キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー21話感想: 人間だってロボにする!ゼンカイジュウオー誕生

ゼンカイザーに続いてツーカイザーまでパワーアップしたことで、トジテンドではフリントの脅威を再認識。前回ゾックスへの報復に攫おうとした作戦はかすりもしなかったけど、こうやってほぼ全員が忌々しさを共有したってことは、いずれガチでフリントがピンチになる回は来そうな予感。

 

今回の怪人はコピーワルド。人間でも何でも、見た目はそっくりで性格は凶悪なコピーを作り出せる。で、またもOP前にゼンカイザーとツーカイザーがまんまとコピーされて悪い偽物が作られてしまい、いつもながら展開の早さ全開。

ちゃんと変身解除して介人とゾックスにそっくりな姿にもなれ、装備もコピーされた時に持っていれば再現されて戦力的に全く互角、むしろ本物が押され気味なのが厄介だな。

こんな時もまずは性善説全開の介人が「一緒にトジテンド倒そうよ~」と説得にかかったのは、らしくて笑った。

 

介人とゾックスの偽物たちは早速銀行強盗や宝石強盗など次々に悪事を働き、あの世界だと2人はヒーローで有名人だからその犯罪行為がニュースでも流れて、ヤツデさんは大ショック。

「介人は馬鹿だよ」と何度もすげえ馬鹿言いつつ、でもこんなことはしないと、実際に家族が冤罪で逮捕されたら狼狽えてこうなるよな、って言動の描写がリアル。加えて例の家族写真のカットを入れることで、悪事に使われた武器が行方不明の息子夫婦の作というダメージも拍車をかけてるのが、わかりやすくて手堅いな。

 

悪事描写は、13話のサンバに続いて加藤監督ノリノリ。東映公式が

゙まさか台本の「その他の悪行」という一文がこうなるとは……゙

とびっくりしていたけど、ルパン三世(緑ジャケット&赤ジャケット)にキャッツアイ(レオタード)のパロディとかホントやりたい放題(笑)。

 

そんな極悪全開な偽物兄貴の所業を見てもただ面白がってるだけのフリントと双子は、行為自体は別の世界で自分たちもやってきたから抵抗ないのかなと思われて、やっぱり根は「賊」な奴らなんだな。

一方、ゾックスが不機嫌なのは無理もないとしても、単に自分の姿で好き勝手されてるのが気に入らないのか、それとも他にも理由があるのか。

 

一方、介人は警察に逮捕されて取り調べ中。逮捕後も偽物の悪行は続いていて濡れ衣は晴れたも同然だし、他にも同じような偽物たちが滅茶苦茶暴れていて、これはもういつものトジテンドの仕業だろうっていうのは現場の刑事はわかっている。そもそも悪い方の介人なら大人しく逮捕されたりしないだろうしね。

取り調べの刑事はそれでも、本物の介人を冤罪から守る意味もあってもう暫くここにいて欲しいと詫びる。介人と刑事が互いに相手の大変さを労い合うのが気持ち良くて、和んだ。

刑事を演じているのはゼンカイザーのスーツアクター高田さん。高田さんと警察と言えばパトレン1号のスーツアクターが真っ先に思い浮かぶけれど、個人的には

 

ゴーカイジャー

警察署にやって来た手配書まんまの海賊に慌てふためく下っ端署員

ルパパト

地域の平和を守り圭一郎の進路を決定付けた優しく強い正義のお巡りさん

ゼンカイジャー

現場を指揮し理不尽承知でヒーローを逮捕しつつその苦労を温かく労う酸いも甘いも噛みわけた刑事

 

と、この10年に見る「俳優」高田さんの警察官としての成長も味わい深いよ。

 

でもそんな和やかな空気を破り、ゾックスが歌いながら扉をぶち抜いて乗り込んで来る。

成長してもやっぱり海賊にびっくりさせられる高田さん(笑)。まああの状況じゃ仕方ないけど、それでもわりと冷静さを保っているように見えるからやっぱり成長してるんだよな。

ゾックスは、介人の手錠を撃ち抜いて外すと拉致。警察署を一部破壊する乱暴なやり方に怒り、何故だと問いただす介人に

「俺は俺の格好で勝手なことされるの、許せないんだよねえ。だから、自分の手でケリをつける。お前もその気なら、連れてってやってもいいぜ」といつにも増して真剣な表情のゾックス。

