キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

仮面ライダーセイバー「映画公開記念合体SP特別章」: ざっくり感想

今回は合体スペシャルなのでセイバーも感想を。

 

飛羽真、倫太郎、賢人、芽依、この4人がノーザンベースでも飛羽真の店でも屋上でもない、海辺の公園でまったり星を見上げたりしてるのがなんだか新鮮な始まり方。

そこにゼンカイジャーからの刺客その1、オリヒメワルドが登場し、短冊に「恋人たちが喧嘩をしますように」と書くとたちまち周囲のカップルたちが喧嘩を始める。

いつもの敵メギドじゃなく語尾に「オリヒメ」とか付けて作風的に違和感バリバリ、正体不明な相手だけど平和を脅かす敵には違いないと判断して3人は変身して戦う。

そこにゼンカイジャーからの刺客その2、ツーカイザーも登場。

トジテンドも界賊も並行世界を行き来するゲートを持ってるから、特別な事件や超常現象などなくても他所の作品世界に簡単に乗り込める。こういうクロスオーバー作品には打ってつけの存在なんだなと改めて。

界賊の登場に焦ったオリヒメワルドは、短冊を使ってセイバーたちの体を勝手に動かし盾にしてツーカイザーの攻撃から逃れる。

 

飛羽真の店に連れられたゾックスがそこでざっくり自己紹介すると、小説がスランプ気味だった飛羽真は海賊と聞いて大興奮。イマジネーションを刺激され思い付いたアイディアを忘れないうちにメモしようと、オリヒメワルドが落とした短冊に「大事なお宝がなくなってしまう」と書くと、皆のライドブックがなくなってしまった。

思い付いたアイディアを手当たり次第にメモするという、いかにも小説家らしい主人公の行動が、慌てん坊ヒロインのお膳立てもあってトラブルに繋がってしまう流れがごく自然で無理がないな。

 

ゾックスはその間にノーザンベースに忍び込み本を盗もうとして神代兄妹に捕らえれ、皆のライドブックを盗んだ容疑までかかってしまう。でもオリヒメワルドの能力を解き明かしてみせて濡れ衣が晴れ、一転協力してオリヒメワルドを捜すことに。

こちらもゾックスの界賊らしい動きが事態を拗らせて生身バトルの見せ場が生まれ、それだけでなく持ち前の察しの良さも発揮されている。

脚本の毛利さんが2作品のキャラの特性を上手く組み合わせたなと思う。

 

喧嘩しているカップルを捜せばきっとオリヒメワルドが近くにいるという、早くもゼンカイ脳に侵食されてる疑いのある発想でオリヒメワルドを捜す合同チーム。

連れ立って歩いていると飛羽真も賢人も187cm、普段小さく見える倫太郎も179cmだから、173cmのゾックスはどうしても小さく見えるけど、本人の態度がデカく衣装の押し出しも強いから存在感で負けてないのはさすがだ(笑)。

そして本当にオリヒメワルド発見。この辺りのコミカルなテンポはゼンカイジャーの完全にノリだ。

踊りながら変身するゾックスに「なぜ踊るんですか?」と真面目に問いかける倫太郎と、それに「触れちゃダメ」と制する飛羽真と賢人、変身完了後に拍手する3人が楽しい。

特に賢人が、本編では最近までず~~~っと重荷を背負って沈鬱な表情が多かったから、軽やかに飛羽真や倫太郎のフォロー役を演じているのを見て嬉しくなる。そう言えば初期設定か何かで「仕切りたがり」と聞いた気がするけど、こういう場面を見ると確かに若手の中では兄貴格な感じだ。

でも何だかんだ今回も星形ミサイルと短冊「逃げられますように」で逃亡したオリヒメワルドを倫太郎が追い、他はミサイルの直撃で爆発コントみたいなボロボロな姿になった芽依の手当もあって一旦飛羽真の店に戻る。芽依ちゃん役の女優さんは体張ってるな(笑)。

そこで本や物語に価値があるのかというやりとりから、飛羽真が語る形で繰り広げられた織姫(飛羽真)と彦星(賢人)の寸劇が演技もビジュアルもいろいろ酷い(笑)。身長187cmの×2の巨大カップル、しかもここでまさかの女装ノルマ(嘘)達成。

それから話はオリヒメワルドの短冊の謎に移り、あの短冊には本当に願いを叶える力があるのかと疑問が沸いた所に倫太郎からオリヒメワルドを見つけたとの連絡。

 

