キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー18話感想: もう恋なんてしないなんて

ジュラン、ブルーンと買い出し中の介人に、中学時代の同級生、花恋が駆け寄る。彼女が大学生なら介人も19~22歳あたりってことか。

これから図書館で勉強だと聞いて、自分も図書館好きのブルーンは親近感を持つ。後の展開の小さな布石。

介人とは男女を意識しない友達同士って感じで、良い意味であまり色気を感じさせないけど、清楚で溌剌として可愛い女の子。

ジュランが2人の仲をからかい混じりに詮索すると、そっち方面は全く疎いブルーンは恋と聞いてどんな物か知りたいと興味深々。この時点ではまだ無邪気な好奇心なのが、後の展開を思うと切ない。

ならば教えてあげますと、レンアイワルドが登場し、アイシアローを空に放つ。すると何やらハートの形にラブパワーが世界に広がって、人々は些細なきっかけで誰かと恋に落ちてしまう。

恋に落ちるのは男女だけとは限らないのがいかにも今の時代を反映してる。まず初っぱなにいきなりジュラン×ガオーンという衝撃のカップルでそれをがっちり印象付け。

ジュランが「俺じゃ駄目か?」とバックハグで「あすなろ白書」のキムタクを再現したかと思うとガオーンが「キュンです・・・」(笑)。

遅れて登場したゾックスも変身途中、その歌声に引き寄せられて押し倒してきた作曲女子キカイノイドのメロリアに「ふっ、面白れー女」とフォーリンラブで戦闘放棄した(笑)。。

あっちでもこっちでも恋恋恋と、アバン時点で既にゼンカイジャー屈指のカオスな状況からOP。

 

アイシアローの恋愛パワーで人々は些細なことで強制的に恋に落ち、相手にうつつを抜かして他のことが疎かになってしまう、というバラシタラの説明を上機嫌で聞くボッコワウス。

「ゲゲが作戦指揮をとったことが良い刺激に」と褒められたゲゲが、恐らく番組開始以来初めて調子狂って戸惑ってる(笑)。こんなトンチキな作戦を自分の功績にされても困るってことかな?

ボッコワウスの寵愛をバックに怪しい立ち回りを見せ、もしかして真のラスボス?なんて噂も囁かれるゲゲすらゼンカイワールドに飲み込まれてしまうのか?なんて予感もしつつ、バラシタラがそんなゲゲの様子に気を止めているカットに意味はあるのかどうか。

 

アイシアローの影響は介人たちがカラフルに戻った後も続き、メロリアにメロメロな兄貴のふ抜けた姿にショックを受けたフリントは、慰めようとしたマジーヌと恋に落ちる。

ブルーンは図書館で「ゼンカイジャーのブルーンさんも読んでます」的な推奨ポップ(笑)を見てカラフルにすっ飛んできた花恋と。

ブルーンが読んでいることが訴求に繋がるなんて、やっぱり何だかんだゼンカイジャーってあの世界のヒーローで有名人、ちょっとしたスターなんだな。

さっきまでロンバケやってた赤黄はガオーンがジュランの膝を枕にしててどっぷりバカップルだし、介人はこうなったら誰にも会わないと決意。も、束の間、ヤツデさんの試作パフェの可愛らしさに、まさかの非生物との道ならぬ恋(汗)。

そんなしっちゃかめっちゃかな状況に独り正気で溜息をつくヤツデさんを、暖簾の陰からステイシーが見ていた。さすがにこれは入っていけないわ(笑)。

 

世界が幸せな恋愛に満ち満ちた頃、レンアイワルドは作戦の第二段階として恋愛パワーをレベルアップさせ、人々の恋愛感情が悪い方向に暴走。嫉妬や猜疑心、独占欲等に苛まれて、あちこちで争いが始まった。

90年代月9キムタクドラマみたいだった赤黄も互いの愛を疑い、フリントとマジーヌも破局。ゾックスもメロリアから強烈な平手打ちを食らっていた(笑)。

花恋と海辺で初恋デートを満喫していたブルーンも雲行きが怪しくなると、介人との仲を疑って花恋を問い詰めて掴みかかり、怒った花恋に突き放されて波打ち際にばしゃっ。一転して嫌われたと思い込み、号泣しながら走り去る。

相手の些細な言動に舞い上がったり不安が膨れあがったり、嫌われたと過剰反応したり。ブルーンの初恋模様は敵の術による極端さはあっても、いろいろリアルで繊細に描かれていて、なんだか懐かしく、沁みる。

 

