キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー20話感想: 「映画公開記念合体スペシャル!」でスーパーツーカイザーお披露目

冒頭、トジテンドではセイバー世界の一件、オリヒメワルドの失敗の責任をバラシタラとイジルデが見苦しく押し付け合い、ボッコワウスがドスン→ぴょーん、とまとめて断罪して今日も平常運行。

これまで44戦隊世界を含む全ての並行世界は、ゼンカイジャー世界を除いてトジルギアに封印された設定だったけど、把握されていなかっただけで他にも並行世界は散らばっていた、というのは無理のない展開かな。特にトジテンドみたいな緩い組織なら。というかトジテンドの皆さんのお仕事ぶりを見れば見るほど、よくこれだけ広範囲な征服が出来たなと。

それだけトジルギアが優秀なシステムだったということか、それともトジルギアによる征服が楽過ぎてぬるま湯に浸かるうちに組織としていろいろ鈍ってしまったのかな?。セイバーの世界にトジルギアを使わなかったのは、ゼンカイジャー世界で使った時の不具合を警戒したってことで説明はつきそう。

その後ゲゲから作戦を妨害した界賊に思い知らせた方が良いとのアドバイスがあり、イジルデが、ではその家族を狙っては?といかにも悪の組織らしい卑劣な提案をした時には「今回は界賊一家のピンチのターンか」と、ちょっと覚悟した。まさかフリントも双子たちもピンチのピの字も擦らずごくごく平穏なまま終わるとは予想してなかった(笑)。

 

セイバー世界から恐らく海賊船に宙吊り状態のままでこっちの世界に戻ってきたゾックスと、その足にしがみついてきた神代兄妹。ワンダーライドブックを返す返さないで引き続き揉めている。そこに目の前で消えてしまったマジーヌを捜し回っていた介人とジュランが合流。

 

ジュランのことを「変な機械」って、言われて見れば人間とキカイノイドがごく普通に共存しているゼンカイジャーの世界は、人間だけが社会を構成している圧倒的多数のライダーや他の戦隊の世界とはかなり異質だったっけ。ゼロワンの或人が目指したヒューマギアと共存する世界に似ているようで、それともまた違うような。

 

海賊の仲間ならと一緒に粛清されそうになった所に、更にオリヒメワルドに似た姿のヒコボシワルドが墜落してきて、玲花を見るなり「織姫みっけ」とタナバスターを振るうと、玲花の姿が消えてしまう。

皆が驚く前でヒコボシワルドは他にも次々に女性を消失させ、介人ジュランが追いかけ戦っているところに凌牙が生身で乱入。いつもの冷静さを失い半狂乱でヒコボシワルドに襲いかかり、終いにはロープに絡まって相手を逃がしてしまうという、本編ではちょっと考えられないレベルの無様な姿を曝してしまう。

意外なほど早くゼンカイ世界の洗礼を受けちゃったけど、この人も妹が弱点か。妹持ちってやっぱりそうなるよね・・・と、ここ数年の戦隊の追加戦士とかマコト兄ちゃんとかが頭に浮かんでしみじみ納得。

 

凌牙も加わったカラフルでの対策会議。ヒコボシワルドの目的は織姫を探すことだとすると、攫われたマジーヌと玲花の共通点は?ってところでゾックスが「髪を後ろで束ねていた」とまたも鋭さを発揮。海賊行為で悪さしてる分、こういうところで好感度をフォローしてる感じ。

そんで、フリントも同じ髪型だと気付いた途端、不安にかられ始め、徐々に態度から余裕が消えていく演技が細かい。

凌牙がライドブックを返せと迫り、事情を知った介人も「お前だって妹がいるんだし、あの人の気持ちもわかるだろ!」と説得しようとしても、俺の妹とこいつの妹は違う、と半分自分に言い聞かせてるみたいなキツい言葉で拒絶。でも店を出ると、いてもたってもいられない様子で、急いで船に戻るんだなってわかる。

ゾックスも知らないけど、そもそもトジテンドの本来の狙いがフリントで、マジーヌも玲花もある意味とばっちりなんだよな。

 