遊園地で変身出来ないながら倫太郎が生身で頑張って立ち向かっている所に皆が合流。

またも踊って変身するゾックスに

「どうしても踊らないといけないんですか?」と、ただただ心底不思議そうに静かなトーンで呟く倫太郎に、飛羽真と賢人が笑顔になるけど、視てるこちらもほっこり。

そう言えば私も初めてゾックスのあの変身を見た時は、あまりの衝撃に思考と感情が追いつかなくてフリーズしてたのに、慣れって怖いな。

 

戦うゾックスを見ながら自分たちが変身出来ないことをもどかしがる倫太郎に、飛羽真と賢人はしたり顔でライドブックは取り戻したという。

飛羽真たちが「ここにある」と何も持っていない手を差し出すと、芽依にはライドブックがちゃんと手の中に見える。宝だと思っている剣士にはライドブックがなくなったと思い込ませていただけだった。(芽依はライドブックを宝とまでは思っていなかったことが今回判明・笑)

短冊は書いた願いが何でも実現するわけではなく、人の心理に作用して操ったり、叶ったと錯覚させるのだと種明かし。

「この世界を侵略出来ますように」と書けば簡単なのになぜそうしなかったのか、という疑問から真っ当に推理してこの答を導き出したわけだ。

(でもそれなら「この世界の人たちがトジテンドに服従しますように」って書いてたら侵略成功だった気がしないでもない・汗)

ライドブックが見える芽依に3人のライドブックをドライバーにセットしてもらい、同時変身。

なお「時間かけやがって」って台詞からは、ゾックスはライドブックがなくなったわけではないことを知ってたってこと?それはちょっと教えてやれよと思ったり。3人の力をアテにしていなかったってことなのかな。

 

いきなり強化形態×3だともはやオーバーキル状態。これまでの鬱憤を晴らすように入れ替わり立ち替わりオリヒメワルドを圧倒する。倫太郎がタナバスターを凍らせ、賢人が破壊と流れるような連携攻撃で元凶の武器を破壊し無力化。なんだか久々にこの3人がスカッと活躍してるのを見た気がするな。本編だと長らく重苦しい展開ばかりで、飛羽真以外は苦戦要員扱いになっちゃうことも少なくなかったしね・・・。

飛羽真とゾックスが必殺技を同時に繰り出してトドメを刺すと、オリヒメワルドだけでなくトジルギアも同時に破壊されてしまった。メタ的にはセイバー世界で流石にダイワルドまで出す訳にはいかない事情を「セイバーのパワーがそれだけ(ゼンカイジャーよりも)凄いから」っていう理由付けしたのはセイバーへの良いリスペクトになって、それを素直に口に出すゾックスが気持ち良い。基本はカラッとしてるんだよなこいつ。

 

戦い終わって5人がほのぼのとメリーゴーランドに乗ってる。もしかして諸田監督はこの画が撮りたくて決戦の場を遊園地にしてない?とかちょっと思った。

金赤シートの馬車に足組んで座ってるゾックスが衣装と金髪と俺様キャラのせいで妙に似合う(笑)。飛羽真がゾックスに著者を和やかにプレゼントして、それをまた和やかに見守る倫太郎と賢人(馬よしよしが可愛い)がホントに微笑ましくて、この3人がこういう雰囲気で活躍するだけの回がもっと見たかったかもと思ってしまった。

 

なお神代兄妹はゾックスが何か良からぬことをするのでは?とずっと後を付けていたとのこと。

それに気付いていたゾックスは、凌牙兄さんからライドブックを掏り盗り、取り戻そうと兄妹がゾックスの足にしがみついたまま海賊船が並行世界を超えていって、後番組のゼンカイジャーに続く。

飛羽真たちとはごく友好的な関係を築けたけど、お前らはそういうスタンスのままなら遠慮なく海賊として振る舞わせてもらうよ、ってとこかな?ノーザンベースで取り押さえられた意趣返しもありそう。

 

今回はゼンカイ世界から主人公の介人ではなく追加戦士のゾックスがセイバーの世界にお邪魔したわけだけど、大正解だったなと感心した。

並行世界を自由に行き来出来て行った先で海賊行為と称して自分からちょっかい出せるから、他キャラを悪者にしないでヒーロー同士の対立やバトルを生み出すことも、その世界のキャラを別世界に連れて来ることも出来る。

キャラが強いからたった1人でも行った先で埋没することもなくゼンカイジャー要素をアピール出来て、正義を標榜してないから別世界のヒーローの正義と変な形でぶつかったり被ったりしない。

ちょっとシンケンディケイドの時の海東に似てるかな?というか、ライダー戦隊それぞれ初のクロスオーバー作品であるディケイドの士やゴーカイジャーのマベがふてぶてしかった意味を改めて実感した。