キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー34話感想: 一寸先は闇、その先に光

冒頭、カラフルのメンバー全員が見せたハロウィン仮装のクオリティが高い。ゼンカイジャーは着ぐるみキャラの多い戦隊の割にコスプレ率が高いイメージだけど、回を重ねる毎にどんどんそのクオリティが上がってる感じ。

特にマジーヌの魔女っ子が可愛くて、飾っておきたいくらい。魔女っ子と言えばジュウオウジャーのセラがやっぱりハロウィン回で見せた魔女コスプレが恐ろしいほど綺麗で似合ってたのを思い出した。

そんでヤツデさん!お若い頃に演じたピーターパンを還暦過ぎてさらっと再現。さすが長くトップアイドルを張りミュージカルもドラマもキャリアがある方は違うな。

先週のセーラー服もだけど、ご本人のボーイッシュで明るくさっぱりした持ち味も、コスプレの無理のない感じに一役買ってるんだろな。本当ナイスキャスティングだと思う。むしろいつもより若く見える(汗)。まあ普段は<祖母>だからとちょっと老けメイク気味なのかもだけど。

 

キカイノイドたちにとっては初めてのハロウィンだから、突然店に襲来した暴徒たちの狼藉を「ここまで激しいイベントなのか!」と驚きつつも受け入れかける描写が細かい。でもこんなの違う、と介人が否定。

例によってアバン時点で既にワルドのパワーによる異変が満ち満ちた世界になっているのが、やっぱりいつものゼンカイジャー。

 

今回の敵、ハロウィンワルドはトリックビームを人々に浴びせ、暴徒化してしまう。でもゼンカイジャーとの戦闘中に頭のカボチャ、ランタンが吹っ飛んだ途端、人々は正気に戻ってしまった。倒されなくても頭のランタンが外れるだけで、パワーが半減するワルドとしては珍しいタイプだったみたい。

 

というかトジテンド基準では欠陥品扱いで、怒るボッコワウスの巻き添えを食ったバラシタラが「そもそもワルドが出来るまでどんな仕様になるかわからないのが問題である」と、根本的な問題を指摘。

それにゲゲもボッコワウスも「あ・・・」と、まるで今初めて気付いたようにも、逆に「それ言っちゃったよ・・・」みたいなメタ的な指摘をされた気まずさにも取れるリアクションをしてて、じわじわ来る。

 

パワー半減のハロウィンワルドは身を隠し、その間に正義も悪も大真面目にランタン捜索。

介人画伯にこれを探してと押し付けられた絵でわかるはずもなく、片っ端から身銭切ってカボチャを買ってはリアカー引いて練り歩いてくれるゾックスは、やっぱり介人に甘いな。さすが後方彼氏。

 

ステイシーも、ここでランタンを見つければ僕の手柄だとカボチャを見繕っているところに介人と出くわして、気まずい(笑)。

こういう場合は、介人に戦いを挑む方にはスイッチ入らないんだな。真面目で不器用だからカボチャ探しで手柄を立てる方に意識が全振りしているのか、周りにこれだけ人がいる状態での戦闘は気が進まないのか、元々好戦的なタイプじゃないから「介人を倒すんだ!」と気合スイッチを入れてないとダメなのか。

それとも介人の友好的な態度に徐々に絆され入れ替わりとかも経て敵意が薄れて来ているんだろうか?ともちょっと思ったり。

 

ハカイザーに協力してランタン探しをしているのかという思い込みを否定された介人は、ステイシーに「バラシタラを超えたいんだよね?だったら、仲間と協力して、たっくさん勝つ方が良くない?」と敵にアドバイス(汗)。

「たっくさん勝つ」が成立するには、それだけこの世界の被害や自分たちゼンカイジャーが追い込まれたり負けたりが必要なんだけど、そこまで考えてないのか、それを跳ね返せる自信があるのか。介人だとどっちもありそうで怖い(笑)。

 

そんなステイシーが川をどんぶらこ流れるランタンを見つけた頃、ハカイザーもビルのてっぺんに普通はあるはずのないランタンが引っかかってるのを発見。状況的に後者の方がハロウィンワルドのランタンとしか思えなくて、もうこの時点でステイシーの負けが見えるのが不憫(涙)。

 