一方攫われた女性たちはどこかの体育館みたいな場所に集められていて、その中にマジーヌと玲花の姿。

ヒコボシワルドの目的は<織姫候補を探す>って方に思い切りズレていて、イジルデに「海賊の家族がいないではないか!」と叱られてる。

それを聞いたマジーヌが「もしや、フリント狙いすか?」と口を出して存在がバレてしまい縛り上げられるも、介人たちと同じゼンカイジャーの仲間だと知った玲花がここを抜け出すために協力しようと接触

ここのマジーヌは自分でも「流石にお馬鹿すぎ・・・」と反省するくらい迂闊だったけど、彼女だけを鎖で縛って他の女性たちは拘束もせず見張りはクダックだけってのは、<仮面ライダー>がいたのは想定外としても、後に玲花が言うようにトジテンドも舐めすぎてる。どっちも安定のゼンカイクオリティだ。

 

その頃、凌牙は介人たちの女装作戦に乗っかって、いかつい体にピンクのチャイナドレスを纏い、金髪ロン毛のカツラ姿を披露していた(汗)。予告で見た時に、このセイバー屈指の堅物強面キャラの何がどうしてこうなったのかわからず唖然としてたけど、ゼンカイ男子と一緒にヒコボシワルドが狙う髪を後ろで束ねた女性に化けて誘き出そうとしてたのね。

それにしても金髪のカツラもピンクのチャイナ服も死ぬほど似合わない(汗)。顔立ちや輪郭の柔らかい介人のチアリーダー姿が異常にハマってて目に優しい綺麗な女の子になってるから余計に(汗)。

で、乗っかるだけ乗っかった後に苛立つ。まあ傍目には仲間のピンチにかこつけて女装ごっこを楽しんでいるように見えても仕方ないノリではある(笑)。

そこからのやりとりで、ほぼ初めて掘り下げられる凌牙の妹への気持ち。

そんでゼンカイ男子陣から語られるマジーヌへの信頼。「もう、ただ守られているだけの小さい子供じゃないんですわよ」って、内気な少女時代を知るジュランが言うのが特にぐっと来る。

良い場面なんだよ、メイクもばっちりな女装顔を1人ずつアップにするから絵面がひたすら酷いことになってるけど(笑)。

それらの言葉に考え直してカツラを被り直す凌牙が、本人の真面目さ真剣さを表現してるのはわかるけどじわじわくる。

 

海賊船に戻ったゾックスが切羽詰まった声で妹を捜し名前を呼ぶと、フリント本人がのんびりひょこっと顔を出す。

元々は自分が狙われたために大事件になったり兄貴がもの凄く心配したりなんて思いもよらないフリントは、新しい並行世界に行って思い付いたと、作りたてホヤホヤの新しいギアを茶目っ気たっぷりに兄貴に渡す。

このあたりのゾックスの、不安と焦りから一瞬で安堵へと移り変わる表情、自分のそれまでの心配は全部1人で飲み込んで妹には漏らさず、日頃の貢献にガラにもなくしんみり感謝するのを変だとからかわれて照れ臭がる演技が、凄く良かった。

台詞での説明がなくても、妹が無事に側にいることの有難味を心底噛み締めてるのがわかって、これならば妹を心配する凌牙への共感が増してその後の態度が変化してもおかしくないな、と思えたもの。

 

で、傍目にはこんなトンチキな女装集団なのにヒコボシワルドはまんまと引っかかり、脚本家が変わっても安定のゼンカイクオリティ。結局ヒコボシワルドはイジルデに叱られても何も変わらなかった(笑)。

飛んで来たところをジュランが「かっとばすわよー、あ・た・し!」とパラソルバットでクリーンヒット。浅沼さんもうノリノリ。

ヒコボシワルドの逃げ道をゾックスが塞ぎ、同じ妹を思う兄として凌牙にライドブックを返すと、ゼンカイ男子と凌牙が並んで変身。ゼンカイジャーはきっちりと4人名乗りをこなし、なぜ人数足りないとか不完全な状態だと綺麗に名乗れるのか(笑)。