「俺も絶対倒したい。偽物でもなんでも、母ちゃん父ちゃんが作った物使って、酷いことしたんだ。絶対許せない」と、介人も一番引っかかるところはヤツデさんと同じ。両親の作った装備を悪事に使われることが何より許せない。

それを聞いてゾックスは唇の端だけで笑う。

今回のゾックスを見た感じ、確証はないけど「自分の格好で勝手なことされるの」と同じかそれ以上に、介人と同じ姿で彼が絶対やらない悪事を働いて心労を与え、無実の罪で逮捕させたことが許せなかったのでは?と思ったりする。だから警察署を破壊して脱走という介人には絶対に出来ない乱暴なやり方で現状打破し、その上で介人の意思を確認したのかもと。

今回、この2人は偽物たちの方が最初から仲良くツーカーな相棒って感じだけど、本物の方も介人は元から全方位友好的なのに対し、これまで家族だけが大事だっただろうゾックスにも、介人への彼なりの友情がより強く芽生えてるように見えて。

 

一方ジュランたちは偽物の介人ゾックスを発見し銃を構えるけど、アイラインびっちりの顔でも「俺だよ、介人だよ!」と哀願されると撃てずに返り討ち。それを嘲笑う偽物介人の演技がノリノリで駒木根さん凄く楽しそう(笑)。2人ともアイラインがキツいから余計に悪い表情が強調されて怖い。

「偽物だってわかっていても、撃てないよお!」と嘆くガオーンに、うんそうだよなと共感しつつ、でもあなたオニゴッコワルドの時は操られている本物ブルーンを容赦なく撃ってましたよね・・・と頭をよぎってしまった(笑)。

 

そこに本物2人が立ち塞がり、敵も味方も一斉に変身。名乗りも本物偽物入り乱れて、つくづく意地でもまともな全員名乗りをする気ないんだな(笑)。「秘密のコピー」とかもはや意味不明だし、「海賊のコピー」は元々ツーカイザー自体がゴーカイジャーのパクリなんだと思うとじわじわ来る。

そんで「5人揃って」をやろうとした介人がちらっと自分を見て戸惑い皆を呼ぶのを見て、俺はお呼びじゃないよねハイハイどうぞと空気読んでその場を離れるゾックス(笑)。

 

コピーワルドVSジュランたち。コピーワルドがまた4人をコピーしようとすると、ぬぬぬマジーヌ→「トナーを交換して下さい」に意表突かれた(笑)。

香村さんの脚本は、たびたびヒーローやその周辺の人達のリアルな等身大感にフィクションの垣根を超えて身につまされたりするのが魅力の一つ。ではあるんだけどまさか敵怪人から、ここぞという切迫した局面でコピー機のトナー交換を突きつけられる社畜の焦燥や小さな絶望まで追体験させられるとは思わなかった(汗)。

トナーの予備なんか持って来てないと焦る隙に超電子バイオマンの力で電子回路を狂わせて厄介なコピー能力を完封。って、今回は戦隊ギアの使い方がごく真っ当なんだけど、ジェットマンのアレの後だとちょっと大人しく思えてしまうのは困りものだ(汗)。

 

介人&ゾックスVSコピーズ。冒頭とは違い変身後の偽物は目が赤くなって見分けやすくなった。実力はやっぱり互角。

けど、「呼ぶと来る」センタイジュウギアはスキャンした時には不在だったからコピー出来ておらず、スーパー化だけは真似出来ない、というのはギアの特性を活かしてるな。そんで本物と同じ強さの偽物をパワーアップ形態で倒す、という見せ方が上手い。

ジュランたちの方も同時にコピーワルドを撃破して、センタイジュウギアの販促から外れた他メンバーの活躍も確保されていて、良かったというかほっとした。

 

続いて登場したダイコピーワルドが周囲の建造物を次々コピーすると、邪悪な赤い目のついた悪いビルや悪い歩道橋が誕生(笑)。ミサイルを発射するビル、巻き付く歩道橋とか、明らかに本物にはあり得ない攻撃力でゼンカイオー2体が戸惑った隙に偽物ゼンカイオーも作り出し、劣勢になった本物は早々に敗北。・・・やっぱりこうなるよね(涙)。

するとフリントがセンタイジュウギアを使えと指示。介人が使うと巨大化、続いてゾックスが使うと小さくデフォルメ化し、合体して恐竜メカのようなセンタイジュウオーに!

