キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー7話感想: ステイシーザーにパイセンにロボ大集合とか情報量多すぎるけどガオーンメイン回

介人が機械タコ焼き屋と互いの世界の食べ物交換をしていると、前回登場した謎の青年がそこで機械タコ焼きを食べていた。介人がアイドルやバンドマンかと推察したくなる非日常的な衣装やミステリアスな雰囲気とタコ焼きの組み合わせがかなりシュール(笑)。

青年は、一方的に食い気味で話しかけてくる介人に対しては変な奴とは思ってもあからさまに邪険にする訳じゃなくて、わりと印象はソフトでスマート。

介人はアルバイターだと自己紹介。カラフル勤務だけを仕事にしてるってわけじゃなかったんだ。考えてみればヒーローやる前からどう見ても世界初探しの方が店より優先順位は高いんだから、本業を疎かにしてますってより真っ当かな。

 

カラフルではキカイノイドが嫌いなガオーンとジュランとの喧嘩が始まっていた。寿司回で「米を炊けーっ!」と率先してリーダーシップ取ってたのは、やっぱり介人のピンチを救うためと食べ物のことだったからか。スーさんが、介人もヤツデさんもいない時の名物だと楽しんでいるくらいには日常茶飯事らしい。

そこにヤツデさんが出て来て叱るとコロッと猫を被り、スーさんを負ぶって荷物も持ってあげるなど、ガオーンの人間とキカイノイドに対するあまりの態度の違いにストレスためたジュランたちが街に出て愚痴っていると、クダックたちが人間を襲っている場面に遭遇。

 

連絡を受けた介人がダッシュして先を歩いていた青年を追い抜くと、煽られた青年も釣られてダッシュ(笑)。ま、負けず嫌い?

介人との競争が意外と楽しそうだったり、到着して一瞬口元が綻んだ後に真顔で向き合ったりと、予想以上に等身大の若者感というか子供っぽさがあって可愛いな。

一足先にクダックを片付けたジュランたちとの会話から介人がゼンカイジャーだと知った青年は、ギアトリンガーと色違いのギアトジンガー(たった1文字違いでちゃんとトジデント色を出してるネーミングが素敵)に暗黒ギアをセットして発砲すると、ゴレンジャーが実体化。

私は未見だけど劇場版からの地続きとのことで、介人たちはゴレンジャーを先輩扱いし親しげに話しかける。でもそれにいきなりの攻撃で応える先輩たち。やっぱりゴーカイジャーのバスコの能力と同じく、スーパー戦隊の戦士を実体化して意のままに操れるんだ。

青年はイジルデからの依頼だと言い、トジデントの仲間かと聞かれると「仲間?やめてくれ。僕はステイシー。それ以外の何者でもない」と、自分の父親が幹部やってる組織とは距離があることを伺わせる。

というかその姿じゃとてもじゃないけどあのトジデントにまともな居場所なんかなさそう。特に同年代の友達と気の置けない付き合いなんてあったと思えないから、介人とのたったあれだけの競い合いでも楽しかったのかな?と思うと、もうこの時点で不憫になってくる。

青年は立て続けにボウケンジャーマジレンジャーも実体化して襲わせて、さすがにゼンカイジャー側が劣勢。

遅れて駆けつけたガオーンは状況に戸惑ったまま戦えず、元凶を絶とうと青年に襲いかかるジュランを咄嗟に止めて青年を庇ってしまう。多勢に無勢のところに仲間割れまで加わってゼンカイジャー崩壊の危機に、介人たちは一旦撤退。

 

カラフルではジュランがガオーンに怒りを爆発させる。

「ゴレンジャーパイセンたちとはまともに戦わねぇ!ステイシーは庇う!人間さえ守れりゃ、マジで俺たちはどうなってもいいってか?俺たちは一緒に戦う仲間だろ!」

ぐうの音もでない正論を突きつけられて「でも君達は!・・・キカイノイドだろ!」と絞り出すようにガオーンが飛び出し、介人が追いかけた後、ヤツデさんが

「ガオーンちゃんはさ、ある意味あんた達を信用してんだと思うよ。自分もおんなじキカイノイドだから!」と言いながらジュランをバシバシ叩くと、カンカンという金属音がいつにも増して印象的。

叩いても絶対にそんな音はしない軟らかい人間であり、そんで自分では戦えないヤツデさんは、だからこそいち早くガオーンの真意を汲み取っていて、それを皆にわかって欲しいと思ってるんだろうな。皆のことを見守る温かい視線に加えて今回は、何となく庇われている人間としての心苦しさも表情に感じる。

 

混乱して1人落ち込むガオーンに追いついて「俺のこと、いつも庇ってくれて、ありがとな」とまず気遣いから入る介人が素敵。ガオーンがステイシーを庇ってしまったのは、介人たち人間を無条件無差別に庇ってくれることと表裏一体。前回のヘロヘロなブルーンへの「ずっと1人で片付けててくれたから」もだけど、まず彼らがしてくれたことに対してきちんと認めてフォローする介人の好感度が上がっていく。