ゼンカイ勢は凌牙にも同じノリで名乗りを強要し、戸惑ったわりにはちゃんと「俺を怒らせるな・・・!」まで付け加えるお兄様素敵。

 

1人高みの見物状態のゾックスは、さっきフリントに貰った新しいギアを気前よくゼンカイジャーに投げ渡す。元々は自分の行為が原因な部分もあるし、ゼンカイジャーの仲間のピンチに何かしてやりたい気持ちでも沸いたか、と思うのは甘すぎかな。

メタ的にはこの後パワーアップの本命が控えるゾックスより、ゼンカイジャーたちにも先に見せ場を作っておくというバランスなんだろうけど。

ジュラン: ジオウギア→未来先読み、ガオーン: ゼロワンギア→ライジングインパクト、介人: セイバーギア→火炎剣烈火でクダックたちを一掃。

ブルーンだけ何もなくて可哀想だけど「いいなあ仮面ラ~イダー!私のギアはないんですかあっ(泣)?」と全身で羨ましさ悔しさを表現していて、これはこれでおいしい(笑)。知りたがり屋のブルーンなら物理学者のビルドがマッチしそうだけど、平成のうちに終わったビルドは出さないとか3個セットで商品化とかかな?

 

ヒコボシワルドと凌牙の対戦中に、共闘して他の女性たちを解放&脱出した玲花とマジーヌも合流。もうこのあたりになると介人たちはすっかりただの野次馬モードで東映公式からも「求: 緊張感」と言われてる(笑)。

ダブルヒロインはきっちりヒコボシワルドを翻弄して、攫われたマイナスポイントを挽回。長身できりっとスタイリッシュな立ち姿の玲花と、小柄で可愛らしくコミカルな動きのマジーヌは好対照だな。

 

凌牙と玲花でトドメと行きかけた所に、ゾックスが参戦。

「来い!センタイジュウギア!」がタイムファイヤー滝沢直人の「来い!ブイレックス!」を思い出して、ちょっと切なくなる(涙)。どちらもキョウリュウモチーフ。

そんで「呼べば来るんだ」と感心する介人にほっこり。

ゾックスはギアをセットし、これまで以上にパンチが効いて難易度の上がっていそうなダンスから、直接スーパーツーカイザーに変身。

「なぜ踊る」と本日通算3回目のツッコミが凌牙から入ったけど、このダンスがある限りいくらコントでキャラ崩壊させられても「格好いい」に戻せるのは狡いなあ。

スーパーツーカイザーは、その速さでヒコボシワルドを圧倒。同じギアで変身しても、ロボみたいなゴツいフォームになったゼンカイザーはパワータイプ、ツーカイザーはスピードタイプと、見た目も属性も違うのが2人の個性とも合っていて面白い。

ルパパトの防御力のパトレン、回避力のルパンを思い出した。ヒーローとしても平和を守ろうとする介人はパトレンタイプ、大事な人たちのために戦い盗みも辞さない海賊のゾックスはルパンタイプだしな。

というかスーパーツーカイザーが普通に格好良くて、金色に翻る長いマントとか肩アーマーの張り方とか、全身に漂うスーパールパンX味に心がざわつく。最終回の数分間だけじゃなくてもっとたくさん見たかったよ、スーパールパンX(涙)。

最後は凌牙もトドメを決めようとしてちょっと揉めたけど、結局仲良く?2人並んで必殺技。

オリヒメギアの時と違ってヒコボシギアまでは破壊されなかったのは、最強フォームのクロスセイバーの破壊力がデュランダルに勝っていたということで、ダイヒコボシワルドが誕生。

 

・・・そもそもヒコボシトピアってどんな世界なんだろう?とふと思った。住人全員が1年に1度しか恋人に会えない彦星だけの世界?そんで、住人全員が織姫のオリヒメトピアと1年に1日だけ天の川で隔てられた並行世界ゲートが繋がって両方の世界にカップルが溢れ、日付が変わると同時に容赦なく閉じるシステムだったりすると大変だなと(汗)。両方の全世界民が1年間その1日のためだけに生きてる感じだろうか。

