キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ルパパト51話感想: 快盗の最高の終わり、ノエルさんと警察はまだ終わってないよね絶対に

終わってしまった、いやこれで終わったはずがない。

最終回を見てからずっとこんな感じで頭の中を整理しきれないでいる。

 

ルパン側としては文句なしだと思う。

目的を果たせたら自分達はどうなっても良かったという潔い姿を見せ、かと思えばコレクション台帳でノエルの為にドグラニオの金庫の中のコレクションを全て転送し、それが警察とノエルのピンチを救って反撃のチャンスを作る。自分達の装備も全て送った事がコグレの心も打って後の救出劇に繋がり、スーパーパトレン1号の布石にもなった。

 

快盗3人の救済方法も良かった。

 魁利兄達3人の快盗姿、最初キャストブログで見た時驚いた。でも今回のを見ていろいろほっとした。

大事な人の為に魁利達が払った代償とか大き過ぎて、救われた側が物語が終わった後に苦しみ、関係が上手くいかなくなるかもってちょっと心配してたから。

魁利達にとって大事な人だったように救われた側にとっても快盗達は大事な人。それが自分達のために快盗になり人生をある意味ドロップアウトしてまで命がけで戦い指名手配の挙げ句金庫に幽閉、というのは献身が一方的過ぎる。氷から目覚めて2年経ってる事にまず驚き、浦島太郎状態の中で大事な弟が婚約者が親友が自分達を救うためにどんな危険を犯しどんな代償を払ったかを把握していく過程は地獄だったかもしれない。

快盗になって魁利達を助ける為に働く事で魁利兄達は救われもしたと思うし、彼らがこれからわだかまりなく彼らなりに幸せに暮らす為の通過儀礼だったと思う。それでも魁利は圭一郞と同じ側の兄に快盗をさせてしまったことが辛かったろうけど、快盗というのは彼らの気持ちを軽くする名目で、実際はコレクション探索限定、ルパンレンジャーというより危険で違法な戦闘のないボウケンジャーの方が近かったはず。警察に感知される事もなくお役御免で人間関係のバランスを考える香村さんらしい配慮と落とし処だと思う。だからこそ本来一方的な自己犠牲には否定的な方だよな~と、どっかの自己犠牲好きをちらっと頭に浮かべながら思う。

魁利兄達がちゃんと日常を生きている感じも良かった。

魁利兄は圭一郞に似た圧倒的正義漢だけど弟のためなら快盗だってやり、終わったらとっととマスクを捨てる。

彩さんはさばさばしていて透真が心の支えにしたくなる懐の広さと頼もしさがあんな短いシーンでも感じられるのが凄い。

詩穂ちんは「快盗はもう終わってる」と言われた時の反論が良かったな。助け出した後だからという確信以外にも、ああそうだよ、詩穂ちんて小さい時からこういう、正しいと思うことを周囲の空気に流される事無くハッキリ言うヒーローだったよ。私はこの子が助かってまた夢に向かって歩き出した事が嬉しい。

3人とも一貫して、ただ助け出されるだけの記号じゃなかったのが良かったな。

 

魁利達は20話までノエルを知らなかったから快盗に仕込んだのはコグレ。じゃあなぜ新快盗はノエルだったのか考えたら、きっとノエルはジャックボットとも友達で、好きな物や習性、弱点等捕まえるのに有利な情報をコグレよりもたくさん持っていて、それに合った鍛え方や作戦を作れるからかなと思った。

とすると、襲撃される前のルパン家の屋敷ではグッティだけでなくジャックボットもふわふわ飛び回っていたんだな。ノエルの友達はグッティだけじゃなかったのか。

 

ノエルさんはコグレが新快盗をスカウトしたと聞いて最初は猛烈に反対してたとしても、3人から「黙って見ているだけなんて出来ません!」とかどこかで誰かさんが言ってたような言葉を吐かれたら、絶対「ぐぬぬ」ってそれ以上言い返せなくなって講師も引き受けちゃったに1票。

コグレだって情はわかる人だから、魁利兄達の心の救済も考えた可能性もあるし。

 

金庫の中で1年暮らした快盗達だけど、ジャックボットが台帳を通して金庫の中と外を行き来出来るなら、きっと同じようにグッティが行き来して双方の情報伝達を担当してたんだね。