そこにレンアイワルドを見つけたとセッちゃんから連絡。

こじれた恋愛に苦しんでいた他のゼンカイメンバーもカラフルからワイワイガヤガヤ飛び出していく。

それを見送ったヤツデさんが1人になった時、やたらスタイリッシュに塀を超えてステイシー登場。ヤツデさんが振り向くまで崩さなかったキメキメの着地ポーズからの「おやつを食べに来た」(笑)。

先週のセッちゃんの「おやつ食べてたっチュウ」の破壊力に笑っていたら今度は本人自ら申告。

「僕は一体どうしたいんだ?」と前回自問して出た答がこれだったんだろうな。

母親の面影のあるヤツデさんの店にもう一度行ってカラフルサンデーを食べたい。そんな、優しい母親におやつを出して貰える恵まれた子供みたいな気分を味わいたい自分を皮肉るようにわざと甘え混じりの言葉にし、でもヤツデさんの前ではこんなことも出来ると精一杯格好付けたい気持ちとが入り混じってるみたいで、滅茶苦茶拗れてるなと。

 

レンアイワルドの前に拗れた恋の恨み全開のゼンカイチーム。

そんで顔にメロリアからのビンタの跡を、赤々と付けたゾックス(笑)。無音で踊り狂ったりロボが合体解除して容赦なくすっ飛んでいったりで、今回はこれ。仲間入りと販促がひと段落して「格好いい」を本格的に崩しに来たんだなと、楽しみなような物悲しいような。

・・・なんというかボウケンジャー高丘映士が加入前はセロリやリンゴをかじっていたのに加入後はキュウリや茄子に変わったのを見た時に似た感覚かも。

今回の変則名乗りのテーマは、失恋戦隊。テロップも恨みと涙が滲んでいて、「Love is over」にはもう笑うしかない。けど、ブルーンの「もう恋なんてしないパワー」はちょっと切ない。

 

今回も戦闘に付いてきたセッちゃんが「なんとなくだけどー・・・鳥人戦隊ジェットマンのギアを使うと良い気がするっチュウ」とかなり適当なことを言い(「そんな感じで大丈夫?(汗)」というガオーンのツッコミが楽しい)、使うとジェットマン5人の幻がゼンカイメンバーや、レンアイワルドにまで取り憑いて、なぜか寸劇開始。私はジェットマン未見だから何が起きたのか最初よく分からなかったけど、ジェットマンの伝説の最終回のシーンを再現していたようで。

ゼンカイザー→赤、マジーヌ→白でこの2人の結婚式。ガオーン→青(女子・汗)、ジュラン→黄、フリントがその連れ。

そんでレンアイワルドがよりによって黒=結城凱(汗)。結婚式に行く途中でひったくり(被害者の女性@ゾックス)を目撃し、犯人@ブルーンを捕まえるも逆恨みで刺される、という幻覚。そして幻覚が終わっても腹痛で白いベンチから立てない(汗)。

いいのか?これいいのか(大汗)?私は意味が分かってからは、ごめん、笑い転げていたけれど。

後でオリジナルの映像と見比べて、いかに東映公式曰く「実直に映像化」されていたのか知り、そのエネルギーの使い処の狂いっぷりに戦慄(笑)。

ネットを見ると結構怒ってる人もいて、その辺りの受け止め方は、簡単ではないんだろうなと思った。たぶんジェットマンは10月くらいから配信されると思うけど、そこでちゃんと見てみたら私も印象変わるんだろうか?

でもジュウオウやルパパトでは優等生的っぽさのある作風だった香村さんが、思い切ってきたなとびっくりした。なんかどこか吹っ切れたというか開き直った?みたいな。とは言ってもアキバレンジャーの時の暴走っぷりを思い出したりもするので、全くの新境地ってわけでもないのかもだけど。

 

ベンチから立ち上がれないレンアイワルドを、ゼンカイザーとツーカイザーが2トップでトドメ。海賊旗が翻り、ゴーカイガレオンを思わせる宇宙船のイメージをバックに、ゾックスのツーカイザーゴールドスクランブルもゴーカイスクランブルのアクションに似て、ゴーカイジャー成分多めで懐かしい。テン・ゴーカイジャー公開決定のご祝儀なのかも?

