困難な事が出来るだろう?他の場所、例えば快盗を手伝わせたいだけならグッティが自分で飛んで行けば良い。グッティにもアルセーヌのためにルパンコレクションを集めたいという快盗と同じ目的があるんだし。

そしてノエルは何度も快盗と警察の共闘が必要と説いている。なのに片方の警察が戦える装備を持たない状態でいる事を望むだろうか。だから恐らく快盗やコグレには嘘をついていて、送ったのは平和を望むノエルの本心。そして共闘も、現実の戦力的にはノエルが正しい。共闘できなければ両戦隊とも途中で全滅していたはず。

 

でもこれって、見せ方によっては全てがノエルの掌の上だった、となりかねない構造なんだよね。そうでなくとも両方に変身出来るだけで反則級に狡いのに。特に警察は、対立する快盗を雇っているルパン家出身のノエルのお陰で戦えている事になる。

だからスタッフは警察の時とは逆にノエルの見せ方が突出しないよう気を付けていたと思う。

ノエルも決して万能ではなく、失敗もするししばしば不協和音もピンチも招く。ノエルがメインの話でも、スカッとする活躍は意外なほど少ない。特にデストラ決戦やスパイ疑惑、ゴーシュ前後編はどれもノエルが起点となってピンチやトラブルになるけれど、それを払拭出来るほどの活躍はしていない。

また、本当に肝心な時には外から見ている事も少なくない。顕著だったのはザミーゴとドグラニオとのそれぞれの決戦。

ザミーゴ戦ではコレクション奪取と金庫封じの秘策を与える重要な役割を果たすけど、ドグラニオの金庫の中には行けず、2戦隊の武器交換という共闘の象徴的なシーンでは、その発端はノエルが作ったものの、後ろに転がっていた。

ドグラニオ戦ではなかなか立ち上がれず、参戦した後は金庫の中の異変を彼だけが持つコレクション関連の知識で状況判断し、一瞬スーパーパトレンXになり、圭一郞にサイレンを渡した後は一緒に攻撃する事もつかさや咲也と一緒に圭一郞を支える事もなく画面から消えていた。

ルパン家出身という知識面や謎に関するアドバンテージや両方に参加出来るという点でどうしても他メンバーより見せ方でリードしやすい分、他で容赦なく引き算し、極力華々しく見せず貢献にはスポットを当てない、という足し引きを終始細かく繰り返していたのがこの人の見せ方だったのではと思う。

やっぱり追加戦士としては物語の根幹でいすぎたとは感じるよ。迂闊にスポットを当てると光が強すぎて他を圧倒し、主人公であるダブルレッドとのバランスさえ崩れてしまう。

それでも当初は勝算があったんだろうと思う。

 

ビークルをパトレンに渡せない

ところがここで、大問題が起こる。売上不振、特にパトレンの玩具が売れなかったために、いわゆるテコ入れが行われ、スプラッシュ以降のトリガーマシンつまりパトレンの追加ビークルを全てルパン側に与えるという方針転換が行われた事。

 これにより、販促はどうしてもルパンが中心になり、パトレンは戦闘面での活躍を大幅に制限される事になってしまった。

 

これがノエルというキャラを描く時に大きく影響を与える事になったと思わずにいられない。ノエルは快盗だったり警察だったりする追加戦士だけれど、元々はエンジニア。恐らく当初は日本に来てからも快盗と警察双方にビークルを提供していく予定だったのではと思う。

ルパン家の者でありながら警察にもビークルを提供し続けるなら、それだけで警察ポイントは稼げる上に快盗にとっては裏切りにもなり軋轢も生まれ、まさにどちらでもありながらどちらにもなりきれない姿を描ける。それでいてどちらの戦隊にも貢献している事も描ける。

でも、これが封じられてしまった。その結果、快盗にはマジックを追加ビークルとして開発提供しているのに、パトレンには来日以降一度も提供しないままだった。早めのクリスマス販促回でもあったデストラ戦が終わってやっと、圭一郞にサイレンを貸してサイレンパトカイザーを出せたくらい。

