キウイXのつぶやき

今はスーパー戦隊関連、特にルパパト関連の呟きその他をまとめたり考察したりしてます。ルパパトのノエルのスピンオフについて二言目にはしつこく要望してます。

ゼンカイジャー6話感想: 掃除大好き男のプライドと片付けられない女の逆襲

片付けられない女マジーヌとお掃除大好き大得意男ブルーンとのコンビ回。

キカイノイドの男衆は介人の部屋で雑魚寝だけど紅一点のマジーヌはヤツデさんの部屋に寝泊まりさせて貰っている。その部屋がマジーヌの散らかしですっかり汚部屋と化し、掃除が追いつかなくなったヤツデさんがブルーンに助けを求めるも、図書館に行っていて不在。

代わりに介人たちが乗り込んだ時にマジーヌは平気で本を読んでいたので、ヤツデさんは掃除が得意なブルーンが片付けてくれるならそれで丸く治まると思って、この時点ではあまりマジーヌに対して事を厳しく言おうと思わなかったってことかな?

ジーヌは介人たちが乗り込むまで片付けのことは全く頭になかったのか、やろうと思いつつ他の興味があることをついつい優先してたのか、自分のそっち方面への適性のなさにどこか諦めの境地だったのか、指摘されて慌てて形だけ片付けようとするのがリアルで、私もあそこまでではないものの片付けが苦手なので、このあたりは他人事に思えず肩身が狭い(汗)。

 

一方ブルーンは図書館帰りに街をゴミ塗れにしているゴミワルドに遭遇し、掃除好きとして許せないと戦闘開始。介人たちも合流して形勢不利になったゴミワルドは自分の作ったゴミ山の中に逃げ込み、内側からゴミを吐き出し続けて山は拡する一方。

このままじゃ地球がゴミに飲まれてしまうと、ゴミワルドにたどり着くためにゴミ山の掃除を開始した介人たち。

ブルーンは物凄いスピードと手際で見る見るうちに分別したゴミ袋を積み上げていく。だけど他メンバーはというと、介人は捨ててあった漫画をつい手にとってしまうお掃除あるあるトラップに引っかかり(笑)、ジュランはゴミ分別がダメ、ガオーンは猫がゴミに埋もれてる!と助けたらぬいぐるみだったと黄昏て、マジーヌに至っては却って余計にちらかしてしまう。

そんな彼らに駄目出ししまくり、もう自分1人でやると宣言するブルーン。どちらかというとここは、ブルーンの言うことは正論だけど、皆が皆彼のように出来るわけじゃないんだからもうちょっと言い方や態度考えた方がいいんじゃ?って見せる意図もあったのかな?

だけど、本来は彼ほどの好奇心の強さでこっちの世界のゴミの山を片付けたら介人の漫画で脱線なんてレベルじゃ済まないだろうに、掃除の時は完全にそっちのスイッチを封印して完璧に片付けを遂行してるってわけで。物凄い克己心の強さだし、掃除のプロフェッショナルとしてプライド持ってるんだなって、ここは尊敬しかない。

「死にそうな猫ちゃんはいなかった。良かったじゃないですか」って言い回しは、ブルーンにしては洒落ていて、本とかで読んでいつか使ってみたいと思っていたのかな?と思ったり(笑)。

足手纏い宣告されてカラフルでの待機を命じられたマジーヌは鉄板の陰で体育座り。それに対するヤツデさんたちのやれやれ感とセッちゃんの「自業自得」がマジーヌの日頃のやらかしっぷりを実感させて、何だかこっちまで居たたまれない(笑)。

 

そんなゴミに塗れた街を見下ろして「酷く汚い世界だな」と呟く怪しげな青年が登場。絶対に一般人じゃないよね新キャラだよねって感じの裾の長い黒い衣装を纏い、この世界を「スクラップにされたと思ってた」と言ってトジテント側に属していることを匂わしている。けど姿は人間そのものなのはイレギュラーな存在感バリバリ。

介人はそんな彼に世界は自分たちが守ると話しかけてる途中で体に何か電波?が走り「世界初のヒーローに・・・なれるかなあ・・・」と急にやる気をなくしてへたり込んでしまう。

介人の周囲にいた一般人たちもジュランたちも同様で、頼みの綱のブルーンも「なんでしょう、この暗い気持ち?最近、本で読んだ・・・望まぬゴミに囲まれた生活は、心を蝕むという現象でしょうか・・・?」と苦しそう。

「俺のゴミから出したゴミ電波で精神を蝕み、人々がゴミのようになる。これぞ、世界をゴミで包む計画の本質ゴミ!」ってゴミワルドの仕業。一瞬、謎の青年の能力かと思ったけど違った(笑)。

 