 

ダイヒコボシワルドは、オリヒメワルドも使った短冊に「ツーカイオーが負けますように」と書いてツーカイオーに貼り付けて優勢に持ち込もうとするも、ブルマジーンが加勢し、魔法で短冊を<ツーカイオー>から<ダイヒコボシワルド>に書き換えて形勢逆転。マジーヌは攫われて、ブルーンはライダーギアでの活躍がなかったから、ロボ戦でバランスをとった感じ。そんで毎度ながらマジーヌの魔法は強い。

最後はツーカイオーとブルマジーン2体同時にトドメで、ダイヒコボシワルドは「今年の旧暦の七夕は8月14日」と豆知識を披露して爆散。

仙台の七夕祭りが8/6~8なのは有名だけど、旧暦だともっと遅い日付の方が多いくらいなんだなってのは今回調べて初めて知って、ちょっと勉強になった。

 

一件落着で、神代兄妹はゾックスたちがセイバー世界に送り届けることになった。玲花がここで突然、万感の思いを込めてマジーヌをハグしたのは、役者さんのマジーヌ推しをスタッフが拾ったみたいだけれど、そういう事情は知らなかったからびっくりした(笑)。教会の鐘まで鳴ったから、思わずレンアイワルド再びか?なんて焦ったりして。

ネットでは「唯一の女性ライダーとして肩肘張って頑張ってきたから、同じく女性戦士として頑張るマジーヌへの同士愛が生まれた」という解釈を見かけて、なるほどと。

神代兄妹を乗せた海賊船は並行世界ゲートを通過した直後に怪しげな宇宙ステーション?とすれ違い、たぶん劇場版に続く。

 

今回のトジテンドの作戦は、本来は邪魔なゾックスへの報復として家族を狙うという、悪の組織として正しく卑劣な方針によるもの。その目的を果たすためには他に幾らでも方法はあったはず。

なのに

ポニテの妹を攫おう→それに適した能力のトピアは?→彦星トピアの力を使えば女を織姫探しで攫えていいんじゃね?→頑張って織姫候補いっぱい攫いま~す

ってどんどん本来の目的からはずれて、肝心のフリントそっちのけで見当違いの女ばかり集めてるトンチキぶり。まさしく東映公式が解説する

<スタートは正しいはずなのに、ゴールがあらぬ方向に。人、それを「ゼンカイ脳」と呼ぶ……>

を忠実に体現しているな。毛利さんは今回初脚本ながら、このゼンカイ脳スピリッツを十二分に自分の血肉にして書き上げて下さったと思う(笑)。

実際、そんなつもりもなかった柏餅や鬼ごっこ、磁石とかの方がよほど妹弟たちがピンチだったじゃん。

 

久しぶりのライダー戦隊合体スペシャル、丸々1時間面白かった。

東映公式が紹介した諸田監督の言葉「ゼンカイ成分の含有される話を2話続けて見ると頭がグワングワンする」には若干同意するけれども(汗)。

合体スペシャルだけどセイバーと違い、正規回にカウントされてるのは、ゾックスの初強化回でもあるからかな。

今回はセイバー世界には並行世界を自由に行き来出来るゾックスが、ゼンカイ世界にはゾックス一家とは兄妹という共通点のある神代がお邪魔して、それぞれ上手く機能してキャラの掘り下げにもなったと思う、特に神代兄妹。

あと欲を言えばこの2作品だと、セイバーとゼンカイジャーの青2人、倫太郎とブルーンを出会わせてみたいな。未知の世界への興味とか生真面目なリアクションとか実は凄く似ていて気が合いそうで。互いの世界への好奇心がブルンブルンし過ぎて互いに根掘り葉掘り聞いては互いに持てる知識を際限なく紹介して収拾つかなくなったりして、他メンバーから遠巻きにされる所を見てみたい。