またマジック以降は快盗にもビークルの開発提供を行っていない。次の追加武装であるビクトリーとサイレンは、宇宙から飛んできたコレクションで、その争奪戦を描いた38話は私にはいろいろと納得の行かない展開だったのは以前の記事で書いた。

販促の事情で使うのが快盗に限られる以上は、これ以上快盗にばかり渡してさらに快盗贔屓に見られる事も、警察に渡すつもりの物を快盗が奪って快盗を悪者にする事も避けたかったのではないかと思う。そのためノエルはキャラのアピールポイントでもあるビークル開発を封じられた。

 

 ■もしもテコ入れがなかったら

28話でつかさが「ノエルは何故自分で開発したビークルを自分で使わないんだ?」と疑問を持った。私は最初これを、カタログバレで見たサイレンストライカーをノエルが使う伏線かと思っていた。当初圭一郞が使う予定だったのがテコ入れによって必殺技はノエルに、巨大戦ではルパンカイザーに振り分けられたのがネットに出回ったカタログバレから読み取れていたので、どう持っていくのかあれこれ考えていたし、30話のスプラッシュが快盗に渡った展開が素晴らしかったので期待してしまっていたんだよね。

例えばノエルが開発したサイレンを警察に渡し、そこでつかさが上記の疑問を呈し、その秘密が分かる中で警察とノエルの関係が深まり、警察がノエルにサイレンを使わせる展開にするのかな?と思ったりして。

でもそうはならなかった。38話の時に書いたように、サイレンをルパンカイザーが使う、という販促縛りが最大の障害だったと当時は思った。私が妄想したような展開から、ルパンもノエルも貶めずにルパンカイザーが使う展開に持っていくのはハードルが高すぎたんだろうと。ただこの時はまだ、使わない理由は後に物語の中で明かされて警察に共有され、警察とノエルの関係に変化をもたらすだろうと思っていた。

でも結局ノエルが使わない理由も、つかさが「人間用に改造したから使わないんじゃなく使えなかったのか」と思うだけで口にせず、以後最後までそこに触れられる事はなかった。ノエルの警察のための自己犠牲を表す重要な事柄で、他と共有すればノエルへの見方も変わったと思うけれど。

 

この「装備を使えない理由」の不発から、今思うと、当初は両戦隊に自分が開発したビークルを渡して強化し、自分は相対的に弱体化していくノエルと使えない理由を絡めて、その正体や決意、それを知ったつかさを含む警察との関係の変化を描く予定だったのかもと思う。

物語の根幹にいすぎて迂闊に活躍させると単独主人公化してしまいかねないノエルだけど、戦闘的には両レッドより一段落ちて活躍が見落とりしていくのと引き替えにその決意やエンジニアとしての貢献を見せるなら、他とバランスがとれる。戦隊の追加戦士が終盤弱体化していく問題もそうやってカバーし、同時にもしかしたら「警察はなぜ戦えていたのか」という問題に圭一郞達を直面させようとしたのではと。そしてサイレンとビクトリーの登場かその少し後ぐらいがそのタイミングだったんじゃないかな?と思えてならない。

でも路線変更によりパトレンは強化出来ず、逆に予定になかったノエルが強化されてしまった。

制作側としては、VS戦隊を続けていくにあたってこの状態で上記のような展開に持っていくのは非常にバランスが悪いと感じて、後半のストーリーの流れや両戦隊の描き方を調整可能な形に変えていく事が必要だと考えたのでは思う。

今思うと、サイレンストライカーはルパンカイザーに割り当てられただけでなくノエルを強化してしまったことも当初のストーリー的には痛恨事だったのかもと思った。

 

※長くなってしまったので続きは後編で↓

 「ルパパト: 構造や売上が ノエルと警察、それから結末に与えた影響について(長文2)」

https://kiuix.hatenablog.com/entry/2019/02/23/170024

 

ルパパト51話感想: 快盗の最高の終わり、ノエルさんと警察はまだ終わってないよね絶対に

終わってしまった、いやこれで終わったはずがない。

最終回を見てからずっとこんな感じで頭の中を整理しきれないでいる。

 