リアカーの引き方にカボチャ探しへのうんざり感満載のゾックス一家は、粗大ゴミに擬態してやり過ごそうとしたハロウィンワルドを、凄く緊張感なく発見(笑)。

今回のゾックスは変身ダンス中に逃げられたと見せかけて先回りして待っていたり、パワー半減のハロウィンワルドをおちょくったり。海賊らしい遊び心やガラの悪さを見せた戦い方は、個人的にはちょっとグダグダ感があって、ここでサクッと倒しておけよ、と少し株を下げた感ある。

けど、物語の展開的にそういうわけにはいかないのでちょっと割りを食っちゃったかな。

 

案の定、ランタンを回収したステイシーとハカイザーが別々にハロウィンワルドの元に急ぎ、介人とジュランたち4人が各々追いかけて、全員集合。

そんでハロウィンワルドが自分のランタンではなくハカイザーの方を選んだことに真面目にショックを受けるステイシー。

「僕は、あいつにも負けるのか」とか、その心の動きが、凄く思春期のナイーヴさに満ち満ちていて生々しく、本人は大真面目なんだけど、ごめん笑ってしまった。一方で、なんか他人事でなく共感してしまう部分もあるんだけど。

 

今回ステイシーが<負けた>のは、正しいランタンを見つけたか否かっていう部分だけなんだけど、なんかそこにワルドとの親密度や信頼感といった<人間力>の差みたいな物を感じてしまうのが辛いな。ステイシーはワルドに自分から歩み寄ったことなんかないからある意味自業自得なんだけど。

一方、ハカイザーはランタンをなくしたハロウィンワルドにも「失敗は挽回!」とか、もうそれまんま功博士じゃんなポジティブな励まし方をして、そりゃあワルドにしてみればハカイザーの方を信頼するに決まってる。

ゾックスが登場した時もそうだったけど、ステイシーにはクラスに馴染めないでいるうちに後から来た陽気な転校生がどんどん溶け込んで置いてきぼりになる子を見るような辛さを感じてしまうよ。

 

なお、そのランタンはゾックスが破壊してさっきのグダグダもちょっとは挽回。

でも、追い込まれたハロウィンワルドが代わりにステイシーのランタンを被ると、復活どころかパワーアップし、人々も再び暴徒化。結局どのカボチャでも良かったようで、

「何だったんだ、今までの時間!」と散々リアカー引き回していたゾックスが怒るのもわかるけど、でも君がとっとと倒していれば良かっただけとも言えるのよ?

「良いカボチャ見つけたなあ」とハカイザーに褒められたステイシーは、ゾックスに「面白いとこあんじゃん」と褒められた時に似たドギマギぶり。でもなんとか「・・・たまたまだ」と大したことない素振りを見せて、持ちこたえた(笑)。

 

介人&ゾックスはスーパー化し、ゾックスがハカイザーを引き受けて画面から消える(ハカイザーvsスーパーツーカイザーを見たかったからちょっと残念)と、ジュランたちがハロウィンワルドの動きを止めてスーパーゼンカイザーのワイヤーで拘束し、キャノンによってトドメと流れるような連携攻撃で撃破。このあたりの見せ方の手際良さはさすが中澤監督。

続いて出現したダイハロウィンワルドにはセンタイジュウオーが対応して、またしてもセンタイジュウギアの販促。どうやらゼンリョクゼンカイオーをホイホイ安売りするつもりはないみたい。キャノン自体はトドメで販促出来てるから良しってことか。

それに今回はキカイノイドたちにも重要な役目があったもんね。

充電切れで撤退しようとするハカイザーに食い下がり、巨大戦と同時進行で等身大バトルも続行。

 

巨大戦の方は、ダイハロウィンワルドの繰り出す大量のお化けたちの攻撃にセンタイジュウオーが苦戦。セッちゃんは「ハロウィンの仮装は悪霊に狙われないため」というへえ~な豆知識を披露しつつセンタイジュウオーも仮装するよう無茶ぶり。

仮装と言われてもどうするのかと思ったら、センタイジュウオーはビルが被っていた巨大シーツを横取りしお化け仮装。そしたら本当に仲良くなって攻撃されなくなった(笑)。相変わらずのゼンカイ脳全開バトル。

ハロウィンパワーが満ち満ちてビルまでお化け仮装していたのを、逆に突破口にしたわけね。

 