レンアイワルドは「空が・・・目に沁みやがる・・・」とこれまた凱のラストを連想させる台詞を呟いて事切れ(汗)、ベンチごと盛大に爆散。ゴーカイジャージェットマン回では「迂闊に手を出すと火傷しそう」だとメインライター井上さんに書いて貰ったことを思うと、つくづく10年を隔てたこの2つの記念作のアプローチは対照的すぎる。

 

人々は恋愛脳から解放されて正気に戻るけれど、メロリアから「無理です!全然タイプじゃないし・・・俺様とか・・・むしろ臭っ、ていうかさよなら!」とまで言われても、未練ありそうなゾックスが不憫(涙)

ブルーンも正気に戻ったと喜びながら、でもなぜか心が痛そう。

 

ダイレンアイワルドが出現すると空がピンクに染まり、無数のハートの風船が浮かぶ可愛くも異様な空間に変わる。

今回は最初からジュラガオーン、ブルマジーン、ツーカイオーの3体がかり。だけど、またも愛の矢で射貫かれ、全員ダイレンアイワルドに恋してしまい攻撃されても反撃出来ない。しまいにはダイレンアイワルドを廻って内輪揉めの大ピンチ・・・と思いきや、介人たちは「誰のことが一番好きなのか」と問い詰め、三股いや七股だと責めると寄ってたかって袋叩きにし、今回もそう来るか・・・と言いたくなるゼンカイクオリティど真ん中な展開で撃破。

 

ゼンカイジャーの敵の作戦はこれまで時々、比較的穏やかな第一段階からより深刻な被害をもたらす第二段階に移る時に、人間とキカイノイドとで受けるダメージに差があった。異種族が共存してるからこそ被害が軽い方が打開に動けて、全滅を防ぎカバーしあえる。そういう見せ方がいいなと思ってたけど、今回は種族関係なくとことんダメージを負って、その恨みをパワーに変えて(笑)倒してる。こういうパターンもあるんだからね!って引き出しの多さを見せつけられて、なんかやられた!って感じで、こういうのも好き。

 

戦い終わって、花恋もすっかりブルーンへの恋から解放され、笑顔で別れを告げると元気よく去って行く。それを見送りながらブルーンはなぜか心が苦しい。ジュランからそれを本当の気持ちだと諭され、「これが恋でしたか」と過去形で呟くブルーンが切ないな。

 

私は恋ってその人を知りたいと思う強い気持ちとワンセットかなと思ってる。

アイシアローによってシチュエーションだけでポーッとなった人たちは、術がとけた時点でその恋は綺麗さっぱりなくった。

でもブルーンは花恋と恋に落ちた直後に「もっとお話ししたい」と彼女自身のことを知りたがり、ゾックスも「面白れー女」と相手に興味を持っている。

きっかけは敵の術でも相手への興味は本物だったから、倒した後も本当の恋として気持ちが残ったのかな?なんて思ったりして。そんで「知りたい」が人一倍強いブルーンは、意外とゼンカイジャー全メンバー中で一番恋に落ちてしまいやすい人なのでは?とも。

だからブルーンには、もう恋なんてしないなんて槇原敬之の歌みたいなこと言わないで、これからも恐れずに、恋をに落ちて欲しいな。

 

一方、カラフルではそんな騒動とは別の穏やかな時間が流れていて、ステイシーは今回もヤツデさんとたぶんお喋りなんかもしながらカラフルサンデーを完食。初来店時の界賊一家と違ってちゃんと代金を支払おうとするステイシーに、ヤツデさんは「介人のおごりだ」と止める。

介人の意図を図りかねるステイシーの目に映ったのは、ヤツデさんと少年時代の介人、それから五色田夫妻の写真、で続く。

 

ステイシーは五色田夫妻の顔に見覚えがあったんだろうか?

名も無い掃除係だったブルーンですら噂を聞いたことがあったなら、イジルデのロボ製作現場にも入り込んでいたステイシーが研究室に行ったことがあっても不思議じゃないし。

それにもし、初めて見る顔だったとしても、今回写真を見たことはこれからの遭遇を暗示するフラグなんだろう。そしたらステイシーはどうするかな?

五色田夫妻は嫌いな介人の両親。なぜ嫌うかと言えば介人の両親への揺るぎない信頼が妬ましいから。

だけど夫妻は同時にヤツデさんの大事な息子夫婦でもある。戻って来たらヤツデさんはどんなに喜ぶだろう。

そんなジレンマが待ち構えてる予感で、これからのステイシーも楽しみ。

 

今回はいろいろ凄かった。

私は前回、介人たちが、現在進行形で人々を苦しめてるトウメイワルドを倒すことより子供たちの夢を守る方に夢中になっちゃったりとかが、目配りお化けの香村さんにしてはイマイチかな等と気になってた。着ぐるみキャラの台詞は声優にお任せしてる部分も少なくないとはいえ、さすがに17話も連続だとキツくなってきたのかなとか心配にもなったり。けど、もしかしたら今回の方により注力しすぎたんだろか?と思ったくらい。

いつにも増してカオスで冒頭から笑いっぱなしで、でもブルーンの恋にはちゃんとスポットが当たって終わりはほろ苦く、ステイシー絡みで次回以降への布石もしっかりで、面白かった。