ルパン側としては文句なしだと思う。

目的を果たせたら自分達はどうなっても良かったという潔い姿を見せ、かと思えばコレクション台帳でノエルの為にドグラニオの金庫の中のコレクションを全て転送し、それが警察とノエルのピンチを救って反撃のチャンスを作る。自分達の装備も全て送った事がコグレの心も打って後の救出劇に繋がり、スーパーパトレン1号の布石にもなった。

 

快盗3人の救済方法も良かった。

 魁利兄達3人の快盗姿、最初キャストブログで見た時驚いた。でも今回のを見ていろいろほっとした。

大事な人の為に魁利達が払った代償とか大き過ぎて、救われた側が物語が終わった後に苦しみ、関係が上手くいかなくなるかもってちょっと心配してたから。

魁利達にとって大事な人だったように救われた側にとっても快盗達は大事な人。それが自分達のために快盗になり人生をある意味ドロップアウトしてまで命がけで戦い指名手配の挙げ句金庫に幽閉、というのは献身が一方的過ぎる。氷から目覚めて2年経ってる事にまず驚き、浦島太郎状態の中で大事な弟が婚約者が親友が自分達を救うためにどんな危険を犯しどんな代償を払ったかを把握していく過程は地獄だったかもしれない。

快盗になって魁利達を助ける為に働く事で魁利兄達は救われもしたと思うし、彼らがこれからわだかまりなく彼らなりに幸せに暮らす為の通過儀礼だったと思う。それでも魁利は圭一郞と同じ側の兄に快盗をさせてしまったことが辛かったろうけど、快盗というのは彼らの気持ちを軽くする名目で、実際はコレクション探索限定、ルパンレンジャーというより危険で違法な戦闘のないボウケンジャーの方が近かったはず。警察に感知される事もなくお役御免で人間関係のバランスを考える香村さんらしい配慮と落とし処だと思う。だからこそ本来一方的な自己犠牲には否定的な方だよな~と、どっかの自己犠牲好きをちらっと頭に浮かべながら思う。

魁利兄達がちゃんと日常を生きている感じも良かった。

魁利兄は圭一郞に似た圧倒的正義漢だけど弟のためなら快盗だってやり、終わったらとっととマスクを捨てる。

彩さんはさばさばしていて透真が心の支えにしたくなる懐の広さと頼もしさがあんな短いシーンでも感じられるのが凄い。

詩穂ちんは「快盗はもう終わってる」と言われた時の反論が良かったな。助け出した後だからという確信以外にも、ああそうだよ、詩穂ちんて小さい時からこういう、正しいと思うことを周囲の空気に流される事無くハッキリ言うヒーローだったよ。私はこの子が助かってまた夢に向かって歩き出した事が嬉しい。

3人とも一貫して、ただ助け出されるだけの記号じゃなかったのが良かったな。

 

魁利達は20話までノエルを知らなかったから快盗に仕込んだのはコグレ。じゃあなぜ新快盗はノエルだったのか考えたら、きっとノエルはジャックボットとも友達で、好きな物や習性、弱点等捕まえるのに有利な情報をコグレよりもたくさん持っていて、それに合った鍛え方や作戦を作れるからかなと思った。

とすると、襲撃される前のルパン家の屋敷ではグッティだけでなくジャックボットもふわふわ飛び回っていたんだな。ノエルの友達はグッティだけじゃなかったのか。

 

ノエルさんはコグレが新快盗をスカウトしたと聞いて最初は猛烈に反対してたとしても、3人から「黙って見ているだけなんて出来ません!」とかどこかで誰かさんが言ってたような言葉を吐かれたら、絶対「ぐぬぬ」ってそれ以上言い返せなくなって講師も引き受けちゃったに1票。

コグレだって情はわかる人だから、魁利兄達の心の救済も考えた可能性もあるし。

 

金庫の中で1年暮らした快盗達だけど、ジャックボットが台帳を通して金庫の中と外を行き来出来るなら、きっと同じようにグッティが行き来して双方の情報伝達を担当してたんだね。

魁利達は外の状況は分からないから、いつ木っ端微塵になるかって覚悟を続けるのも辛いだろうけど、いつまでも何も起こらなければそれはそれでドグラニオに負けたのかと心配にもなる。だから早めにグッティが教えに行ってひとまず安心させたと思うし、中があんなにのどかだと分かればノエル達も安心だし、圭一郞達にも伝えられただろうね。