東映公式によれば、このあたり毎回恒例ながら中澤監督が「いったいなにを撮っているんだろう」とつぶやきながらディレクションしていたそうで、じわじわ来る(笑)。

 

充電切れ間近でも強いハカイザーに、ブルーンがボウケンジャーのギアを使いデュアルクラッシャーのミキサーヘッドでセメント攻撃。時間を稼いで機能停止に追い込む。

ハカイザーの正体判明に繋がる重要な局面で、ボウケンジャーモチーフのブルーンが満を持して<先輩の力>を使ってくれたのが、彼の見せ場にもなってなんか嬉しい。

ハカイザーのマスクが消失して隠れていた人間の頭部が露わになる。その顔にジュランたちが思い切り衝撃を受けるも、視聴者には誰なのか見えない、というドラマチックな演出。

けど、たぶんこの時点でその正体がわからない人はいないと思う(笑)。

ハカイザーはイジルデが回収して撤退し、ダイハロウィンワルドは形勢逆転したセンタイジュウオーが撃破して、「世界全開、オールオッケー」と介人の声が高らかに響く。介人の中ではいつもと同じ一件落着。

あんな大騒動のわりに戦いは昼間のうちに終わったようで、すっかり子供たちがお菓子を貰いに来るいつものハロウィンに戻った。

けれど、ジュランたちは介人やヤツデさんを気にしながらカウンターに集まり深刻な空気。

ハカイザーのマスクの下の素顔はやっぱり功博士だった。無表情でこめかみに何か装置がついていて、恐らく操られている状態。

一方ステイシーはそんなハカイザーの正体を知らないまま仲間として考え始めていて、続く。

 

ハカイザーの正体が功博士なのは初登場時からバレバレ。でもその仕組みは、充電中の本体から離れた空間に功博士の映像が浮かんだ場面から、てっきり中身は機械で功の思考回路だけを脳から抽出して付与したのかと思っていた。

功の本体は冷凍保存のまま脳のデータをダイレクトに取り出してハカイザーやキャノン等を作ったのなら思考回路も同様に出来るのではと。

でも実際は、中に本人が入っているスーツ形式だった。そこは驚いたけど、考えてみると元々ゼンカイザーの候補デザインならスーツとして設計してたことになる。

キャノンのゼンカイザーマークすら変えずにそのまま採用した丸パクリのイジルデが、ハカイザーをスーツから別の物に作り替えられるわけなかったんだな、と妙に納得した(笑)。

見た目は正義のヒーローの候補デザインで、キャラも爽やか。ワルドを倒しに来るゼンカイジャー以外の一般人に危害を加える気はゼロ。今回も一般家庭の庭でランタン探していたのを見咎められた時に「お邪魔してま~す」で、小さな子供に手を振られてる始末(笑)。

仲間を励まして共に頑張ろうとするし、正体を知れば余計に、元々は正義のヒーロー資質の持ち主が場違いに悪側にいるだけって感じ。

今いる環境が悪いだけだと思わせるのはステイシーにも通じる。違うのは、そんな環境でも周囲へのポジティブな接し方で徐々に良好な関係を構築していきそうな所かな。いかにも介人の父親って感じ。ただそこに功本人の意思がないのがなんか切ない。

 

そんでステイシーはやっと孤独から抜け出してハカイザーを仲間として見始めたと思ったら、それも元々は「僕が持っていなくて介人が持っていた物」、父親だったわけで。

ステイシーがそれを知ればまた衝撃を受けたり葛藤したりするんだろうな。一寸先は闇。

でも個人的には、もうその先に光しか感じられない。

ハカイザーも連れて早くゼンカイジャーの側においでよ。

ヤツデさん泣いて喜んで感謝するし、バラシタラを超えるチャンスだってこっちの方が大きいよ、良いこと尽くめじゃん、て。

考えてみるとステイシーは、介人は嫌いでも影響受け変わろうとしていて、ヤツデさんに惹かれ癒されて、美都子の血で延命し、正体が功であるハカイザーとも仲間になる道が見えてきた。五色田家総出でステイシーの体も心も救ってる感じ。

ステイシーもセンタイジュウギア開発に寄与し、美都子を逃がし、テニスボールにされたヤツデも助けている。だから、実は既に凄くwinwinな関係では?と思ったり。