ゴミはますます世界中に溢れ出してカラフル店内にいたヤツデさんとセッちゃんもゴミの山に飲まれてしまう。

これ、東映公式によると東映撮影所内に「予算も手間もかけさせ」「各パートが丹精込めて用意した膨大な量のゴミ」だそうで、凄いな。どこから持ってきて、撮影が終わったらどこに片付けたのか、考えると気が遠くなる(汗)。そんでこういう所に予算かける心意気が凄いよ。

体の小さなセッちゃんは完全にゴミの下敷きで抜け出せなくなっている。けどヤツデさんも無気力で助けられない。

それを猛然とマジーヌが助け出す。・・・ゴミに囲まれて暮らすのに慣れてるからゴミ電波に耐性がありわりと平気ってことみたい。そして片付けは下手だけどゴミの中から必要な物を探し出すのは得意。

 

一方、ゴミワルドがここならば絶対安全と安心しきっていたゴミ山の中心部に、無気力にされたはずのブルーンがふらふら状態で辿り着いた!。

「このゴミの中どうやって?!」と驚くゴミワルドに「片付けたのです!あなたの事も、片付けます!」とあくまでプライドと根性と執念で正面突破し、ゴミ山を吹き飛ばすブルーンが格好良すぎる。

今回は、片付けられないという欠点を持つマジーヌがその欠点故にこの後状況を打開出来たって展開なんだけど、その前にきっちりとブルーンの「どんな状況だろうと掃除を遂行し抜く」強さというか凄みにきちんとスポットを充てて貰えたのは、頑張った人には報われて欲しいから嬉しい。ホント今日のブルーンは物の言い方をとやかく言うのが申し訳ないくらいご苦労様だよ。

だから、こちらも根性で合流した介人たちがちゃんと労ったり、その3人がゴミとして袋詰めされて戦闘不能になり1人で戦うも押され気味なブルーンを見て、介人が「疲れてるんだ、ずっと掃除してくれてたから」とちゃんとフォローしてくれるのは気持ち良い。介人は第1話を底に順調に好感度上がってるけど、今回のは特にポイント高いよ。

 

とうとう吹き飛ばされてゴミ山の中に突っ込んでしまったブルーンを、駆けつけたマジーヌがまたしてもあっという間に探し出す。「ゴミの山から物探すの慣れてるんで!」と片付けられないという欠点持ちだからこその強みが、こんな異常な状況下では活かされた。

香村さんはジュウオウジャーでも、一生懸命スイッチを探しても見つからない苛立ちからチームが崩壊しかけたのを、普段サボり気味な反面思い詰めすぎないアムが治めた描写をしてた。

欠点を全否定せず良い面もあると認め合うことが大事っていう描き方を意識されているようで、それがジュウオウジャーに続いて異種族交流がテーマな面もあるゼンカイジャーにも、ハマってるなと思う。

 

助けられたブルーンは、「掃除の続き、自分も手伝っても良き?」とおずおず申し出るマジーヌ(助けたからといってもあくまで下手な感じが好き)に、「済みませんでした。よろしくお願いします」と頭を下げる。「こちらこそ!」と心を1つにしていくのが見ていて凄く気持ち良い。

それを見て介人たちもやる気を取り戻す。ゴミ袋から手足だけ突き破った状態で「生ゴミパワー」「粗大ゴミパワー」「不燃ゴミパワー」、ついでにマジーヌも「片付けられないパワー」と、ブルーンの「お掃除パワー」がまともだと錯覚してしまう気の狂った名乗りにタライまで落ちてきた(笑)。

「貴様等、それで良いゴミ?」に心から共感する間もなく「世界初!ゴミのヒーローだ!」と豪語する介人に、本当に世界初なのか検索を始めるセッちゃんとか、もうツッコミが追いつかない(笑)。

ゴミ袋組も普通に戦ったら強く、ゴミ山の中に逃げたゴミワルドをマジーヌがマジックショーと称して助手のブルーンに垂れ幕を張らせ、「ワン、ツー、スリー、ハッ」でノリノリで登場させた時には、もはやツッコんだら負けのような気がしてきた(笑)。

ジーヌとブルーンのコンビはゴーバスターズをイメージしたスピードとパワーの技で圧倒し、最後は5人でトドメ。

「怪人が起こした問題は怪人を倒すとだいたい解決する」の法則で、あれだけ世界を覆っていたゴミもすっかり消滅。合成全開だったコオリワルドの時と違って今回はゴミの質感が生々しく迫力あったから、ヤツデさんの「助かった・・・」が凄く実感こもっていて、こちらもホッとした。

 

だけどバラシタラがクダイテストを出撃させダイゴミワルドになると、またまた世界はゴミだらけ。しかもゴミも巨大化してる。

ゼンカイジャーは怪人が並行世界の力を使うからか、被害のスケールが大きいことがここまで多くて、しかもワルドを倒して一度世界が元に戻り助かったと思ったら直後にもう1回その被害がスケールアップして襲ってくる。