・・・初めてゼンカイオーを見た時、キカイノイドでなく人間がメンバーでも同じように巨大ロボ化したのか気になってたけど、センタイジュウオーにその答を見た気がする。ゾックスのギアはフリントのパクリによるイレギュラーなんだけど、元々介人が恐竜メカ変形する仕様で、それにゾックスがくっつくために「デザインの都合」でああなったのかなと。

そして他メンバーを巨大合体ロボにして息子に操縦させる仕様に息子とまだ見ぬ息子の仲間とに対する扱いの差を感じずにはいられなかったけど、センタイジュウギアを使わなきゃって状況では実子と言えど巨大ロボにする気満々だったんだな五色田夫妻。

 

センタイジュウオーはまるでウルトラマンの怪獣みたいに、いやそれ以上の容赦なさで悪い建造物たちをド派手に破壊し、大迫力(笑)。街を破壊とか確かに普通の戦隊ロボには中々出来ない見せ方で、ワクワクした。

その勢いのまま偽物ゼンカイオーも2体まとめて撃破。これ、センタイジュウオーがその気になれば本物のジュランたちももこうやってあっさり倒せる=殺せるってことだよな、と思うとちょっとヒヤリとする。

残るダイコピーワルドもセンタイジュウオーをコピーする隙もなくスキャナを破壊されて、必殺技はゼンカイザーとツーカイザーが分離状態で同時に繰り出し、コピーワルドに続いてダイコピーワルドも違法コピーの注意喚起(笑)と共に爆殺。

 

敗北を見届けたイジルデの元に呼び出されたステイシー。新たな武器を授けると言われてちょっと俯く。

イジルデの新たな作戦の始動は、以前の「ステイシー」にとっては大嫌いな介人をこの手で倒し念願の父親超えを果たすチャンスになってたはずだけど、今の「サトシ」にとっては優しい笑顔とおやつをくれる母に似た人との決別を意味している、と思うと切ない。けど彼が何を選んでどう動くか、前にも増して楽しみになってきた。

 

平和な街を取り戻し、介人が協力してくれたゾックスに礼を言うと「俺は俺の面子を守っただけさ」とそっけない。でもなんとなくツンデレ味は感じる。

ゾックスの偽物は本物とあまり変わらなかったと言われ「俺は元々、海賊だぜ」と笑うゾックスが去った後、5人はそう言えば初対面で海賊行為をされたと思い出す。

東映公式によれば

゙ゾックスが普段とあんまり違わないのは、香村先生曰く

「彼は普段は子ども番組の皮を被っているだけで本当は……」とのこと。゙

だそうで(汗)。偽物たちがやらかした数々の悪行は、介人との決闘に負けてなければ本物ゾックスのありえた現在かもしれない。そう思うと介人グッジョブだけど、あの時点でまともに戦って介人が勝てたかというと怪しいから、決闘を中断させるほどの大混乱をもたらした挙げ句「柏の葉をもぎ取られたらただのモチワルド」という謎理論でゾックスに負けを認めさせたカシワモチワルドの功績大だな。

ただ介人は「世界荒らさないって約束してて良かった~!」と言ったけど、今のゾックスなら約束がなくても介人を困らせる事はしないかもなって気もするよ。

上で書いたようにゾックスにも介人へのより強い友情が芽生えたのなら、そのタイミングで2人の合体ロボが誕生したことになるのかもと思うと、ちょっと感慨深い。

 

東映公式によれば、元々は初登場の怪獣型ロボに思い切り街を破壊させたい→なら悪いビルを出そう(笑)って発想からスタートして、悪い偽物を作り出すコピーワルドが誕生したみたいだけど、介人とゾックスの偽物回にもすることで、同等の強さを持つ偽物を倒せる強化体をアピールすると共に、新ロボに活躍を奪われるキカイノイドたちにコピーワルドを倒す見せ場を確保し、ゾックスから介人への友情チラ見せも盛り込もうっていうやりくりをされたのなら、パズルみたいでスタッフさん頑張ってるな、といつもながら感心してしまう。