ジャックボットが台帳から飛び出した時に透真の散髪に使われていたハサミやケープはグッティが運んだんだろうか。まあコレクションの中にはドグラニオの金庫の中へのちょっとした生活必需品の転送が出来る物があっても不思議ではないかも。他にも調理器具、食材、雑誌新聞とか。

ある程度大きな物はどうだったんだろうか。寝具トレーニング器具なんなら家一軒。でもあまり手軽に出来てしまうとじゃあ人間の行き来も出来るんでは?と思われてしまうかな。でも思ったよりずっと快適に暮らせていそう。

 

一方金庫の持ち主のドグラニオ様。

思った以上にお爺ちゃんだったんだな。コレクションがなくなってからの弱体化は、その器の大きさに何度も惚れ込み、「様」と付けたくなる私にはややショック。強敵のまま逝って欲しかった気持ちも少しある。

自分の鎖でがんじがらめの姿を見ると、手術の全身麻酔から醒めた後もいろんな器具で身動き出来ずTVも見られなかった数時間を思い出して、あれが1年間以上続くのかと思うとゾッとする。2年前の誕生日は大勢の部下に囲まれて賑やかに祝って貰えたのに、面白い物が見たいと組織を捨てたのに、何もない暗い部屋にその状態で独り放置されるなんて。

確かに死より辛いかもという実感。

 そんなドグラニオ様が勝手に精神操作でジャックボットに金庫を開けられ、目の前で快盗達の涙の再会劇を見せつけられるのは屈辱だろうけど、一方で文字通り死んだ方がマシなくらい退屈してもいたろうから案外1年ぶりにありつけた貴重なエンタテインメントとして興味深々でガン見してたかもしれないと思ってみたり。

 

さて今回のノエルさんのいいとこ探しだ。

まず最終回に新強化形態を貰えた追加戦士なんて他に記憶にない。一瞬だけだし決められなかったけど。

圭一郞達の知らないコレクションに関する知識や情報を元に、金庫の中で何が起こっているかいち早く把握し、そこからドグラニオの現在の真の戦力も素早く分析してパトレンに共有。ノエルが両方に属していて良かったとここでも。新米快盗3人を仕込むという表に出ない形で魁利達を助けるために貢献。

その代わりにスーパーパトレン1号を支える役には加わらず、ラストバトルの出番の尺は初期6人に譲ってねということなんだろうか。思えばノエルさんの見せ方はいつもこういう足し引きの繰り返しだった。最後までそれを貫いたって事か。

 

快盗達が金庫の中にいた1年間の警察とノエルについて。

つかさが怪人のコレクションの有無を落ち着いて把握している。以前は明確に障害になるとわかるまでは気にもしていなかったのに。

魁利がギャングラーの持つコレクションは最後、後は警察の装備だけと把握している。

パトレンだけが1年間ギャングラーを撃破し続けてきているのにコグレが余裕を保ち、コレクションを全部集める事を諦めていない。ということはこの間倒されたギャングラーが持っていたコレクションは全て破壊される事もなく回収済み。

これらを考えると、ノエルは快盗としてだけでなく警察にも籍を置いたままか警察と連絡を取り続け、ノエル不在でもパトレンがビクトリーやマジック等のダイヤルファイターを使ってコレクションを回収し、ノエルに現物か情報を渡している可能性もあるのでは?

それともコレクションを持つギャングラーの前には取りこぼしなく現れて回収していったんだろうか?世間の認識は「快盗はもう遅い」だからそんなに目立った動きはしていないと思うけど。

ノエルが警察にどこまで秘密を明かしているかも含めて、こうやって警察との関係は最後までぼかし通しすんだなと、今回しみじみ。

ラストの魁利達は、平和のために警察に手を出せないノエルが歯痒くコグレとだけ共謀して盗りに行ったとも、盗りに行く名目で実は初美花が咲也にしたように助太刀目的だとも、ノエル完全黒幕化ともいろんな受け取り方が出来るとは思う。

