キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会‼ 感想(ネタバレあり)

円盤買ってやっと見られたので、とりとめなくポイント毎に感想とか。

 

■時系列

白倉Pによると、本編5・6話と7・8話の間くらいとのこと。4話でブルーンが加入して初期メンバーが出揃いある程度一緒に活動した後、かつステイシーが本格登場する7・8話の前ってことか。

ステイシーが7話で暗黒ギアを使ってアカレンジャーたちレジェンドを出した時に、ゼンカイジャーが初対面ではなく先輩扱いしていたのはこの劇場版で遭遇済みだったから、ということで納得。

キラメイジャーのエピソード0は本編の前日談だったけど、1話ずつメンバーが増えていくゼンカイジャーではこの時系列で良かったと思う。

 

■強者感

冒頭のトジテンドの侵略描写からそこに立ちはだかるゼンカイジャー登場の見せ方が、声援を送られて調子に乗るらしさはあるものの、普通に強者感満載のちゃんとしたヒーローで格好良い。

考えてみれば公開当時はこれが初披露なんだから補正があって当たり前なんだけど、本編で20話もゼンカイ脳ぶりを見た後だとなんか違和感というか、「盛ってるな」感が凄い(笑)。

 

■ピザすき焼き

本編14話のラストで界賊一家を招いてパーティしたときに出された料理。

この劇場版を踏まえて実現したらしいという情報はちらほらネット上で目にしていたけど、実際に見たら何度もしっかり名前が出されていたのに驚いた。

五色田家に元々あったメニューではなく、

今夜はパーティーですき焼きだ→パーティーにはピザだろ→だったら合体してピザすき焼きだ!

という介人とジュランの会話から実現していたってことで、孫の思い付きをホイホイ実現させるヤツデさん凄い。まあガオーンが介人愛から全面協力したのは予想に難くないけど。

メタ的には料理研究家リュウジさんという方が

東映さんの無茶ぶりに応えたらとんでもなくウマい料理が爆誕しました」

と2月の劇場版公開直後に料理を公開しているので、劇場版脚本に登場したピザすき焼きという料理を東映からリュウジさんに頼んで実現させ、後に本編にも登場させた、という流れみたい。

ピザすき焼きへの情熱が凄いけど、このピザとすき焼きという全く異質な料理を組み合わせて生まれた新しい料理は、もしかしたら人間とキカイノイドという異種族が力を合わせることで互いを補い合いこの世界を守っているゼンカイジャーの象徴の1つみたいに、スタッフさんは位置付けてるのかなと思ったり思わなかったり。

 

■スーパー悪者ワルド

トジデントがこの映画のために繰り出したワルド。冒頭の戦闘でただ1人生き残ったクダックに、スーパー悪者トピアという世界を閉じ込めたギアを使って誕生。

体全体のシルエットは199ヒーローの黒十字王に似てると思うけど、体色は青を基調にしつつカラフル。歴代の悪ボスをトーテムポールみたいに寄せ集めてパーツ構成してて、劇場版ならではのデラックス感もある。どこに誰を使ってるかの解説を見たけど、たくさん過ぎてもう訳がわからない(笑)。

 

■宇都宮戦隊第三勢力

このワルドの力で過去戦隊、ゼンカイジャー世界の設定では並行世界の各戦隊の敵キャラが召喚された。ボスはワルドの体に使ってるからか、幹部級や第三勢力が多い。特に直接ゼンカイジャーたちに絡むのが

 

介人&ジュラン VS バスコ・ダ・ジョロキア&サリー

ガオーン VS ザミーゴ・デルマ

マジ—ヌ VS バングレイ

ブルーン VS 十六夜九衛門

 

と、宇都宮戦隊第三勢力率が高いのが私ホイホイで嬉しい。

人間体のあるバスコとザミーゴにはキャラを踏まえた台詞も多くて、特に「温かく柔らかい」人間ちゅわんを愛するガオーンと、人間の皮を被った氷の怪人ザミーゴとのかみ合わない会話が面白かった。もしかしたら本編を見てガオーンの人間愛を知った後だから余計にハラハラして見られたかも。