そんで、それに対するガオーンの答えから、キカイノイド嫌いの根底にトジテントへの嫌悪感と無抵抗な庶民への失望があって、この世界の生物への愛の根底に自分達ほど頑丈じゃない存在を守りたい気持ちがあること、ジュランたちについては一緒に人間たちを守って戦う同志だと考えていることが判明。それが人間の姿をした敵の扱いへの葛藤の中で浮き上がるのは、強きを挫き弱きを守る迷えるヒーローって感じで好きだな。

あとガオーンはステイシーの「イジルデからの依頼」を聞いていないから、ステイシー=トジデントという実感がたぶん他のメンバーより弱い。

一方、介人も「情けなくないよ。迷うの、わかるし・・・正直俺も、ステイシーの事どうしたらいいかなって」と人間であるステイシーと戦うことを迷っていた。

「てか、ジュランたちが凄いんだよな」

 

戦隊って長いこと、侵略してくる異種族との戦いがメインで人間ならば無差別に守るのがヒーローのあり方だったけど、ゼンカイジャーは異種族間闘争じゃなくてキカイノイドには同族殺しをやらせてる。同じキカイノイドでも敵なら倒すんだから同じ人間でも敵なら倒すのが、本来は平等ってもの。

その心構えが既に出来てるのがジュランマジーヌブルーン。

人間への愛と保護欲が勝ってそこ保留なのがガオーン。

人間は同族だから、が無意識にあるかもなのが介人って感じだろうか。

でも介人はそもそも1話でジュランにナチュラルに同族殺しを要求してるんだから、いざそれを自分がやれと言われたら躊躇うのはダブルスタンダードで狡くない?って見方も出来る。そうは言っても正直な感覚ではあるかなとも思うけど。

ただ、介人のは、突き詰めるとヒーローが人間の命を選別するのか?ってややこしい問題に足突っ込みかねなくて取り扱い注意だと思う。触れない方が無難かもしれない。

でもそこから目を逸らすんじゃなくて、覚悟決めてる3人は凄いねってちゃんと誉めて、それに比べて俺たちグダグダだねって軽く駄目出しして、でもすぐに答えが出なくても仕方ないよ迷おうよって見せ方は、綱渡り的なバランス感で今のところ好きかな。

そんでこれが介人だけだと人間側のエゴが目立ちそうなところを、ガオーンも加えて緩和してる狡い見せ方(誉めてる)なのか、それとも介人はその前に穏やかに喋ったりダッシュ競争したりしてるから、迷いの要素には「そんなに悪い奴じゃなくない?」って気持ちも本当はあるけど、ここでは敢えてガオーンの気持ちに寄り添わせることを優先しているのか、あれこれ香村さんの思惑を推測してみたくなる。

 

そこにまたも、ゴレンジャーとガオレンジャーという、メタ的には介人とガオーンのモチーフ戦隊を率いたステイシーが追いつく。

介人は「父ちゃん母ちゃんがいいって思ったヒーローがトジテンドの手先になる筈が無いから、偽物だから倒していい」と、こっちは割り切る。

ステイシーに対しては態度を決めきれず、まずはは話して見るという介人に、ガオーンはその間先輩たちは自分が引き受けると戦闘開始。駆け付けたジュランたちが状況を把握出来ずに戸惑っていると、

「ぼさっとしない!こいつら倒して、介人を助けるのが今の僕らの役目だよ!」と、さっきの自分を棚に上げたともとれるガオーンの言い草(笑)。

いや、これは、ガオーンにしてみれば迷いを吹っ切れた証でもあるけれど、マジーヌやブルーンが腹立てるのも無理ない。私もこういう時は野暮でも一言謝って欲しいタイプ。

でもそれを「生意気な。<ぼくらの>ね。癪だけど、今日のところは折れてやるよ」と、ガオーンの仲間意識を汲み取って大きく受け止めてやるジュラン、凄く大人で、良い奴だ。

 

一方、「おまえ人間だろ?キカイノイド?なんでイジルデの味方すんだよ?」と問い詰める介人に

「人間かもね、半分は」とステイシー。キカイノイドと人間のハーフ?それって物理的に可能なの?と謎が深まる間もなく、暗黒チェンジで、紫のスーツの戦士ステイシーザーに変身。マスクや「邪バーン」という音声からバトルジャパンモチーフってことみたいだけど、なんだろう、戦隊の戦士というよりは、それから外れた、ちょっと昔の自分が子供の頃に見た特撮ヒーローって感じがして懐かしい。

その姿をモニターで見守るバラシタラに、なぜステイシーを選んだのか尋ねられたイジルデは「なるべくゼンカイザー、つまり、人間に近いもので試したくてねぇ」と、そこに同僚の息子を尊重する雰囲気皆無なモルモット扱い。

