キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー8話感想: 終了3分前に空からヨホホイ!ツーカイザー登場

前話ラストで大量の戦隊ロボに立ち塞がれ、大ピンチのまま「続く」だったゼンカイジャー。

ステイシーはまだまだと引き続きロボを出し続ける。

やるしかないとかかっていく勢い重視のジュランガオーン組と、不安と慎重さから「ちょっと待って」なマジーヌブルーン組で反応が分かれるのが、細かいけど納得。勢い重視組が跳ね返されて、そのままトドメか?ってピンチに、突然そのロボたちが次々に消滅した。

ギアトジンガーは一度に使い過ぎるとエネルギー切れを起こすらしい。

戦隊やロボを出せなければたちまち独りぼっちとなり苛立つステイシーと、逆にジュランたちが等身大で合流し逆転モードなゼンカイチームの前に、バラシタラが息子の初陣祝いだと、ドアワルドを連れて登場。

親子のギスギスした会話から、ステイシーの母親は人間だと判明。まあその・・・子供出来るんだってのが驚き。まあ体は叩けばカンカン音がする金属だけど、人間と同じもの食べて排泄もするから生き物ではあるんだけど(汗)。

そして母親が893(やくざ)番目の妻だったことに、マジーヌならずともドン引き(大汗)。これ、子供向けだから「妻」って表現してるけど、侵略した世界から略奪か差し出させた戦利品扱いって可能性も暗示してない?ルパパトで魁利たちの前にメルグ・アリータに食べられた人たちの姿が胃の中に無かった意味を、大人だけは察してエグい・・・ってなるやつみたいな。

 

バラシタラの指示でドアワルドはドアを5つ出現させると介人たちをその中に吸い込ませ、「余計なことを」と怒って立ち去るステイシーに付いていく。

介人たちが飛ばされたドアの向こう側は、どこかの一般家庭だったり会社のオフィスだったりと、行き先不明のどこでもドア仕様。戻ろうとしてもまた別の場所に飛ばされる。

ガオーンが飛ばされたカフェで、人間の男を取り合う女2人(人間とキカイノイド)の姿を見ると、この種族間の分け隔ての壁が緩い世界では、人間とキカイノイドの恋愛は普通にありなんだなとも思うけど、でもバラシタラとステイシー母のはたぶん違うよな(汗)。

取り調べ室でブルーンが同じ東映作品の「相棒」をパロったり、マジーヌが男湯や結婚式場であたふたしたりと混乱がコミカルに描かれ、更にはドアワルドの被害が街の人々にも及んで行きたい場所に行けなくなった、とセッちゃんから知らされる。

なおカラフルから東映の映画館(映写室?)に飛ばされて、神様の思し召しだと嬉々として映画鑑賞に頭を切り替えるヤツデさんの柔軟性と肝の座り方が相変わらずお見事(笑)。

ドアの先の世界が、最初はミスマッチさが居たたまれない身近な場所だったのが、だんだん国内の有名観光地→全世界の観光地とスケールアップしてくの見てると、こちとら現実世界がGWなのにどこにも行けないこんなご時世なのに、あっちはいろいろ満喫してるなって羨ましくなってくるな(涙)。

 

やっと日本のどこかの山中?に戻ってきた介人は、さんざん捜し回ったというステイシーと再会。

介人の全身が全世界のお土産まみれになっていて、短い時間で色んな地域や国の人たちといっぱい交流したんだろなと思うと、介人らしくてほっこりする。一方でステイシーはそんな介人を追いかけて、そういう場所とかも真面目な顔で必死に捜し回ってたのかと思うと、不憫だけどじわじわくる(笑)。

ステイシーにとってはドアワルドの加勢は文字通り「余計なこと」でしかなかったんだな、としみじみ。だけど・・・。

 

介人はドアワルドを介入させるなんてバラシタラにも子供を思う親らしい気持ちがあるんだな、とホッとして笑う。

ここは、私もちょっと気になる。ステイシーから見れば余計なことでしかなかったバラシタラとドアワルドの介入は、ステイシーに捜し回る手間をかけさせた反面、エネルギー切れで使い物にならなくなった銃でゼンカイジャー5人を相手にしなければならないピンチを救った面もあるんだよね。そして後の展開を見れば、捜し回った時間は銃のエネルギーを回復させる時間にもなったわけで。