 でも私は、ノエルさんは警察のコレクションは自分で返して貰うなり奪うなりするつもりだと魁利達に話したけど、魁利達は2戦隊がいがみ合った時のオロオロっぷりとかつかさが一生懸命だからコレクション盗れなかったとか、困るとすぐ自分だけ切り捨てるとか、ノエルさんに快盗と警察の2択を迫ると絶対グダグダでロクな事にならないと思って、自分達だけで勝手に奪う事にしたと妄想。

 

「圭ちゃん達がコレクションで戦い続けてる限り大事な人を取り戻せない奴がいるんだ。

そいつはいつも自分より他の奴を優先して、お陰で俺達は大事な人を取り戻せた。

大事な人を取り戻すのと同じくらい世界の平和も守りたくて、圭ちゃん達がちゃんと戦えるように大事なコレクションを送った。

俺達には自分でなんとかするって言ってるけど、きっと圭ちゃん達の戦いが終わるまでコレクションを返せとは言わない。

でも俺達はそいつにも早く願いを叶えて欲しいんだ。だからコレクションは返して貰う」

 

魁利にこう突き付けられたら圭一郞は何て言っただろう。

たぶん私はそれが見たかった。

ノエルがルパン家の者だと知らない限り警察との関係は完成しないと思うけど、その状態をぼかしたまま終わるとか正直想定外だった。

私はノエルが警察のため平和のためにルパン家を裏切ってまで大事なコレクションを託したことを圭一郞達に突き付けて欲しかったし、それに対して圭一郞達がどうするかを見て見たかったんだ。

でも公式は最後まで一貫してそれを避けた。

 このあたりについてはまた別の記事で書きたいけれど。

 

私はノエルの願いは必ずしも適わなくてもいいと思っていた。死者を生き返らせるのはドラゴンボールの世界や塚田作品ならありだけど、このスタッフではやらないかもと思っていたし。ただ、生き返らそうとして何が起こるか、その結果をノエルがどう受け止めるか、それは描くと思っていた。

だからそれらが盛大にぶん投げられた事に呆然としている。

 

警察も、スッキリしない終わり方でもあるよね。事態を打開したのは自分達ではなく、快盗が金庫の内側からドグラニオを弱体化させたからで、その時点で「強敵」ではなくなっていた。しかも快盗達を助けるためにトドメも刺さず、快盗達を助けたのもルパン家と新たな快盗達。

 

警察とノエルはそれぞれ不完全燃焼な一方、宇都宮作品としてはこれまでになく続編を意識させるから、もしかしていっそ警察とノエルは販促の制約のない形でその後を描きたい気持ちがあるのでは?スピンオフを望む声が大きくなるのを待っているのでは?と期待してしまったりしている。玩具とは対照的に映像ソフトはかなり好調だからGoサインも出やすそうだし。そんな事をあれこれ考えているから、自分の中で終わった寂しさと、終わっているはずがない的ごちゃ混ぜ感。

思えば、ジャックボットを脱出の鍵に使ってきたのは意表を突かれると同時に、宇都宮作品にしては映画を見てない人に不親切だと思ったけど、「だったら今から見てくれ金を落としてくれ」というこれまでにはない商売っ気を感じたのは自分の都合の良い願望だろうか。

思えば視た人がその作品にお金を使ってくれなかったらどうなるか今作のスタッフほど骨身に沁みた人達もいないだろうし、というのもある。

もしこれからでも稼げると分かってる映像系で玩具不振の分まで取り返そうという気になってるなら喜んで乗っかってやるよ。

但しエピソードノエルが必要最低最低条件な(なぜに男口調)

というか、警察とノエルの本気の物語を希望。

まずノエルが国際警察に入りグッドストライカーを日本に送ったいきさつ。ここ絶対ハッキリして欲しい。

もし本編で全てがノエルの掌の上だったと印象付けるのが特にパトレンとのバランス的に良くないと判断して敢えて描かずに来たのなら、そのしがらみから離れたスピンオフでこそきちんとやって欲しいんだ。

円盤売上が海賊の背中を捉え、侍も意識出来る程の人気コンテンツだというなら、作らないのは勿体ないよ。