私だったらかなり嫌だなと思うし、あの世界に住む人たちは精神的に鍛えられているんだろうなと思う。まあもともと私たちと姿形は同じでも「キノコ生えるくらい良くない?」とか言えちゃう大らかな民族性な方たちだし、5回もワルドの襲撃を経験したらそういうものと慣れたかもだけど。

 

ゼンカイジャーはジュラガオーンとマジブルーンで応戦。ポリバケツを被せて目隠し&ゴミを操って攻撃させてくるダイゴミワルドに苦戦するも、マジーヌが「まだまだ全然使えるし!」と魔法パワーを注ぐとリサイクルされてゴミでなくなり無効化(笑)。

・・・そう、捨てられない理由の大きな1つが「まだ使えるのに勿体なくて」なんだよ。結局使わなくて溜まっちゃうんだけど(汗)。今回は自分の片付けられないコンプレックスが微妙に刺激されて心穏やかに見られない(笑)。

ジーヌの繰り出す片付けられないパワーあるある魔法で反撃に転じたゼンカイジャーは、最後はマジブルーンの突撃ツルハシ攻撃(技名聞き取れず)でフィニッシュ。

ダイゴミワルドが倒されても微妙に残っている巨大ゴミをロボ2体が巨大箒で掃いてる絵面がシュールだ(笑)。

 

一件落着したカラフルでは、今回お手柄なマジーヌが自己肯定感に目覚めてた(笑)。

「自分くらいの方が逞しく生きれて良いって考えもあるんで」と開き直って「はい、勉強になります」と殊勝なブルーンに「分かればよろしい!」とか調子に乗るから、このあたりからヤツデさんの反応が気になってヒヤヒヤ。

案の定食べたお菓子のゴミを片付けずに部屋に戻ろうとしてヤツデさんから「だからゴミはちゃんと捨てなさぁい!」と雷が落ちた(汗)。ヤツデさんの顔がマジでイラッとしてる(大汗)。

・・・無理もないよね。親切心で自分の部屋に住まわせたら、これまでの長い人生で初めてレベルの汚部屋にされて、やらかした張本人が、のほほんと「自分くらいの方が」なんて開き直ってお茶飲んでたら、ぶん殴って追い出しても許されると思う。

いくら今回はその欠点のおかげで助かったとしても、ブルーン曰く「望まぬゴミに囲まれた生活は、心を蝕むという現象」に曝されてる状況が続くのはたまったもんじゃないからなあ。けど、叱る時は叱って後を引かずに、マジーヌが慌てて転んだ時の「そそっかしいねぇ」ってポンポンとか、ホント懐が海のように深くて広い人だと思う。

私もあそこまでじゃなくても片付けられないマジーヌが他人事でなく、欠点としつつも良い面にもスポット当てて貰えるのは、それぞれの個性を闇雲に否定しない優しい世界でゼンカイジャーらしいなと思うと同時に、なんかすみませんホントにいいんでしょうか?みたいな後ろめたい気持ちにもなって今回は複雑な心境(汗)。

 

一方、トジテントでは、バラシタラがゴミトピアの解放を確認していた。

ゴミトピアはきっとゴミの溢れた汚い世界で、ボクシングトピア以上に解放しない方が良かったんじゃ?って気もする。

けど、現実のゴミ屋敷のように周囲にはみ出して実害が及ぶんじゃなく、その並行世界の中で完結してそれなりに平和に暮らしていたのなら、無闇に否定せず尊重すべしっていうのもゼンカイジャー世界なのかもしれない。

そこにあの謎の青年が華麗に宙返りしながら舞い降りて「忘れたの?息子の顔を」と衝撃の一言で、続く。

予告ではステイシーと名乗っていたこの青年はまるっきり人間の姿。

戦隊の敵はたまに着ぐるみの中に人間体を持った同族が混じることもあるけど、ゼンカイジャーはガオーンの嗜好とかもあったりして人間とキカイノイドの姿の違いを意識的に描いているから、思いっきりゴツいキカイノイドそのもののバラシタラと親子と言うからには、それなりの事情があるんだろうな。

そんで予告ではガオーンが彼の存在に戸惑ってるっぽい。ゼンカイジャーは敵を種族で区別しない=種族や姿形で差別しない、と打ち出してる。けど、じゃあ人間は人間の姿をしているというだけで無条件で守られるべきっていうのは別の意味で差別じゃないの?

ってのを人間の姿をした敵を出すことで、しかもこの世界の生き物の姿を愛するが故に人間に対しては博愛主義者みたいになってるガオーンに突き付けるんだとしたら、シビアだなと思った。