介人は逆転のチャンスを潰された側だから余計に、バラシタラが親心でステイシーを助けたと感じたのかも。そして敵に対してでもそう感じられたことにホッと出来る介人の枠のなさは、やっぱり相当なものだなと改めて。

 

ただし、バラシタラの口調や様子からは、そんな親心らしいものは今の所は感じられず、当然ステイシーにも伝わっていない。

むしろ介人の言葉は「母親は棄てられて野垂れ死んだ」と思っているステイシーの神経を逆撫でして、お前の両親も同様の運命を辿ったか、逆にお前を棄てたのかもな、と介人を揺さぶりにかかる。

でも介人は全力全開で両親を信じているから揺るがない。行方不明になる前の五色田夫妻は確かに、ちょこちょこ垣間見える情報の断片だけでも子供を棄てるなんてことはしそうになくて、その愛情に包まれて育ったからこその絶対の信頼。

ステイシーにはそんな介人が、自分がどう足掻いても持てないと思っているものをあたり前のように与えられて、それを土台に「お前の両親もそうだろ」とばかりにあっけらかんと押し付けてくるようにしか見えない。

だから「君たちに恨みはないと言ったが、少し変わった」「僕はお前が嫌いだ」と敵認定。ちょっとその気持ちはわかって、ステイシーに同情したくなる見せ方ではあるかな。

 

ステイシーはドアワルドの加勢を拒否してマスクマンとファイブマンの2戦隊を出し、介人を襲わせる。10対1と明らかな劣勢にも諦めずに頑張るも追い詰められた介人の元に、巨大化したジュランたちが合流して2戦隊を蹴散らした(笑)。

ドアを通るから変な場所に飛ばされるんで、ドアを通らずに巨大化すれば体の大きさの分早くたどり着ける。金属の体でもある程度の浮力があるから海も渡れる、と凄く納得な解決方法。

これ、飛ばされた先が一般家庭や結婚式場などの屋内から徐々に屋外にシフトしていったのも、地味に計算されてるよな。

5人はわざわざ吊り橋?に移動して等身大の介人+巨大化4人という絵面でまたも変則名乗り。ゼンカイジャーにはこのまま変則名乗りの可能性を追求して欲しくなって来たかも。

ステイシーは巨大化4人にぶつけるために一旦ドアワルドを破壊(!)し、暴走したトジルギアを回収すると、クダイテストを召喚し大ドアワルドに仕立て上げる。

・・・たぶん余計なことをしてあちこち捜し回らされたことをかなり恨んでいたんだろうな(汗)。まあ、根本的にトジデントに対して良い感情は持ってないから、同族殺しにも躊躇いはなさそう。あと、一撃でドアワルドを倒せるギアトジンガーの威力は、単独のギアトリンガーより上な感じ?

ドアワルドは大量の巨大ドアから巨大クダックたちを出してゼンカイオー2体を翻弄するも、ブルマジーンが空から元凶のドアを一掃。等身大戦も巨大戦も、ドアを使った作戦はその影響力から外れた所で対処されちゃうと無力という弱点を露呈し、このあたりはキカイノイドたちが知能戦で勝ってる感じがして好き。

再び1人にされた介人は今度はフラッシュマンをぶつけられるも、煌めきには煌めきをとキラメイジャーの魔進たちの力で1対5を制する。

ドアワルドもダブル必殺技で撃破され、ならばとステイシーはゲキトージャとゴセイグレートという横手戦隊コンビロボを出すも、突然の黒雲と共に謎のビームに瞬殺される。

この時、録画時間表示0:24:00。

雷鳴と共に雲の中から巨大な宇宙船が姿を見せ、そこから1人の金髪男が降り立つ。その第一声は・・・「ヨホホイヨホホイヨホホイホイ・・・」(汗)

やけにミュージカルチックに歌い出したその男は歌い踊りながら世界から世界へと渡り歩いてお宝を探す海賊だと自己紹介(大汗)。

宇宙戦を見上げて「何だあれ?」という声は仲良くシンクロしたものの、釣られて一緒に踊り出す介人とあくまで真剣にひたすら戸惑うステイシーの反応の温度差がじわじわ来る(笑)。

 