魁利達は外の状況は分からないから、いつ木っ端微塵になるかって覚悟を続けるのも辛いだろうけど、いつまでも何も起こらなければそれはそれでドグラニオに負けたのかと心配にもなる。だから早めにグッティが教えに行ってひとまず安心させたと思うし、中があんなにのどかだと分かればノエル達も安心だし、圭一郞達にも伝えられただろうね。

ジャックボットが台帳から飛び出した時に透真の散髪に使われていたハサミやケープはグッティが運んだんだろうか。まあコレクションの中にはドグラニオの金庫の中へのちょっとした生活必需品の転送が出来る物があっても不思議ではないかも。他にも調理器具、食材、雑誌新聞とか。

ある程度大きな物はどうだったんだろうか。寝具トレーニング器具なんなら家一軒。でもあまり手軽に出来てしまうとじゃあ人間の行き来も出来るんでは?と思われてしまうかな。でも思ったよりずっと快適に暮らせていそう。

 

一方金庫の持ち主のドグラニオ様。

思った以上にお爺ちゃんだったんだな。コレクションがなくなってからの弱体化は、その器の大きさに何度も惚れ込み、「様」と付けたくなる私にはややショック。強敵のまま逝って欲しかった気持ちも少しある。

自分の鎖でがんじがらめの姿を見ると、手術の全身麻酔から醒めた後もいろんな器具で身動き出来ずTVも見られなかった数時間を思い出して、あれが1年間以上続くのかと思うとゾッとする。2年前の誕生日は大勢の部下に囲まれて賑やかに祝って貰えたのに、面白い物が見たいと組織を捨てたのに、何もない暗い部屋にその状態で独り放置されるなんて。

確かに死より辛いかもという実感。

 そんなドグラニオ様が勝手に精神操作でジャックボットに金庫を開けられ、目の前で快盗達の涙の再会劇を見せつけられるのは屈辱だろうけど、一方で文字通り死んだ方がマシなくらい退屈してもいたろうから案外1年ぶりにありつけた貴重なエンタテインメントとして興味深々でガン見してたかもしれないと思ってみたり。

 

さて今回のノエルさんのいいとこ探しだ。

まず最終回に新強化形態を貰えた追加戦士なんて他に記憶にない。一瞬だけだし決められなかったけど。

圭一郞達の知らないコレクションに関する知識や情報を元に、金庫の中で何が起こっているかいち早く把握し、そこからドグラニオの現在の真の戦力も素早く分析してパトレンに共有。ノエルが両方に属していて良かったとここでも。新米快盗3人を仕込むという表に出ない形で魁利達を助けるために貢献。

その代わりにスーパーパトレン1号を支える役には加わらず、ラストバトルの出番の尺は初期6人に譲ってねということなんだろうか。思えばノエルさんの見せ方はいつもこういう足し引きの繰り返しだった。最後までそれを貫いたって事か。

 

快盗達が金庫の中にいた1年間の警察とノエルについて。

つかさが怪人のコレクションの有無を落ち着いて把握している。以前は明確に障害になるとわかるまでは気にもしていなかったのに。

魁利がギャングラーの持つコレクションは最後、後は警察の装備だけと把握している。

パトレンだけが1年間ギャングラーを撃破し続けてきているのにコグレが余裕を保ち、コレクションを全部集める事を諦めていない。ということはこの間倒されたギャングラーが持っていたコレクションは全て破壊される事もなく回収済み。

これらを考えると、ノエルは快盗としてだけでなく警察にも籍を置いたままか警察と連絡を取り続け、ノエル不在でもパトレンがビクトリーやマジック等のダイヤルファイターを使ってコレクションを回収し、ノエルに現物か情報を渡している可能性もあるのでは?