それを聞いて「なるほど。実験兵士か。あんな奴でも役に立つとは」と、父親バラシタラからも出来損ない扱いで、これは確かに「僕はステイシー。それ以外の何者でもない」ってアウトローな心境になるわと改めて納得。

それでもイジルデの依頼を、誰かを超えるために受け、「恨みはないが」と繰り返しつつゼンカイジャーを倒そうとする。生まれながらの異端者で自分の立ち位置に忸怩たる思いが凄くありそうで、かつ根はそんなに悪い奴ではなさそうというのは介人じゃなくても私も感じる。とっとと介人達の仲間になった方が幸せになれそうだなと、登場早々でここまで思わせる敵も珍しいかな。

ステイシーザーの放つ銃弾が頬を掠めて血が滲み、ここに来てやっと、介人はステイシーと戦う決意をする。

「わかった。おまえと戦うよ。俺、何がなんでもやられるわけにはいかないから!トジテンド倒して世界守ったり!父ちゃん母ちゃん取り戻したり!世界初ゲットしたり! やりたい事たくさんあるから!!」

いろいろ並べてはいるけれど、とりあえず今回は、ステイシーを倒すべき悪と見なすというよりは、そこ保留にして正当防衛という理由に着地したってことでいいのかな? 

個人的に取り扱い注意なテーマだと思うんで、結論を急がず慎重に向き合って欲しいな、と思う。

 

介人はガオーンにガオレンジャーのギアを渡し、それを使ったガオーンたち4人は野生大解放(嘘ガオラオ)で偽物ガオレンジャーを一掃。更にゴレンジャーの力で偽物ゴレンジャーとのゴレンジャーハリケーン対決も制する。

するとステイシー、今度はジュランたち4人のモチーフになった戦隊のロボ、大獣神・ガオキング・マジキング・ダイボウケン

をDX玩具の箱(笑)から召喚して、セッちゃんが大興奮。

ステイシーを介人に任せて、ジュランたちも巨大化&合体し立ち向かう。でも4対2で普通に苦戦し、合体解除に追い込まれる。等身大戦の姿で巨大化してるのは新鮮だな。

もう一度合体するのは戦闘中の介人の負担が大きいからと、4人は更に巨大化して踏みつぶすことを思いつき、もう一度ギアを銃にセットすると、4人ではなくギアトリンガーが巨大化し、ゼンカイガトリングバスターに。

スーパー戦隊名物・必殺バズーカっぽくなったチュン!」とセッちゃんは言うけど、通常のそれは等身大戦の必殺武器。今回はそれが巨大戦に登場したのが、戦士がそのまま巨大化するゼンカイジャーらしい新機軸な感じ。

更にメタ的なこと言うと、正確な縮尺はともかくこれ、なりきり玩具のギアトリンガーとゼンカイジャーのロボ玩具の組み合わせでそのまま再現可能ってことになるのでは?ロボとなりきりの連動をこういう形に持って来たのかって驚いた。ビークルを銃にセットするルパパトの連動方法とは逆に、なりきりをロボに寄せるパターン。

介人から受け取った10番のギアをセットし、偽物ロボたちを撃破。したのも束の間、ステイシーは更にロボを12体も出してきて、なんなのこの大ピンチ?状態で、続く。

やっと偽物を倒したと思ったらもっと多くの偽物が!ってのも、ゴーカイジャーのバスコ登場回を思わせる。

そんで予告に出てきた新キャラが、見るからにゴーカイジャーのマスクそのもの。

2話に渡って過去戦隊召喚できる美形の顔出しライバルキャラ出して、なんか実は後で追加戦士になります的なポジションなのか?と疑う間もなく、次の回で絶対こっちが追加戦士だろ感満載なキャラ出してくる所も、ゴーカイジャーのバスコ登場→鎧登場を思わせるけど、嫌いじゃない。むしろ楽しみ。

 

ちなみに、戦隊の最初の追加戦士の加入時期は、というと

・ゴーバスターズ以前

→ 17~20話前後が多い(6月夏休み商戦前)

・キョウリュウ~ルパパト

→ 非宇都宮戦隊:10話前後(GW商戦) 

→宇都宮戦隊→17~20話のまま

リュウソウ(3月開始)

→14話(6月)

・キラメイ(3月開始&5話中断)

→12話(6月)

・ゼンカイジャー

→ 8話(4月)

 

と、キョウリュウ以降最初の追加戦士投入は宇都宮戦隊以外早まる傾向だった。3月開始になって以降は話数は早いものの時期は6月に戻してたけど、ゼンカイジャーは時期も4月にしてきたから、余計に前倒し感が強いのかな。

そんでこの、過去最速かもしれない追加戦士投入の前に初期メンバー紹介を7話まででギリギリ2巡もこなしてしまう香村さんの手際の良さに感動してる。

しかも人間体の敵キャラ登場って新展開をがっつり描きつつ、そこに人間を無差別に愛しているガオーンの葛藤をぶつけてメイン回を、しかもこの怒濤の情報量の中で成立させる計算高さ(誉めてる)が好き。