海賊は「ゾックス・ゴールドツイカー」と名乗り、

「ギア、たくさん持ってるみたいね~。とりあえず、頂いちゃおう」

と、どちらかというとゴーカイジャーのバスコみたいなノリでステイシーを標的に定め、タンバリン銃のハンドルをグルグル回してまた踊り出し、変身。

俳優さんはダンス&ボーカルグループ所属とのことで、ダンスそのものはキレキレ。だけど振りはなんだか小さな子が思いつくままに体を楽しく動かしてるっぽくも見える。これ今からもう、楽しそうに真似してはちゃめちゃ踊るちびっ子たちが目に浮かぶようで、ほっこりしてきた。

変身後のツーカイザーは金色で、マスクの人相の悪さはまんま私の一番好きなデザイン、ゴーカイレッド。胸の海賊マークも同じだし、頭に35って付いてるし、なんなら水夫モチーフのゴーカイシルバーよりわかりやすくゴーカイジャーの追加戦士っぽい。ネットにゴーカイゴールドってワードが溢れてたのも納得(笑)。

 

ツーカイザーはステイシーザーをガンガン攻めたてる。ステイシーザーは初陣かつ正統派、ツーカイザーは戦い慣れた喧嘩殺法って感じで、見るからにツーカイザーの方が一枚上。自在でアクロバティックな動き(スーアクが伊藤茂樹さん!)でステイシーザーを翻弄し、ダウンをとる。初登場から2話目でもう土つけられたステイシーさん・・・(涙)。

でも、ゾックスはこぼれ落ちた暗黒ギアを拾い上げて「あれ?なんだこれ?トジルギアじゃないじゃん。せっかく張り切ったのに」と撃ち抜いてしまう。トジルギアに閉じ込められた中に、解放したい世界があったりするのかな?

「冷めるなあ」というゾックスにステイシーは「なんなんだ・・・冷めたのはこっちだ!ゼンカイジャー、勝負はまた今度だ」と退散。せっかく配備された暗黒ギアを初陣で破壊されて、イジルデから責められないか心配だよ。

残されたゾックスと介人たちは

「お前ら、何?」「いや、こっちの台詞!」と互いに言い合って、続く。

この時、録画時間表示0:27:12。このラスト僅か3分12秒間のヨホホイのインパクトが狂ってる(汗)。

・・・いや正直、この第一声ヨホホイな歌って踊る追加戦士を初めて見た時は、どう受け止めていいかわからなくてただテレビの前で変な汗かきながら脳がフリーズしていた(笑)。

でも、次回が中澤監督だと知って、ルパパト4話でつかさの演技演出ラインをがっちり固めてくれたのを思い出すと、きっと今回もどう受け止めれば良いかガイドラインみたいなものを示してくれるだろうみたいな安心感が凄い。安心と信頼の香村中澤コンビだ。

 

一方で、ゾックスのゴールドツイカーって姓からしてこいつが追加戦士なんだなって迷わず思える命名法則見ると、じゃあやっぱりステイシーは捨て石なんじゃん・・・ってなるのが今から不憫過ぎる。その母親の運命も、考えるほどに闇が深くてエグい。

ステイシーを見ていて、誰かを連想したくてずーっともやもやしてたけど

・中性的で妖しさのある美少年

・母親の悲惨な最期から自分の一族を憎んでいる

・同族からは捨て石扱い

・光属性への嫉妬や屈折した嫌悪

バナナフィッシュの月龍かな?あんまり戦隊の敵キャラには見かけないナイーブな感じだ。

でも敵も味方もギャグ方面に振り切ったこの狂った世界で、独り不幸な生い立ちからの影をどっぷりと背負いシリアス路線を走り始めた矢先の初変身後2話目にして、空から降ってきたヨホホイ野郎を「どうぞどうぞ」と押し付けられるのは、また別のベクトルで不憫過ぎる(笑)。早くこっちの世界に馴染んで楽になりなよとも思ってしまった。

 

香村さんは過去のメイン脚本では、ジュウオウは7話、ルパパトは8話でサブライターが入ったけど、ゼンカイジャーは少なくとも次回9話まで独りで書いている。

こんなに早くから追加戦士まで出す激動展開じゃ他の人に任せられないだろうけど、プリキュア終盤からほぼ間を置かずにこの設定とキャラ配置に関わって、毎回面白怪人アイディアを次々繰り出してちゃんとドラマにしてるのは、本当頭が下がるよ。