それともコレクションを持つギャングラーの前には取りこぼしなく現れて回収していったんだろうか?世間の認識は「快盗はもう遅い」だからそんなに目立った動きはしていないと思うけど。

ノエルが警察にどこまで秘密を明かしているかも含めて、こうやって警察との関係は最後までぼかし通しすんだなと、今回しみじみ。

ラストの魁利達は、平和のために警察に手を出せないノエルが歯痒くコグレとだけ共謀して盗りに行ったとも、盗りに行く名目で実は初美花が咲也にしたように助太刀目的だとも、ノエル完全黒幕化ともいろんな受け取り方が出来るとは思う。

 でも私は、ノエルさんは警察のコレクションは自分で返して貰うなり奪うなりするつもりだと魁利達に話したけど、魁利達は2戦隊がいがみ合った時のオロオロっぷりとかつかさが一生懸命だからコレクション盗れなかったとか、困るとすぐ自分だけ切り捨てるとか、ノエルさんに快盗と警察の2択を迫ると絶対グダグダでロクな事にならないと思って、自分達だけで勝手に奪う事にしたと妄想。

 

「圭ちゃん達がコレクションで戦い続けてる限り大事な人を取り戻せない奴がいるんだ。

そいつはいつも自分より他の奴を優先して、お陰で俺達は大事な人を取り戻せた。

大事な人を取り戻すのと同じくらい世界の平和も守りたくて、圭ちゃん達がちゃんと戦えるように大事なコレクションを送った。

俺達には自分でなんとかするって言ってるけど、きっと圭ちゃん達の戦いが終わるまでコレクションを返せとは言わない。

でも俺達はそいつにも早く願いを叶えて欲しいんだ。だからコレクションは返して貰う」

 

魁利にこう突き付けられたら圭一郞は何て言っただろう。

たぶん私はそれが見たかった。

ノエルがルパン家の者だと知らない限り警察との関係は完成しないと思うけど、その状態をぼかしたまま終わるとか正直想定外だった。

私はノエルが警察のため平和のためにルパン家を裏切ってまで大事なコレクションを託したことを圭一郞達に突き付けて欲しかったし、それに対して圭一郞達がどうするかを見て見たかったんだ。

でも公式は最後まで一貫してそれを避けた。

 このあたりについてはまた別の記事で書きたいけれど。

 

私はノエルの願いは必ずしも適わなくてもいいと思っていた。死者を生き返らせるのはドラゴンボールの世界や塚田作品ならありだけど、このスタッフではやらないかもと思っていたし。ただ、生き返らそうとして何が起こるか、その結果をノエルがどう受け止めるか、それは描くと思っていた。

だからそれらが盛大にぶん投げられた事に呆然としている。

 

警察も、スッキリしない終わり方でもあるよね。事態を打開したのは自分達ではなく、快盗が金庫の内側からドグラニオを弱体化させたからで、その時点で「強敵」ではなくなっていた。しかも快盗達を助けるためにトドメも刺さず、快盗達を助けたのもルパン家と新たな快盗達。

 

警察とノエルはそれぞれ不完全燃焼な一方、宇都宮作品としてはこれまでになく続編を意識させるから、もしかしていっそ警察とノエルは販促の制約のない形でその後を描きたい気持ちがあるのでは?スピンオフを望む声が大きくなるのを待っているのでは?と期待してしまったりしている。玩具とは対照的に映像ソフトはかなり好調だからGoサインも出やすそうだし。そんな事をあれこれ考えているから、自分の中で終わった寂しさと、終わっているはずがない的ごちゃ混ぜ感。

思えば、ジャックボットを脱出の鍵に使ってきたのは意表を突かれると同時に、宇都宮作品にしては映画を見てない人に不親切だと思ったけど、「だったら今から見てくれ金を落としてくれ」というこれまでにはない商売っ気を感じたのは自分の都合の良い願望だろうか。

思えば視た人がその作品にお金を使ってくれなかったらどうなるか今作のスタッフほど骨身に沁みた人達もいないだろうし、というのもある。

もしこれからでも稼げると分かってる映像系で玩具不振の分まで取り返そうという気になってるなら喜んで乗っかってやるよ。

但しエピソードノエルが必要最低最低条件な(なぜに男口調)

というか、警察とノエルの本気の物語を希望。

まずノエルが国際警察に入りグッドストライカーを日本に送ったいきさつ。ここ絶対ハッキリして欲しい。

もし本編で全てがノエルの掌の上だったと印象付けるのが特にパトレンとのバランス的に良くないと判断して敢えて描かずに来たのなら、そのしがらみから離れたスピンオフでこそきちんとやって欲しいんだ。

円盤売上が海賊の背中を捉え、侍も意識出来る程の人気コンテンツだというなら、作らないのは勿体ないよ。