 

捕らえられた介人たちの前に勢揃いした怪人たちの中にはシュバルツ様、ダマラスさんにデストラさんとか好きな顔触れもいて心が踊ったけど、そんな幹部級たちに混じってなぜか野球仮面もいて、選考基準が一気にわからなくなった(笑)。ただまあ知名度なら確かに野球仮面はゴレンジャー屈指の有名怪人だからってことかなあ。

 

■まさかの汗(汗)

キカイノイドも汗かくんだ。しかもしゅぴしゅぴ飛沫が飛ぶんだ(汗)。

中年男性もとい「イケおじ(本人基準)」ジュランの汗という、人間だとあまり想像したくないちょっと生々しい描写を最初にガオーンの駄目出しで印象付けたことが、まさか逆転の布石だとは思わなかった(笑)。

このあたり時々こちらの皮膚感覚を刺激しつつそれを堂々とパズルのピースにしてくる香村さんらしい。

介人がヒーローとしての挫けない覚悟を格好よく叫び「結果出すまで全力全開だーっ!」と決め台詞と共にシリアス全開でグワッと立ち上がろうとすると、まき散らされた汗のためツルっと縛られていた鎖から抜けられて、敵も味方も「え(汗)?」とフリーズし静寂の中吹き抜ける風の音、という間の取り方緩急の付け方はいかにも中澤監督らしい(笑)。

そしてワルドや野球仮面に混じってダマラス様に「シェー!」のポーズをさせるな(笑)。

 

■財布からギア

自由になった介人は隙を突いてサリーが持っていた自分のギアトリンガーを取り戻す。

今回バスコはサリーとワンセットで召喚されたんだけど、ペットながら強いサリーがいることで介人とジュランがバスコ1人に負けるという、主人公とキカイノイドの主軸キャラの格を下げる形にはならず、でもペットだからちょっとだけバスコの別格感は出せている。また変身前の介人にギアトリンガーを奪い返される役をバスコに振らずに済んで彼の格を下げることを防いでもいて、サリーの存在を上手く使ったなあと思う。

じゃあなぜ介人とジュランをワンセットにしたのかと言うと、介人が子供の頃に両親から貰った宝物であり逆転の切り札になった「赤いセンタイギア」を財布にしまっているのを、ジュランに前もって目撃させる形で紹介しておきたかったのかな。

介人のギアはバスコが持ったままで、銃だけ奪い返しても変身出来ない。それを把握している敵から「銃ひとつで何が出来るワルモノ!」と言われた時に、介人がきりっと「何かは出来る!」と返すのが好き。

厳しい状況の中でも可能性を信じて自分の出来ることをする。ゴーカイジャーハカセがダマラスに言った「出来ることが出来るんだ!」を思い出した。

介人は財布を放り投げ、小銭と一緒に飛び出したギアがギアトリンガーにピタッと収まるのが格好よく決まって、こういう外連味ある見せ方も中澤監督らしい。

介人が銃を放つと赤い旋風が巻き起こり怪人たちを蹴散らすと、全レジェンド戦隊のレッド全員が召喚されて、ゼンカイジャー5人の装備を怪人たちから奪還した。

 

■継承

取り戻した装備をゼンカイジャーに返すのは

ティラノレンジャー→ジュラン

ガオレッド→ガオーン

マジレッド→マジー

ボウケンレッド→ブルーン

そして

アカレンジャー→ゼンカイザー

と、それぞれモチーフになった戦隊のレッドたち。

「ここは君たちの世界だ。奴らを倒せるかは、君たちの力にかかっている」という言葉と共に1人ずつ装備を手渡す形で、改めてヒーローとしての継承を行っている。ゼンカイジャーというヒーローの物語の始まりに重みを与えてくれてるみたいで、ぐっときた。

 

■「お前、赤じゃないのか」

介人が変身したゼンカイザーの姿を見てアカレンジャーが「何?!」と真剣に驚いてるから何事かと思ったら、その後に続いた言葉(笑)。まあレッドが戦隊の主人公を務める作品が40年以上延々と続けばそうなるか。確かに私も最初にゼンカイザーを見た時は驚いたし、ちょっと違和感というか伝統が途切れる寂しさも感じた。

でも本編を20話も見た後だと、「そうか、そんなに驚くことだったのか」と一瞬思ってしまったから、慣れって怖い。

戦隊レッド全員集合にセッちゃんが大興奮。喉の血管が切れるんじゃ?と心配する勢いで息継ぎもなく順番に絶叫紹介していくから大丈夫かこれ?と思ったらだんだん倍速がエスカレートし、ボウケンジャー以降は「以下略!」で済ませちゃったけど、正直ちょっとホッとした(笑)。

 

■炎使い

スーパー悪者ワルドが歴代のボスの力を使い優位に戦いを進めようとするのを、ブルーンの車体化、マジーヌの魔法、ガオーンの爪、とキカイノイドたちの特性を活かして打開してくのがテンポ良い。

だけど、暗闇→ジュランの炎で「ぶっちゃけ意味ねーから!」は、間の取り方がさっきの汗の時に似ていて、ジュランは若干オチ要員的な感じなのかなと改めて。

で、そう言えばジュランは本編だとジシャクワルドの時に「俺、炎使えたんだった」みたいなこと言ってて、私もそれまで炎使いの印象がなったから「?」だったけど、ここでがっつり使ってたんだな。

そんでそういう特性を持たない介人はひたすら根性で押し切り、「ちょ待てよ!ただの根性って」と視聴者からのツッコミをジュランに代弁させるの狡い(褒めてる)。

 

■海城剛

ワルドはゼンカイジャーが、召喚された怪人たちはレジェンドたちが倒して、一件落着。

レジェンドを代表してアカレンジャーが変身を解く。46年前に27歳で海城剛を演じた誠直也さんは今年73歳だけど、当時からも、また10年前にゴーカイジャーに出演された時からもシルエットに大きな変化は感じられない。ヒーローとしての意識や姿勢を保たれているんだな、と思った。正にレジェンド。

同時に、役者さんもヒーローを演じたことは今も大事な財産として受け止めて下さっているんだなと感慨深かった。

 

■元の世界は?

レジェンドたちが消えた後、召喚され倒された怪人たちの幻影?が空に浮かんで「お前らのお陰で、俺たちの世界もトジテンドから解放されたんだよね」と礼を言い「これからは本来の世界でバリバリ悪いこと出来るぜ」と本来の世界に戻っていく。

「もしかして俺たち、世界初?全部の悪者を世界に解き放ったスーパー戦隊になっちゃった」「やべー!」と頭を抱える5人に、セッちゃんが「まあ・・・別の世界には別のスーパー戦隊がいるから、きっと大丈夫っチュウ」と慰めて、「介人たちにはこれからもおいらたちの世界を守って欲しいっチュウ」から3月7日の番組開始告知に綺麗に繋げ、それはそれとしてピザすき焼きパーティーだと盛り上がってお終い。

 

この流れで行くと、「俺たちの世界」「本来の世界」とは各スーパー戦隊の世界で、それがスーパー悪者ワルドを倒したことで「スーパー悪者トピア」と一緒に解放されたとも受け取れて、ちょっと気になった。本編開始時点では全レジェンド戦隊の世界はトジルギアに閉じ込められている設定だけど、それが6話の後あたりで一旦解放されたことになるの?

でもその後もイジルデが暗黒ギアでレジェンド戦隊を召喚出来るシステムを作っているから、本編では解放されていないままで、劇場版のこの部分は本編とは違うパラレルなのかな?

まあでも全体的には面白かったよ。45作記念のお祭り番組のスタートに相応しくて、ちゃんと劇場で大きな画面で見られた人が羨ましい気もした。